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第1章 嫁入りは突然に。そして新生活。
第11話 発見
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どうすれば良いのだろう。箒を持つ手を忙しなく動かしながらも、ライサの胸は不安でいっぱいだった。
ニーナに告げられた期日は、もう明日に迫っている。正確には明日の夕食時、村長の家で村人たちも集めてお披露目会をする予定となっていた。
ザックは焦っても仕方がないとライサを慰めつつ、素材から思いつくものがあるかもしれないと魔物を狩りに出かけてしまった。
じっとしていることができず、ライサは家の掃除をして待つことにしたのだが、焦る気持ちは変わらない。
「どうしよう……」
弱々しい自分の声が、静かな部屋の空気を震わせる。ライサは掃除をしながら、作業場を見回した。
今までザックと色々な案を出し合った。洋服だったり食器だったり、一応武器などを作るアイデアもあったが、どれもピンと来なかった。
後は、何が残っているだろう。
「駄目ね。少しは落ち着かないと。焦ってても、良い案はでないのよね」
呟いた瞬間に手元から注意が逸れ、ライサの箒が机の角にぶつかった。机の脚が振動で揺れて、下から何かが転がり出てくる。
深い緋色をした小さなもの。この赤色は、もしかすると魔核だろうか。とても小さいので、ザックが粉々にしてしまったものの一部かもしれない。
ライサは身を屈め、何の警戒もせずにその欠片に手を伸ばした。
「熱っ、え?」
指先に伝わった熱に、咄嗟に指を引っ込める。もう片方の手で魔核の欠片に触れた指先を包み込んだ。
いや、思いがけないものが熱を持っていたから驚いただけで、それほど熱くはなかったかもしれない。
もう一度、今度は慎重に指先を伸ばす。何度かつついて温度を確かめてから、改めてそれを拾い上げた。
確かに、魔核の欠片である。大きさはライサの親指の爪くらい。それでもしっかりと感じる熱に、ライサは目を見開いた。
どう言うことだろう。てっきり、魔核は割れると効果を失うのだと思っていたが、自分の思い違いだろうか。それにザックは確か、魔核の力は強すぎて火傷をしてしまうと言っていたのではなかったか。
手のひらに乗った熱は、火傷どころかむしろ心地よいくらいである。
「これって……」
「ただいまー、ライサ! いい素材になりそうな魔物はいなかったけど、昼メシは手に入れたぞー!」
突然開かれた言葉と大声に、ライサは文字通り飛び上がって驚いた。その拍子に、手のひらに乗せた魔核の欠片が落ちて、入り口に立つザックの方へと転がっていく。
「ごめん。驚かせちゃったか。ん、これなんだ?」
「あ、その、魔核の欠片みたいなの」
飛び出してきそうな心臓を押さえて、ライサは深呼吸をする。ザックは魔核の欠片、と不思議そうに呟くと、ライサの持つ箒に視線を向けた。
「ああ、掃除してくれてたのか。ありがとうな! そっか、この欠片、片づけ忘れてたんだな。また森に還しに行かなきゃな」
「ザック、その」
落ち着きを戻したライサは、先程気づいたことをザックに告げた。
「魔核の欠片が、あたたかいの」
「……何だって?」
彼は怪訝そうな顔をして、魔核の欠片を拾い上げる。確かめるように何度かそれを握って、目を大きく見開く。
彼もひどく驚いているようだ。
「私、ザックの話を聞いて、魔核は割れると力を失うんだと思ってたんだけど」
「そのはずだ。――いや、違うな。そもそも今まで、割ろうなんて考えを持つ人がいなかったんだ。貴重なものだし、割ったりしちゃいけないものだと思い込んでた。力加減が下手くそで、馬鹿力なおれだからたまたまそうなっただけで」
ザックは呆然と手の中の欠片を見つめている。
魔核は割っても力を失わない。しかもこの欠片が素手で触れると言うことは、割った分だけ力は弱まっているのではないだろうか。
だったら――。
ライサの頭にある考えが浮かんだ。宝物を見つけたように、ワクワクと胸が踊って気持ちが高揚していく。
「魔核が割れても力を持つのなら、しかも割った大きさに応じて『力』の強さが変わるなら……敢えて割って使うこともできるのではないかしら? それなら」
ザックが息を呑んだ。ライサの言いたいことが伝わったのだろう。彼の赤い瞳がキラキラと輝きを増していく。
次の瞬間、ライサの全身を、熱のかたまりが包み込んだ。
「すげぇ、ライサ! すごい発見だよ! 今まで、この村の誰も気づかなかったことなんだ! やったなぁ! 本当にすごいなぁ!」
どうやら自分は、ザックの胸の辺りに顔を押し付けられている。いや、抱きしめられている。
自覚した瞬間、ライサの全身が火がついたように熱くなった。肩に回された腕は力強くて、その中にすっぽりと収まる感覚はなぜか安心感を覚える。
いや、違う。そんな場合じゃない。
「ざ、ザック。その、そろそろ離してくれないかしら?」
「あ、ああ、ごめん! つい嬉しくて」
なんとか冷静を装いそう告げると、ライラを包んでいた熱がパッと離れていく。
少し残念だなんて思ってない。思ってないわ。
ライサは必死で自分にそう言い聞かせる。余韻が残っているのか、顔が熱い。
動揺を隠すため、ライサは敢えて淡々と尋ねた。
「でも、ザックは何度も魔核を、割っちゃってたんでしょう? どうして今まで気づかなかったのかしら」
「おれ、普段はもっと粉々にしちゃうだろ? だから上手く魔核の力を感じられなかったんだと思う。今回、たまたま大きめの欠片が残ってたから気がつけたんだな。しかしどおりで、魔核を埋めた場所の雪が少なかったり、時々妙な現象が起こったりすると思った」
それは、もっと早く異変に気づいても良かったのではないだろうか。
ライサは呆れて、雪森狐のような眼差しをザックに向けた。
「とにかく、これは試してみるしかないな! 早速、魔核を割ってみようぜ!」
「じゃあザック、貴方がまた……」
「いや、ライサがやってくれよ」
驚いて見上げると、彼は苦笑を浮かべながら頬をかいている。
「その、おれがやったらまた粉々にしちまうかもしれないし、ライサがやった方が安心できる」
ザックはそう言って、作業場の壁にかけてあった斧を手に取った。ライサが以前使わせてもらったものより、少しだけ刃の部分が分厚そうである。
「この斧、金剛魔猪の牙を使った魔法具なんだ。切れ味が増してるはずだから、気をつけて使ってくれよ?」
ライサは、普段よりも重いその斧を受け取った。シャトゥカナルにいた頃、固い樫の木の丸太を割っていたことがある。その時の経験を活かせば、固いものでもきっと割れるはずだ。
「よし! 頼んだぞ、ライサ」
「――分かったわ」
ライサは眉を上げて、力強く頷いた。
ニーナに告げられた期日は、もう明日に迫っている。正確には明日の夕食時、村長の家で村人たちも集めてお披露目会をする予定となっていた。
ザックは焦っても仕方がないとライサを慰めつつ、素材から思いつくものがあるかもしれないと魔物を狩りに出かけてしまった。
じっとしていることができず、ライサは家の掃除をして待つことにしたのだが、焦る気持ちは変わらない。
「どうしよう……」
弱々しい自分の声が、静かな部屋の空気を震わせる。ライサは掃除をしながら、作業場を見回した。
今までザックと色々な案を出し合った。洋服だったり食器だったり、一応武器などを作るアイデアもあったが、どれもピンと来なかった。
後は、何が残っているだろう。
「駄目ね。少しは落ち着かないと。焦ってても、良い案はでないのよね」
呟いた瞬間に手元から注意が逸れ、ライサの箒が机の角にぶつかった。机の脚が振動で揺れて、下から何かが転がり出てくる。
深い緋色をした小さなもの。この赤色は、もしかすると魔核だろうか。とても小さいので、ザックが粉々にしてしまったものの一部かもしれない。
ライサは身を屈め、何の警戒もせずにその欠片に手を伸ばした。
「熱っ、え?」
指先に伝わった熱に、咄嗟に指を引っ込める。もう片方の手で魔核の欠片に触れた指先を包み込んだ。
いや、思いがけないものが熱を持っていたから驚いただけで、それほど熱くはなかったかもしれない。
もう一度、今度は慎重に指先を伸ばす。何度かつついて温度を確かめてから、改めてそれを拾い上げた。
確かに、魔核の欠片である。大きさはライサの親指の爪くらい。それでもしっかりと感じる熱に、ライサは目を見開いた。
どう言うことだろう。てっきり、魔核は割れると効果を失うのだと思っていたが、自分の思い違いだろうか。それにザックは確か、魔核の力は強すぎて火傷をしてしまうと言っていたのではなかったか。
手のひらに乗った熱は、火傷どころかむしろ心地よいくらいである。
「これって……」
「ただいまー、ライサ! いい素材になりそうな魔物はいなかったけど、昼メシは手に入れたぞー!」
突然開かれた言葉と大声に、ライサは文字通り飛び上がって驚いた。その拍子に、手のひらに乗せた魔核の欠片が落ちて、入り口に立つザックの方へと転がっていく。
「ごめん。驚かせちゃったか。ん、これなんだ?」
「あ、その、魔核の欠片みたいなの」
飛び出してきそうな心臓を押さえて、ライサは深呼吸をする。ザックは魔核の欠片、と不思議そうに呟くと、ライサの持つ箒に視線を向けた。
「ああ、掃除してくれてたのか。ありがとうな! そっか、この欠片、片づけ忘れてたんだな。また森に還しに行かなきゃな」
「ザック、その」
落ち着きを戻したライサは、先程気づいたことをザックに告げた。
「魔核の欠片が、あたたかいの」
「……何だって?」
彼は怪訝そうな顔をして、魔核の欠片を拾い上げる。確かめるように何度かそれを握って、目を大きく見開く。
彼もひどく驚いているようだ。
「私、ザックの話を聞いて、魔核は割れると力を失うんだと思ってたんだけど」
「そのはずだ。――いや、違うな。そもそも今まで、割ろうなんて考えを持つ人がいなかったんだ。貴重なものだし、割ったりしちゃいけないものだと思い込んでた。力加減が下手くそで、馬鹿力なおれだからたまたまそうなっただけで」
ザックは呆然と手の中の欠片を見つめている。
魔核は割っても力を失わない。しかもこの欠片が素手で触れると言うことは、割った分だけ力は弱まっているのではないだろうか。
だったら――。
ライサの頭にある考えが浮かんだ。宝物を見つけたように、ワクワクと胸が踊って気持ちが高揚していく。
「魔核が割れても力を持つのなら、しかも割った大きさに応じて『力』の強さが変わるなら……敢えて割って使うこともできるのではないかしら? それなら」
ザックが息を呑んだ。ライサの言いたいことが伝わったのだろう。彼の赤い瞳がキラキラと輝きを増していく。
次の瞬間、ライサの全身を、熱のかたまりが包み込んだ。
「すげぇ、ライサ! すごい発見だよ! 今まで、この村の誰も気づかなかったことなんだ! やったなぁ! 本当にすごいなぁ!」
どうやら自分は、ザックの胸の辺りに顔を押し付けられている。いや、抱きしめられている。
自覚した瞬間、ライサの全身が火がついたように熱くなった。肩に回された腕は力強くて、その中にすっぽりと収まる感覚はなぜか安心感を覚える。
いや、違う。そんな場合じゃない。
「ざ、ザック。その、そろそろ離してくれないかしら?」
「あ、ああ、ごめん! つい嬉しくて」
なんとか冷静を装いそう告げると、ライラを包んでいた熱がパッと離れていく。
少し残念だなんて思ってない。思ってないわ。
ライサは必死で自分にそう言い聞かせる。余韻が残っているのか、顔が熱い。
動揺を隠すため、ライサは敢えて淡々と尋ねた。
「でも、ザックは何度も魔核を、割っちゃってたんでしょう? どうして今まで気づかなかったのかしら」
「おれ、普段はもっと粉々にしちゃうだろ? だから上手く魔核の力を感じられなかったんだと思う。今回、たまたま大きめの欠片が残ってたから気がつけたんだな。しかしどおりで、魔核を埋めた場所の雪が少なかったり、時々妙な現象が起こったりすると思った」
それは、もっと早く異変に気づいても良かったのではないだろうか。
ライサは呆れて、雪森狐のような眼差しをザックに向けた。
「とにかく、これは試してみるしかないな! 早速、魔核を割ってみようぜ!」
「じゃあザック、貴方がまた……」
「いや、ライサがやってくれよ」
驚いて見上げると、彼は苦笑を浮かべながら頬をかいている。
「その、おれがやったらまた粉々にしちまうかもしれないし、ライサがやった方が安心できる」
ザックはそう言って、作業場の壁にかけてあった斧を手に取った。ライサが以前使わせてもらったものより、少しだけ刃の部分が分厚そうである。
「この斧、金剛魔猪の牙を使った魔法具なんだ。切れ味が増してるはずだから、気をつけて使ってくれよ?」
ライサは、普段よりも重いその斧を受け取った。シャトゥカナルにいた頃、固い樫の木の丸太を割っていたことがある。その時の経験を活かせば、固いものでもきっと割れるはずだ。
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