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第一章
異世界の叔父のところで働きます
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街に着いた。
本日2度目の来訪では、すでに日が陰り始めていた。
身体能力増強の魔石の力があるとはいえ、連続6時間もの強行軍で、さすがに太ももの筋肉が強張っている。明日は筋肉痛確定だろう。
帰りの2時間がまだ待ち構えていることは、精神衛生上、考えないでおく。
隣には、例の全身金属鎧の偉丈夫、今日はさらにフルフェイスの鉄兜の追加だ。ごついことこの上ない。
街中で全身フル装備はあんまりだろうとも思わなくもなかったが、叔父の正体バレよりはいくぶんマシだろう。
「お~、この街中も久しぶりだな~」
怪しい意味で注目の的なのだが、当の本人は気にもかけていないらしい。
きょろきょろと周囲を見回し、呑気そのもの。
「叔父さん。目的忘れてない、よね?」
「……もちろんだ」
その間が疑わしかったが、気を取り直して、まずは派遣管理会社へと向かう。
4時間ぶりの再訪問になるため、先の来社の際に対応してくれた職員が覚えていてくれて話が早かった。
店舗の現状を報告し、解約の手続きを依頼する。
契約依頼主である叔父――リューイチ・シラキ、これは叔父の兄にして俺の父親の白木隆一の名だが、今は叔父の偽名として使われていた。
とある筋から正式に発行された身分証で、勇者特待の一端らしい。
隆一の名義で叔父を紹介すると、さすがに怪しい鎧男が出てくるとは思ってなかったのか職員は面食らっていた。
『近日中に現状を確認し次第、しかるべき手続きを執り行なう』とマニュアル対応した職員を、叔父は『まだるっこしい』の一言で一蹴した。
なかば強引に職員を連れ、会社を飛び出してしまった。
衛兵を呼ぼうとざわつく社内を、俺が謝り倒して宥めたのは言うまでもない。
職員は半べそをかいていたが、見た目怪しい鎧男に逆らうのは得策ではないと観念したようで、大人しく叔父に従って歩いていた。
ご愁傷様です。
その後は迅速に事が運んだ。
店に乗り込み。
寝ていた店長を叩き起こし。
職員に職務怠慢の契約違反を確認させ。
その場で契約破棄を成立させ、店長を文字通りに店から叩き出した。
ドキュメンタリー番組の、警察のがさ入れシーンを見ているような臨場感だった。
なにはともあれ、一段落は着いたものの、問題が解決したわけではない。
これからどうするかに掛かっている。
叔父は脱いだ鉄兜を小脇に抱えて、なにをするわけでもなく店内の床にじかに座り込んでいた。
「叔父さん。ここって結局、何屋だったの?」
「初めは武具屋だったな。売り行きが悪いから、雑貨も置きはじめてよ。そりゃ売れないわけだな、こんな有様じゃあ……ある時期を境に売れ行きが落ちたんで、おかしいとは思ってたんだが……」
実際に自分の目で荒れ果てた店を見て、叔父は少なからずショックを受けているようだった。
昨日の朝、言っていたのは照れ隠しだけではないだろう。
ここは叔父にとって、家族の未来にとって、夢の先駆けであったはずだ。
「どーすっかなー」
店内の片隅に山積みされた真新しい革鎧の在庫を見やり、叔父はぼやいていた。
いつも発している強烈な存在感が、どこか揺らいでいるようすら感じられる。
それがどうにも嫌で、なにか手段がないかと真剣に悩んだが、そう容易に答えが得られるものでもなかった。
ピロンッ♪
そのとき、天啓のごとく軽やかな音が鳴った。
実際それは、スマホのバッテリー低下の警告音だったわけだが、俺にとってはまさに福音だった。
「その鎧、ネットに出してみよう! 剣とかは銃刀法でダメだけど、革の鎧ならいけるよ! なんたって本物だから、ディテールも完璧。マニアには堪らないと思う。コスプレもまだ根強いし、結構いい値段で買い手はつくはずだよ!」
叔父は顔を上げた。
「で、その資金を元に、あっちで物を仕入れて、こっちで売るとか」
「それはダメだ。文明レベルが違い過ぎる。お互いの品を下手に流通させると、とんでもないことになるぞ」
「だったら売り物じゃなくて、家で使う消耗品や食料に限定したらどうかな? そうすれば、生活に使わなくていい分、お店の仕入れにお金が回せない?」
「……アリだな」
店内で売れ残った品物の数々を見渡す。
商品棚と品物の配置から、武具のコーナーは埃被った品物の頻度が多いが、雑貨コーナーはそうでもない。それなりに売れているのがわかる。
「叔父さん、もしかしてこの辺りって治安がかなりいいんじゃない?」
「国内でもいいほうだと思うぞ」
(やっぱり!)
思い起こすと、リオちゃんと一緒に買い物で街中を巡ったとき、武具屋の類は極端に少なかった。
きっと、街のニーズには合致していなかったのだ。
説明すると、叔父は素直に『なるほど』と納得していた。
「だったら雑貨屋にするか? だが、雑貨屋はかなりの店舗数があるぞ?」
後手参入で競合は厳しい。
ならば。
「『素材屋』ってどうかな? ここはそれなりに大きな街で、店も多かった。こっちでの商品って、基本的にその店でオリジナルで作ってるんだよね? だったら、その素材を集めるのって、結構手間だと思うんだ。街中で気軽に揃えられると便利じゃないかな」
品物として完成する以前の素材自体なら、文明の違いがあってもそうは変わらないだろう。
こちらの異世界でのちょっとした物をネットを通じて販売し、得た利益を軍資金としてあちらの素材を購入して今度はこちらで売る、の繰り返し。元手は最小限に抑えられる。
「もちろん、こっち特有の素材もあるだろうけど、それって普通はどうしてるの? 高くつくんじゃない?」
「たしかに危険な難所や魔獣の住処でしか得られない物もあるからな。その都度、専門業者に高額の依頼料を払って集めてるな」
「そういうのも置ければ完璧だよね」
「だから、そういったものは危険で金がかかる仕事で――ああ、そういうことか!」
そう、ここにはまさに適任者がいる。
腕っ節は最強クラス、勇者とまで謳われた人材が。
人前に正体を晒すことなく、能力を活かせて自分の店の売り上げに貢献までできるときた。
「すまん、秋人。俺はなにか年甲斐なくワクワクしてきたぞ」
「実は俺も、さっきからテンション上がりっぱなし」
ふたりで見合って、子供っぽく笑った。
「残す問題は、店長をどうするかだけだな! 他人に任せて、今回と同じ轍を踏むわけにはいかんしなあ。いっそ、俺がやるか! この格好ならバレんだろ!」
叔父が鉄兜を再装着し、ぐっと親指を立てた。
無表情な鉄面が無意味に迫力があって怪しかった。
「ダメでしょ。少なくとも俺だったら、そんな店は遠慮したい」
「なら、タイガー的なマスクにしてみるか……?」
真面目に悩み始めた叔父に、思い切って言ってみた。
「俺じゃダメかな!?」
「……は?」
唖然とする叔父に続けた。
緊張で喉が渇く。
声がかすれそうになるのを、生唾を飲んで強引に抑えた。
「俺、手伝いたいんだよ。叔父さんたちのこと」
「でも、おまえ、帰るんだろ? あっちの学校はどうすんだ? 就職だってあるだろ?」
「帰れるのはいつでも帰れるし、夏季休暇はまだ残ってる。もともと単位は取ってるから、卒論を提出すれば終わりなんだ。就活は――ちょっと絶望的だし、今は考えない方向で!」
「そりゃあ、身内の秋人が手伝ってくれるなら最高に助かるが……いいのか?」
「俺が、やらせてほしいって言ってるんだよ」
俺の真剣な言葉に、叔父はふっと息を漏らし――そして声高らかに哄笑した。
その声は、これまで聞いたどんな声より楽しそうだった。
勢いよく肩を組まれ胸に引き寄せられて、叔父が再び笑う。
「よっし! よく言った秋人! こうなったら、すんげえ店にしてやろうぜ、俺たちでよ!」
「おお!」
俺も笑った。
その日は思い出深い1日となった。
こうして俺は、異世界の叔父のところで働くことになった。
本日2度目の来訪では、すでに日が陰り始めていた。
身体能力増強の魔石の力があるとはいえ、連続6時間もの強行軍で、さすがに太ももの筋肉が強張っている。明日は筋肉痛確定だろう。
帰りの2時間がまだ待ち構えていることは、精神衛生上、考えないでおく。
隣には、例の全身金属鎧の偉丈夫、今日はさらにフルフェイスの鉄兜の追加だ。ごついことこの上ない。
街中で全身フル装備はあんまりだろうとも思わなくもなかったが、叔父の正体バレよりはいくぶんマシだろう。
「お~、この街中も久しぶりだな~」
怪しい意味で注目の的なのだが、当の本人は気にもかけていないらしい。
きょろきょろと周囲を見回し、呑気そのもの。
「叔父さん。目的忘れてない、よね?」
「……もちろんだ」
その間が疑わしかったが、気を取り直して、まずは派遣管理会社へと向かう。
4時間ぶりの再訪問になるため、先の来社の際に対応してくれた職員が覚えていてくれて話が早かった。
店舗の現状を報告し、解約の手続きを依頼する。
契約依頼主である叔父――リューイチ・シラキ、これは叔父の兄にして俺の父親の白木隆一の名だが、今は叔父の偽名として使われていた。
とある筋から正式に発行された身分証で、勇者特待の一端らしい。
隆一の名義で叔父を紹介すると、さすがに怪しい鎧男が出てくるとは思ってなかったのか職員は面食らっていた。
『近日中に現状を確認し次第、しかるべき手続きを執り行なう』とマニュアル対応した職員を、叔父は『まだるっこしい』の一言で一蹴した。
なかば強引に職員を連れ、会社を飛び出してしまった。
衛兵を呼ぼうとざわつく社内を、俺が謝り倒して宥めたのは言うまでもない。
職員は半べそをかいていたが、見た目怪しい鎧男に逆らうのは得策ではないと観念したようで、大人しく叔父に従って歩いていた。
ご愁傷様です。
その後は迅速に事が運んだ。
店に乗り込み。
寝ていた店長を叩き起こし。
職員に職務怠慢の契約違反を確認させ。
その場で契約破棄を成立させ、店長を文字通りに店から叩き出した。
ドキュメンタリー番組の、警察のがさ入れシーンを見ているような臨場感だった。
なにはともあれ、一段落は着いたものの、問題が解決したわけではない。
これからどうするかに掛かっている。
叔父は脱いだ鉄兜を小脇に抱えて、なにをするわけでもなく店内の床にじかに座り込んでいた。
「叔父さん。ここって結局、何屋だったの?」
「初めは武具屋だったな。売り行きが悪いから、雑貨も置きはじめてよ。そりゃ売れないわけだな、こんな有様じゃあ……ある時期を境に売れ行きが落ちたんで、おかしいとは思ってたんだが……」
実際に自分の目で荒れ果てた店を見て、叔父は少なからずショックを受けているようだった。
昨日の朝、言っていたのは照れ隠しだけではないだろう。
ここは叔父にとって、家族の未来にとって、夢の先駆けであったはずだ。
「どーすっかなー」
店内の片隅に山積みされた真新しい革鎧の在庫を見やり、叔父はぼやいていた。
いつも発している強烈な存在感が、どこか揺らいでいるようすら感じられる。
それがどうにも嫌で、なにか手段がないかと真剣に悩んだが、そう容易に答えが得られるものでもなかった。
ピロンッ♪
そのとき、天啓のごとく軽やかな音が鳴った。
実際それは、スマホのバッテリー低下の警告音だったわけだが、俺にとってはまさに福音だった。
「その鎧、ネットに出してみよう! 剣とかは銃刀法でダメだけど、革の鎧ならいけるよ! なんたって本物だから、ディテールも完璧。マニアには堪らないと思う。コスプレもまだ根強いし、結構いい値段で買い手はつくはずだよ!」
叔父は顔を上げた。
「で、その資金を元に、あっちで物を仕入れて、こっちで売るとか」
「それはダメだ。文明レベルが違い過ぎる。お互いの品を下手に流通させると、とんでもないことになるぞ」
「だったら売り物じゃなくて、家で使う消耗品や食料に限定したらどうかな? そうすれば、生活に使わなくていい分、お店の仕入れにお金が回せない?」
「……アリだな」
店内で売れ残った品物の数々を見渡す。
商品棚と品物の配置から、武具のコーナーは埃被った品物の頻度が多いが、雑貨コーナーはそうでもない。それなりに売れているのがわかる。
「叔父さん、もしかしてこの辺りって治安がかなりいいんじゃない?」
「国内でもいいほうだと思うぞ」
(やっぱり!)
思い起こすと、リオちゃんと一緒に買い物で街中を巡ったとき、武具屋の類は極端に少なかった。
きっと、街のニーズには合致していなかったのだ。
説明すると、叔父は素直に『なるほど』と納得していた。
「だったら雑貨屋にするか? だが、雑貨屋はかなりの店舗数があるぞ?」
後手参入で競合は厳しい。
ならば。
「『素材屋』ってどうかな? ここはそれなりに大きな街で、店も多かった。こっちでの商品って、基本的にその店でオリジナルで作ってるんだよね? だったら、その素材を集めるのって、結構手間だと思うんだ。街中で気軽に揃えられると便利じゃないかな」
品物として完成する以前の素材自体なら、文明の違いがあってもそうは変わらないだろう。
こちらの異世界でのちょっとした物をネットを通じて販売し、得た利益を軍資金としてあちらの素材を購入して今度はこちらで売る、の繰り返し。元手は最小限に抑えられる。
「もちろん、こっち特有の素材もあるだろうけど、それって普通はどうしてるの? 高くつくんじゃない?」
「たしかに危険な難所や魔獣の住処でしか得られない物もあるからな。その都度、専門業者に高額の依頼料を払って集めてるな」
「そういうのも置ければ完璧だよね」
「だから、そういったものは危険で金がかかる仕事で――ああ、そういうことか!」
そう、ここにはまさに適任者がいる。
腕っ節は最強クラス、勇者とまで謳われた人材が。
人前に正体を晒すことなく、能力を活かせて自分の店の売り上げに貢献までできるときた。
「すまん、秋人。俺はなにか年甲斐なくワクワクしてきたぞ」
「実は俺も、さっきからテンション上がりっぱなし」
ふたりで見合って、子供っぽく笑った。
「残す問題は、店長をどうするかだけだな! 他人に任せて、今回と同じ轍を踏むわけにはいかんしなあ。いっそ、俺がやるか! この格好ならバレんだろ!」
叔父が鉄兜を再装着し、ぐっと親指を立てた。
無表情な鉄面が無意味に迫力があって怪しかった。
「ダメでしょ。少なくとも俺だったら、そんな店は遠慮したい」
「なら、タイガー的なマスクにしてみるか……?」
真面目に悩み始めた叔父に、思い切って言ってみた。
「俺じゃダメかな!?」
「……は?」
唖然とする叔父に続けた。
緊張で喉が渇く。
声がかすれそうになるのを、生唾を飲んで強引に抑えた。
「俺、手伝いたいんだよ。叔父さんたちのこと」
「でも、おまえ、帰るんだろ? あっちの学校はどうすんだ? 就職だってあるだろ?」
「帰れるのはいつでも帰れるし、夏季休暇はまだ残ってる。もともと単位は取ってるから、卒論を提出すれば終わりなんだ。就活は――ちょっと絶望的だし、今は考えない方向で!」
「そりゃあ、身内の秋人が手伝ってくれるなら最高に助かるが……いいのか?」
「俺が、やらせてほしいって言ってるんだよ」
俺の真剣な言葉に、叔父はふっと息を漏らし――そして声高らかに哄笑した。
その声は、これまで聞いたどんな声より楽しそうだった。
勢いよく肩を組まれ胸に引き寄せられて、叔父が再び笑う。
「よっし! よく言った秋人! こうなったら、すんげえ店にしてやろうぜ、俺たちでよ!」
「おお!」
俺も笑った。
その日は思い出深い1日となった。
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