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Ⅳ.お腹いっぱいで幸せ編

15.僕、出たり出なかったりしちゃいます③ ※

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「………なんつーか、久しぶりの割に柔らかいんだよなぁ、なんて」
「っ!!」

 はわぁぁぁっ!ええー!? 
 ちょっと、待って。ちょっと待て。そんなことわかっちゃうの!?!?

「なんだ、その反応は……」
「な……なんのこと……?」
「あ?……なんか、やましいことでもあんのかよ?」
「や……やましいことって……?」

 ………うーん……。

 うん!やましいことしかない!

 だって僕の中で、ヴァルに勝手にあんなことやこんなこと、そんなことをさせてたんだもん。

 だからむしろ、やましさ100%です!いや……濃縮還元の濃縮時並みのやましいです!!

 ごちそうさまでした!!!

 顔ごと視線を彷徨わせていた僕は、顎をヴァルにぐっと捕まえられて、強制的に視線を合わされる。

 ――ドキンッ

 と、僕の胸が一瞬で縮み上がった。

「言えよ。ルルド」

 なんで?なんで、そんな顔するの?
 ……そんな悲しそうな顔しちゃ、やだよ。

 僕は今、こんなに温かくて、嬉しいのに。
 僕がヴァルにこんな顔させてる。

「僕……自分で、したの……。僕……我慢できなくて……」

 ああ、もう。

 結局、言っちゃった。
 言っちゃったよ……僕。バカバカバカっ!

 ううっ……僕は一体、何を告白してるの。

 だって、だって……ヴァルがこんな泣きそうな顔するから。

 竜にはそもそも、性欲なんて概念自体がないから。
 だから普通は、当然ながら自慰なんてしない。

 でも、僕は普通じゃない竜だから。

 きっと僕、自慰した竜、第一号だよ。

 もはや、新種と言っていい。大発見だよ。
 おめでとう。ありがとう。

「……自分で、だと?」
「う……うん。……だって、ヴァルが……いないから……その……あの」

 仕方ないでしょ。
 他に、どうしようもなかったんだから。

 ヴァルがどうして、そんなにツラそうな顔してるのかわからないけど、僕だって必死だったんだよ。

 必死にヴァルから離れようと頑張ってたんだよ。

 離れようとすればするほど、ヴァルが欲しくて仕方なくなるなんて、僕、聞いてないから!

「はぁ……ルルド……」

 ヴァルが脱力して、がっくりと僕のお腹にうなだれる。ヴァルのさらさらした銀髪がはらりとお腹の柔らかい肌をかすめた。

「んっ……ヴァル、くすぐったい…っ」

 もぞりと体をよじれば、ヴァルが顔をあげて、目と目があった瞬間。


 …………………ひえっ。


 すっと刃物のような鋭利な紫色がぎらりと光った。

「お前、俺から逃げといて、妄想の俺とよろしくしてたってか……?」

 ドスの効いた低い声が、僕に問う。

 あれぇ……?
 これ、ヴァル怒ってる……。怒ってるよね……?

 何だか僕、ヴァルに責められてるっぽい。

「う…えっ……」

 あれ?あれあれ……?
 おかずの中身も、お宝も秘密のままなのに。

 ヴァルに内緒でこっそり自慰してたから怒ってるの?
 しかも下のお口自分で弄ってたから?

 ………いやいやいやっ!普通、自慰ってこっそりやるものだよね!?

 別に自分ですること自体は、何も悪くないよね?
 育ち盛りの時期には、そうでなくとも、したいことあるよね?

 それでもアウト?ねぇ、アウトなの?

「う……あ、ヴァルも……しなかった……?その……僕で……」

 ああぁぁぁーっ……僕、何聞いちゃってんだろ。
 あうぅ、ほら!ほらほらっ!ヴァルの目がさらに、すんってなったよ。すんってなった!

 ヤバい。

 これ、ヤバすぎるよ。

 だって、怒って尖った、やさぐれ感マシマシのヴァルがカッコ良過ぎる!
 この鋭い視線だけで、スパッと切れちゃいそう。

 もう。もう……何これっ。背中がぞくぞくして、お腹がきゅうきゅうする。

 僕の中に息苦しいくらいの興奮が渦巻いて、既に痛いほどに勃ちあがってる僕の鈴口からはこぷこぷと露が垂れて、僕のお腹に糸をつなぐ。

「したに決まってんだろうが。お前がから」
「ひっ!あっ……あ」

 ぬるり、と硬い感触が、ひくひくと疼く下のお口に、何の抵抗も無く入ってくる。

 ああ。これ、ヴァルの指。僕が欲しかったヴァルの指、だ。すごい。すごいよ。
 美味しいのが、じわじわと沁みてくる。

「んっ……あ、ああっ……あーっ」

 ああ、これ。
 そうだ。そうだよ。ヴァルの指は、こうだった。僕のより太くて、ごつごつしてて、とっても器用で。僕の指では届かなかったとこまで、届いて。

 僕がどうしたら気持ちいいのかを、良く知ってる。
 僕よりも、もっともっとよく僕のことを知ってる。

 思ってるよりちょっと強引に僕の奥へ入ってくる長い指が、ぐちぐちと湿った音を立てて、乱暴に中を開いていく。
 ぐりぐりと粘膜を擦られて、ヴァルの指が出入りするたびに、妄想きたい以上のものが与えられて、どんどん快感が膨れ上がっていく。

「んぁっ……あーっ……はぁ……あぁっ」
「何、怒られて喜んでんだよ。馬鹿が」

 別に、怒られて喜んでるわけじゃ無いもん。

「だって……だって、ヴァルが……かっこいいからっ」

 ヴァルは全然わかってない!カッコいいヴァルが悪いんでしょ!!
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