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Ⅲ.大好きな卵編
58.僕、おかしなことに気づいてしまいました③
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え。……れんじょうって……もしかして、恋情?
「本来ならば、竜の根幹を揺るがす危険極まりない感情だろうに──」
「え?ええー!?ちょっと待って!!」
「なんだ?」
「えーっと………それって……僕が、ヴァルを……そういう意味で、好きってこと?」
「そういう意味とは?」
「だから、その……恋愛的な……そういう意味ってこと!」
「違うのか?ルルドは、あの者を好いているのだろう?」
「そりゃあ……好きだよ。好きに決まってる。……だけどっ」
「あの者がルルドの以外の他者へ、興味関心を持つことに心が乱される。
それを、人の感情では嫉妬、やきもち、ジェラシーなどと言うのではないのか?」
「へ?」
嫉妬?やきもち?ジェラシー……?
「ルルドは、あの者に己のみを見てほしいと、一番でありたいと思っているのだろう?
独占と所有、執着を募らせる強い恋慕の情の表れではないか」
「えーっと……」
独占、所有……執着。
『ヴァルが僕のお世話だけしてくれて、僕のご飯だけ作ってくれたらいいのにって思っちゃって……』
『僕の方が、ずっとずっとヴァルのこと見てるし、いっぱいいっぱい知ってるし、誰よりも一番わかってるって、あの人たちにわからせたかったんだもん!!!』
『僕……イヤだったんだもん。仕方ないじゃない。どうしても、イヤだったの。
ヴァルが、僕以外の誰かにご飯作るのも、僕以外の誰かのお世話するのも……イヤでイヤで仕方なかったんだから』
「何より、ルルドはあの者にのみ、愛欲を抱くのではないか?」
愛欲……。
「色欲、肉欲、淫欲……劣情、肉体的欲望もしくは──」
「いや!言葉の意味はわかるから!!」
僕がぽかんとしてるのは、ただびっくりし過ぎて理解できないだけで。
「あの者だけに刺激され、自慰に耽ることが何よりの──」
「えええええぇぇぇぇっっっ!!???」
はぁ!?………はぁ!?!?!ええ!!ええええ!!??
何言ってんの、この竜ってば!!
「え?…………まさか……。まさかだけど、リッキー……あの時、見てたの?」
まさか、僕が久しぶりに見たヴァルにきゅんきゅんして、こっそりと一人で気持ち良くなってたのを、見てたってこと……?
「先ほども言ったであろう。竜には伝わってくるものを遮るすべはない」
あ。そう。
いやいや、違うでしょ!
見えたから仕方ないだろうってそういう問題じゃないから!!
うーん、確かにあんな場所で、あんなことしてた僕も悪いかもしれないけどさ!
でもさ。それを相手に伝えずに黙って秘めておくっていう配慮もあると思うんだよ。
ていうか、世の中の多くは、その見て見ぬふりで成り立ってると思うんだけど!?
いやね。僕が言うのもおかしいのかもだけど。僕が言うなって感じかもだけど。
竜って、やっぱり変。
えーっと………うん。
つまり……………なんというか。
僕、ヴァルのことが、好きってこと……?
その、愛しいとか、恋しいとか……恋人になりたいとか……性的なものを含んだ意味で好きってこと?
え。ホントに?
あ……う………わあぁぁぁぁぁぁ………っ。
あ。あー……うわぁ……うわあぁっ……うわぁぁ……何これ。
なんだか、すごく恥ずかしい。恥ずかしくて、ドキドキする。ドキドキして、胸が苦しくて。
今、僕、ものすごく、ヴァルに抱き着きたい。
僕、ヴァルのあのイイ匂いが嗅ぎたい。
僕、全部全部、ヴァルに包まれたい。
うん。
うんうん。
そっか……そうなんだ。
そうなんだね、僕。
「僕、ヴァルが……ヴァルだけが、好き。大好き」
口に出して、言葉にして。自分の声が言語として耳へと届き、心に刻まれる。
すとんと僕の中にキレイに収まった。
僕…………ヴァルが、好きなんだ。そういう意味で。
僕、ヴァルを愛してるんだ。
はぁ。もう。
僕がヴァルを好きだなんて。
そうか。ヴァルを見てドキドキするのも、ヴァルにくっつきたいと思うのも。ヴァルとずっと一緒にいたいと思うのも。
ヴァルといるだけで、身体も心もポカポカして、全部全部満たされた感じがして……とっても、幸せな気持ちになるのも、僕がヴァルを好きだからなんだ。
僕はやっと理解した。
そして、理解できなかった。
だって……。
こんなおかしなことある??
「本来ならば、竜の根幹を揺るがす危険極まりない感情だろうに──」
「え?ええー!?ちょっと待って!!」
「なんだ?」
「えーっと………それって……僕が、ヴァルを……そういう意味で、好きってこと?」
「そういう意味とは?」
「だから、その……恋愛的な……そういう意味ってこと!」
「違うのか?ルルドは、あの者を好いているのだろう?」
「そりゃあ……好きだよ。好きに決まってる。……だけどっ」
「あの者がルルドの以外の他者へ、興味関心を持つことに心が乱される。
それを、人の感情では嫉妬、やきもち、ジェラシーなどと言うのではないのか?」
「へ?」
嫉妬?やきもち?ジェラシー……?
「ルルドは、あの者に己のみを見てほしいと、一番でありたいと思っているのだろう?
独占と所有、執着を募らせる強い恋慕の情の表れではないか」
「えーっと……」
独占、所有……執着。
『ヴァルが僕のお世話だけしてくれて、僕のご飯だけ作ってくれたらいいのにって思っちゃって……』
『僕の方が、ずっとずっとヴァルのこと見てるし、いっぱいいっぱい知ってるし、誰よりも一番わかってるって、あの人たちにわからせたかったんだもん!!!』
『僕……イヤだったんだもん。仕方ないじゃない。どうしても、イヤだったの。
ヴァルが、僕以外の誰かにご飯作るのも、僕以外の誰かのお世話するのも……イヤでイヤで仕方なかったんだから』
「何より、ルルドはあの者にのみ、愛欲を抱くのではないか?」
愛欲……。
「色欲、肉欲、淫欲……劣情、肉体的欲望もしくは──」
「いや!言葉の意味はわかるから!!」
僕がぽかんとしてるのは、ただびっくりし過ぎて理解できないだけで。
「あの者だけに刺激され、自慰に耽ることが何よりの──」
「えええええぇぇぇぇっっっ!!???」
はぁ!?………はぁ!?!?!ええ!!ええええ!!??
何言ってんの、この竜ってば!!
「え?…………まさか……。まさかだけど、リッキー……あの時、見てたの?」
まさか、僕が久しぶりに見たヴァルにきゅんきゅんして、こっそりと一人で気持ち良くなってたのを、見てたってこと……?
「先ほども言ったであろう。竜には伝わってくるものを遮るすべはない」
あ。そう。
いやいや、違うでしょ!
見えたから仕方ないだろうってそういう問題じゃないから!!
うーん、確かにあんな場所で、あんなことしてた僕も悪いかもしれないけどさ!
でもさ。それを相手に伝えずに黙って秘めておくっていう配慮もあると思うんだよ。
ていうか、世の中の多くは、その見て見ぬふりで成り立ってると思うんだけど!?
いやね。僕が言うのもおかしいのかもだけど。僕が言うなって感じかもだけど。
竜って、やっぱり変。
えーっと………うん。
つまり……………なんというか。
僕、ヴァルのことが、好きってこと……?
その、愛しいとか、恋しいとか……恋人になりたいとか……性的なものを含んだ意味で好きってこと?
え。ホントに?
あ……う………わあぁぁぁぁぁぁ………っ。
あ。あー……うわぁ……うわあぁっ……うわぁぁ……何これ。
なんだか、すごく恥ずかしい。恥ずかしくて、ドキドキする。ドキドキして、胸が苦しくて。
今、僕、ものすごく、ヴァルに抱き着きたい。
僕、ヴァルのあのイイ匂いが嗅ぎたい。
僕、全部全部、ヴァルに包まれたい。
うん。
うんうん。
そっか……そうなんだ。
そうなんだね、僕。
「僕、ヴァルが……ヴァルだけが、好き。大好き」
口に出して、言葉にして。自分の声が言語として耳へと届き、心に刻まれる。
すとんと僕の中にキレイに収まった。
僕…………ヴァルが、好きなんだ。そういう意味で。
僕、ヴァルを愛してるんだ。
はぁ。もう。
僕がヴァルを好きだなんて。
そうか。ヴァルを見てドキドキするのも、ヴァルにくっつきたいと思うのも。ヴァルとずっと一緒にいたいと思うのも。
ヴァルといるだけで、身体も心もポカポカして、全部全部満たされた感じがして……とっても、幸せな気持ちになるのも、僕がヴァルを好きだからなんだ。
僕はやっと理解した。
そして、理解できなかった。
だって……。
こんなおかしなことある??
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