堕ちる犬

四ノ瀬 了

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国の犬など辞めて俺の犬になれ。

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わん!わん!と犬の吠える声が扉の外から聞こえてきた。霧野と美里は目を見合わせ、扉の方を向いた。
扉がゆっくりと開き、川名と彼の愛犬であるノアが入口に姿を見せた。
ノアは黒い耳をピンと立てて彼に寄り添って立っている。ノアはもうすぐ2歳になるドーベルマンだ。

「美里、こいつをあと2キロくらい歩かせてきてくれないか?長谷崎の奴に行かせたんだが、まだ物足りないみたいでな。はしゃいでしかたない。長谷崎はこれから別の仕事があって駄目なんだ。」

川名が手に持っていたリードを離すと、ノアは大きな口から舌を出して美里と霧野のもとに駆け寄った。
突然のことに驚いていた二人の顔をノアは容赦なく嘗め回し、ちぎれそうなくらい激しく尻尾を振っている。
ノアが霧野の顔のにおいを嗅ぎ、執拗に舐め始めたので、美里は「汚いものをなめるんじゃない!」と慌ててリードを引いて引き離した。

ノアの散歩は組員が交代制でおこなっており、ノアに気に入られたものしかマトモな散歩はできなかった。彼に気にいられなかったものは、ひきづりまわされ逃走されだけならまだ良いほうで、あげくには襲い掛かられ手を十針縫う羽目になった者もいる。霧野と美里はノアに選ばれた散歩相手であり、彼らによくなついていた。

ノアは無邪気に喉の奥でクゥクゥと音を出しながら美里と霧野の間をくるくる回っている。
「わかりました。連れていきます。」

美里が立ち上がると、ノアは誰が散歩に連れていってくれるのか悟ったのか美里にまとわりつき、あたりをはねまわった。その時、ノアが何かを踏みつけ、小さな塊が音をたてて床の上を転がっていった。
なんだ?と美里がそれを手に取るとそれは血肉のついた白い歯の欠片のようだった。女の死体から出たものだろうかと考えたが、頭の中にまだはっきりと思い浮かんでくるあの割れた頭の口内が破損していた記憶はない。

ノアがリードを引っ張るので、美里はそれを何気なくポケットの中にしまい込み、引っ張られるようにして地下室の扉から出ていった。川名は霧野とふたりきりになりたいようだった。少し気にかかったが、だからといって散歩を断る理由もない。

川名はドアの縁にかけていた手を降ろし、美里が階段を駆け上がっていったのを確認すると、後ろ手にゆっくりとドアを閉め、部屋の中へと入っていった。川名はほどんど空になったが底のほうに牛乳の残っている皿にしばらく目を落としてから霧野を見た。霧野は上目遣いに川名のほうを見ていた。

「お前よく上司の死体の横でのんきに飯なんか食えたな、犬畜生にも劣るよ。」

木崎の死体は半分程度がすでに美里の手によって運び出され、半分程度はまだ冷蔵庫の中にいれられていた。

「あの女が死んだのはほとんどお前のせいだからな。先に尻尾を出したのはお前の方だ。あの女が単独で仕事をしていたらきっと死ぬことはなかっただろう。なぁ、そう思わないか?」

霧野は唇の端を強く噛み、目を伏せて黙った。木崎のことを考えると頭の奥がキリキリと痛み、彼女を最後に見たときの顔と頭の割れた顔とが交互にフラッシュバックした。
「まだ若かったのに、可哀そうに。」
可哀そうにだと?どの口がそんなことを言うんだと霧野は思ったが口にはしなかった。
「……だとしても」
顔を上げ、川名をじっと見据えた。
「だとしても、殺したのはお前じゃないか。」
川名はまったく表情を変えずに霧野のほうへ二歩三歩と歩を進めた。

「その通り、何も間違っていない。結果として俺が殺したことに変わりはない。しかし原因はお前だよ。これは因果論だ。結果には何事も原因があるんだよ、霧野。木崎恵が死んだ原因はお前なんだよ。」

心拍数が高まり、酷い耳鳴りがし、頭を抱えてその場にうずくまりたい衝動にかられたが、そんな姿を川名に晒すのは嫌だった。自分の身に次から次へと降りかかる暴力の合間、時に彼女のことを記憶の隅に押しやることができていたが、夜の間中、木崎のことは考えないではいられなかった。冷静になろうとしても目の奥が熱くなり、こらえようとしても次から次へと涙がこぼれ出た。

「うるさい!じゃあなぜ俺を殺さなかった?俺が原因なら俺を殺せばいいだろ!」

「……それはもうこの前説明したじゃないか。それにお前を殺してから木崎を殺しても結果は同じだろ。お前は自分が今嫌な気持ちになりたくないからそんなことを口だけで言っているだけのクズだ。お前は生に執着するタイプの人間だからな。数年間お前を見ていていわかったことだが、お前は自分の命をとても大切にして入念な計画を立てる。だから、危険なことをやらせても必ず成功する。死にたがりや馬鹿はこの仕事には向いていないんだ。」

川名は霧野の目の前まで来ると彼の首筋と顔に触れた。身体は熱く力強く脈打っていた。

「そう、お前は警察なんかよりこっちの仕事に向いてるんだよ、霧野。国の犬など辞めて俺の犬になれ。ある程度罪を償ったらいずれ元の配置に戻してやってもいい。これは特例処置だぞ。」

「……馬鹿なことを」
霧野の顔に触れていた手が口元を覆った。
「お前が今すぐ尻尾を振って”はい”というなんて思ってない。お前が泣いて懇願してくるまで待っててやる。」

川名はゆっくりと手を離すと、ポケットから白地に青いストライプの入ったハンカチを取り出して丁寧に手をぬぐった。
「もし俺の誘いを断ってここに居続けたいなら飼ってやってもいいが二度と女なんか抱けないと思えよ。」



「ノア!待てよ、もういいだろ!」
美里は2キロ以上の距離をノアと歩き回り、事務所に戻ってきた。しかし、ノアはまだはしゃぎ回り自身のリードを口にくわえて美里を引っ張り、事務所の中に入ろうとしない。ノアは全長1メートルほどあるドーベルマンで、まだ若く、体力がありあまっていた。
「勘弁してくれよ……」

突然今まではしゃぎまわっていたノアがぴたりと動きを止め、耳をピンと立てて一点を見つめた。
それから姿勢を低くし唸り声を上げ始める。美里がノアの視線の先を追うと遠くから男がひとりこちらに近づいてきていた。接近距離が近づくと、ノアは頭をあげ獰猛にほえたて始めた。リードいくらひいても鳴き止まないうえに、リードをいくらひいても挑みかかるように身体を伸ばす。

その声は近隣一帯に響き渡るほどの大きさで、事務所の窓が開き、空き缶を投げつけられた。美里が窓の方をにらみつけると瞬時に窓はしまった。
「くそ……顔覚えたからな……」

男は犬の吠えたてる鼻先で足を止め、美里の方を見た。
「美里、早くその犬どうにかするか。組長のとこ連れてってくれよ。嫌われてるんだよそいつに。」
美里は驚いて男の顔を見た。顔の右半分が包帯かガーゼのようなもので覆われ軽く腫れているが、よく見ればそれは二条だった。口の端が切れている。
「二条さん……?なんですか、その顔。」
美里は必死にリードをひっぱり、ノアを自分のほうへ引き寄せる。

「お前が躾け損ねた犬にやられたんだよ。お前、一体どういう教育してんだ?」

何を言っているのか理解ができなかった。ノアはけたたましく吠え続けている。
再び勢いよく事務所の窓が開いたが、今度はゆっくりと閉まり、それ以降開くことはなかった。
「呆けた顔しやがって、甘いんだよお前は。」

二条はそういうと、ノアを避けるようにして事務所の敷地にずかずかと足を踏み入れ、さっさと地下に続く階段を下っていってしまう。地下室の扉が開き、閉じる音がした。

美里も彼を追うようにして、地下室へ向かうが、同時にポケットの中にある歯のことを思い出し、階段を降りかけた脚が止まった。ポケットに手を突っ込み、指先でそれに触れ、悟った。

女の歯でもなく誰でもない二条の歯だったのだ。

霧野の手の甲に人を殴った後に着くような擦れた痕があったことが急に思い出されてくる。背中にぞっと鳥肌がたった。力の抜けた手からリードがすべりおちる。ノアは美里の手から離れ階段を駆け下りていくと、地下室のドアにかじりつくようにして前足をかけ声を荒げた。

ドアが軽く開き、川名がドアの隙間から顔を出した。ノアは隙間にすべりこむようにして地下室に入ると一転して甘えた声を出した。ドアの隙間から川名の足元にじゃれついているノアの尻尾が見え隠れしている。
「どうした美里、来ないのか?」
その声色は「来い」といっていた。



地下室に入ると、すぐさま勢いよくドアが閉まり、大きな音を立てた。

驚いて振り返ると、霧野がドアに抑えつけられるようにして足を広げさせられ、川名に背後から犯されていた。

手枷をされたままの手首が鉄の扉と接触するとうるさい音を立てる。霧野の爪が時折鉄の扉を強くひっかいており、嫌な音をぎりぎりと立てる。その周りをノアがくるくると回ってじゃれつき、甘えた声を出していた。異様な光景だった。
あまりのことに呆然と立ち尽くしていると、霧野が目を合わさない様に必死に俯いている横顔が見えた。

「お前はこっちにこい」

声のした方に振り向くと、パイプ椅子に座った二条がこちらを見ていた。
両手のごつごつとした長い指を絡ませている。
美里はなるべく表情を出さないようにしながら彼の目の前に立った。
背後では肉と肉が擦れあう音と犬が舌を出しはあはあと息を荒げている音がし続けている。

「お前は何をやってるんだ?」
つい先日川名に言われた言葉と同じような言葉が二条の口から出た。
「……すみません」
「何がだ?」
「は」
「何をすまないと思っているのか言ってみろ。」

頭の中をぐるぐると様々な言葉があらわれては消え、口先まで出かかった言葉が正解がどうかわからず、出なかった言葉がまた頭の中を反復し背中にだらだらと汗をかいた。

「何だ?何も考えていないのに謝罪したのか?とりあえず謝っておけば何とかなるだろうと思ったのか?」
「ちがいます」
「じゃあなんだ。」
「……自分が霧野に基礎的な調教と世話をするといっておいてできていないから……」
「から?」
「……申し訳ないです」
「へぇ~、ところでお前の言う"基礎的な調教"ってなんだ?、教えてくれないか。認識齟齬があると困るから。」
口の中が徐々に乾いてくる。背後からは川名が霧野を罵しっている声が聞こえてきた。

霧野の視界の中で、川名の手が霧野のペニスをしごいており、膨張した先端からが透明な液体がだらだらとこぼれつづけていた。声をあげないように歯を食いしばっても、息遣いだけは荒く漏れ出てしまう。
「イキそうだな。」

川名は突然霧野のペニスから手を離した。霧野にとっては最悪なことに刺激を失ってもペニスは勃起を維持し、後ろからつかれるたびに前後に揺れていた。先端部がひくひくと失った刺激を求めて疼いている。ノアが無邪気にじゃれつくとペニスに度々彼の身体が擦れ、そのたびに、もどかしい快感が身体を襲ってきた。
その時別の快感が身体に流れ、尻の穴が無意識に軽く締まった。

「今ケツが軽く締まったな。なんだ、乳首でも多少は感じるのか?」
それから彼の指が執拗に乳首を上からこすりあげ、微弱な快楽が連続して腰に響いた。

「お前にはいろいろな才能があると思うが、雌の才能も十分にあるようだな。どうする?これから先の人生は雌の才能だけを使って生きていくことにするか?」

この男を殺してやりたいと思えば思うほど、身体が硬直し彼を楽しませ、脳の奥から敗北感による絶望とそれをやわらげるためのドーパミンのようなものが身体を満たした。

「どうした、息があがっているぞ。罵られて興奮したか?」

再び川名の手が激しく霧野の陰茎を責め立て、ついには鉄の扉の上に勢いよく射精してしまう。
射精の勢いで身体の筋肉が締まり、川名が背後で軽く声を上げた。
扉に大量の精液が付着しており、ゆっくりと床にむかって垂れていく。頭の奥の方がぼーっとし、すさまじい眠気が襲ってくる。何も考えたくない。

「無駄射ちご苦労様。あとは俺が出してやるまで頑張るんだな。」

美里は背後の音から必死に気を逸らし、二条の目を見た。何を考えているのか全く分からない瞳の色をしているが、形だけは微笑んでいた。白いガーゼが彼の表情の一部を隠しているせいで、余計に気味の悪さを感じた。
基礎的な調教とは何か。

「相手に逆らわなくすること……」
ですか?と後ろにつけたかったが、そんなことをしたところで、余計な尋問が増えるだけだ。
二条は黙って目を閉じてしばらく何かを考えているようだったが再び目を開けて美里を冷めた目で見据えた。

「お前はそう思ってたのか。だったらますます失敗しているじゃないか。今だって組長のチンポを悦んで受け入れるどころか心底嫌がって逆らってるぞ。そんな高レベルなことお前なんかに最初から求めていないし、やれとも言ってないが?」
「……」

二条は舌を出して、何回か動かし、目を細めて美里の目を見てからひっこめた。
「最低限フェラくらいまともにできるようにしこんでおけよ。お前自分が身体売ってた時何勉強してたんだ?ケツほられて頭馬鹿にしてただけか?」

美里はむっとしながら答えた。白い皮膚に軽く赤みがさした。初めて感情が表に出た。
「それくらいは、しこんでます。」
「へぇ~。もともとはあいつが俺のペニスに歯を立てたせいでこんなことやあんなことになってるんだけど、それでもそんなこと言えるんだ?すごいねぇ~」
二条は「こんなこと」の部分で自分の顔面を触り「あんなこと」の部分で首筋をぐりぐりと抑えた。

「そんなはずはない、仮にあったとしても二条さんが無茶なことしたからだ。」
「まあ確かに無茶なことはしたが、だったら噛んでもいいのか?」
「……」

絶対にアンタの使い方が誤ってるんだと口先にまで出かかるが、そんなことを言ったところで何にもならない。
「お前、あいつの前で手本見せてやれよ。そうしたら覚えるだろ。」
二条は口元に手を当てていたが、目があからさまに笑っていた。
「そんなことしなくても」
「そんなことしなかったからできねぇんじゃねぇかよ。良いんだぞ別に、あいつの世話する担当からお前を外しても。間宮なんか最近暇だからな。」
この野郎……。美里は自分の手が震えているのに気が付き、右手で左手首を抑えつけた。
「……わかりました。やります。」
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