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第1部 メアリー・グレヴィル
第17話
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そんな私をげっそりさせる想いをさせた秋の園遊会が終わってから、約1月が経っていた。
相変わらず、チャールズは、私に溺れた生活をしている。
私に溺れた生活というと、半ば家に引きこもり、私との情事に日夜耽っているように思われそうだが。
チャールズは,そんな生活をしている訳ではない。
朝、宰相府に出勤し、仕事に励んだ後、夕方に帰宅してくる。
原作設定に基づく話になるが、1日8時間、年間2080時間、チャールズは基本的に働いている。
帝国宰相としての職務を、チャールズは18歳ながら、きちんとこなしているのだ。
チャールズが18歳で、そんなことができるのは、それこそ実務に長けた官僚陣が、数百年をかけて帝国で育成されており、その効果的な補佐があるからなのだが。
自分が原作を書いたのだが、帝国の官僚陣の優秀さに私は溜息しか出ない。
帝国の宰相府は、大宰相を務めるヘンリー大公をトップとし、チャールズ等の宰相3人、合計4人が頂点を形成している組織だ。
そして、宰相府によって、この帝国の政治は基本的に執り行われている。
チャールズは、大公世子ということから、宰相にまで昇進、任命されており、更に実務をこなしている。
そんな仕事をこなしながら、私との夜の生活にも励んでいては。
幾ら18歳とはいえ、チャールズの身がどれだけ持つだろうか。
私は、湯船に浸かりながら、そんな事を想っていた。
朝、チャールズを送り出した後、湯船に浸かるのが、今の私の日常だ。
そうしないと、それこそ情事の後の匂いが、昼間、自分から漂う気がしてならないのだ。
どれだけ励んでいるのだ、と言われそうだが、それこそ自省するしかない。
そんなことを想いながら、自分の乳首を私が見ると黒ずんでいた。
更に考えれば、ここ2月程、私は生理が来ていない。
ということは、私は懐妊したのだ。
こんな生活をしていれば、当然の結果だ。
だが。
多分、私は自分の子を抱けないだろう。
自業自得の結果とは言え、私は涙がこぼれてきた。
本当に何でこんなことを、私はしてしまったのだろうか。
私は1時間近くの長湯をして、気を静めることになった。
風呂から上がった後、私は、あらためてアンのことを思い出した。
それこそ、毎日のように、私はアンを見舞ってはいる。
だが、アンも、ソフィア以下のアンの侍女も、徐々に私に対するガードが固くなっている。
その理由は、言うまでもない。
チャールズとの醜聞に、私が気付くのでは、と心配しているからだ。
私は、アンの身体の状況が気になった。
本当のところ、アンはどんな状況なのだろうか。
私は共に入浴しよう、とアンを誘い、それで確認することに決めた。
「夕食前の入浴も気持ちいいわね」
「そうですね」
アンの答えは、微妙に強張っている。
私の共に入浴しようとの誘いを、アンは嫌がった。
余り、体調がよくない、入浴時に倒れては、という口実を設けてきた。
だが、私は強引に誘った。
偶には姉妹水入らずもいいでしょう、と。
そして、夕方、私とアンは共に入浴していた。
私がそれとなく観察すると、アンの乳首は黒ずんでいた。
更に、アンの下腹部は気持ち膨らんでいた。
これは、アンの妊娠は間違いない。
ということは、キャロラインが産まれてくる。
私は、素早く頭を回転させた。
「アン、体調が中々良くならないようね。本当にいいと思う手段をとってね」
私は、それとなく言った。
アンの体調不良は、ずっと続いている。
理由は言うまでもない。
アンが想わぬ懐妊で心身を痛めているからだ(と私は想っていた)。
「そうさせてもらうわ」
アンは即答したが。
私は、アンの口調にどこか違和感を覚えた。
何だか原作と違う。
そう、アンは原作と違いつつあったのだ。
相変わらず、チャールズは、私に溺れた生活をしている。
私に溺れた生活というと、半ば家に引きこもり、私との情事に日夜耽っているように思われそうだが。
チャールズは,そんな生活をしている訳ではない。
朝、宰相府に出勤し、仕事に励んだ後、夕方に帰宅してくる。
原作設定に基づく話になるが、1日8時間、年間2080時間、チャールズは基本的に働いている。
帝国宰相としての職務を、チャールズは18歳ながら、きちんとこなしているのだ。
チャールズが18歳で、そんなことができるのは、それこそ実務に長けた官僚陣が、数百年をかけて帝国で育成されており、その効果的な補佐があるからなのだが。
自分が原作を書いたのだが、帝国の官僚陣の優秀さに私は溜息しか出ない。
帝国の宰相府は、大宰相を務めるヘンリー大公をトップとし、チャールズ等の宰相3人、合計4人が頂点を形成している組織だ。
そして、宰相府によって、この帝国の政治は基本的に執り行われている。
チャールズは、大公世子ということから、宰相にまで昇進、任命されており、更に実務をこなしている。
そんな仕事をこなしながら、私との夜の生活にも励んでいては。
幾ら18歳とはいえ、チャールズの身がどれだけ持つだろうか。
私は、湯船に浸かりながら、そんな事を想っていた。
朝、チャールズを送り出した後、湯船に浸かるのが、今の私の日常だ。
そうしないと、それこそ情事の後の匂いが、昼間、自分から漂う気がしてならないのだ。
どれだけ励んでいるのだ、と言われそうだが、それこそ自省するしかない。
そんなことを想いながら、自分の乳首を私が見ると黒ずんでいた。
更に考えれば、ここ2月程、私は生理が来ていない。
ということは、私は懐妊したのだ。
こんな生活をしていれば、当然の結果だ。
だが。
多分、私は自分の子を抱けないだろう。
自業自得の結果とは言え、私は涙がこぼれてきた。
本当に何でこんなことを、私はしてしまったのだろうか。
私は1時間近くの長湯をして、気を静めることになった。
風呂から上がった後、私は、あらためてアンのことを思い出した。
それこそ、毎日のように、私はアンを見舞ってはいる。
だが、アンも、ソフィア以下のアンの侍女も、徐々に私に対するガードが固くなっている。
その理由は、言うまでもない。
チャールズとの醜聞に、私が気付くのでは、と心配しているからだ。
私は、アンの身体の状況が気になった。
本当のところ、アンはどんな状況なのだろうか。
私は共に入浴しよう、とアンを誘い、それで確認することに決めた。
「夕食前の入浴も気持ちいいわね」
「そうですね」
アンの答えは、微妙に強張っている。
私の共に入浴しようとの誘いを、アンは嫌がった。
余り、体調がよくない、入浴時に倒れては、という口実を設けてきた。
だが、私は強引に誘った。
偶には姉妹水入らずもいいでしょう、と。
そして、夕方、私とアンは共に入浴していた。
私がそれとなく観察すると、アンの乳首は黒ずんでいた。
更に、アンの下腹部は気持ち膨らんでいた。
これは、アンの妊娠は間違いない。
ということは、キャロラインが産まれてくる。
私は、素早く頭を回転させた。
「アン、体調が中々良くならないようね。本当にいいと思う手段をとってね」
私は、それとなく言った。
アンの体調不良は、ずっと続いている。
理由は言うまでもない。
アンが想わぬ懐妊で心身を痛めているからだ(と私は想っていた)。
「そうさせてもらうわ」
アンは即答したが。
私は、アンの口調にどこか違和感を覚えた。
何だか原作と違う。
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