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クラスの女神の恋愛相談
女神と共に
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晩御飯を食べ終え。
ベッドで天井を見上げる私。
正確には、上に掲げたスマホの中身を見上げていた。
……ラインの通知、130件。
既読を付けないように中は覗いていない。
けれど。返信しないと流石に可哀想なので、私はラインのアプリを立ち上げ、恐る恐る、【天崎心音】と一番上にある名前に触れた。
気持ち悪い程に連続するメッセージ。
とりあえず、一番上から目を通す。
『伊奈さん? 無視してますか?』
『もしかして、急に告白したからキモいとか思いましたか?』
『ごめんなさい。だけど、私はやっと想いを伝えられて嬉しかったから』
『あ。付き合ってとか、そういうおこがましい願いじゃないんですよ?』
『ただ、それを伝えたかっただけであって』
『それにしても。なんで無視してるのかな?』
『もしかしてブロックしましたか?』
『あ。晩御飯の可能性もありますよね』
『そんなラインを送って、こいつ暇人だなとか思ってます?』
『だけど。宿題も終わらせましたし、ラインは家族と伊奈さんしかいないので』
『暇というか、退屈なんですよね』
『あ! そういえば聞きたいことがあるんでした』
『伊奈さんは登下校の時、可愛い女の子と一緒に登校しているようですが』
『あれ……誰?』
『いや、別に深い意味があるとかないんですよ!』
『私は耳が悪いこともあって、いつも車で登下校しているのですが』
『その時に偶然、本当に偶然、目に伊奈さん達が目に入るんですよね』
『あ、でも、伊奈さんがいつも登下校をしている時間を狙って、送り迎えしてもらっているわけではないんですよ!』
(ry
『……』
『遅いですね』
『折角、ラインを交換できたからお話がしたかったのですが』
『ごめんなさい。ふて寝します』
『あなたを待てなかった私を罰してください』
……と。
すっごい面倒な彼女みたいなラインを寄越されていた。
それに……ライン、交換してないし。奪われただけだし。
けれどそれと同時に、私がこんなにも愛されていることを知れた。
それはかなり嬉しい……。……?
いや、嬉しさは勿論あるけど、なんか恐怖も三割ほど感じている。
まぁ。何か気の利いた言葉を返そう。
『ごめん。ご飯食べてた。私の家、ご飯中にスマホは禁止でさ』
『そうなんですね。私の方こそごめんなさい。取り乱してしまって』
送って数秒の間で、返信が来て、私の肩が少しビクッとなる。
……ふて寝してないんかい。
『いや。大丈夫大丈夫。気にしてないから』
『良かったです。それはそうと、明日はどうするんですか?』
どうする。と言われても。
なんて返せばいいのだろうか。
天崎さんは何を求めているのだろうか。
『どうするって……何が?』
『え? 聞いてないですか? あ。そもそも分からないですね』
独り言のようなそのメッセージに、私は疑問符しか浮かばない。
『……?』
『えっとですね! 私、相談部に入部することにしました!』
……ん?
…………んん?
………………んんんんんん⁇
『……まじ? なんで?』
『私、そもそも、伊奈さんと話すことができたら相談部に入ろうって決めてたんです!』
話してはいない。
けれど、ここはスルーしておこう。
『なるほど。私的には、廃部の危機だったし、かなりありがたいけど。……大丈夫? 耳が聞こえないって色々と大変じゃない?』
『スポーツ系の部活だったら入れなかったですけど、相談部ってめっちゃ楽そうじゃないですか!』
……さては舐めてやがるな。
相談が来ない日は、漫画アプリで暇とか潰したり、こっそり置いてあるポットで沸かしたお湯で、紅茶を飲んだりしているくらいで。
相談が来る日は、とても大変な部活なのだ。
うん。本当に大変だ。
『舐めない方がいいぞよ。……明日、妹の友達が来るらしい。その時は色々と手伝ってもらうからね!』
『はい! 宜しくお願いします! 伊奈さん!』
『うむうむ。良い返事だ』
かくして私は。
女神と共に、相談をすることとなった。
ベッドで天井を見上げる私。
正確には、上に掲げたスマホの中身を見上げていた。
……ラインの通知、130件。
既読を付けないように中は覗いていない。
けれど。返信しないと流石に可哀想なので、私はラインのアプリを立ち上げ、恐る恐る、【天崎心音】と一番上にある名前に触れた。
気持ち悪い程に連続するメッセージ。
とりあえず、一番上から目を通す。
『伊奈さん? 無視してますか?』
『もしかして、急に告白したからキモいとか思いましたか?』
『ごめんなさい。だけど、私はやっと想いを伝えられて嬉しかったから』
『あ。付き合ってとか、そういうおこがましい願いじゃないんですよ?』
『ただ、それを伝えたかっただけであって』
『それにしても。なんで無視してるのかな?』
『もしかしてブロックしましたか?』
『あ。晩御飯の可能性もありますよね』
『そんなラインを送って、こいつ暇人だなとか思ってます?』
『だけど。宿題も終わらせましたし、ラインは家族と伊奈さんしかいないので』
『暇というか、退屈なんですよね』
『あ! そういえば聞きたいことがあるんでした』
『伊奈さんは登下校の時、可愛い女の子と一緒に登校しているようですが』
『あれ……誰?』
『いや、別に深い意味があるとかないんですよ!』
『私は耳が悪いこともあって、いつも車で登下校しているのですが』
『その時に偶然、本当に偶然、目に伊奈さん達が目に入るんですよね』
『あ、でも、伊奈さんがいつも登下校をしている時間を狙って、送り迎えしてもらっているわけではないんですよ!』
(ry
『……』
『遅いですね』
『折角、ラインを交換できたからお話がしたかったのですが』
『ごめんなさい。ふて寝します』
『あなたを待てなかった私を罰してください』
……と。
すっごい面倒な彼女みたいなラインを寄越されていた。
それに……ライン、交換してないし。奪われただけだし。
けれどそれと同時に、私がこんなにも愛されていることを知れた。
それはかなり嬉しい……。……?
いや、嬉しさは勿論あるけど、なんか恐怖も三割ほど感じている。
まぁ。何か気の利いた言葉を返そう。
『ごめん。ご飯食べてた。私の家、ご飯中にスマホは禁止でさ』
『そうなんですね。私の方こそごめんなさい。取り乱してしまって』
送って数秒の間で、返信が来て、私の肩が少しビクッとなる。
……ふて寝してないんかい。
『いや。大丈夫大丈夫。気にしてないから』
『良かったです。それはそうと、明日はどうするんですか?』
どうする。と言われても。
なんて返せばいいのだろうか。
天崎さんは何を求めているのだろうか。
『どうするって……何が?』
『え? 聞いてないですか? あ。そもそも分からないですね』
独り言のようなそのメッセージに、私は疑問符しか浮かばない。
『……?』
『えっとですね! 私、相談部に入部することにしました!』
……ん?
…………んん?
………………んんんんんん⁇
『……まじ? なんで?』
『私、そもそも、伊奈さんと話すことができたら相談部に入ろうって決めてたんです!』
話してはいない。
けれど、ここはスルーしておこう。
『なるほど。私的には、廃部の危機だったし、かなりありがたいけど。……大丈夫? 耳が聞こえないって色々と大変じゃない?』
『スポーツ系の部活だったら入れなかったですけど、相談部ってめっちゃ楽そうじゃないですか!』
……さては舐めてやがるな。
相談が来ない日は、漫画アプリで暇とか潰したり、こっそり置いてあるポットで沸かしたお湯で、紅茶を飲んだりしているくらいで。
相談が来る日は、とても大変な部活なのだ。
うん。本当に大変だ。
『舐めない方がいいぞよ。……明日、妹の友達が来るらしい。その時は色々と手伝ってもらうからね!』
『はい! 宜しくお願いします! 伊奈さん!』
『うむうむ。良い返事だ』
かくして私は。
女神と共に、相談をすることとなった。
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