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第7話 京子には
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駅で待つ京子を見つけた。相変わらず美しく、凛としていて、見惚れてしまう。これほどの人波の中でもすぐに見つけることができた。京子も僕を見つけ笑顔で手を振った。
「早く牡蠣食べたいね」
「ほんまやな。食べ放題やしいっぱい食べたるねん」
「翔太最近痩せたし、いっぱい食べてな」
「ほんまに痩せた?最近ジム通ってるねん」
「顔がシュッとした。そうなんだ、私も通おかな」
「ありがとう。京子は今が一番やで」
「ほんと?」
「うん」
僕達は最近できたばかりの牡蠣食べ放題のお店に向かった。お店の前には人だかりができており、店内はほぼ満席で、もし京子が予約していなかったら、相当待つ羽目になっただろう。
「すごい人だね」
「ほんまやなあ。予約ありがとうな」
「予約したらポイント付くし、こちらこそありがとう」
「京子はどこまでもいい人やな」
「うるさいっ、」
京子の顔は赤らんでいた。京子は本当によくできた女だと思う。僕は絶対に京子を幸せにしたい。もし、僕が芸能界で頂点に登り詰めても隣にいてほしいのは京子だ。
芸能界で成功した途端、今まで支えてくれた彼女や妻を捨て、芸能人や容姿の美しい人に切り替える男は後を絶たない。あの俳優もあの歌手もそうだった。あの俳優に関しては十年間、芸能界で花が咲かず、その間ずっと支えてくれた彼女を成功した途端にぽろっと捨て、女優と結婚した。このニュースを聞いた人は皆怒りを覚えただろう。僕は絶対にそうならない。いや、そうなりたくない。頂点に登り詰めた後も絶対に京子だ。
「美味しいね」
京子はそう言い美味しそうにモグモグ食べていた。ふいに京子が言った。
「最近何かあったの?」
「いきなりどうしたん」
「一年も付き合ってるんだよ?何か隠してる気がする」
流石やな
「実は、芸能界に入ることになってん」
「えっ、、翔太が?」
「うん。今日面談に行ってきて正式に決まった」
「すごいじゃん!何になるの?」
「俳優」
「俳優かあ、私が翔太のファン第一号だね」
「ありがとう」
京子は驚きを隠せていなかった。もちろん僕の芸能界入りを喜んでくれていたが、瞳の奥はなぜだか寂しそうだった。僕にはこの時なぜそう見えたのかわからない。もしかすると、京子には僕が芸能界で頂点に登り詰めた後の姿が見えていたのかもしれない。
「もう食べれないよ」
「僕もお腹いっぱいやわ」
「翔太の食欲すごかったね」
僕は牡蠣をたらふく食べた後にアイスクリーム、プリン、パフェもたいらげた。京子は僕の食欲にただ、笑っていた。
「お腹壊さないようにね」
「絶対壊すわ。色んなものがお腹の中で混ざってる」
僕達は店を出て、大阪駅の上にあるベンチへ向かった。空いているベンチを見つけて腰掛け、話をしていた。
「東京に行っちゃうの?」
「わからへん。でも、ほとんどの芸能人は東京行くもんなあ」
「離れるの寂しいね」
「もし東京に行っても、休みは絶対京子に会いに来る」
「約束だよ。私からも会いに行く」
京子は寂しげな表情をしていた。僕は愛おしさのあまり京子を肩に抱き寄せ、頬にキスをした。
冷たい風が吹く中、京子の温かみを感じ、周りの視線など気にも留めない程、僕は惚れていた。
この時がいつまでも続けばいいのに
「早く牡蠣食べたいね」
「ほんまやな。食べ放題やしいっぱい食べたるねん」
「翔太最近痩せたし、いっぱい食べてな」
「ほんまに痩せた?最近ジム通ってるねん」
「顔がシュッとした。そうなんだ、私も通おかな」
「ありがとう。京子は今が一番やで」
「ほんと?」
「うん」
僕達は最近できたばかりの牡蠣食べ放題のお店に向かった。お店の前には人だかりができており、店内はほぼ満席で、もし京子が予約していなかったら、相当待つ羽目になっただろう。
「すごい人だね」
「ほんまやなあ。予約ありがとうな」
「予約したらポイント付くし、こちらこそありがとう」
「京子はどこまでもいい人やな」
「うるさいっ、」
京子の顔は赤らんでいた。京子は本当によくできた女だと思う。僕は絶対に京子を幸せにしたい。もし、僕が芸能界で頂点に登り詰めても隣にいてほしいのは京子だ。
芸能界で成功した途端、今まで支えてくれた彼女や妻を捨て、芸能人や容姿の美しい人に切り替える男は後を絶たない。あの俳優もあの歌手もそうだった。あの俳優に関しては十年間、芸能界で花が咲かず、その間ずっと支えてくれた彼女を成功した途端にぽろっと捨て、女優と結婚した。このニュースを聞いた人は皆怒りを覚えただろう。僕は絶対にそうならない。いや、そうなりたくない。頂点に登り詰めた後も絶対に京子だ。
「美味しいね」
京子はそう言い美味しそうにモグモグ食べていた。ふいに京子が言った。
「最近何かあったの?」
「いきなりどうしたん」
「一年も付き合ってるんだよ?何か隠してる気がする」
流石やな
「実は、芸能界に入ることになってん」
「えっ、、翔太が?」
「うん。今日面談に行ってきて正式に決まった」
「すごいじゃん!何になるの?」
「俳優」
「俳優かあ、私が翔太のファン第一号だね」
「ありがとう」
京子は驚きを隠せていなかった。もちろん僕の芸能界入りを喜んでくれていたが、瞳の奥はなぜだか寂しそうだった。僕にはこの時なぜそう見えたのかわからない。もしかすると、京子には僕が芸能界で頂点に登り詰めた後の姿が見えていたのかもしれない。
「もう食べれないよ」
「僕もお腹いっぱいやわ」
「翔太の食欲すごかったね」
僕は牡蠣をたらふく食べた後にアイスクリーム、プリン、パフェもたいらげた。京子は僕の食欲にただ、笑っていた。
「お腹壊さないようにね」
「絶対壊すわ。色んなものがお腹の中で混ざってる」
僕達は店を出て、大阪駅の上にあるベンチへ向かった。空いているベンチを見つけて腰掛け、話をしていた。
「東京に行っちゃうの?」
「わからへん。でも、ほとんどの芸能人は東京行くもんなあ」
「離れるの寂しいね」
「もし東京に行っても、休みは絶対京子に会いに来る」
「約束だよ。私からも会いに行く」
京子は寂しげな表情をしていた。僕は愛おしさのあまり京子を肩に抱き寄せ、頬にキスをした。
冷たい風が吹く中、京子の温かみを感じ、周りの視線など気にも留めない程、僕は惚れていた。
この時がいつまでも続けばいいのに
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