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第二章 少年編
第二十七話 盗賊再会
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俺達はあれから馬車であの街を出た。
もういる必要もないし、最後に良いことをしたからいいだろう。
ちなみに馬の操縦はセシリアさんがやってくれる。
セシリアさんは大抵の事は何でも出来る。
本当に頼もしい限りだ。
俺とリリアとタマは先程の話をしていた。
「さっきの女の子一緒に連れて行くのかと思ったわ」
「私もそう思ったニャー。どうして連れていかなかったのかニャー?」
リリアとタマは仲間になるものだと思ってたらしい。
「俺も最初は一緒に連れて行こうか迷ったけど、やっぱりあの子は自分の力で頑張らせるのがいいかなって思ってな」
「成程ね。あの子強くなりそうね」
リリアはそう言った。
「ほんとな」
俺もそう思う。あの子はきっといつか強くなるだろう。
また会える気がする。その時が楽しみだ。
俺達がそんな雑談をしながら荒野を馬で走る。
「伏せろ!」
いきなりセシリアさんの叫び声が響き渡る。
俺達はすぐに伏せた。
馬車がいきなり止まった。
俺は何事かと思い、外に出た。
「どうしたんですか......」
俺は何があったのか聞こうと思ったがすぐに状況を理解した。
俺達の馬車の目の前には、盗賊がいた。
「おい。命が欲しいなら馬車にあるもの全てよこしな」
盗賊の頭らしき人はそう言った。
それから、リリアもタマも降りて来て状況が分かったらしい。
「誰がお前らに......」
俺は言い終わる前に気付いた。
「......あんた」
リリアとタマも気付いたらしく、呆然としていた。
「ああ?お前らどこかで見たことがある気がするな」
そこには村長の家を襲った張本人がいた。
「どうしてお前がここにいるんだ」
盗賊は鼻で笑い、
「それはこっちのセリフだよ。何でお前らがここにいんだよ」
こいつがここにいるってことは......
俺は嫌な予感がしつつも聞いた。
「お前あの家の村長どうしたんだ?」
「ああ。あいつか。あいつなら殺したよ。あの魔法使いがちょっとだけ強くて苦労したがな」
その言葉にリリアは手に拳を作り歯を食いしばりながらも、盗賊に襲い掛からなかった。
以前のリリアなら襲いに行ったんっだろうなと成長に感動している場合じゃない。
俺は今すぐにでも村長とアンリの仇を討ちたいが必死に我慢しながら、聞いた。
「あの村に金髪の剣士がいなかったか?」
その俺の言葉に盗賊は頭を傾げ思い出したかのように、
「ああ。そういえばそんな奴がいたってことを聞いた気はするな」
「聞いた?」
「そうだ。俺はその時いなかったから知らないが、奇妙な技を使う金髪の剣士がいたってことは聞いたな」
間違いない。それはジルダだ。
「その人も殺したのか?」
「いや。多分殺されてねーな。俺がやってもねーし。どこかに避難したんだろ」
良かった。俺は親父達が生きていることに安心し今すぐにでもこいつを倒しに行こうと考える。
「まあ待てよ。俺も答えてやったんだから、お前も答えろよ。なんとなく分かるがフラウスがどこに行ったか分かるか?俺らはあいつにまだ報酬貰ってないんだよ」
その盗賊の言葉に周りの連中不満のことばをだす。
俺は短く一言だけ、
「地獄に行った」
その言葉に盗賊は笑い出し、
「やっぱりお前らにやられたか。けどそこのエルフの姉ちゃんにやられるならまだ分かるが、お前みたいなガキにやられるとは未だに信じられないな」
盗賊は俺を値踏みするかのように見てくる。
俺はその目を無視し、こいつをどうやって倒すか考える。
するとリリアに服を引っ張られた。
「今度は一緒に戦うわよ」
リリアも自分で仇を討ちたいのだろう。
俺は頷いた。
「一緒に仇を討とう」
それから俺はセシリアさんに向き、
「セシリアさんに周りの連中をお願いしてもいいですか?」
「分かった。しかし、もしお前達が危険になりそうだったら助けるからな」
セシリアさんはもう周りの連中を倒すつもりらしい。
頼もしい限りだ。
「それにあいつは強いと思うぞ」
セシリアさんは付け足すように言った。
確かにその通りだろう。
一度あいつの剣を振っている所を見たがあれだけで十分強い事が分かるぐらいだ。
けど、今回は何の不安も無かった。
今回はパーティで戦うからだろうか。
安心感が違う。
俺はリリアに近づき作戦を伝える。
「分かったわ」
リリアは頷き準備に入る。
「タマ。お前は俺達のどちらかがピンチになったら教えてくれ」
「分かったニャー」
タマは上空に行った。
俺は仇である盗賊と対峙する。
盗賊の方も俺達と戦いたいのか一人だ。
「最近強い相手がいないんでな。楽しませてくれよ」
盗賊は余裕そうに言った。
俺はその顔を絶望の顔にしてやると思う。
俺はすぐに盗賊に向かって、走り剣を横に振る。
しかし簡単に受け止められる。
「ほう。中々いい振りじゃねーか」
盗賊は余裕そうにして剣を振ってくる。
今回の作戦は俺がリリアの盾になり魔法が出来るまでの時間を稼ぐというものだ。
リリアは最近セシリアさんに罠魔法のようなものを教えて貰ってるらしい。
しかし、これには問題がある。
時間がかかるのだ。
普通にリリアに魔法で援護してもらってもいいのだが、それだと多分こいつには当たらないだろうと思い、初めて見るような魔法を使ってもらうことにした。
しかし、これに問題が生じた。
俺が思ってたより、盗賊が強い。
「おいおい。どうした。こんなものか」
盗賊は段々と剣の振る速さを上げていく。
こいつ強い。俺は全く攻めきれず、防戦一方だ。
「くっ!」
俺は少し腕に傷を負ってしまった。
このままではいつか重傷を負ってしまう。
俺はこの時間稼ぎの一秒が何十秒にも感じてしまう。
リリア。早くしてくれ。
俺は今回魔法は使っていない。魔法を使えば反撃は出来るかもしれないが、倒せるところまではいかないだろう。
それにリリアの作っている罠魔法の所から離れるのはあまりよくないだろう。
俺は何度か反撃を試みるが無駄だった。
強引に力でねじ伏せられてしまう。
「先生!」
その時リリアの叫び声が聞こえた。
準備が出来たのだろう。
俺はそれから盗賊の攻撃に耐えきれず退避したようにみせ、退避した。
しかし、ここで問題が起きた。
何故か、盗賊は俺を追いかけてこなかったのだ。
普通ならばここで畳みかけるとこだろう。
俺の驚いた顔を見て、盗賊は笑った。
「やっぱりそこに何かあるんだろう。俺の直感が行ったらやられるって言ったように感じたんでな」
......やばい。
こいつ状況判断まで完璧だ。
セシリアさんが来るまで時間を稼ぐか?
いや。その前に俺達がやられる可能性が高い。
それに村長の仇は俺達の手でするのが今までの恩返しみたいなものだ。
こいつには俺の人生を狂わされたしな。
俺は一度リリアがいるところまで戻った。
「リリア。俺が今から切り札を使う」
「切り札?」
「ああ。けど、それには時間がかかる。それまでの時間稼ぎを頼めるか?」
リリアは胸を張り、
「何をするか分からないけど任せて。あんたは自分の事に集中しなさい」
そんな頼もしい事を言ってくれる。
俺は一応時間稼ぎに最適な魔法を教える。
「あんた。それ簡単に言うけど相当難しいからね」
そんな事を言いながらも出来ないとは言わないのは流石だ。
盗賊は俺達が話し終わるまで待ってくれた。
「やっと話し合いは終わったか?さっきのはそんなに楽しくなかったから楽しませてくれよ」
盗賊は余裕そうだ。
リリアは俺の前に立ち、言った。
「ええ。あんたが泣いて謝るような計画を立てたわ」
盗賊は笑いながら、
「そりゃあ楽しみだ」
剣を構えた。
俺も準備を始める。
盗賊は急に表情を変え、
「おい。そこのガキ。お前何をしようとしている?それはやらしたらいけねえ気がする」
盗賊は俺の気配が変わったことを敏感に察知したのだろう。
今から第二ラウンドだ。
もういる必要もないし、最後に良いことをしたからいいだろう。
ちなみに馬の操縦はセシリアさんがやってくれる。
セシリアさんは大抵の事は何でも出来る。
本当に頼もしい限りだ。
俺とリリアとタマは先程の話をしていた。
「さっきの女の子一緒に連れて行くのかと思ったわ」
「私もそう思ったニャー。どうして連れていかなかったのかニャー?」
リリアとタマは仲間になるものだと思ってたらしい。
「俺も最初は一緒に連れて行こうか迷ったけど、やっぱりあの子は自分の力で頑張らせるのがいいかなって思ってな」
「成程ね。あの子強くなりそうね」
リリアはそう言った。
「ほんとな」
俺もそう思う。あの子はきっといつか強くなるだろう。
また会える気がする。その時が楽しみだ。
俺達がそんな雑談をしながら荒野を馬で走る。
「伏せろ!」
いきなりセシリアさんの叫び声が響き渡る。
俺達はすぐに伏せた。
馬車がいきなり止まった。
俺は何事かと思い、外に出た。
「どうしたんですか......」
俺は何があったのか聞こうと思ったがすぐに状況を理解した。
俺達の馬車の目の前には、盗賊がいた。
「おい。命が欲しいなら馬車にあるもの全てよこしな」
盗賊の頭らしき人はそう言った。
それから、リリアもタマも降りて来て状況が分かったらしい。
「誰がお前らに......」
俺は言い終わる前に気付いた。
「......あんた」
リリアとタマも気付いたらしく、呆然としていた。
「ああ?お前らどこかで見たことがある気がするな」
そこには村長の家を襲った張本人がいた。
「どうしてお前がここにいるんだ」
盗賊は鼻で笑い、
「それはこっちのセリフだよ。何でお前らがここにいんだよ」
こいつがここにいるってことは......
俺は嫌な予感がしつつも聞いた。
「お前あの家の村長どうしたんだ?」
「ああ。あいつか。あいつなら殺したよ。あの魔法使いがちょっとだけ強くて苦労したがな」
その言葉にリリアは手に拳を作り歯を食いしばりながらも、盗賊に襲い掛からなかった。
以前のリリアなら襲いに行ったんっだろうなと成長に感動している場合じゃない。
俺は今すぐにでも村長とアンリの仇を討ちたいが必死に我慢しながら、聞いた。
「あの村に金髪の剣士がいなかったか?」
その俺の言葉に盗賊は頭を傾げ思い出したかのように、
「ああ。そういえばそんな奴がいたってことを聞いた気はするな」
「聞いた?」
「そうだ。俺はその時いなかったから知らないが、奇妙な技を使う金髪の剣士がいたってことは聞いたな」
間違いない。それはジルダだ。
「その人も殺したのか?」
「いや。多分殺されてねーな。俺がやってもねーし。どこかに避難したんだろ」
良かった。俺は親父達が生きていることに安心し今すぐにでもこいつを倒しに行こうと考える。
「まあ待てよ。俺も答えてやったんだから、お前も答えろよ。なんとなく分かるがフラウスがどこに行ったか分かるか?俺らはあいつにまだ報酬貰ってないんだよ」
その盗賊の言葉に周りの連中不満のことばをだす。
俺は短く一言だけ、
「地獄に行った」
その言葉に盗賊は笑い出し、
「やっぱりお前らにやられたか。けどそこのエルフの姉ちゃんにやられるならまだ分かるが、お前みたいなガキにやられるとは未だに信じられないな」
盗賊は俺を値踏みするかのように見てくる。
俺はその目を無視し、こいつをどうやって倒すか考える。
するとリリアに服を引っ張られた。
「今度は一緒に戦うわよ」
リリアも自分で仇を討ちたいのだろう。
俺は頷いた。
「一緒に仇を討とう」
それから俺はセシリアさんに向き、
「セシリアさんに周りの連中をお願いしてもいいですか?」
「分かった。しかし、もしお前達が危険になりそうだったら助けるからな」
セシリアさんはもう周りの連中を倒すつもりらしい。
頼もしい限りだ。
「それにあいつは強いと思うぞ」
セシリアさんは付け足すように言った。
確かにその通りだろう。
一度あいつの剣を振っている所を見たがあれだけで十分強い事が分かるぐらいだ。
けど、今回は何の不安も無かった。
今回はパーティで戦うからだろうか。
安心感が違う。
俺はリリアに近づき作戦を伝える。
「分かったわ」
リリアは頷き準備に入る。
「タマ。お前は俺達のどちらかがピンチになったら教えてくれ」
「分かったニャー」
タマは上空に行った。
俺は仇である盗賊と対峙する。
盗賊の方も俺達と戦いたいのか一人だ。
「最近強い相手がいないんでな。楽しませてくれよ」
盗賊は余裕そうに言った。
俺はその顔を絶望の顔にしてやると思う。
俺はすぐに盗賊に向かって、走り剣を横に振る。
しかし簡単に受け止められる。
「ほう。中々いい振りじゃねーか」
盗賊は余裕そうにして剣を振ってくる。
今回の作戦は俺がリリアの盾になり魔法が出来るまでの時間を稼ぐというものだ。
リリアは最近セシリアさんに罠魔法のようなものを教えて貰ってるらしい。
しかし、これには問題がある。
時間がかかるのだ。
普通にリリアに魔法で援護してもらってもいいのだが、それだと多分こいつには当たらないだろうと思い、初めて見るような魔法を使ってもらうことにした。
しかし、これに問題が生じた。
俺が思ってたより、盗賊が強い。
「おいおい。どうした。こんなものか」
盗賊は段々と剣の振る速さを上げていく。
こいつ強い。俺は全く攻めきれず、防戦一方だ。
「くっ!」
俺は少し腕に傷を負ってしまった。
このままではいつか重傷を負ってしまう。
俺はこの時間稼ぎの一秒が何十秒にも感じてしまう。
リリア。早くしてくれ。
俺は今回魔法は使っていない。魔法を使えば反撃は出来るかもしれないが、倒せるところまではいかないだろう。
それにリリアの作っている罠魔法の所から離れるのはあまりよくないだろう。
俺は何度か反撃を試みるが無駄だった。
強引に力でねじ伏せられてしまう。
「先生!」
その時リリアの叫び声が聞こえた。
準備が出来たのだろう。
俺はそれから盗賊の攻撃に耐えきれず退避したようにみせ、退避した。
しかし、ここで問題が起きた。
何故か、盗賊は俺を追いかけてこなかったのだ。
普通ならばここで畳みかけるとこだろう。
俺の驚いた顔を見て、盗賊は笑った。
「やっぱりそこに何かあるんだろう。俺の直感が行ったらやられるって言ったように感じたんでな」
......やばい。
こいつ状況判断まで完璧だ。
セシリアさんが来るまで時間を稼ぐか?
いや。その前に俺達がやられる可能性が高い。
それに村長の仇は俺達の手でするのが今までの恩返しみたいなものだ。
こいつには俺の人生を狂わされたしな。
俺は一度リリアがいるところまで戻った。
「リリア。俺が今から切り札を使う」
「切り札?」
「ああ。けど、それには時間がかかる。それまでの時間稼ぎを頼めるか?」
リリアは胸を張り、
「何をするか分からないけど任せて。あんたは自分の事に集中しなさい」
そんな頼もしい事を言ってくれる。
俺は一応時間稼ぎに最適な魔法を教える。
「あんた。それ簡単に言うけど相当難しいからね」
そんな事を言いながらも出来ないとは言わないのは流石だ。
盗賊は俺達が話し終わるまで待ってくれた。
「やっと話し合いは終わったか?さっきのはそんなに楽しくなかったから楽しませてくれよ」
盗賊は余裕そうだ。
リリアは俺の前に立ち、言った。
「ええ。あんたが泣いて謝るような計画を立てたわ」
盗賊は笑いながら、
「そりゃあ楽しみだ」
剣を構えた。
俺も準備を始める。
盗賊は急に表情を変え、
「おい。そこのガキ。お前何をしようとしている?それはやらしたらいけねえ気がする」
盗賊は俺の気配が変わったことを敏感に察知したのだろう。
今から第二ラウンドだ。
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