上 下
6 / 45
30代限界サラリーマンのおじさんは地下アイドル♂に❤︎される

3

しおりを挟む
「嘘はいけないな」

 そう言って再びキスをしてこようとしたため、僕は必死に抵抗する。しかし、いくら足掻いても拘束を解くことができない。

「おい!離せ!離せよ!!」
「ふふ、可愛いなぁ」
「ひっ!?ちょ、ちょっと待てっば」

 慌てて彼の肩を掴むと、思い切り突き飛ばす。が、びくともしない。それどころか逆にベッドに押し倒されてしまった。

「やめて下さい!僕には妻がいるんです!」
「昨晩は独身だって言ってなかったっけ?」

 咄嗟に嘘をつくがすぐさま見抜かれてしまい、その言葉を遮るように唇を重ねてくる。抵抗しようとしたが、両手を掴まれてしまい身動きが取れなくなってしまった。
 両足を開かされる状態で押さえつけられる。股間が密着しているせいか、熱を帯びた硬いものが押しつけられてきた。それで自分のモノを刺激され、思わず変な気分になってしまう。

「んぅ……はあっ」
「ほら、もう勃ってきてる」

 そう言いながらぐりっと先端を押し潰すように腰を動かされた。強い快楽が走り、身体が跳ね上がる。

「うわっ!?あ、あんた何してんだよ!!変態か!?警察呼ぶぞ!?」
「だから独身だって昨日教えてくれたじゃないか」
「そうじゃなくて!!」
「ああ、大丈夫。俺も独身だよ」
「そういうことじゃねえよ!!」

 腰を動かし続けている男を引き剥がそうと暴れるもやはり敵わない。

「そんなに嫌がらないでくれよ。傷ついてしまう」
「誰のせいでこうなってると……!」
「それは間違いなく太郎さんのせいだ♡」

 目の前の人物は口角を上げる。その表情を見て背筋が凍るような恐怖を覚えた。
 見たことあるような顔で、聞いたことのある声で、だけど全然知らない人。

 頭の中に警鐘が鳴り響いている。この男は危険だと本能的に察していた。

「な、なんでこんなことをするんだよ……」

 震える声で言うと、その人物は耳元で囁いてきた。

「君が好きだから」
「……は!?」
「好きだよ、大好き。頰を赤らめて一生懸命俺を応援してくれる君が可愛くて仕方なかった。君の笑顔を見るために仕事を頑張ったこともある。君が喜んでくれるならなんだってしたかった。だからこうして会いに来たのに……君は俺のことを忘れてしまったみたいだ」

 悲しげな瞳で見つめられる。どうしてかわからないけど、胸の奥が締め付けられるようだった。

「ごめん……本当にわからないんだ……」
「うん。酒に酔ってたみたいだしね。無理もないさ。でも、これから思い出してくれればいいんだ。時間はたっぷりとあるからね」

 銀髪の髪を掻き上げ、俺を見下ろしてくる。その目は獲物を狙う蛇のように鋭く、それでいてどこか優しかった。

「お、俺のことが好きなの……?」

 自分を性的対象として見ているのか気になり、恐る恐る訊ねてみると彼は嬉しそうに笑った。

「もちろんさ。ずっと前からね」

 そして、俺の頬を撫でてくる。その手つきは壊れ物を扱うように優しくて、心地よいものだった。

「大好きだ。この気持ちは誰にも負けないと自負している。この世で一番、君を愛してる」

 まるで天使のような微笑みで愛の告白を受けた瞬間、頭の中が真っ白になった。

 男の顔を見越して瞳に映るのは天井に貼ってあるポスター。ピンク色の長髪に、天使の笑顔を浮かべた紀元前ソフィーちゃん。

 男と紀元前ソフィーの笑顔は似ていた。いや、本人そのものと言っても過言ではないくらい瓜二つである。

 ここでふと、ある疑問が浮かんだ。それは………

 いやしかし、紀元前ソフィーは女性だ。胸も大きかったし、声は女性にしては低い方だったが、それでも男とは似ても似つかない。
 いやそんなまさか。ありえないだろう。

「そ、そんなはずはない……」
「ん?どうした?」

 頰を撫でながら優しく語りかけてくる。その声はやはり聞き覚えがあった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

ストレスを感じすぎた社畜くんが、急におもらししちゃう話

こじらせた処女
BL
社会人になってから一年が経った健斗(けんと)は、住んでいた部屋が火事で焼けてしまい、大家に突然退去命令を出されてしまう。家具やら引越し費用やらを捻出できず、大学の同期であった祐樹(ゆうき)の家に転がり込むこととなった。 家賃は折半。しかし毎日終電ギリギリまで仕事がある健斗は洗濯も炊事も祐樹に任せっきりになりがちだった。罪悪感に駆られるも、疲弊しきってボロボロの体では家事をすることができない日々。社会人として自立できていない焦燥感、日々の疲れ。体にも心にも余裕がなくなった健斗はある日おねしょをしてしまう。手伝おうとした祐樹に当たり散らしてしまい、喧嘩になってしまい、それが張り詰めていた糸を切るきっかけになったのか、その日の夜、帰宅した健斗は玄関から動けなくなってしまい…?

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

処理中です...