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第2章~ジロー、人里へ出る~
精霊の願い。
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歪んでる?
おれが?
「それ、どういう意味ですか?」
【言葉の通りよ。あなた人間よね?でも人間らしくない…】
そう呟くと、テラはそれきり黙ってまたおれを観察してるようだった。
そんなにおれ、おかしいだろうか。そもそも歪んでるって何だ?昔、ユキにアシナと同じ匂いがするって言われたことがあるけど。あの時は、アシナの魔力を浴びたからだって言ってたけど。
とにかくだ。
「とにかくおれはどこの国の者でもありません。そしてあなた達のことを誰かに言おうとかも少しも考えてません。」
すると一人の兵士が前に進み出た。おそらく先ほどアイリスが進み出るのを止めていた兵士だろう。近くで見ると周りの兵士よりも大分年上のようだ。老練の兵士と言ったところだろうか。
「我々も貴殿を全面的に疑っているわけではないのだ。特に森の王のそばにいるような貴殿のような人物をな。
しかし、貴殿は知らぬかもしれぬが世界には子供を暗殺者などに育てるような国も確かにある。貴殿ぐらいの年齢の間諜もいるのだ。子供の姿というのは総じて油断しやすいものだからな。」
やっぱりこの世界には、おれぐらいの年齢からスパイとして育てられる人もいるんだ。
そう思うと転生してすぐアシナに出会えたおれは幸運なのかもしれない。
「ではお前達は、この者をどうするというのだ。他の者と同じようにお前達の法で裁くというのか。」
「私達としましては一度、オースウェルまで来ていただいてそこでお話しをさせていただきたいと思います。その結果何もなければそれで解放いたしますし、逆に密偵であることがわかってしまえばその場と裁くことになります。」
お話しなんてきれいな言葉を使っているけど、おそらくは尋問やら悪くしたら拷問するってことなんだろうな。
「それはこの者に何か手を下すということか?」
すっとアシナがおれの前に進み出た。
「いえ、そのようなことは。ただ話を聞きたいだけ…」
「先ほど、私はお前達に力は貸さぬと言った。そして人間のどこの国の味方にも敵にもならぬとな。
しかし、この者にお前達が何かしらしようと言うのであれば話は別だ。その瞬間から私は、お前達の敵となろう。」
その言葉に話を続けようとしたアイリスは押し黙ってしまった。
【あなた、変わったわね。昔のあなたならそんな人間の子供、見向きもしなかったのに。そもそも昔のあなたなら最初から話なんて聞かずに追い返していたでしょうに】
テラはちらりとおれの方を見ると
【そんなあなたが随分と優しくなって。その少年に変えられてしまったのかしら】
アシナはちらりとおれを一瞥すると、
「魂は近くの魂に引かれ、近づこうとするものだ。そういうお前も今の姿は、昔からは想像できぬがな。」
【私も同じようなものかしら。この子との出会いは偶然だったけど、今はその出会いに感謝しているわ】
会話の途切れるのを待ってか、アイリスがアシナに話しかける。
「森の王よ。この少年のことに関してはあなたの言葉を信じ、これ以上追及しないことにいたします。また、彼のことはここにいる者のみが知りものとし、国へは報告しないことといたします。神官の中にはこの森に人がいることすら敏感に捉えてしまう者もおりますから。」
「ふむ。」
「姫巫女様!それでは…」
また若い兵士が何か言おうとするがアイリスがそれを制す。
「しかし、代わりにとは言いにくいのですが、今日はもう国へ帰りますがまたこうしてあなた様にお会いしにきてもよろしいでしょうか。」
アシナは先ほどと変わらぬ調子で、
「また、来ても何も変わらぬがな。」
「それでも良いのです。関係を続けていく中で変わるものもありましょう。我々はそれを信じるのみです。」
そう言うとアイリス達一団は、踵を返して元来た道を帰り始めた。振り返る際に例の若い兵士は睨むようにしておれの方を見ていたけど。次回来た時にはあの兵士は連れてこないでほしいな。
一団が帰って行くなかテラだけはまだそこにいた。それに気付いたアイリスが「テラ?」と、話しかけるが【すぐに追いかけるわ】と言っただけだった。
一団が見えなくなってからもテラはこちらを見つめるだけ。
アシナは話しかける気も無さそうなのでおれが話しかけることにした。
「まだ何か?」
【さっき私はあなたのことを歪んでると言ったわ。それはあなたから人のそれとは違い、何かそこの狼に近いものを感じたから】
それはやはり昔アシナの魔力を浴びたからだろうか。
【それでもあなたを見てみると人間らしさも残している気がするわ。でもそれだけでもない。言葉にするなら混ざってるとでも言うのかしら】
おれとアシナの魔力が混ざってる…。アシナの魔力は最初に浴びただけだったと思っていたけど、その後もおれに影響を与え続けているのだろうか。
【そしてあなた、それだけじゃないわね。隠れている子を呼びなさい】
「っ!それはどういう意味ですか?」
【そのままの意味よ。アイリスは気付かなかったようだからこの近くにはいないのね。でもあなたから精霊の気配がプンプンするわ】
この精霊は、ユキのことにも気付いていたんだ。同じ精霊同士、これ以上は隠していても無駄だろうか。このタイミングでこのことを突っ込んでくるってことは何か考えがあるのだろうか。
「ユキ」と虚空に語りかけるとすぐに肩に重みを感じる。【呼ンダ?】と、小首をかしげているので頭を撫でてやる。
「気付いていたのなら、なんでさっきみんながいるところで言わなかったのですか?そうしたらあの人達も僕のこと放っておかなかったかもしれないのに。」
【別に私はオースウェルの味方って訳じゃないもの。ただアイリスが好きだから一緒にいるだけ。
アイリスもね、精霊が見える、使役しているというだけで姫巫女という存在に担ぎ上げられて、勝手に神聖視されてね。あの子自身困っている人達を見捨てられない性格で責任感も強いからいいけど、普通の人だったらとっくに投げ出しているかもしれないわね。】
テラは近付いてきてユキの頭を撫でる。ユキも目を細めている。
【あの場であなたのことを伝えて少しでもアイリスの負担を軽減させられないかとも思ったわ。でもそんなことアイリスが望まないことわかってるから】
このテラって精霊がどんな性格なのかとかはまだわかんないけど、アイリスのことを本当に大事思ってるのだけは伝わってくる。
【だからあなたにお願いがあるの。そう、お願い。精霊が人に願うなんて中々無いんだから感謝なさい】
下手に出ているのか、高圧的なのか難しいな。こういうのもツンデレというのかな。
【アイリスは精霊使いとして孤独に生きてきたわ。アイリスにあなたという精霊使いの仲間がいることを伝えたらきっと喜ぶと思うの。
だから……アイリスにだけはあなたのことを伝えさせてほしいの。そして、今度あの子と会うときには彼女と友達になってあげてほしいの】
「友達に?」
【あの子は小さい頃、姫巫女として担ぎ上げられてから普通の人として生活した時間の方が少ないの。だから友達と呼べる存在なんてほとんどいないのよ】
精霊を信仰している人達にとって、アイリスのような存在は神にも等しいのかもしれない。そんな扱いを小さい頃から受けているとしたら彼女は確かに孤独なのかもしれない。
「いいよ。もちろんあのアイリスって人が友達になりたいって言ってくれればだけど。」
【本当に!?ありがとう。きっとアイリスも喜ぶわ】
テラは見た目よりも子供っぽい笑顔を見せておれの手を握ってきた。
【さっそく彼女に伝えるわ。
ああ、そういえばあなたの名前を聞いていなかったわね。あなた、名前は何て言うの?】
「ジローです。ジロー・オオガミです。あとあなたが今まで狼って呼んでいた存在、今はアシナって名前なんですよ。ちなみにこの子はユキ。」
するとテラは目を丸くしてしまった。しかし、すぐに笑顔になると、
【そう、あなたもいい出会いに恵まれたのね】
テラはそう呟くと少し離れ、
【じゃあまたね。ジロー、ユキ、それとアシナも。次はオースウェルでかしらね。それともこの森かしら。ふふ…】
そう言いながらテラは、一団が帰って行った道を歩き出すと、歩きながら霧のように姿を消していった。
おれが?
「それ、どういう意味ですか?」
【言葉の通りよ。あなた人間よね?でも人間らしくない…】
そう呟くと、テラはそれきり黙ってまたおれを観察してるようだった。
そんなにおれ、おかしいだろうか。そもそも歪んでるって何だ?昔、ユキにアシナと同じ匂いがするって言われたことがあるけど。あの時は、アシナの魔力を浴びたからだって言ってたけど。
とにかくだ。
「とにかくおれはどこの国の者でもありません。そしてあなた達のことを誰かに言おうとかも少しも考えてません。」
すると一人の兵士が前に進み出た。おそらく先ほどアイリスが進み出るのを止めていた兵士だろう。近くで見ると周りの兵士よりも大分年上のようだ。老練の兵士と言ったところだろうか。
「我々も貴殿を全面的に疑っているわけではないのだ。特に森の王のそばにいるような貴殿のような人物をな。
しかし、貴殿は知らぬかもしれぬが世界には子供を暗殺者などに育てるような国も確かにある。貴殿ぐらいの年齢の間諜もいるのだ。子供の姿というのは総じて油断しやすいものだからな。」
やっぱりこの世界には、おれぐらいの年齢からスパイとして育てられる人もいるんだ。
そう思うと転生してすぐアシナに出会えたおれは幸運なのかもしれない。
「ではお前達は、この者をどうするというのだ。他の者と同じようにお前達の法で裁くというのか。」
「私達としましては一度、オースウェルまで来ていただいてそこでお話しをさせていただきたいと思います。その結果何もなければそれで解放いたしますし、逆に密偵であることがわかってしまえばその場と裁くことになります。」
お話しなんてきれいな言葉を使っているけど、おそらくは尋問やら悪くしたら拷問するってことなんだろうな。
「それはこの者に何か手を下すということか?」
すっとアシナがおれの前に進み出た。
「いえ、そのようなことは。ただ話を聞きたいだけ…」
「先ほど、私はお前達に力は貸さぬと言った。そして人間のどこの国の味方にも敵にもならぬとな。
しかし、この者にお前達が何かしらしようと言うのであれば話は別だ。その瞬間から私は、お前達の敵となろう。」
その言葉に話を続けようとしたアイリスは押し黙ってしまった。
【あなた、変わったわね。昔のあなたならそんな人間の子供、見向きもしなかったのに。そもそも昔のあなたなら最初から話なんて聞かずに追い返していたでしょうに】
テラはちらりとおれの方を見ると
【そんなあなたが随分と優しくなって。その少年に変えられてしまったのかしら】
アシナはちらりとおれを一瞥すると、
「魂は近くの魂に引かれ、近づこうとするものだ。そういうお前も今の姿は、昔からは想像できぬがな。」
【私も同じようなものかしら。この子との出会いは偶然だったけど、今はその出会いに感謝しているわ】
会話の途切れるのを待ってか、アイリスがアシナに話しかける。
「森の王よ。この少年のことに関してはあなたの言葉を信じ、これ以上追及しないことにいたします。また、彼のことはここにいる者のみが知りものとし、国へは報告しないことといたします。神官の中にはこの森に人がいることすら敏感に捉えてしまう者もおりますから。」
「ふむ。」
「姫巫女様!それでは…」
また若い兵士が何か言おうとするがアイリスがそれを制す。
「しかし、代わりにとは言いにくいのですが、今日はもう国へ帰りますがまたこうしてあなた様にお会いしにきてもよろしいでしょうか。」
アシナは先ほどと変わらぬ調子で、
「また、来ても何も変わらぬがな。」
「それでも良いのです。関係を続けていく中で変わるものもありましょう。我々はそれを信じるのみです。」
そう言うとアイリス達一団は、踵を返して元来た道を帰り始めた。振り返る際に例の若い兵士は睨むようにしておれの方を見ていたけど。次回来た時にはあの兵士は連れてこないでほしいな。
一団が帰って行くなかテラだけはまだそこにいた。それに気付いたアイリスが「テラ?」と、話しかけるが【すぐに追いかけるわ】と言っただけだった。
一団が見えなくなってからもテラはこちらを見つめるだけ。
アシナは話しかける気も無さそうなのでおれが話しかけることにした。
「まだ何か?」
【さっき私はあなたのことを歪んでると言ったわ。それはあなたから人のそれとは違い、何かそこの狼に近いものを感じたから】
それはやはり昔アシナの魔力を浴びたからだろうか。
【それでもあなたを見てみると人間らしさも残している気がするわ。でもそれだけでもない。言葉にするなら混ざってるとでも言うのかしら】
おれとアシナの魔力が混ざってる…。アシナの魔力は最初に浴びただけだったと思っていたけど、その後もおれに影響を与え続けているのだろうか。
【そしてあなた、それだけじゃないわね。隠れている子を呼びなさい】
「っ!それはどういう意味ですか?」
【そのままの意味よ。アイリスは気付かなかったようだからこの近くにはいないのね。でもあなたから精霊の気配がプンプンするわ】
この精霊は、ユキのことにも気付いていたんだ。同じ精霊同士、これ以上は隠していても無駄だろうか。このタイミングでこのことを突っ込んでくるってことは何か考えがあるのだろうか。
「ユキ」と虚空に語りかけるとすぐに肩に重みを感じる。【呼ンダ?】と、小首をかしげているので頭を撫でてやる。
「気付いていたのなら、なんでさっきみんながいるところで言わなかったのですか?そうしたらあの人達も僕のこと放っておかなかったかもしれないのに。」
【別に私はオースウェルの味方って訳じゃないもの。ただアイリスが好きだから一緒にいるだけ。
アイリスもね、精霊が見える、使役しているというだけで姫巫女という存在に担ぎ上げられて、勝手に神聖視されてね。あの子自身困っている人達を見捨てられない性格で責任感も強いからいいけど、普通の人だったらとっくに投げ出しているかもしれないわね。】
テラは近付いてきてユキの頭を撫でる。ユキも目を細めている。
【あの場であなたのことを伝えて少しでもアイリスの負担を軽減させられないかとも思ったわ。でもそんなことアイリスが望まないことわかってるから】
このテラって精霊がどんな性格なのかとかはまだわかんないけど、アイリスのことを本当に大事思ってるのだけは伝わってくる。
【だからあなたにお願いがあるの。そう、お願い。精霊が人に願うなんて中々無いんだから感謝なさい】
下手に出ているのか、高圧的なのか難しいな。こういうのもツンデレというのかな。
【アイリスは精霊使いとして孤独に生きてきたわ。アイリスにあなたという精霊使いの仲間がいることを伝えたらきっと喜ぶと思うの。
だから……アイリスにだけはあなたのことを伝えさせてほしいの。そして、今度あの子と会うときには彼女と友達になってあげてほしいの】
「友達に?」
【あの子は小さい頃、姫巫女として担ぎ上げられてから普通の人として生活した時間の方が少ないの。だから友達と呼べる存在なんてほとんどいないのよ】
精霊を信仰している人達にとって、アイリスのような存在は神にも等しいのかもしれない。そんな扱いを小さい頃から受けているとしたら彼女は確かに孤独なのかもしれない。
「いいよ。もちろんあのアイリスって人が友達になりたいって言ってくれればだけど。」
【本当に!?ありがとう。きっとアイリスも喜ぶわ】
テラは見た目よりも子供っぽい笑顔を見せておれの手を握ってきた。
【さっそく彼女に伝えるわ。
ああ、そういえばあなたの名前を聞いていなかったわね。あなた、名前は何て言うの?】
「ジローです。ジロー・オオガミです。あとあなたが今まで狼って呼んでいた存在、今はアシナって名前なんですよ。ちなみにこの子はユキ。」
するとテラは目を丸くしてしまった。しかし、すぐに笑顔になると、
【そう、あなたもいい出会いに恵まれたのね】
テラはそう呟くと少し離れ、
【じゃあまたね。ジロー、ユキ、それとアシナも。次はオースウェルでかしらね。それともこの森かしら。ふふ…】
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