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第1章 ~転生しました。~
新たな魔法、その名は『そよ風』。
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「そろそろ次の段階に移ってもいい頃だろう。」
アリスの再来から数日、地道に魔力のコントロールを磨いていた。
そのおかげか、おれの周りには十数個の小石が浮かんでいる。
その様子を見てかアシナがそんなことを提案してきた。
「次の段階?」
「うむ。属性の魔法の練習だな。」
属性の魔法か。
実は魔法を使い始めた最初の頃、アシナがいないのを見計らって火の魔法の練習をしていたことがあった。
ただその頃は魔力のコントロールも想像力も未熟でまともに火花すら出すことも出来ずに断念をしたことがあった。
「どんな魔法を?」
「何でもいいぞ。しかし火の魔法はだめだ。ここで火の魔法の練習をして火事にでもなっても面倒だからな。」
思わずドキッとして目を伏せてしまった。
まさかばれてる?
今はしてないよ?
本当だよ?
アシナをちらっと見ると訝しげな目でこちらを見ていた。
「ど、どの属性がいいかな?」
話題を変えるために噛んでしまった。
「ジローの好きなものでいい。」
「んー。」
属性かー。
ここで練習するとしたら風、水、土の属性かなぁ。
あっ、でも土の魔法を練習したらここら辺凸凹になっちゃうか。
「風か水の魔法かな。」
「ふむ。風か水か。」
すると、アシナは軽く周りを見回して、
「では風の魔法を練習するか。」
「風の?どんなことしたらいい?」
「まぁ見ていろ。」
アシナは林の方に集中しだした。
すると木が風に揺れ始めた。
「木が軽く揺れるぐらいの風を送り続ける練習だ。枝が折れるような荒々しい風でもなくただ木の葉がそよぐぐらいの風に力を調節するのだ。」
風の力のコントロールか。
「よっしゃ!やってみるよ。」
イメージは木が揺れるぐらい。
魔力を練り、小石の時と同じように魔力を持って世界に干渉する。
揺れ…てるのかな。
自然の風なのか、おれが起こしてるのかわかんないな。
もう一回やってみるか。
「てやっ。」
さっきより揺れてるかな?
なかなか難しいな。
もしかしてあれか?
ここは言霊の力かな?
ついに使ってしまうか、あの封印した力を。
ふふっ、腕が鳴るぜ。
どんな言葉がいいかな。暴風?
だめだだめだ!
嵐起きてるよ!
疾風?
いいな疾風。
しっくりくるじゃん。
イメージして魔力を練る。
そして、
『吹け。疾風』
すると体の周りを風が吹き抜けた。
その風は目の前に広がる林にぶつかり、葉をちぎりそこかしこの枝を折って吹き抜けていった。
強すぎた……かな?
アシナがジトッとこっち見てる。
コントロールコントロール。
イメージイメージっと。
言葉も変えるか。
疾風でこれだったら暴風だったら、この木ぶっ飛んでたんじゃないかな。
何がいいだろ。
木が揺れる…動く…そよぐ………そよぐ!?
これだ!
これしかないじゃん。
『起きろ。そよ風。』
するとイメージ通りに木の周りにかぜが巻き起こる。
その風は木の枝を折るでもなく、葉をちきるでもなく、正に木がそよがせていた。
興奮して魔力が途切れそうになってしまったけど慌ててコントロールし直す。
なんとか成功したみたい。
アシナはまぁ当然だなみたいな顔でこっち見てる。
でも成功したと言ってもこの魔法は人前で使えないな。
早々に言葉なしでも使えるように特訓する必要があるな。
とくにアリスの前では使えないな。
え?なんでかって?
だってそよ風って自信満々に言うにはちょっと……
恥ずかしくない?
アリスの再来から数日、地道に魔力のコントロールを磨いていた。
そのおかげか、おれの周りには十数個の小石が浮かんでいる。
その様子を見てかアシナがそんなことを提案してきた。
「次の段階?」
「うむ。属性の魔法の練習だな。」
属性の魔法か。
実は魔法を使い始めた最初の頃、アシナがいないのを見計らって火の魔法の練習をしていたことがあった。
ただその頃は魔力のコントロールも想像力も未熟でまともに火花すら出すことも出来ずに断念をしたことがあった。
「どんな魔法を?」
「何でもいいぞ。しかし火の魔法はだめだ。ここで火の魔法の練習をして火事にでもなっても面倒だからな。」
思わずドキッとして目を伏せてしまった。
まさかばれてる?
今はしてないよ?
本当だよ?
アシナをちらっと見ると訝しげな目でこちらを見ていた。
「ど、どの属性がいいかな?」
話題を変えるために噛んでしまった。
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「んー。」
属性かー。
ここで練習するとしたら風、水、土の属性かなぁ。
あっ、でも土の魔法を練習したらここら辺凸凹になっちゃうか。
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すると、アシナは軽く周りを見回して、
「では風の魔法を練習するか。」
「風の?どんなことしたらいい?」
「まぁ見ていろ。」
アシナは林の方に集中しだした。
すると木が風に揺れ始めた。
「木が軽く揺れるぐらいの風を送り続ける練習だ。枝が折れるような荒々しい風でもなくただ木の葉がそよぐぐらいの風に力を調節するのだ。」
風の力のコントロールか。
「よっしゃ!やってみるよ。」
イメージは木が揺れるぐらい。
魔力を練り、小石の時と同じように魔力を持って世界に干渉する。
揺れ…てるのかな。
自然の風なのか、おれが起こしてるのかわかんないな。
もう一回やってみるか。
「てやっ。」
さっきより揺れてるかな?
なかなか難しいな。
もしかしてあれか?
ここは言霊の力かな?
ついに使ってしまうか、あの封印した力を。
ふふっ、腕が鳴るぜ。
どんな言葉がいいかな。暴風?
だめだだめだ!
嵐起きてるよ!
疾風?
いいな疾風。
しっくりくるじゃん。
イメージして魔力を練る。
そして、
『吹け。疾風』
すると体の周りを風が吹き抜けた。
その風は目の前に広がる林にぶつかり、葉をちぎりそこかしこの枝を折って吹き抜けていった。
強すぎた……かな?
アシナがジトッとこっち見てる。
コントロールコントロール。
イメージイメージっと。
言葉も変えるか。
疾風でこれだったら暴風だったら、この木ぶっ飛んでたんじゃないかな。
何がいいだろ。
木が揺れる…動く…そよぐ………そよぐ!?
これだ!
これしかないじゃん。
『起きろ。そよ風。』
するとイメージ通りに木の周りにかぜが巻き起こる。
その風は木の枝を折るでもなく、葉をちきるでもなく、正に木がそよがせていた。
興奮して魔力が途切れそうになってしまったけど慌ててコントロールし直す。
なんとか成功したみたい。
アシナはまぁ当然だなみたいな顔でこっち見てる。
でも成功したと言ってもこの魔法は人前で使えないな。
早々に言葉なしでも使えるように特訓する必要があるな。
とくにアリスの前では使えないな。
え?なんでかって?
だってそよ風って自信満々に言うにはちょっと……
恥ずかしくない?
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