416 / 625
竜ヶ鼻
しおりを挟む
真田幸隆「その時、信長と家康は何処に居たのだ?」
春日虎綱「竜ヶ鼻と言う場所に布陣していたとの事であります。」
竜ヶ鼻は横山城から半島のように北へと伸びた平地の城から約1キロ離れた突端に位置する場所。
真田幸隆「地図ある?」
春日虎綱「家康の話から想像したもので宜しければ……。」
真田幸隆「(地図を見ながら)ん!?こんな場所に本陣を構えたのか。信長は?」
春日虎綱「一応、2つの川を挟んでおりますが……。」
織田信長が本陣を構えた場所から2つの川を越えた先には……。
真田幸隆「朝倉浅井の後詰めが睨みを利かしている……。」
大依山。
私(村上義清)「『掛かってこんかい!!』と言っているようなものだな。」
春日虎綱「その事について家康も懸念していました。『危険過ぎやしませんか?』と。」
私(村上義清)「それに対し信長は?」
春日虎綱「『俺の視野の広さと機動力を信用しろ。』と。」
私(村上義清)「敦賀の時、それで失敗したのでは無いのか?」
春日虎綱「その時、その場所に家康も居ましたので不安が過ったそうなのでありましたが、如何せん家康の兵は3000。地の利の無い敵地で、単独行動するには心許ない状況にありましたので。」
私(村上義清)「『今度は信じてみようか。』となったわけか?」
春日虎綱「はい。その通りであります。」
真田幸隆「でも実際は?」
春日虎綱「『酷い目に遭った。』と……。」
私(村上義清)「他人事で聞いている分には楽しのだろうな。信長は……。」
真田幸隆「実際上司や取引相手。それも向こうが上位者となるのは?」
私(村上義清)「勘弁願いたいものであります。」
真田幸隆「しかし後詰めの兵が現れたとなれば、横山城を囲っている兵にも指示を出して迎撃の準備に取り掛かったのでしょう?そうすれば、朝倉と浅井も逡巡するでしょう。信長からすれば救出を諦めさせる事が出来れば良いのありますから。」
春日虎綱「信長はそうはしなかったとの事であります。」
真田幸隆「ほかの部隊を動かさず……?」
春日虎綱「はい。そのままの部隊配置で包囲を続けさせたとの事であります。」
真田幸隆「その時、信長の本陣にはどれだけの兵が居たのだ?」
春日虎綱「家康の目算でありますが、1万前後では無いかと思われます。」
真田幸隆「浅井の方は?」
春日虎綱「朝倉の軍勢も合わせますと2万近くになるかと思われます。」
真田幸隆「信長は横山城と大依山を結ぶ線上に本陣を構えていたんだよな?」
春日虎綱「はい。」
真田幸隆「それで家康の感想は……。」
春日虎綱「『酷い目に遭った。』であります。」
春日虎綱「竜ヶ鼻と言う場所に布陣していたとの事であります。」
竜ヶ鼻は横山城から半島のように北へと伸びた平地の城から約1キロ離れた突端に位置する場所。
真田幸隆「地図ある?」
春日虎綱「家康の話から想像したもので宜しければ……。」
真田幸隆「(地図を見ながら)ん!?こんな場所に本陣を構えたのか。信長は?」
春日虎綱「一応、2つの川を挟んでおりますが……。」
織田信長が本陣を構えた場所から2つの川を越えた先には……。
真田幸隆「朝倉浅井の後詰めが睨みを利かしている……。」
大依山。
私(村上義清)「『掛かってこんかい!!』と言っているようなものだな。」
春日虎綱「その事について家康も懸念していました。『危険過ぎやしませんか?』と。」
私(村上義清)「それに対し信長は?」
春日虎綱「『俺の視野の広さと機動力を信用しろ。』と。」
私(村上義清)「敦賀の時、それで失敗したのでは無いのか?」
春日虎綱「その時、その場所に家康も居ましたので不安が過ったそうなのでありましたが、如何せん家康の兵は3000。地の利の無い敵地で、単独行動するには心許ない状況にありましたので。」
私(村上義清)「『今度は信じてみようか。』となったわけか?」
春日虎綱「はい。その通りであります。」
真田幸隆「でも実際は?」
春日虎綱「『酷い目に遭った。』と……。」
私(村上義清)「他人事で聞いている分には楽しのだろうな。信長は……。」
真田幸隆「実際上司や取引相手。それも向こうが上位者となるのは?」
私(村上義清)「勘弁願いたいものであります。」
真田幸隆「しかし後詰めの兵が現れたとなれば、横山城を囲っている兵にも指示を出して迎撃の準備に取り掛かったのでしょう?そうすれば、朝倉と浅井も逡巡するでしょう。信長からすれば救出を諦めさせる事が出来れば良いのありますから。」
春日虎綱「信長はそうはしなかったとの事であります。」
真田幸隆「ほかの部隊を動かさず……?」
春日虎綱「はい。そのままの部隊配置で包囲を続けさせたとの事であります。」
真田幸隆「その時、信長の本陣にはどれだけの兵が居たのだ?」
春日虎綱「家康の目算でありますが、1万前後では無いかと思われます。」
真田幸隆「浅井の方は?」
春日虎綱「朝倉の軍勢も合わせますと2万近くになるかと思われます。」
真田幸隆「信長は横山城と大依山を結ぶ線上に本陣を構えていたんだよな?」
春日虎綱「はい。」
真田幸隆「それで家康の感想は……。」
春日虎綱「『酷い目に遭った。』であります。」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
無職ニートの俺は気が付くと聯合艦隊司令長官になっていた
中七七三
ファンタジー
■■アルファポリス 第1回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■
無職ニートで軍ヲタの俺が太平洋戦争時の聯合艦隊司令長官となっていた。
これは、別次元から来た女神のせいだった。
その次元では日本が勝利していたのだった。
女神は、神国日本が負けた歴史の世界が許せない。
なぜか、俺を真珠湾攻撃直前の時代に転移させ、聯合艦隊司令長官にした。
軍ヲタ知識で、歴史をどーにかできるのか?
日本勝たせるなんて、無理ゲーじゃねと思いつつ、このままでは自分が死ぬ。
ブーゲンビルで機上戦死か、戦争終わって、戦犯で死刑だ。
この運命を回避するため、必死の戦いが始まった。
参考文献は、各話の最後に掲載しています。完結後に纏めようかと思います。
使用している地図・画像は自作か、ライセンスで再利用可のものを検索し使用しています。
表紙イラストは、ヤングマガジンで賞をとった方が画いたものです。
暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
大日本帝国領ハワイから始まる太平洋戦争〜真珠湾攻撃?そんなの知りません!〜
雨宮 徹
歴史・時代
1898年アメリカはスペインと戦争に敗れる。本来、アメリカが支配下に置くはずだったハワイを、大日本帝国は手中に収めることに成功する。
そして、時は1941年。太平洋戦争が始まると、大日本帝国はハワイを起点に太平洋全域への攻撃を開始する。
これは、史実とは異なる太平洋戦争の物語。
主要登場人物……山本五十六、南雲忠一、井上成美
※歴史考証は皆無です。中には現実性のない作戦もあります。ぶっ飛んだ物語をお楽しみください。
※根本から史実と異なるため、艦隊の動き、編成などは史実と大きく異なります。
※歴史初心者にも分かりやすいように、言葉などを現代風にしています。
信濃の大空
ypaaaaaaa
歴史・時代
空母信濃、それは大和型3番艦として建造されたものの戦術の変化により空母に改装され、一度も戦わず沈んだ巨艦である。
そんな信濃がもし、マリアナ沖海戦に間に合っていたらその後はどうなっていただろう。
この小説はそんな妄想を書き綴ったものです!
前作同じく、こんなことがあったらいいなと思いながら読んでいただけると幸いです!
高天神攻略の祝宴でしこたま飲まされた武田勝頼。翌朝、事の顛末を聞いた勝頼が採った行動とは?
俣彦
ファンタジー
高天神城攻略の祝宴が開かれた翌朝。武田勝頼が採った行動により、これまで疎遠となっていた武田四天王との関係が修復。一致団結し向かった先は長篠城。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる