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第三章 カモフ攻防戦
70 ネアンの街(1)
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ネアンに各地から次々に軍勢が引き上げてきていた。
ドーグラスが討たれた事が広まっているのだろう。引き上げてくる兵たちは皆沈痛な表情を浮かべていてさながら葬列のようだった。
「公館はクスター閣下に使っていただく。商業ギルドに言って他の者たちの受け入れ先を提供させろ!」
予備隊としてネアンを守っていたジアンは実質的なネアンの為政者として、続々と戻ってくる軍勢の対応に忙しくしていた。
早々に撤退してきたラドスラフからドーグラス戦死の報告を聞いたとき、ジアンを含め幕僚たちは全員すぐには信じられなかった。ジアンはその場ですぐに箝口令を敷いて訃報が拡散されるのを防いだ。さらに斥候を放って真偽の確認をおこなわせた。
しかしその確認中に早くも続々とドーグラス本隊の兵が戻り始め、彼らの口からドーグラス戦死の話が伝わってしまったため、折角の箝口令は無駄となってしまった。
しかも最初に報告してきたラドスラフは部隊を街の外に留めたままで、報告が終わると何も言わず部隊を率いてトノイへと帰還の途についてしまった。
街の状況に振り回されていたジアンがそれを知った時には、ラドスラフは既にエンを越えた後だった。彼に行動の真意を詰問する使者を送りすぐに引き返すように要請していたが、現在に至るまで返事が返ってきてはいなかった。
「ラドスラフは一体何を考えておる・・・・」
トルスター軍に対してはまだまだ圧倒的といえる兵力を有していたストール軍だったが、ドーグラスが討たれたことで少しずつ逃げ出す兵が出始めていた。
このまま手をこまねいていれば、今後ますます逃亡する兵が増えてくることだろう。そのような状況でラドスラフの勝手な振る舞いは、敵前逃亡の増大に繋がる恐れがあった。
「彼奴め、覚えておれよ! 閣下に賜った恩を仇で返しおって」
敵を圧倒する兵力をまだ有しているとはいえ、ドーグラスが討たれた影響で戦意が阻喪している中だ。戦力はどれほどあっても充分という事はないのだ。
ジアンが憤慨していたその時、ヒュダがクスターと共に帰還したとの報告が入った。
「クスター様、よくぞご無事で!」
父が討たれた事が余程ショックだったのだろう。
出迎えたヒュダの目の前に立つクスターは憔悴し、側近に支えられてやっと立っていられるという有様だった。
「ヒュダ、閣下が、父上が・・・・」
「まだまだこれからというところで、・・・・残念です。とりあえず少しお休みください。今後についてはその後で」
今のクスターではとても指揮を執れる状態ではなかった。
ヒュダは内心の焦りを隠し、クスターを休ませるため下がらせるのだった。
「前閣下の件が余程応えたご様子じゃ」
「ですが今後の事を考えれば、クスター様には独り立ちして貰わねばなりません」
「分かっておる。だが今すぐは無理なのはおぬしもクスター様の様子を見れば分かるじゃろ?」
激しい戦闘を経験した訳でもなく父が討たれたと聞いただけで、指揮を執れないほどに取り乱して憔悴してしまった。
ヒュダが言うようにこのままでは軍の指揮どころか、ストール家を引っぱっていくこともできないだろう。
後継者と指名されていたクスターだったが、今後の展開次第では後継者争いに発展する可能性もある。いち早く帰路についたラドスラフが実権を握るために、クスターの弟たちを担ぎ出さないという保証もなかった。
「心配なのはわかるが、クスター様も少しお休みになれば落ち着かれるだろう。軍議を開くのはそれからでも遅くはない。その頃にはイグナーツ様も戻られているだろう。小童にはしてやられたが、この落とし前は必ずつけさせてやろうぞ!」
沈黙するジアンを励ますように肩に手を置いて努めて明るく語ったヒュダは、暫くジアンと情報共有をおこなった後、休む事なく街中の見回りに向かうのだった。
クスターが姿を現したのは、日が落ちてからのことだ。
多少は休めたのだろうが神経質そうな表情がより顕著に表れ、色白な顔色がより生気が感じられない土気色となっていた。
「見苦しい姿を見せた。すまなかった」
広間に現れたクスターは、それでもヒュダやジアンにそう言って頭を下げた。
その後執務室へと移動した三人は、ソファに腰を下ろし今後の方針について確認した。
「街の様子から申しますと、前閣下の訃報は残念ながら住民も含めて今や全員の知るところとなっております。ですが街に戒厳令を出し住民たちには外出を制限しているため今のところ混乱は見られません」
口火を切ったヒュダは、自身が見てきたことを踏まえてネアンの様子を語る。
「またラドスラフ様がすでに離脱してしまったとはいえ、我々の軍勢はまだトルスター軍を圧倒しております。それに加えてこの街を抑えている限り補給についても心配することはないでしょう。戦略については練り直さねばなりませんが、今のままでも十分カモフを手中にできます。ここは前閣下の仇討ちを元にひとつとなり、憎き金髪の小童を血祭りに上げましょうぞ!」
ヒュダはこのままカモフ攻略を続けるべきだと主張した。
彼の言うように兵力が半数近くにまで減ったとはいえ、それでもまだ総兵力ではトルスター軍を凌駕していた。そしてカモフの領都であるサザンと並ぶ主要都市であるネアンを抑えていることも大きかった。
ネアンはヒュダとジアンが街に入ってから、既に一年以上に及び支配をし続けていた。
彼らは兵たちに住民に対する粗暴な振る舞いを禁じ、万が一露見した場合には厳罰を科すなどネアンの運営に気を遣ってきた。その甲斐あってギルドのベドジフとの関係も良好で、兵糧などの軍需物資も滞りなく供給されている。
ドーグラスが討たれたとはいえ、このままネアンの維持は可能だとの判断だった。
「確かにこのままカモフの攻略を続けることも可能でしょう。しかし、私は街の防衛部隊のみを残し主力は一度トノイに引き上げた方が良いと判断します」
次に口を開いたジアンはヒュダの主張を一部認めたものの、正反対の主張をおこなった。
「我々は本拠の守備隊を除いてほぼ全軍でこの地に遠征しています。トノイの守りは万全ですがポラーやダフ、ンバイといった地はまだまだ安定しているとは言い難い土地です。補給は万全といえど長く領地を離れていては国元で何が起こるか予想が付きません」
本領でもあるゼゼー以外は殆どここ十年程で新たに支配地とした土地ばかりだ。
特にポラーを治めていたアンスガルは長い間抵抗を続け、ストール軍に屈してからまだ数年しか経っていなかった。ポラー領内にはまだまだドーグラスの支配への不満が燻っているのが実情だ。
そこにドーグラスの訃報が届けばどうなるか。
主力がこぞって国元を離れている今、ゼゼ―には最低限の兵力が残るだけなのだ。
「ここは一旦半数程度をゼゼーに戻してクスター様の名の下で新体制を固めるべきかと存じます」
半数とはいえ、それでもトルスター軍を上回る兵力が残る。
カモフを奪うには少ないがネアンを守備するだけなら十分だ。この街を確保できていれば何時でもカモフへ再侵攻する事が可能なのだ。
「体制を固めることも大事だとは思うがそれはカモフを落としてからでも遅くはござらんか? こちらには我々の軍勢に加えて間もなく戻ってこられるイグナーツ様の軍勢もございます。それらを合わせれば十分敵を圧倒できましょう。カモフを手中に収めたという実績と共に凱旋された方が、クスター様の権勢はより強固なものとなりましょう」
現状ではいち早く離脱したラドスラフがどう動くか分からないが、このままトノイに戻れば最も有力な勢力となる。もし権力の座を欲した誰かがラドスラフを取り込めば、瞬く間にクスターの対抗勢力になるのは間違いない。
だがカモフを手に入れることができれば、そうした者への牽制となるに十分な実績といえた。
「しかしイグナーツ様ですら手を焼いた相手です。兵力が減った今それほど時間をかけずにサザンを落とせるとは正直思いません。それに例の新兵器とやらの正体が分かっておりません。時間がかかればかかるほどトノイの情勢が我々にとって不利となるかも知れません」
「攻め倦ねたのはより慎重を期したからだ。神速を旨とするイグナーツ様が本来の攻撃性を発揮すれば瞬く間にサザンをも落とすことができるでしょう」
「だがそれでは多くの犠牲が出てしまいます。少なくなった兵力を更にすり減らすような戦い方では後にラドスラフに対抗できると思いませぬ」
二人の議論は平行線を辿り深夜に及んでも交わることはなかった。その間クスターは難しい顔を浮かべたままひと言も発しなかった。
「クスター閣下の判断をいただきたく存じます」
二人から決断を迫られたクスターだったが、これまで重要事項を決定した事はない彼に、決断を下す事は難しかった。
彼は目を泳がせながら狼狽えるだけでどちらにも決める事ができないでいた。
そこにイグナーツが帰還したとの報告が入った。
「イグナーツの意見を聞こうではないか!」
彼はこれ幸いとばかりに結論を先延ばしにするのだった。
ドーグラスが討たれた事が広まっているのだろう。引き上げてくる兵たちは皆沈痛な表情を浮かべていてさながら葬列のようだった。
「公館はクスター閣下に使っていただく。商業ギルドに言って他の者たちの受け入れ先を提供させろ!」
予備隊としてネアンを守っていたジアンは実質的なネアンの為政者として、続々と戻ってくる軍勢の対応に忙しくしていた。
早々に撤退してきたラドスラフからドーグラス戦死の報告を聞いたとき、ジアンを含め幕僚たちは全員すぐには信じられなかった。ジアンはその場ですぐに箝口令を敷いて訃報が拡散されるのを防いだ。さらに斥候を放って真偽の確認をおこなわせた。
しかしその確認中に早くも続々とドーグラス本隊の兵が戻り始め、彼らの口からドーグラス戦死の話が伝わってしまったため、折角の箝口令は無駄となってしまった。
しかも最初に報告してきたラドスラフは部隊を街の外に留めたままで、報告が終わると何も言わず部隊を率いてトノイへと帰還の途についてしまった。
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「ラドスラフは一体何を考えておる・・・・」
トルスター軍に対してはまだまだ圧倒的といえる兵力を有していたストール軍だったが、ドーグラスが討たれたことで少しずつ逃げ出す兵が出始めていた。
このまま手をこまねいていれば、今後ますます逃亡する兵が増えてくることだろう。そのような状況でラドスラフの勝手な振る舞いは、敵前逃亡の増大に繋がる恐れがあった。
「彼奴め、覚えておれよ! 閣下に賜った恩を仇で返しおって」
敵を圧倒する兵力をまだ有しているとはいえ、ドーグラスが討たれた影響で戦意が阻喪している中だ。戦力はどれほどあっても充分という事はないのだ。
ジアンが憤慨していたその時、ヒュダがクスターと共に帰還したとの報告が入った。
「クスター様、よくぞご無事で!」
父が討たれた事が余程ショックだったのだろう。
出迎えたヒュダの目の前に立つクスターは憔悴し、側近に支えられてやっと立っていられるという有様だった。
「ヒュダ、閣下が、父上が・・・・」
「まだまだこれからというところで、・・・・残念です。とりあえず少しお休みください。今後についてはその後で」
今のクスターではとても指揮を執れる状態ではなかった。
ヒュダは内心の焦りを隠し、クスターを休ませるため下がらせるのだった。
「前閣下の件が余程応えたご様子じゃ」
「ですが今後の事を考えれば、クスター様には独り立ちして貰わねばなりません」
「分かっておる。だが今すぐは無理なのはおぬしもクスター様の様子を見れば分かるじゃろ?」
激しい戦闘を経験した訳でもなく父が討たれたと聞いただけで、指揮を執れないほどに取り乱して憔悴してしまった。
ヒュダが言うようにこのままでは軍の指揮どころか、ストール家を引っぱっていくこともできないだろう。
後継者と指名されていたクスターだったが、今後の展開次第では後継者争いに発展する可能性もある。いち早く帰路についたラドスラフが実権を握るために、クスターの弟たちを担ぎ出さないという保証もなかった。
「心配なのはわかるが、クスター様も少しお休みになれば落ち着かれるだろう。軍議を開くのはそれからでも遅くはない。その頃にはイグナーツ様も戻られているだろう。小童にはしてやられたが、この落とし前は必ずつけさせてやろうぞ!」
沈黙するジアンを励ますように肩に手を置いて努めて明るく語ったヒュダは、暫くジアンと情報共有をおこなった後、休む事なく街中の見回りに向かうのだった。
クスターが姿を現したのは、日が落ちてからのことだ。
多少は休めたのだろうが神経質そうな表情がより顕著に表れ、色白な顔色がより生気が感じられない土気色となっていた。
「見苦しい姿を見せた。すまなかった」
広間に現れたクスターは、それでもヒュダやジアンにそう言って頭を下げた。
その後執務室へと移動した三人は、ソファに腰を下ろし今後の方針について確認した。
「街の様子から申しますと、前閣下の訃報は残念ながら住民も含めて今や全員の知るところとなっております。ですが街に戒厳令を出し住民たちには外出を制限しているため今のところ混乱は見られません」
口火を切ったヒュダは、自身が見てきたことを踏まえてネアンの様子を語る。
「またラドスラフ様がすでに離脱してしまったとはいえ、我々の軍勢はまだトルスター軍を圧倒しております。それに加えてこの街を抑えている限り補給についても心配することはないでしょう。戦略については練り直さねばなりませんが、今のままでも十分カモフを手中にできます。ここは前閣下の仇討ちを元にひとつとなり、憎き金髪の小童を血祭りに上げましょうぞ!」
ヒュダはこのままカモフ攻略を続けるべきだと主張した。
彼の言うように兵力が半数近くにまで減ったとはいえ、それでもまだ総兵力ではトルスター軍を凌駕していた。そしてカモフの領都であるサザンと並ぶ主要都市であるネアンを抑えていることも大きかった。
ネアンはヒュダとジアンが街に入ってから、既に一年以上に及び支配をし続けていた。
彼らは兵たちに住民に対する粗暴な振る舞いを禁じ、万が一露見した場合には厳罰を科すなどネアンの運営に気を遣ってきた。その甲斐あってギルドのベドジフとの関係も良好で、兵糧などの軍需物資も滞りなく供給されている。
ドーグラスが討たれたとはいえ、このままネアンの維持は可能だとの判断だった。
「確かにこのままカモフの攻略を続けることも可能でしょう。しかし、私は街の防衛部隊のみを残し主力は一度トノイに引き上げた方が良いと判断します」
次に口を開いたジアンはヒュダの主張を一部認めたものの、正反対の主張をおこなった。
「我々は本拠の守備隊を除いてほぼ全軍でこの地に遠征しています。トノイの守りは万全ですがポラーやダフ、ンバイといった地はまだまだ安定しているとは言い難い土地です。補給は万全といえど長く領地を離れていては国元で何が起こるか予想が付きません」
本領でもあるゼゼー以外は殆どここ十年程で新たに支配地とした土地ばかりだ。
特にポラーを治めていたアンスガルは長い間抵抗を続け、ストール軍に屈してからまだ数年しか経っていなかった。ポラー領内にはまだまだドーグラスの支配への不満が燻っているのが実情だ。
そこにドーグラスの訃報が届けばどうなるか。
主力がこぞって国元を離れている今、ゼゼ―には最低限の兵力が残るだけなのだ。
「ここは一旦半数程度をゼゼーに戻してクスター様の名の下で新体制を固めるべきかと存じます」
半数とはいえ、それでもトルスター軍を上回る兵力が残る。
カモフを奪うには少ないがネアンを守備するだけなら十分だ。この街を確保できていれば何時でもカモフへ再侵攻する事が可能なのだ。
「体制を固めることも大事だとは思うがそれはカモフを落としてからでも遅くはござらんか? こちらには我々の軍勢に加えて間もなく戻ってこられるイグナーツ様の軍勢もございます。それらを合わせれば十分敵を圧倒できましょう。カモフを手中に収めたという実績と共に凱旋された方が、クスター様の権勢はより強固なものとなりましょう」
現状ではいち早く離脱したラドスラフがどう動くか分からないが、このままトノイに戻れば最も有力な勢力となる。もし権力の座を欲した誰かがラドスラフを取り込めば、瞬く間にクスターの対抗勢力になるのは間違いない。
だがカモフを手に入れることができれば、そうした者への牽制となるに十分な実績といえた。
「しかしイグナーツ様ですら手を焼いた相手です。兵力が減った今それほど時間をかけずにサザンを落とせるとは正直思いません。それに例の新兵器とやらの正体が分かっておりません。時間がかかればかかるほどトノイの情勢が我々にとって不利となるかも知れません」
「攻め倦ねたのはより慎重を期したからだ。神速を旨とするイグナーツ様が本来の攻撃性を発揮すれば瞬く間にサザンをも落とすことができるでしょう」
「だがそれでは多くの犠牲が出てしまいます。少なくなった兵力を更にすり減らすような戦い方では後にラドスラフに対抗できると思いませぬ」
二人の議論は平行線を辿り深夜に及んでも交わることはなかった。その間クスターは難しい顔を浮かべたままひと言も発しなかった。
「クスター閣下の判断をいただきたく存じます」
二人から決断を迫られたクスターだったが、これまで重要事項を決定した事はない彼に、決断を下す事は難しかった。
彼は目を泳がせながら狼狽えるだけでどちらにも決める事ができないでいた。
そこにイグナーツが帰還したとの報告が入った。
「イグナーツの意見を聞こうではないか!」
彼はこれ幸いとばかりに結論を先延ばしにするのだった。
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