都市伝説と呼ばれて

松虫大

文字の大きさ
上 下
167 / 203
第三章 カモフ攻防戦

70 ネアンの街(1)

しおりを挟む
 ネアンに各地から次々に軍勢が引き上げてきていた。
 ドーグラスが討たれた事が広まっているのだろう。引き上げてくる兵たちは皆沈痛な表情を浮かべていてさながら葬列のようだった。

「公館はクスター閣下に使っていただく。商業ギルドに言って他の者たちの受け入れ先を提供させろ!」

 予備隊としてネアンを守っていたジアンは実質的なネアンの為政者として、続々と戻ってくる軍勢の対応に忙しくしていた。
 早々に撤退してきたラドスラフからドーグラス戦死の報告を聞いたとき、ジアンを含め幕僚たちは全員すぐには信じられなかった。ジアンはその場ですぐに箝口令かんこうれいを敷いて訃報が拡散されるのを防いだ。さらに斥候を放って真偽の確認をおこなわせた。
 しかしその確認中に早くも続々とドーグラス本隊の兵が戻り始め、彼らの口からドーグラス戦死の話が伝わってしまったため、折角の箝口令は無駄となってしまった。
 しかも最初に報告してきたラドスラフは部隊を街の外に留めたままで、報告が終わると何も言わず部隊を率いてトノイへと帰還の途についてしまった。
 街の状況に振り回されていたジアンがそれを知った時には、ラドスラフは既にエンを越えた後だった。彼に行動の真意を詰問する使者を送りすぐに引き返すように要請していたが、現在に至るまで返事が返ってきてはいなかった。

「ラドスラフは一体何を考えておる・・・・」

 トルスター軍に対してはまだまだ圧倒的といえる兵力を有していたストール軍だったが、ドーグラスが討たれたことで少しずつ逃げ出す兵が出始めていた。
 このまま手をこまねいていれば、今後ますます逃亡する兵が増えてくることだろう。そのような状況でラドスラフの勝手な振る舞いは、敵前逃亡の増大に繋がる恐れがあった。

彼奴あやつめ、覚えておれよ! 閣下に賜った恩を仇で返しおって」

 敵を圧倒する兵力をまだ有しているとはいえ、ドーグラスが討たれた影響で戦意が阻喪そそうしている中だ。戦力はどれほどあっても充分という事はないのだ。
 ジアンが憤慨していたその時、ヒュダがクスターと共に帰還したとの報告が入った。

「クスター様、よくぞご無事で!」

 父が討たれた事が余程ショックだったのだろう。
 出迎えたヒュダの目の前に立つクスターは憔悴しょうすいし、側近に支えられてやっと立っていられるという有様だった。

「ヒュダ、閣下が、父上が・・・・」

「まだまだこれからというところで、・・・・残念です。とりあえず少しお休みください。今後についてはその後で」

 今のクスターではとても指揮を執れる状態ではなかった。
 ヒュダは内心の焦りを隠し、クスターを休ませるため下がらせるのだった。

「前閣下の件が余程応えたご様子じゃ」

「ですが今後の事を考えれば、クスター様には独り立ちして貰わねばなりません」

「分かっておる。だが今すぐは無理なのはおぬしもクスター様の様子を見れば分かるじゃろ?」

 激しい戦闘を経験した訳でもなく父が討たれたと聞いただけで、指揮を執れないほどに取り乱して憔悴してしまった。
 ヒュダが言うようにこのままでは軍の指揮どころか、ストール家を引っぱっていくこともできないだろう。
 後継者と指名されていたクスターだったが、今後の展開次第では後継者争いに発展する可能性もある。いち早く帰路についたラドスラフが実権を握るために、クスターの弟たちを担ぎ出さないという保証もなかった。

「心配なのはわかるが、クスター様も少しお休みになれば落ち着かれるだろう。軍議を開くのはそれからでも遅くはない。その頃にはイグナーツ様も戻られているだろう。小童こわっぱにはしてやられたが、この落とし前は必ずつけさせてやろうぞ!」

 沈黙するジアンを励ますように肩に手を置いて努めて明るく語ったヒュダは、暫くジアンと情報共有をおこなった後、休む事なく街中の見回りに向かうのだった。
 クスターが姿を現したのは、日が落ちてからのことだ。
 多少は休めたのだろうが神経質そうな表情がより顕著に表れ、色白な顔色がより生気が感じられない土気色つちけいろとなっていた。

「見苦しい姿を見せた。すまなかった」

 広間に現れたクスターは、それでもヒュダやジアンにそう言って頭を下げた。
 その後執務室へと移動した三人は、ソファに腰を下ろし今後の方針について確認した。

「街の様子から申しますと、前閣下の訃報は残念ながら住民も含めて今や全員の知るところとなっております。ですが街に戒厳令を出し住民たちには外出を制限しているため今のところ混乱は見られません」

 口火を切ったヒュダは、自身が見てきたことを踏まえてネアンの様子を語る。

「またラドスラフ様がすでに離脱してしまったとはいえ、我々の軍勢はまだトルスター軍を圧倒しております。それに加えてこの街を抑えている限り補給についても心配することはないでしょう。戦略については練り直さねばなりませんが、今のままでも十分カモフを手中にできます。ここは前閣下の仇討ちを元にひとつとなり、憎き金髪の小童を血祭りに上げましょうぞ!」

 ヒュダはこのままカモフ攻略を続けるべきだと主張した。
 彼の言うように兵力が半数近くにまで減ったとはいえ、それでもまだ総兵力ではトルスター軍を凌駕りょうがしていた。そしてカモフの領都であるサザンと並ぶ主要都市であるネアンを抑えていることも大きかった。
 ネアンはヒュダとジアンが街に入ってから、既に一年以上に及び支配をし続けていた。
 彼らは兵たちに住民に対する粗暴な振る舞いを禁じ、万が一露見した場合には厳罰を科すなどネアンの運営に気を遣ってきた。その甲斐あってギルドのベドジフとの関係も良好で、兵糧などの軍需物資も滞りなく供給されている。
 ドーグラスが討たれたとはいえ、このままネアンの維持は可能だとの判断だった。

「確かにこのままカモフの攻略を続けることも可能でしょう。しかし、私は街の防衛部隊のみを残し主力は一度トノイに引き上げた方が良いと判断します」

 次に口を開いたジアンはヒュダの主張を一部認めたものの、正反対の主張をおこなった。

「我々は本拠ゼゼ―の守備隊を除いてほぼ全軍でこの地に遠征しています。トノイの守りは万全ですがポラーやダフ、ンバイといった地はまだまだ安定しているとは言い難い土地です。補給は万全といえど長く領地を離れていては国元で何が起こるか予想が付きません」

 本領でもあるゼゼー以外は殆どここ十年程で新たに支配地とした土地ばかりだ。
 特にポラーを治めていたアンスガルは長い間抵抗を続け、ストール軍に屈してからまだ数年しか経っていなかった。ポラー領内にはまだまだドーグラスの支配への不満がくすぶっているのが実情だ。

 そこにドーグラスの訃報が届けばどうなるか。

 主力がこぞって国元を離れている今、ゼゼ―には最低限の兵力が残るだけなのだ。

「ここは一旦半数程度をゼゼーに戻してクスター様の名の下で新体制を固めるべきかと存じます」

 半数とはいえ、それでもトルスター軍を上回る兵力が残る。
 カモフを奪うには少ないがネアンを守備するだけなら十分だ。この街を確保できていれば何時でもカモフへ再侵攻する事が可能なのだ。

「体制を固めることも大事だとは思うがそれはカモフを落としてからでも遅くはござらんか? こちらには我々の軍勢に加えて間もなく戻ってこられるイグナーツ様の軍勢もございます。それらを合わせれば十分敵を圧倒できましょう。カモフを手中に収めたという実績と共に凱旋された方が、クスター様の権勢はより強固なものとなりましょう」

 現状ではいち早く離脱したラドスラフがどう動くか分からないが、このままトノイに戻れば最も有力な勢力となる。もし権力の座を欲した誰かがラドスラフを取り込めば、瞬く間にクスターの対抗勢力になるのは間違いない。
 だがカモフを手に入れることができれば、そうした者への牽制となるに十分な実績といえた。

「しかしイグナーツ様ですら手を焼いた相手です。兵力が減った今それほど時間をかけずにサザンを落とせるとは正直思いません。それに例の新兵器とやらの正体が分かっておりません。時間がかかればかかるほどトノイの情勢が我々にとって不利となるかも知れません」

あぐねたのはより慎重を期したからだ。神速を旨とするイグナーツ様が本来の攻撃性を発揮すれば瞬く間にサザンをも落とすことができるでしょう」

「だがそれでは多くの犠牲が出てしまいます。少なくなった兵力を更にすり減らすような戦い方では後にラドスラフに対抗できると思いませぬ」

 二人の議論は平行線を辿り深夜に及んでも交わることはなかった。その間クスターは難しい顔を浮かべたままひと言も発しなかった。

「クスター閣下の判断をいただきたく存じます」

 二人から決断を迫られたクスターだったが、これまで重要事項を決定した事はない彼に、決断を下す事は難しかった。
 彼は目を泳がせながら狼狽うろたえるだけでどちらにも決める事ができないでいた。
 そこにイグナーツが帰還したとの報告が入った。

「イグナーツの意見を聞こうではないか!」

 彼はこれ幸いとばかりに結論を先延ばしにするのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

札束艦隊

蒼 飛雲
歴史・時代
 生まれついての勝負師。  あるいは、根っからのギャンブラー。  札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。  時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。  そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。  亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。  戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。  マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。  マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。  高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。  科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!

お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。 勇者としての役割、与えられた力。 クラスメイトに協力的なお姫様。 しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。 突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。 そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。 なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ! ──王城ごと。 王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された! そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。 何故元の世界に帰ってきてしまったのか? そして何故か使えない魔法。 どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。 それを他所に内心あわてている生徒が一人。 それこそが磯貝章だった。 「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」 目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。 幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。 もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。 そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。 当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。 日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。 「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」 ──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。 序章まで一挙公開。 翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。 序章 異世界転移【9/2〜】 一章 異世界クラセリア【9/3〜】 二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】 三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】 四章 新生活は異世界で【9/10〜】 五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】 六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】 七章 探索! 並行世界【9/19〜】 95部で第一部完とさせて貰ってます。 ※9/24日まで毎日投稿されます。 ※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。 おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。 勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。 ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。

レイヴン戦記

一弧
ファンタジー
 生まれで人生の大半が決まる世界、そんな中世封建社会で偶然が重なり違う階層で生きることになった主人公、その世界には魔法もなく幻獣もおらず、病気やケガで人は簡単に死ぬ。現実の中世ヨーロッパに似た世界を舞台にしたファンタジー。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

しっかり者のエルフ妻と行く、三十路半オッサン勇者の成り上がり冒険記

スィグトーネ
ファンタジー
 ワンルームの安アパートに住み、非正規で給料は少なく、彼女いない歴35年=実年齢。  そんな負け組を絵にかいたような青年【海渡麒喜(かいときき)】は、仕事を終えてぐっすりと眠っていた。  まどろみの中を意識が彷徨うなか、女性の声が聞こえてくる。  全身からは、滝のような汗が流れていたが、彼はまだ自分の身に起こっている危機を知らない。  間もなく彼は金縛りに遭うと……その後の人生を大きく変えようとしていた。 ※この物語の挿絵は【AIイラスト】さんで作成したモノを使っています ※この物語は、暴力的・性的な表現が含まれています。特に外出先等でご覧になる場合は、ご注意頂きますようお願い致します。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...