167 / 203
第三章 カモフ攻防戦
70 ネアンの街(1)
しおりを挟む
ネアンに各地から次々に軍勢が引き上げてきていた。
ドーグラスが討たれた事が広まっているのだろう。引き上げてくる兵たちは皆沈痛な表情を浮かべていてさながら葬列のようだった。
「公館はクスター閣下に使っていただく。商業ギルドに言って他の者たちの受け入れ先を提供させろ!」
予備隊としてネアンを守っていたジアンは実質的なネアンの為政者として、続々と戻ってくる軍勢の対応に忙しくしていた。
早々に撤退してきたラドスラフからドーグラス戦死の報告を聞いたとき、ジアンを含め幕僚たちは全員すぐには信じられなかった。ジアンはその場ですぐに箝口令を敷いて訃報が拡散されるのを防いだ。さらに斥候を放って真偽の確認をおこなわせた。
しかしその確認中に早くも続々とドーグラス本隊の兵が戻り始め、彼らの口からドーグラス戦死の話が伝わってしまったため、折角の箝口令は無駄となってしまった。
しかも最初に報告してきたラドスラフは部隊を街の外に留めたままで、報告が終わると何も言わず部隊を率いてトノイへと帰還の途についてしまった。
街の状況に振り回されていたジアンがそれを知った時には、ラドスラフは既にエンを越えた後だった。彼に行動の真意を詰問する使者を送りすぐに引き返すように要請していたが、現在に至るまで返事が返ってきてはいなかった。
「ラドスラフは一体何を考えておる・・・・」
トルスター軍に対してはまだまだ圧倒的といえる兵力を有していたストール軍だったが、ドーグラスが討たれたことで少しずつ逃げ出す兵が出始めていた。
このまま手をこまねいていれば、今後ますます逃亡する兵が増えてくることだろう。そのような状況でラドスラフの勝手な振る舞いは、敵前逃亡の増大に繋がる恐れがあった。
「彼奴め、覚えておれよ! 閣下に賜った恩を仇で返しおって」
敵を圧倒する兵力をまだ有しているとはいえ、ドーグラスが討たれた影響で戦意が阻喪している中だ。戦力はどれほどあっても充分という事はないのだ。
ジアンが憤慨していたその時、ヒュダがクスターと共に帰還したとの報告が入った。
「クスター様、よくぞご無事で!」
父が討たれた事が余程ショックだったのだろう。
出迎えたヒュダの目の前に立つクスターは憔悴し、側近に支えられてやっと立っていられるという有様だった。
「ヒュダ、閣下が、父上が・・・・」
「まだまだこれからというところで、・・・・残念です。とりあえず少しお休みください。今後についてはその後で」
今のクスターではとても指揮を執れる状態ではなかった。
ヒュダは内心の焦りを隠し、クスターを休ませるため下がらせるのだった。
「前閣下の件が余程応えたご様子じゃ」
「ですが今後の事を考えれば、クスター様には独り立ちして貰わねばなりません」
「分かっておる。だが今すぐは無理なのはおぬしもクスター様の様子を見れば分かるじゃろ?」
激しい戦闘を経験した訳でもなく父が討たれたと聞いただけで、指揮を執れないほどに取り乱して憔悴してしまった。
ヒュダが言うようにこのままでは軍の指揮どころか、ストール家を引っぱっていくこともできないだろう。
後継者と指名されていたクスターだったが、今後の展開次第では後継者争いに発展する可能性もある。いち早く帰路についたラドスラフが実権を握るために、クスターの弟たちを担ぎ出さないという保証もなかった。
「心配なのはわかるが、クスター様も少しお休みになれば落ち着かれるだろう。軍議を開くのはそれからでも遅くはない。その頃にはイグナーツ様も戻られているだろう。小童にはしてやられたが、この落とし前は必ずつけさせてやろうぞ!」
沈黙するジアンを励ますように肩に手を置いて努めて明るく語ったヒュダは、暫くジアンと情報共有をおこなった後、休む事なく街中の見回りに向かうのだった。
クスターが姿を現したのは、日が落ちてからのことだ。
多少は休めたのだろうが神経質そうな表情がより顕著に表れ、色白な顔色がより生気が感じられない土気色となっていた。
「見苦しい姿を見せた。すまなかった」
広間に現れたクスターは、それでもヒュダやジアンにそう言って頭を下げた。
その後執務室へと移動した三人は、ソファに腰を下ろし今後の方針について確認した。
「街の様子から申しますと、前閣下の訃報は残念ながら住民も含めて今や全員の知るところとなっております。ですが街に戒厳令を出し住民たちには外出を制限しているため今のところ混乱は見られません」
口火を切ったヒュダは、自身が見てきたことを踏まえてネアンの様子を語る。
「またラドスラフ様がすでに離脱してしまったとはいえ、我々の軍勢はまだトルスター軍を圧倒しております。それに加えてこの街を抑えている限り補給についても心配することはないでしょう。戦略については練り直さねばなりませんが、今のままでも十分カモフを手中にできます。ここは前閣下の仇討ちを元にひとつとなり、憎き金髪の小童を血祭りに上げましょうぞ!」
ヒュダはこのままカモフ攻略を続けるべきだと主張した。
彼の言うように兵力が半数近くにまで減ったとはいえ、それでもまだ総兵力ではトルスター軍を凌駕していた。そしてカモフの領都であるサザンと並ぶ主要都市であるネアンを抑えていることも大きかった。
ネアンはヒュダとジアンが街に入ってから、既に一年以上に及び支配をし続けていた。
彼らは兵たちに住民に対する粗暴な振る舞いを禁じ、万が一露見した場合には厳罰を科すなどネアンの運営に気を遣ってきた。その甲斐あってギルドのベドジフとの関係も良好で、兵糧などの軍需物資も滞りなく供給されている。
ドーグラスが討たれたとはいえ、このままネアンの維持は可能だとの判断だった。
「確かにこのままカモフの攻略を続けることも可能でしょう。しかし、私は街の防衛部隊のみを残し主力は一度トノイに引き上げた方が良いと判断します」
次に口を開いたジアンはヒュダの主張を一部認めたものの、正反対の主張をおこなった。
「我々は本拠の守備隊を除いてほぼ全軍でこの地に遠征しています。トノイの守りは万全ですがポラーやダフ、ンバイといった地はまだまだ安定しているとは言い難い土地です。補給は万全といえど長く領地を離れていては国元で何が起こるか予想が付きません」
本領でもあるゼゼー以外は殆どここ十年程で新たに支配地とした土地ばかりだ。
特にポラーを治めていたアンスガルは長い間抵抗を続け、ストール軍に屈してからまだ数年しか経っていなかった。ポラー領内にはまだまだドーグラスの支配への不満が燻っているのが実情だ。
そこにドーグラスの訃報が届けばどうなるか。
主力がこぞって国元を離れている今、ゼゼ―には最低限の兵力が残るだけなのだ。
「ここは一旦半数程度をゼゼーに戻してクスター様の名の下で新体制を固めるべきかと存じます」
半数とはいえ、それでもトルスター軍を上回る兵力が残る。
カモフを奪うには少ないがネアンを守備するだけなら十分だ。この街を確保できていれば何時でもカモフへ再侵攻する事が可能なのだ。
「体制を固めることも大事だとは思うがそれはカモフを落としてからでも遅くはござらんか? こちらには我々の軍勢に加えて間もなく戻ってこられるイグナーツ様の軍勢もございます。それらを合わせれば十分敵を圧倒できましょう。カモフを手中に収めたという実績と共に凱旋された方が、クスター様の権勢はより強固なものとなりましょう」
現状ではいち早く離脱したラドスラフがどう動くか分からないが、このままトノイに戻れば最も有力な勢力となる。もし権力の座を欲した誰かがラドスラフを取り込めば、瞬く間にクスターの対抗勢力になるのは間違いない。
だがカモフを手に入れることができれば、そうした者への牽制となるに十分な実績といえた。
「しかしイグナーツ様ですら手を焼いた相手です。兵力が減った今それほど時間をかけずにサザンを落とせるとは正直思いません。それに例の新兵器とやらの正体が分かっておりません。時間がかかればかかるほどトノイの情勢が我々にとって不利となるかも知れません」
「攻め倦ねたのはより慎重を期したからだ。神速を旨とするイグナーツ様が本来の攻撃性を発揮すれば瞬く間にサザンをも落とすことができるでしょう」
「だがそれでは多くの犠牲が出てしまいます。少なくなった兵力を更にすり減らすような戦い方では後にラドスラフに対抗できると思いませぬ」
二人の議論は平行線を辿り深夜に及んでも交わることはなかった。その間クスターは難しい顔を浮かべたままひと言も発しなかった。
「クスター閣下の判断をいただきたく存じます」
二人から決断を迫られたクスターだったが、これまで重要事項を決定した事はない彼に、決断を下す事は難しかった。
彼は目を泳がせながら狼狽えるだけでどちらにも決める事ができないでいた。
そこにイグナーツが帰還したとの報告が入った。
「イグナーツの意見を聞こうではないか!」
彼はこれ幸いとばかりに結論を先延ばしにするのだった。
ドーグラスが討たれた事が広まっているのだろう。引き上げてくる兵たちは皆沈痛な表情を浮かべていてさながら葬列のようだった。
「公館はクスター閣下に使っていただく。商業ギルドに言って他の者たちの受け入れ先を提供させろ!」
予備隊としてネアンを守っていたジアンは実質的なネアンの為政者として、続々と戻ってくる軍勢の対応に忙しくしていた。
早々に撤退してきたラドスラフからドーグラス戦死の報告を聞いたとき、ジアンを含め幕僚たちは全員すぐには信じられなかった。ジアンはその場ですぐに箝口令を敷いて訃報が拡散されるのを防いだ。さらに斥候を放って真偽の確認をおこなわせた。
しかしその確認中に早くも続々とドーグラス本隊の兵が戻り始め、彼らの口からドーグラス戦死の話が伝わってしまったため、折角の箝口令は無駄となってしまった。
しかも最初に報告してきたラドスラフは部隊を街の外に留めたままで、報告が終わると何も言わず部隊を率いてトノイへと帰還の途についてしまった。
街の状況に振り回されていたジアンがそれを知った時には、ラドスラフは既にエンを越えた後だった。彼に行動の真意を詰問する使者を送りすぐに引き返すように要請していたが、現在に至るまで返事が返ってきてはいなかった。
「ラドスラフは一体何を考えておる・・・・」
トルスター軍に対してはまだまだ圧倒的といえる兵力を有していたストール軍だったが、ドーグラスが討たれたことで少しずつ逃げ出す兵が出始めていた。
このまま手をこまねいていれば、今後ますます逃亡する兵が増えてくることだろう。そのような状況でラドスラフの勝手な振る舞いは、敵前逃亡の増大に繋がる恐れがあった。
「彼奴め、覚えておれよ! 閣下に賜った恩を仇で返しおって」
敵を圧倒する兵力をまだ有しているとはいえ、ドーグラスが討たれた影響で戦意が阻喪している中だ。戦力はどれほどあっても充分という事はないのだ。
ジアンが憤慨していたその時、ヒュダがクスターと共に帰還したとの報告が入った。
「クスター様、よくぞご無事で!」
父が討たれた事が余程ショックだったのだろう。
出迎えたヒュダの目の前に立つクスターは憔悴し、側近に支えられてやっと立っていられるという有様だった。
「ヒュダ、閣下が、父上が・・・・」
「まだまだこれからというところで、・・・・残念です。とりあえず少しお休みください。今後についてはその後で」
今のクスターではとても指揮を執れる状態ではなかった。
ヒュダは内心の焦りを隠し、クスターを休ませるため下がらせるのだった。
「前閣下の件が余程応えたご様子じゃ」
「ですが今後の事を考えれば、クスター様には独り立ちして貰わねばなりません」
「分かっておる。だが今すぐは無理なのはおぬしもクスター様の様子を見れば分かるじゃろ?」
激しい戦闘を経験した訳でもなく父が討たれたと聞いただけで、指揮を執れないほどに取り乱して憔悴してしまった。
ヒュダが言うようにこのままでは軍の指揮どころか、ストール家を引っぱっていくこともできないだろう。
後継者と指名されていたクスターだったが、今後の展開次第では後継者争いに発展する可能性もある。いち早く帰路についたラドスラフが実権を握るために、クスターの弟たちを担ぎ出さないという保証もなかった。
「心配なのはわかるが、クスター様も少しお休みになれば落ち着かれるだろう。軍議を開くのはそれからでも遅くはない。その頃にはイグナーツ様も戻られているだろう。小童にはしてやられたが、この落とし前は必ずつけさせてやろうぞ!」
沈黙するジアンを励ますように肩に手を置いて努めて明るく語ったヒュダは、暫くジアンと情報共有をおこなった後、休む事なく街中の見回りに向かうのだった。
クスターが姿を現したのは、日が落ちてからのことだ。
多少は休めたのだろうが神経質そうな表情がより顕著に表れ、色白な顔色がより生気が感じられない土気色となっていた。
「見苦しい姿を見せた。すまなかった」
広間に現れたクスターは、それでもヒュダやジアンにそう言って頭を下げた。
その後執務室へと移動した三人は、ソファに腰を下ろし今後の方針について確認した。
「街の様子から申しますと、前閣下の訃報は残念ながら住民も含めて今や全員の知るところとなっております。ですが街に戒厳令を出し住民たちには外出を制限しているため今のところ混乱は見られません」
口火を切ったヒュダは、自身が見てきたことを踏まえてネアンの様子を語る。
「またラドスラフ様がすでに離脱してしまったとはいえ、我々の軍勢はまだトルスター軍を圧倒しております。それに加えてこの街を抑えている限り補給についても心配することはないでしょう。戦略については練り直さねばなりませんが、今のままでも十分カモフを手中にできます。ここは前閣下の仇討ちを元にひとつとなり、憎き金髪の小童を血祭りに上げましょうぞ!」
ヒュダはこのままカモフ攻略を続けるべきだと主張した。
彼の言うように兵力が半数近くにまで減ったとはいえ、それでもまだ総兵力ではトルスター軍を凌駕していた。そしてカモフの領都であるサザンと並ぶ主要都市であるネアンを抑えていることも大きかった。
ネアンはヒュダとジアンが街に入ってから、既に一年以上に及び支配をし続けていた。
彼らは兵たちに住民に対する粗暴な振る舞いを禁じ、万が一露見した場合には厳罰を科すなどネアンの運営に気を遣ってきた。その甲斐あってギルドのベドジフとの関係も良好で、兵糧などの軍需物資も滞りなく供給されている。
ドーグラスが討たれたとはいえ、このままネアンの維持は可能だとの判断だった。
「確かにこのままカモフの攻略を続けることも可能でしょう。しかし、私は街の防衛部隊のみを残し主力は一度トノイに引き上げた方が良いと判断します」
次に口を開いたジアンはヒュダの主張を一部認めたものの、正反対の主張をおこなった。
「我々は本拠の守備隊を除いてほぼ全軍でこの地に遠征しています。トノイの守りは万全ですがポラーやダフ、ンバイといった地はまだまだ安定しているとは言い難い土地です。補給は万全といえど長く領地を離れていては国元で何が起こるか予想が付きません」
本領でもあるゼゼー以外は殆どここ十年程で新たに支配地とした土地ばかりだ。
特にポラーを治めていたアンスガルは長い間抵抗を続け、ストール軍に屈してからまだ数年しか経っていなかった。ポラー領内にはまだまだドーグラスの支配への不満が燻っているのが実情だ。
そこにドーグラスの訃報が届けばどうなるか。
主力がこぞって国元を離れている今、ゼゼ―には最低限の兵力が残るだけなのだ。
「ここは一旦半数程度をゼゼーに戻してクスター様の名の下で新体制を固めるべきかと存じます」
半数とはいえ、それでもトルスター軍を上回る兵力が残る。
カモフを奪うには少ないがネアンを守備するだけなら十分だ。この街を確保できていれば何時でもカモフへ再侵攻する事が可能なのだ。
「体制を固めることも大事だとは思うがそれはカモフを落としてからでも遅くはござらんか? こちらには我々の軍勢に加えて間もなく戻ってこられるイグナーツ様の軍勢もございます。それらを合わせれば十分敵を圧倒できましょう。カモフを手中に収めたという実績と共に凱旋された方が、クスター様の権勢はより強固なものとなりましょう」
現状ではいち早く離脱したラドスラフがどう動くか分からないが、このままトノイに戻れば最も有力な勢力となる。もし権力の座を欲した誰かがラドスラフを取り込めば、瞬く間にクスターの対抗勢力になるのは間違いない。
だがカモフを手に入れることができれば、そうした者への牽制となるに十分な実績といえた。
「しかしイグナーツ様ですら手を焼いた相手です。兵力が減った今それほど時間をかけずにサザンを落とせるとは正直思いません。それに例の新兵器とやらの正体が分かっておりません。時間がかかればかかるほどトノイの情勢が我々にとって不利となるかも知れません」
「攻め倦ねたのはより慎重を期したからだ。神速を旨とするイグナーツ様が本来の攻撃性を発揮すれば瞬く間にサザンをも落とすことができるでしょう」
「だがそれでは多くの犠牲が出てしまいます。少なくなった兵力を更にすり減らすような戦い方では後にラドスラフに対抗できると思いませぬ」
二人の議論は平行線を辿り深夜に及んでも交わることはなかった。その間クスターは難しい顔を浮かべたままひと言も発しなかった。
「クスター閣下の判断をいただきたく存じます」
二人から決断を迫られたクスターだったが、これまで重要事項を決定した事はない彼に、決断を下す事は難しかった。
彼は目を泳がせながら狼狽えるだけでどちらにも決める事ができないでいた。
そこにイグナーツが帰還したとの報告が入った。
「イグナーツの意見を聞こうではないか!」
彼はこれ幸いとばかりに結論を先延ばしにするのだった。
1
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
ピーナッツバター
はる
BL
童顔で可愛い男子高校生、結城空(ゆうき そら)は、学校の体育教師である山口陽佳(やまぐち ひよし)と一緒に暮している。2人は恋人同士だが、この体育教師はドSで超変態。空はエッチなことばっかりされています。
※エロ多めですが、全体的に甘々キュンキュン系です。
※表紙は、みいのすけ様に描いて頂きました!
※感想とか頂けたら嬉しいです。
ホラーな世界に異世界転移したので、ゴーストバスター始めます
ミクリ21
ファンタジー
中井トモキは、ある日見知らぬ森にいた。
これはもしや異世界転移ではと喜んだのもつかの間、幽霊だの骸骨だの死神だの出てさぁ大変!
そこに現れた聖魔術師の青年アシュラに助けられ、トモキは一緒にゴーストバスターを始めることになった。
翠帳紅閨 ――闇から来る者――
文月 沙織
BL
有名な役者一家に生まれそだった竹弥は、美しいが、その春、胸に憂いを秘めていた。事情があって大学を休学し、古い屋敷で一人暮らしをはじめた。
そこには蔵があり、蔵の整理にやとわれた杉屋という男に、竹弥は手酷い凌辱を受ける。
危険な魅力を持つ杉屋から逃れられず、竹弥は夜毎、調教され、翻弄される。
誇りたかい梨園の貴公子が、使用人の手によって嬲られ、秘めていた欲望に火をつけられる、というお話です。
激しい性描写があります。ご注意ください。
現在では好ましくな表現も出てきます。苦手な方はご遠慮ください。
【完結】二年間放置された妻がうっかり強力な媚薬を飲んだ堅物な夫からえっち漬けにされてしまう話
なかむ楽
恋愛
ほぼタイトルです。
結婚後二年も放置されていた公爵夫人のフェリス(20)。夫のメルヴィル(30)は、堅物で真面目な領主で仕事熱心。ずっと憧れていたメルヴィルとの結婚生活は触れ合いゼロ。夫婦別室で家庭内別居状態に。
ある日フェリスは養老院を訪問し、お婆さんから媚薬をもらう。
「十日間は欲望がすべて放たれるまでビンビンの媚薬だよ」
その小瓶(媚薬)の中身ををミニボトルウイスキーだと思ったメルヴィルが飲んでしまった!なんといううっかりだ!
それをきっかけに、堅物の夫は人が変わったように甘い言葉を囁き、フェリスと性行為を繰り返す。
「美しく成熟しようとするきみを摘み取るのを楽しみにしていた」
十日間、連続で子作り孕ませセックスで抱き潰されるフェリス。媚薬の効果が切れたら再び放置されてしまうのだろうか?
◆堅物眼鏡年上の夫が理性ぶっ壊れで→うぶで清楚系の年下妻にえっちを教えこみながら孕ませっくすするのが書きたかった作者の欲。
◇フェリス(20):14歳になった時に婚約者になった憧れのお兄さま・メルヴィルを一途に想い続けていた。推しを一生かけて愛する系。清楚で清純。
夫のえっちな命令に従順になってしまう。
金髪青眼(隠れ爆乳)
◇メルヴィル(30):カーク領公爵。24歳の時に14歳のフェリスの婚約者になる。それから結婚までとプラス2年間は右手が夜のお友達になった真面目な眼鏡男。媚薬で理性崩壊系絶倫になってしまう。
黒髪青眼+眼鏡(細マッチョ)
※作品がよかったら、ブクマや★で応援してくださると嬉しく思います!
※誤字報告ありがとうございます。誤字などは適宜修正します。
ムーンライトノベルズからの転載になります
アルファポリスで読みやすいように各話にしていますが、長かったり短かったりしていてすみません汗
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
美味しく食べてね
丸井まー(旧:まー)
BL
ある日突然『フォーク』になったローランと、そのローランに恋をしている『ケーキ』のラザール。ラザールは夜な夜なローランの部屋に忍び込み、眠るローランに、こっそり自分の血肉を食わせ、自分の味を覚えさせようと試みた。割と頭がぶっとんでいる『ケーキ』ラザールと真面目な常識人『フォーク』ローランの、理性を取っ払って貪り合う愛の物語の始まり。
※リバです。嘔吐、失禁あります。
※猫宮乾様主催の『ケーキバースアンソロジー』に寄稿させていただいたものをweb用に編集したものです。
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
権田剛専用肉便器ファイル
かば
BL
権田剛のノンケ狩りの話
人物紹介
権田剛(30)
ゴリラ顔でごっつい身体付き。高校から大学卒業まで柔道をやっていた。得意技、寝技、絞め技……。仕事は闇の仕事をしている、893にも繋がりがあり、男も女も拉致監禁を請け負っている。
趣味は、売り専ボーイをレイプしては楽しんでいたが、ある日ノンケの武田晃に欲望を抑えきれずレイプしたのがきっかけでノンケを調教するのに快感になってから、ノンケ狩りをするようになった。
ある日、モデルの垣田篤史をレイプしたことがきっかけでモデル事務所の社長、山本秀樹を肉便器にし、所属モデル達に手をつけていく……売り専ボーイ育成モデル事務所の話に続く
武田晃
高校2年生、高校競泳界の期待の星だったが……権田に肉便器にされてから成績が落ちていった……、尻タブに権田剛専用肉便器1号と入墨を入れられた。
速水勇人
高校2年生、高校サッカーで活躍しており、プロチームからもスカウトがいくつかきている。
肉便器2号
池田悟(25)
プロの入墨師で権田の依頼で肉便器にさせられた少年達の尻タブに権田剛専用肉便器◯号と入墨をいれた、権田剛のプレイ仲間。
権田に依頼して池田悟が手に入れたかった幼馴染、萩原浩一を肉便器にする。権田はその弟、萩原人志を肉便器にした。
萩原人志
高校2年生、フェギアかいのプリンスで有名なイケメン、甘いマスクで女性ファンが多い。
肉便器3号
萩原浩一(25)
池田悟の幼馴染で弟と一緒に池田悟専用肉便器1号とされた。
垣田篤史
高校2年生
速水勇人の幼馴染で、読者モデルで人気のモデル、権田の脅しに怯えて、権田に差し出された…。肉便器4号
黒澤竜也
垣田篤史と同じモデル事務所に所属、篤史と飲みに行ったところに権田に感づかれて調教される……。肉便器ではなく、客をとる商品とされた。商品No.1
山本秀樹(25)
篤史、竜也のモデル事務所の社長兼モデル。
権田と池田の毒牙にかかり、池田悟の肉便器2号となる。
香川恋
高校2年生
香川愛の双子の兄、女好きで弟と女の子を引っ掛けては弟とやりまくっていた、根からの女好きだが、権田はの一方的なアナル責で開花される……。商品No.2
香川愛
高校2年生
双子の兄同様、権田はの一方的なアナル責で開花される……。商品No.3
佐々木勇斗
高校2年生
権田によって商品に調教された直後に客をとる優秀商品No.4
橘悠生
高校2年生
権田によってアナルを開発されて初貫通をオークションで売られた商品No.5
モデル達の調教話は「売り専ボーイ育成モデル事務所」をぜひ読んでみてください。
基本、鬼畜でエロオンリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる