13 / 21
第1章 異世界へようこそ
迷い込み
しおりを挟む
「初めまして、私はニコラス・グリーンです。改めて、助けて頂いてお礼を述べます。」
「いえ、僕はフレディ・マーガーです。恐縮ですが、グリーン家の・・・?」
「はい、先ほどの醜態晒し、失礼しました。」
フレディ曰く、グリーン家って言うのは、隣国の最上貴族らしい。
主に政治に関わっている、まあ言ってしまえば、国の最高権力とのこと。
政治の進め方には定評があるらしく、俺らがいた国でも、見習っていく政経が建てられているらしい。
「あ、俺はミチルです。よろしくお願いします。」
自分も忘れていた自己紹介を済ます。
ニコラスさんは、フレディの見た目を少し穏やかにして、優しさをプラスしたような顔だ。
貴族ともあって、礼儀正しく、容姿も風貌もしっかりとしている。
透き通った銀の髪と青い目のコントラストに目を奪われる。
取り敢えず、イケメンだ。
この世界はみんなイケメン。知らん、俺はイケメンと巡り会う運命でも背負ってるのか?
そんなことを考えていると、ニコラスさんが優しい表情でふふっと笑った。
「ミチル君、凄い。表情が豊かだね。」
何だろう、バカにされてる感。
きっとニコラスさんにはそう言った意図は含んでいないと信じたいが、小さな子供を見るかの目線を向けられると、やはり無意識にもバカにされていると感じてしまう。
物凄く不快な訳じゃないけど、俺も男だし、ちょっと傷付くなって毎回思うのだった。
「それは置いといて、ニコラスさんも迷い込んだのですか?」
「そう見たいです。私は森で果実を集めていただけなんですけど・・・」
やっぱりか・・・とフレディが困ったような顔をする。
俺が何もわからなそうな表情だったのが伝わったらしく、フレディは順を追って説明してくれた。
「まず、僕たちは街へ帰れてない。ニコラスさんも訳も分からず迷い込んだ。そもそも、ニコラスさんは隣国にいるのに、国を一つ飛び越えて僕たちと遭遇している。この時点で、何者かのスキルか魔法が発動されているんだ。考えられるのは、ワープ系の空間魔法を操る人物。僕には検討も付かないけどね。そして、➀僕たちを狙って誰かが魔法を発動させた。➁僕たちじゃない誰かを狙っていたが、たまたまその場に遭遇した僕らも巻き添えを食らった。おそらく考えられるのはこの2パターンね。」
「俺らが狙われる理由って何?」
「そう、その通り。狙われる理由が見当たらないんだ。だから後者である可能性が高い。」
「成程」
フレディの考察は全て的を得ていると思えた。
ニコラスさんが単体で狙われることはあっても、そこに俺たちが関与している事に辻褄が合わない。
その為に➁であるだろうと推測が建てられるらしい。
この考察についてはニコラスさんも感嘆の声をあげていた。
「だが、ここが何処だか検討もつかない以上、僕らはどうすることもできない。野宿か・・・一生この森で過ごすことになるか・・・」
そんな怖いことをフレディは呟いた。
ひぇ、やめてよ!!!!!平穏な生活が嘘のようにひっくり返るじゃん!!!!!
心の声も虚しく、俺もどうすることもできずに落胆していた。
すると、
「あの、今更で悪いのですけれど、私、スキル【道導】を持っております。現在地と私の国との距離はおよそ5kmとなります。」
「おお!そうだったのですか。思ったより離れていなくて助かりました。今日は暗いので、明日にでも向かうとしましょう」
フレディはそう言うと、川を探し出した。
ちなみに今日は野宿らしい。こんな訳も分からない森で野宿だってさ、はは。
川は身体を流すのに必要なんだって。
俺、川の水風呂に入らないといけないの?
何の拷問???
自分の作り出す水じゃダメなのか・・・と思ったが、川の方が雰囲気出るじゃんって言われた。
意味がわからない。
まぁ、ニコラスさんが水属性じゃない限り、他人に自分の裸体を晒す羽目になるからな・・・
その考慮はわからんでもないけど・・・
あ、ニコラスさんの属性見ればいいや、魔眼。
ステータス
名前:ニコラス・グリーン
レベル:57
年齢:23
職業:グリーン家長男 貴族
スキル:道導、魔力消費軽減
魔法:火属性魔法、結界魔法
スキル
【道導】
現在地から目的地への距離がわかる。また、目的地へ迷いなく進む事ができる。
スキル【道導】はそう言うことか、みんな個性豊かで面白いスキルを持っているなぁ・・・
俺が勝手に人の個人情報を盗み見ている間に川を探していたフレディから声がした。
「ここにあった、川だよ。この辺にしようか」
と言うことで、俺たちは近くで休むことになった。
「いえ、僕はフレディ・マーガーです。恐縮ですが、グリーン家の・・・?」
「はい、先ほどの醜態晒し、失礼しました。」
フレディ曰く、グリーン家って言うのは、隣国の最上貴族らしい。
主に政治に関わっている、まあ言ってしまえば、国の最高権力とのこと。
政治の進め方には定評があるらしく、俺らがいた国でも、見習っていく政経が建てられているらしい。
「あ、俺はミチルです。よろしくお願いします。」
自分も忘れていた自己紹介を済ます。
ニコラスさんは、フレディの見た目を少し穏やかにして、優しさをプラスしたような顔だ。
貴族ともあって、礼儀正しく、容姿も風貌もしっかりとしている。
透き通った銀の髪と青い目のコントラストに目を奪われる。
取り敢えず、イケメンだ。
この世界はみんなイケメン。知らん、俺はイケメンと巡り会う運命でも背負ってるのか?
そんなことを考えていると、ニコラスさんが優しい表情でふふっと笑った。
「ミチル君、凄い。表情が豊かだね。」
何だろう、バカにされてる感。
きっとニコラスさんにはそう言った意図は含んでいないと信じたいが、小さな子供を見るかの目線を向けられると、やはり無意識にもバカにされていると感じてしまう。
物凄く不快な訳じゃないけど、俺も男だし、ちょっと傷付くなって毎回思うのだった。
「それは置いといて、ニコラスさんも迷い込んだのですか?」
「そう見たいです。私は森で果実を集めていただけなんですけど・・・」
やっぱりか・・・とフレディが困ったような顔をする。
俺が何もわからなそうな表情だったのが伝わったらしく、フレディは順を追って説明してくれた。
「まず、僕たちは街へ帰れてない。ニコラスさんも訳も分からず迷い込んだ。そもそも、ニコラスさんは隣国にいるのに、国を一つ飛び越えて僕たちと遭遇している。この時点で、何者かのスキルか魔法が発動されているんだ。考えられるのは、ワープ系の空間魔法を操る人物。僕には検討も付かないけどね。そして、➀僕たちを狙って誰かが魔法を発動させた。➁僕たちじゃない誰かを狙っていたが、たまたまその場に遭遇した僕らも巻き添えを食らった。おそらく考えられるのはこの2パターンね。」
「俺らが狙われる理由って何?」
「そう、その通り。狙われる理由が見当たらないんだ。だから後者である可能性が高い。」
「成程」
フレディの考察は全て的を得ていると思えた。
ニコラスさんが単体で狙われることはあっても、そこに俺たちが関与している事に辻褄が合わない。
その為に➁であるだろうと推測が建てられるらしい。
この考察についてはニコラスさんも感嘆の声をあげていた。
「だが、ここが何処だか検討もつかない以上、僕らはどうすることもできない。野宿か・・・一生この森で過ごすことになるか・・・」
そんな怖いことをフレディは呟いた。
ひぇ、やめてよ!!!!!平穏な生活が嘘のようにひっくり返るじゃん!!!!!
心の声も虚しく、俺もどうすることもできずに落胆していた。
すると、
「あの、今更で悪いのですけれど、私、スキル【道導】を持っております。現在地と私の国との距離はおよそ5kmとなります。」
「おお!そうだったのですか。思ったより離れていなくて助かりました。今日は暗いので、明日にでも向かうとしましょう」
フレディはそう言うと、川を探し出した。
ちなみに今日は野宿らしい。こんな訳も分からない森で野宿だってさ、はは。
川は身体を流すのに必要なんだって。
俺、川の水風呂に入らないといけないの?
何の拷問???
自分の作り出す水じゃダメなのか・・・と思ったが、川の方が雰囲気出るじゃんって言われた。
意味がわからない。
まぁ、ニコラスさんが水属性じゃない限り、他人に自分の裸体を晒す羽目になるからな・・・
その考慮はわからんでもないけど・・・
あ、ニコラスさんの属性見ればいいや、魔眼。
ステータス
名前:ニコラス・グリーン
レベル:57
年齢:23
職業:グリーン家長男 貴族
スキル:道導、魔力消費軽減
魔法:火属性魔法、結界魔法
スキル
【道導】
現在地から目的地への距離がわかる。また、目的地へ迷いなく進む事ができる。
スキル【道導】はそう言うことか、みんな個性豊かで面白いスキルを持っているなぁ・・・
俺が勝手に人の個人情報を盗み見ている間に川を探していたフレディから声がした。
「ここにあった、川だよ。この辺にしようか」
と言うことで、俺たちは近くで休むことになった。
1
お気に入りに追加
978
あなたにおすすめの小説
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
強制悪役令息と4人の聖騎士ー乙女ハーレムエンドー
チョコミント
BL
落ちこぼれ魔法使いと4人の聖騎士とのハーレム物語が始まる。
生まれてから病院から出た事がない少年は生涯を終えた。
生まれ変わったら人並みの幸せを夢見て…
そして生前友人にもらってやっていた乙女ゲームの悪役双子の兄に転生していた。
死亡フラグはハーレムエンドだけだし悪い事をしなきゃ大丈夫だと思っていた。
まさか無意識に悪事を誘発してしまう強制悪役の呪いにかかっているなんて…
それになんでヒロインの個性である共魔術が使えるんですか?
魔力階級が全てを決める魔法の世界で4人の攻略キャラクターである最上級魔法使いの聖戦士達にポンコツ魔法使いが愛されています。
「俺なんてほっといてヒロインに構ってあげてください」
執着溺愛騎士達からは逃げられない。
性描写ページには※があります。
転生当て馬召喚士が攻め度MAXの白銀騎士に抗えません
雪平
BL
不幸体質大学生の青年が転生したのは魔術師ファンタジーBLゲームの世界だった。
当て馬として生まれたからには攻略キャラの恋の後押しをする事にした。
しかし、この世界…何処か可笑しい。
受け主人公が攻めに、攻め攻略キャラが受けになっていた世界だった。
童顔だった主人公は立派な攻めに育っていた。
受け達に愛されている主人公は何故か当て馬に執着している。
傍観者で良かったのに、攻めポジも危ぶまれていく。
究極の鉄壁一途な白銀騎士×転生当て馬召喚士
ゲームを忠実にするためには、絶対に受けとしてときめいてはいけない。
「君といられるなら、俺は邪魔する奴を排除する」
「俺はただの当て馬でいい!」
※脇CP、リバキャラはいません、メインCPのみです。
ある日、義弟に突然「兄ちゃんが主人公で総受けとかウケるwww俺は絶対好きにならn…好き…」…いや、お前もかーい。
彩ノ華
BL
ある日、突然義弟からこの世界はBL小説の世界だと言われ俺はその中の〝主人公〟なのだとか…。
『兄ちゃんが主人公で総受けとかウケるwww俺は絶対好きにならないwww』
と笑っていたお前だが…
いや、お前もやないかい。
イケメン義弟×無自覚たらし兄
※ゆるゆる投稿
※素人作品
異世界のオークションで落札された俺は男娼となる
mamaマリナ
BL
親の借金により俺は、ヤクザから異世界へ売られた。異世界ブルーム王国のオークションにかけられ、男娼婦館の獣人クレイに買われた。
異世界ブルーム王国では、人間は、人気で貴重らしい。そして、特に日本人は人気があり、俺は、日本円にして500億で買われたみたいだった。
俺の異世界での男娼としてのお話。
※Rは18です
日本で死んだ無自覚美少年が異世界に転生してまったり?生きる話
りお
BL
自分が平凡だと思ってる海野 咲(うみの
さき)は16歳に交通事故で死んだ…………
と思ったら転生?!チート付きだし!しかも転生先は森からスタート?!
これからどうなるの?!
と思ったら拾われました
サフィリス・ミリナスとして生きることになったけど、やっぱり異世界といったら魔法使いながらまったりすることでしょ!
※これは無自覚美少年が周りの人達に愛されつつまったり?するはなしです
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
異世界に転生したらめちゃくちゃ嫌われてたけどMなので毎日楽しい
やこにく
BL
「穢らわしい!」「近づくな、この野郎!」「気持ち悪い」
異世界に転生したら、忌み人といわれて毎日罵られる有野 郁 (ありの ゆう)。
しかし、Mだから心無い言葉に興奮している!
(美形に罵られるの・・・良い!)
美形だらけの異世界で忌み人として罵られ、冷たく扱われても逆に嬉しい主人公の話。騎士団が(嫌々)引き取
ることになるが、そこでも嫌われを悦ぶ。
主人公受け。攻めはちゃんとでてきます。(固定CPです)
ドMな嫌われ異世界人受け×冷酷な副騎士団長攻めです。
初心者ですが、暖かく応援していただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる