夜中の来訪者

橘一

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夜中の来訪者

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ギュイィィィインンン!



枕元で目をつぶっていたが耳を澄ました。

は?夜中なんだが、どうした。

一階のガラスを滅茶苦茶に破壊してる音がする。侵入者だ。

こういう時の為に普段から想定していてよかった。

スマホを手に取って1階にいる親に電話をかける、繋がった。

「侵入者だ!早く危ないから避難して」

「・・・・・・」

何かの声がするがよく聞こえない。

スマホが壊れたのかこんな時に。

枕元に護身用の木刀が置いてある、力をこめ握りしめて階段を下りる。

階下に降りると玄関のドアを破壊しようとしてるのか時間が掛かっているがすぐにでも破られそうだ。

階段下の隣にある部屋に勢いよくとびこんだ。

「母さん!」

そこで異変に気付いた、誰もいないのだ。そこにいるはずの父と母がどこにも見当たらない。

何が起きた。

部屋の窓は空いていてカーテンがはためき冷たい外気が入り込む。

この一瞬で避難した?消えた?

頭が追い付かないまま思考を巡らす。

警察に電話だ。自分の身が危ない。

スマホからかけてみたが繋がらない。

居てもたってもいられず、出窓へ行き脱出を試みる。

何事もなく外へとでられて地面の固さを感じていたら

「こっちよ」

黒髪ロングでワンピースを着た女性だった。

「・・・君は一体?」

「逃げ出したいんじゃないの?あいつがすぐに襲ってくる」

「でもまだ親がいる」

「いいじゃないそんなのきっと安全な所にいるよ」

「僕のことを探してたら」

「そんなことよりもっといい場所に行きましょう、ね?」

彼女は微笑えんで僕の手を掴んだ

「うん」

「本当はどうでもいいんでしょう?やりたいこともあるし弟を可愛がっていたのも心にひっかかっていた」

「うん」

ここから出たい。自分が変わりたい。

彼女が何者でどこへ行くかなんてどうでもいいんだ。

「そうこっちよ、よくできました」

気づけば温かくなり髪を撫でられていた。

彼女は微笑み続けていた。
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