44 / 55
第4章 露れるのは真実と嘘
6.届かない手
しおりを挟む
司が最初に思ったのは「友介は聡一と通じていたのではないか」ということだった。
行先は分からないまでも、友介は司とユクミがどこかへ向かおうとしていたのだと知っている。それを知った聡一がアヤの店にあたりをつけていたのだとしたら。
(くそ、友介め! こっちのお前はやっぱり聡一の味方なのかよ!)
内心で毒づきながら司は聡一を睨みつける。
一方で、自身の前に膝をつかれたユクミは警戒の色を濃くしている。
「納賀良、聡一。……それは、司の」
眉を寄せたユクミが少し右手を上げるのを司は見た。しかし聡一はまったく動じることなく、相変わらず目線を合わせるために片膝をついたままで微笑みも絶やさない。
「はい。司の師にあたる者です」
疚しさも、罪悪感も、悔悟も。何一つ感じないその声を聞いて司の視界が真っ赤になる。もう流れていない血が沸騰したかのような気持ちになる。
「――て、めぇ」
声はかすれた。あの灰色の社で目覚めた後、上手く出せなかったときのようだ。
「よくも、のうのうと、そんなことを」
チキチキ、というカッターナイフの音を合図に、司の足は先ほど退った距離を詰めようとした。その距離は約二メートル、大きく踏み込めば聡一の首筋にこのカッターナイフを突き刺すことができる。
そう思っていたのになぜか目標は遠くなった。今は五メートルくらいあるかもしれない。しかも見下ろしていたはずの首筋を今は見上げているのは司の頭が地面からほど近い場所にあるせいだ。司は今、先ほどより離れたアスファルトの路面に倒れ込んでいる。
どうしてこんなことになっているのだろう。四肢に力を入れて立ち上がろうとし、そこで司は気がついた。両足と両手は四つの何かによってがっちりと拘束されている。揺すった程度では離れる気配がない。力を入れて抵抗しても、まだ。
(これはなんだ)
視界の中では、司の背後に顔を向けるユクミが目を見開いている。血の気が引いているのはアヤの件の衝撃から抜け切れていないせいだろうか。それとも、司の背後に何かあるのか。
ユクミは青い顔を下げて司へ向け、左の手を伸ばす。
「司!」
駆け寄ろうとしたユクミの右手は聡一につかまれた。小さな体が後ろに倒れ込み、聡一の腕の中におさまる。彼女の右足の草履だけが宙を舞って司の近くに落ちた。
「私の話はまだ終わっていませんよ」
「離せ!」
もがくユクミの髪が黒から白に変わり、狐の耳と三本の尾が姿を見せる。続いて黄金の瞳が炯々とした光を帯びた、そのとき。司の後ろから顔をしかめたくなるほど酷い生臭さが漂って来た。司はこれを知っている。
(聡一がいるんだから、こいつがいてもおかしくない……!)
司は奥歯を噛んだ。
『聡一にぃぃぃ、手をだしたらぁぁぁぁ、駄目だぜぇぇぇぇぇ?』
金属の軋む音にも似た声を聞いて、瞳から光を消したユクミが悔しげにうつむく。
『今度はぁぁぁ、オレぇぇぇぇ、油断しないぃぃぃぃ。司をぉぉぉぉ、離したりぃぃぃぃ、しないぃぃぃ』
その声を聞く司の脳裏にはいくつもの光景がよぎる。
暗い野原に散らばる服の切れ端。地面の上から頼りない光で空を照らすひび割れたスマートフォン。影よりもなお暗い姿をしたもの。頼りにしていた人が背を向ける姿、そして頼りにしていた人が血染めになる姿――。
あのときと同じようにうつ伏せにされた屈辱と、それに伴う怒りが体を巡る。今、司を押さえているのはあの猿の四本の手だ。ならばこれのうちどれか一本でも切ってしまえば。
しかしいくら力を籠めても司の手足はがっちりと掴まれたまま、猿の手が離れる様子はない。
『また会ったなぁぁぁぁぁ、司ぁぁぁぁぁ。会いたくぅぅぅぅ、なかったけどぉぉぉぉ』
どこかのんびりとした声で隠邪は言う。
『お前はぁぁぁ、いらないからぁぁぁぁ、あんまりぃぃぃぃ、バタバタするならぁぁぁぁ。手足をぉぉぉぉ引きちぎっちゃうぅぅぅ、ぜぇぇぇぇぇ』
「やめろ」
どこか冷ややかな声は聡一のものだ。
「ユクミの決定を待て。今の段階で司を壊すと、ユクミは絶対に仲間にならない」
ギィギィとした声が「ちぇぇぇぇぇ」と返す。不服そうなその言葉に被せるように、ユクミの「ふざけるな!」という怒号が辺りの空気を震わせた。
「仲間だと? 私がお前たちの仲間になるとでもいうのか? ありえない!」
「ありえないかどうかは、こちらの話を聞いてから考えてください」
聡一はユクミを抱いたまま立ち上がる。数年前には聡一がこうして知穂を抱いているところを司は何度も見た。抱かれているユクミはその状況に心奪われたように見えたが、しかしハッとしたように首を振ると、聡一の肩に手を置いて体をのけぞらせながら、
「離せ! 私は『約束の者』の仲間だ! お前たちは司の敵なんだから、私は絶対に仲間になんてならない!」
と抵抗する。
その姿を見る司は思わず「ああ……」と呟いた。
祓邪師である司には隠邪の強さが分かる。だが、妖の強さは分からない。司の生きる時代にはもう妖がいないからだ。
しかしユクミは妖はもちろんのこと、隠邪の力の強さも分かっているらしい。それはきっとユクミが過去に隠邪と戦ったことがあるためだろう。
そのユクミは口では抵抗の意思を示している。しかし聡一だけしかいなかったときはともかく、猿の隠邪が姿を見せてからは力に訴える様子がない。
つまりユクミは、自分が猿よりも弱いと判断したのだ。そしてそれは猿も分かっている。だから猿は司を押さえるために四本の腕すべてを使い、聡一にユクミを任せているのだ。
司にとってみれば強大な隠邪に対抗できる唯一の希望がユクミだった。しかしそのユクミは隠邪に敵わない。
(だったら、俺は)
司が悟った内容はユクミにも伝わったのかもしれない。彼女は聡一の肩に置いていた両の手のうち左側を外し、再び司に向けて必死に叫ぶ。
「司、司、大丈夫だ! 私がすぐにお前を助け――」
『そうだなぁぁぁぁ、すぐにぃぃぃぃ、助けないとぉぉぉぉ、間に合わなくぅぅぅ、なるもんなぁぁぁぁぁ』
ぐぎぎぎぎぎ、という嫌な音はきっと猿の隠邪が笑う声だ。
『お前のぉぉぉ、母ちゃんみたいにぃぃぃ、なぁぁぁぁ』
妖は風や木、岩といった自然の魑魅が変化したものだ。しかし長く生きた獣が妖となる場合もあった。司もユクミはそのようなものだと思っている。長く生きた狐が妖になったのだと。
だから「母ちゃん」と聞いても、ユクミにだって母がいるのは普通だと考えた。普通の獣だったユクミには当然、母狐だっていたはずだ。
しかしユクミはビクリと身体を震わせ、応える。
「わ、私には母なんて……い、いない……」
意外に思ったのは司だけではなかったようだ。
『いないぃぃぃ?』
怪訝そうな猿に向かって白い面のユクミがうなずく。しかし彼女の視線はちらちらと司に向けられている。一体なにが気になるのだろうかと司は思った。
「そうだ。私は妖なんだから、は、母親なんていう存在は……」
『そぉいうぅぅぅことかぁぁぁ? ほおぉぉぉぉ? 何だぁぁぁぁ、お前ぇぇぇぇ、いっぱしのぉぉぉぉ、妖のぉぉぉぉ、つもりぃぃぃかぁぁぁぁ?』
「もちろん、私は、れっきとした妖だ!」
揶揄する猿の声をかき消すようにユクミは叫ぶ。ただ、その様子は虚勢を張っているように司には見えた。
猿が、グググ、と喉の奥で嫌な音を立てる。
『へぇぇぇぇ? そうかぁぁぁぁ? よく言うなぁぁぁ?』
言ってからも猿は、グググ、という耳障りな音を何度も響かせた。どうやら笑っているらしい。
『なぁぁぁ、司ぁぁぁぁ、どぅ思うぅぅぅぅぅ?』
なぜか司に話を振った猿は、司を押さえつける力を少し緩める。
『あいつぅぅぅ、妖だってぇぇぇぇ、言ってるぜぇぇぇぇ。でもぉぉぉぉ、おかしいよなぁぁぁぁ?』
何かに気づいたらしいユクミが「やめろ!」と叫ぶ。だが、それよりも猿の声の方が大きい。
『だってよぉぉぉぉ、半分がぁぁぁぁ、人間のぉぉぉぉ、半端な妖ぃぃぃぃ、なのにさぁぁぁぁぁ』
ユクミが声にならない叫びをあげて顔を覆う、その姿を司は不思議な気持ちで見ていた。
行先は分からないまでも、友介は司とユクミがどこかへ向かおうとしていたのだと知っている。それを知った聡一がアヤの店にあたりをつけていたのだとしたら。
(くそ、友介め! こっちのお前はやっぱり聡一の味方なのかよ!)
内心で毒づきながら司は聡一を睨みつける。
一方で、自身の前に膝をつかれたユクミは警戒の色を濃くしている。
「納賀良、聡一。……それは、司の」
眉を寄せたユクミが少し右手を上げるのを司は見た。しかし聡一はまったく動じることなく、相変わらず目線を合わせるために片膝をついたままで微笑みも絶やさない。
「はい。司の師にあたる者です」
疚しさも、罪悪感も、悔悟も。何一つ感じないその声を聞いて司の視界が真っ赤になる。もう流れていない血が沸騰したかのような気持ちになる。
「――て、めぇ」
声はかすれた。あの灰色の社で目覚めた後、上手く出せなかったときのようだ。
「よくも、のうのうと、そんなことを」
チキチキ、というカッターナイフの音を合図に、司の足は先ほど退った距離を詰めようとした。その距離は約二メートル、大きく踏み込めば聡一の首筋にこのカッターナイフを突き刺すことができる。
そう思っていたのになぜか目標は遠くなった。今は五メートルくらいあるかもしれない。しかも見下ろしていたはずの首筋を今は見上げているのは司の頭が地面からほど近い場所にあるせいだ。司は今、先ほどより離れたアスファルトの路面に倒れ込んでいる。
どうしてこんなことになっているのだろう。四肢に力を入れて立ち上がろうとし、そこで司は気がついた。両足と両手は四つの何かによってがっちりと拘束されている。揺すった程度では離れる気配がない。力を入れて抵抗しても、まだ。
(これはなんだ)
視界の中では、司の背後に顔を向けるユクミが目を見開いている。血の気が引いているのはアヤの件の衝撃から抜け切れていないせいだろうか。それとも、司の背後に何かあるのか。
ユクミは青い顔を下げて司へ向け、左の手を伸ばす。
「司!」
駆け寄ろうとしたユクミの右手は聡一につかまれた。小さな体が後ろに倒れ込み、聡一の腕の中におさまる。彼女の右足の草履だけが宙を舞って司の近くに落ちた。
「私の話はまだ終わっていませんよ」
「離せ!」
もがくユクミの髪が黒から白に変わり、狐の耳と三本の尾が姿を見せる。続いて黄金の瞳が炯々とした光を帯びた、そのとき。司の後ろから顔をしかめたくなるほど酷い生臭さが漂って来た。司はこれを知っている。
(聡一がいるんだから、こいつがいてもおかしくない……!)
司は奥歯を噛んだ。
『聡一にぃぃぃ、手をだしたらぁぁぁぁ、駄目だぜぇぇぇぇぇ?』
金属の軋む音にも似た声を聞いて、瞳から光を消したユクミが悔しげにうつむく。
『今度はぁぁぁ、オレぇぇぇぇ、油断しないぃぃぃぃ。司をぉぉぉぉ、離したりぃぃぃぃ、しないぃぃぃ』
その声を聞く司の脳裏にはいくつもの光景がよぎる。
暗い野原に散らばる服の切れ端。地面の上から頼りない光で空を照らすひび割れたスマートフォン。影よりもなお暗い姿をしたもの。頼りにしていた人が背を向ける姿、そして頼りにしていた人が血染めになる姿――。
あのときと同じようにうつ伏せにされた屈辱と、それに伴う怒りが体を巡る。今、司を押さえているのはあの猿の四本の手だ。ならばこれのうちどれか一本でも切ってしまえば。
しかしいくら力を籠めても司の手足はがっちりと掴まれたまま、猿の手が離れる様子はない。
『また会ったなぁぁぁぁぁ、司ぁぁぁぁぁ。会いたくぅぅぅぅ、なかったけどぉぉぉぉ』
どこかのんびりとした声で隠邪は言う。
『お前はぁぁぁ、いらないからぁぁぁぁ、あんまりぃぃぃぃ、バタバタするならぁぁぁぁ。手足をぉぉぉぉ引きちぎっちゃうぅぅぅ、ぜぇぇぇぇぇ』
「やめろ」
どこか冷ややかな声は聡一のものだ。
「ユクミの決定を待て。今の段階で司を壊すと、ユクミは絶対に仲間にならない」
ギィギィとした声が「ちぇぇぇぇぇ」と返す。不服そうなその言葉に被せるように、ユクミの「ふざけるな!」という怒号が辺りの空気を震わせた。
「仲間だと? 私がお前たちの仲間になるとでもいうのか? ありえない!」
「ありえないかどうかは、こちらの話を聞いてから考えてください」
聡一はユクミを抱いたまま立ち上がる。数年前には聡一がこうして知穂を抱いているところを司は何度も見た。抱かれているユクミはその状況に心奪われたように見えたが、しかしハッとしたように首を振ると、聡一の肩に手を置いて体をのけぞらせながら、
「離せ! 私は『約束の者』の仲間だ! お前たちは司の敵なんだから、私は絶対に仲間になんてならない!」
と抵抗する。
その姿を見る司は思わず「ああ……」と呟いた。
祓邪師である司には隠邪の強さが分かる。だが、妖の強さは分からない。司の生きる時代にはもう妖がいないからだ。
しかしユクミは妖はもちろんのこと、隠邪の力の強さも分かっているらしい。それはきっとユクミが過去に隠邪と戦ったことがあるためだろう。
そのユクミは口では抵抗の意思を示している。しかし聡一だけしかいなかったときはともかく、猿の隠邪が姿を見せてからは力に訴える様子がない。
つまりユクミは、自分が猿よりも弱いと判断したのだ。そしてそれは猿も分かっている。だから猿は司を押さえるために四本の腕すべてを使い、聡一にユクミを任せているのだ。
司にとってみれば強大な隠邪に対抗できる唯一の希望がユクミだった。しかしそのユクミは隠邪に敵わない。
(だったら、俺は)
司が悟った内容はユクミにも伝わったのかもしれない。彼女は聡一の肩に置いていた両の手のうち左側を外し、再び司に向けて必死に叫ぶ。
「司、司、大丈夫だ! 私がすぐにお前を助け――」
『そうだなぁぁぁぁ、すぐにぃぃぃぃ、助けないとぉぉぉぉ、間に合わなくぅぅぅ、なるもんなぁぁぁぁぁ』
ぐぎぎぎぎぎ、という嫌な音はきっと猿の隠邪が笑う声だ。
『お前のぉぉぉ、母ちゃんみたいにぃぃぃ、なぁぁぁぁ』
妖は風や木、岩といった自然の魑魅が変化したものだ。しかし長く生きた獣が妖となる場合もあった。司もユクミはそのようなものだと思っている。長く生きた狐が妖になったのだと。
だから「母ちゃん」と聞いても、ユクミにだって母がいるのは普通だと考えた。普通の獣だったユクミには当然、母狐だっていたはずだ。
しかしユクミはビクリと身体を震わせ、応える。
「わ、私には母なんて……い、いない……」
意外に思ったのは司だけではなかったようだ。
『いないぃぃぃ?』
怪訝そうな猿に向かって白い面のユクミがうなずく。しかし彼女の視線はちらちらと司に向けられている。一体なにが気になるのだろうかと司は思った。
「そうだ。私は妖なんだから、は、母親なんていう存在は……」
『そぉいうぅぅぅことかぁぁぁ? ほおぉぉぉぉ? 何だぁぁぁぁ、お前ぇぇぇぇ、いっぱしのぉぉぉぉ、妖のぉぉぉぉ、つもりぃぃぃかぁぁぁぁ?』
「もちろん、私は、れっきとした妖だ!」
揶揄する猿の声をかき消すようにユクミは叫ぶ。ただ、その様子は虚勢を張っているように司には見えた。
猿が、グググ、と喉の奥で嫌な音を立てる。
『へぇぇぇぇ? そうかぁぁぁぁ? よく言うなぁぁぁ?』
言ってからも猿は、グググ、という耳障りな音を何度も響かせた。どうやら笑っているらしい。
『なぁぁぁ、司ぁぁぁぁ、どぅ思うぅぅぅぅぅ?』
なぜか司に話を振った猿は、司を押さえつける力を少し緩める。
『あいつぅぅぅ、妖だってぇぇぇぇ、言ってるぜぇぇぇぇ。でもぉぉぉぉ、おかしいよなぁぁぁぁ?』
何かに気づいたらしいユクミが「やめろ!」と叫ぶ。だが、それよりも猿の声の方が大きい。
『だってよぉぉぉぉ、半分がぁぁぁぁ、人間のぉぉぉぉ、半端な妖ぃぃぃぃ、なのにさぁぁぁぁぁ』
ユクミが声にならない叫びをあげて顔を覆う、その姿を司は不思議な気持ちで見ていた。
20
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
冷たかった夫が別人のように豹変した
京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。
ざまぁ。ゆるゆる設定
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
愚か者の話をしよう
鈴宮(すずみや)
恋愛
シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。
そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。
けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?
さようなら、私の初恋。あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる