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1stSEASON
中間テスト!
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(1)
午前7時25分
スマホのアラームが鳴り響く。
それを止めてのそりと起き上がる。
あと5分、急いで着替えないと!
5分後
「冬夜君おはよう……ってあれ?」
そこにはすでに着替え終わって立っている僕の姿があった。
「起きようと思えば起きられるんだね」
「フライパン叩かれたり鳩尾に肘鉄食らうのはごめんだからな」
「じゃあ、おはようのチュウしてあげよっか」
「……下降りようか」
愛莉は頷くと部屋を出た。
僕も荷物をもって部屋を出る。
朝ごはんを食べてる僕をじっと見ていた。
「どうした?」
「いや、今朝の寝起きといいなんか雰囲気がちがうから」
「そうか?」
「ひょっとして……今日のテストで緊張してる?」
「そんなわけないだろ!いつもの事だし」
「ならいいんだけど、テストは平常心だよ!」
「大丈夫だって」
「大丈夫よ冬夜は適当にやって適当に点数とってくるから」
母さんが割って入る。
「余計なお世話だよ」
大体誰が中間テストで緊張するものか。
大体皆口をそろえて「うわぁ、勉強してねー!」とか「ゲームばっかやってたー」とか言い訳を先に考えるんだ。
そう言うやつに限って勉強してたりするんだけど。
授業さえ聞いてればだいたいは出そうな範囲はわかるし、教師も教えてくれることが多い。
要は授業さえ聞いてれば、ヤマ張れるって事。
逆に言えば授業中寝てるカンナが……心配だ。
準備を済ませていると、呼び鈴がなった。
「あ、神奈だ」
母さんより早く、玄関に出る。
「おはよう……」
「なんか元気ないね」
「いや、緊張しちゃってさ、朝まで単語帳眺めてた」
無茶をする。
「神奈ちゃん大丈夫?顔色悪いわよ」
母さんが心配している。
「大丈夫です。徹夜は慣れてるから」
学校で寝てるけどな。
「ならいいんだけど……」
「それじゃ行ってきます」
カンナがそう言うと、二人はそろって家を出る。
最後に僕が出ようとすると
「カンナちゃんの事お願いね」
何を心配してるんだか。
「神奈歩きながら単語帳観るのは危ないよ」
「あ、そっか」
慌てて単語帳をしまうカンナ。
「そんなに緊張することないよ。普段通りやればいいんだから」
「でも二人に世話になったしな、少しでも良くなってないとやばいだろ?進学するって決めたし……」
「今からそんなに緊張してると、本番ミスするぞ」
「そ、そうか」
深呼吸をするカンナ。
少しは落ち着いたのだろうか。
足取りが軽くなった気がする。
(2)
学校に着くと案の定カンナは寝ていた。
緊張はどこへいったのやら。
かえってこっちの方が安心するけどな。
そうとは言ってられない。
「カンナ、起きろ!テスト始まるぞ」
「お、おう。サンキュー」
そうしてプリントが配られる。
チャイムの音と共にテストは始まった。
中間テストは5科目を二日間に渡って行われる。
たいがい週末に行われて翌週には結果発表がされる。
うちの中学は学年ごとに順位が掲示される仕組みになってた。
誰がそんな余計な事を考えたのだか。
1教科につき持ち時間50分、その後10分休憩があり、次の教科がはじまる。
簡単に説明すると普段の授業通りの時間ってことだ。
持ち時間は50分あるけどだいたい30~40分で終わってしまう。
そこから見直しやらケアレスミスがないかするんだけど、僕は時間の無駄だからしない。
間違ってたと思い込んで書き直してあとでチェックしたらやっぱり最初のであってたということもありうる。
あまり過ぎたことを考えてもしょうがない。
てなわけで寝るんだが。
カンナも早々とすませて机に突っ伏して寝ていた。
チャイムの音が鳴ると同時に溜息やら安堵の息をもらすものがいる。
プリントが回収されそのテストは終了。
そこから「あそこどうだった?」とか「しまった!そう言う意味だったのか!?」とか会話が聞こえる。
隣の席のカンナに声をかけてみた。
「カンナ、どうだった?」
寝ていたカンナはこっちを見るとにんまりする。
「おう!半分くらいは解けたぜ!」
得意げに語るカンナ。
……まあ、前回が前回だったしな。
「よかったな。その調子で頑張れよ」
テストは始まったばかりだ。
やる気を削ぐような真似はしたくない。
「おう!」
そう言うとカンナはまた寝た……。
まあ、チャイムが鳴ったら起こせばいいか?
テストが終わると人は3種類の行動をとる。
テストの自己採点するもの、次のテストの確認をするもの、なにもせずにリラックスするもの。
僕たち3人はリラックスするタイプのようだ。
後ろを見ると愛莉は何事もなかったかのように小説を読んでいる。
どこからあんな余裕が生まれるんだ……。
次の教科の担当の先生が入ってくる。
僕は自分の席につき、カンナを起こそうとする。
が、すでにカンナは起きていた。
周りのざわつきに気が付いたのだろう。
1日目のテストは終了した。
テスト期間は午前中で終わる。
大抵は明日のテストに備えるのだが、中にはここぞとばかりに遊びに行く。
僕たちは前者だった。
いつも通り僕の家に集まって勉強会。
「愛莉あの問題ってさあ……」
「はい、これ」
問題用紙は持ち帰っていいことになっていた。
愛莉の持ち帰った問題用紙には回答がしっかり書き込まれてある。
「げ!これそんなひっかけだったのか」
カンナはそれを見ながら喜んだりがっくりしたり忙しく表情を変化させてる。
それに対して愛莉は何か浮かばない表情をしていた。
「自信はないけどね」
前回の学力テストで500点とった愛莉のセリフではない。
2日目。
初日ほど緊張はしていないカンナ。
慣れてきたのだろう。
いつも通り愛莉と雑談していた。
テスト終了。
「やっと終わったー!!」
そう言って伸ばすカンナ。
「神奈お疲れ様」
帰り支度を済ませて愛莉がやってくる。
「今日は勉強休みにして遊びに行かね?」
「ブー。それは明日明後日に。今日は反省会しなくちゃ。ね?冬夜君」
いつもは二人でしていたのだが今日はカンナも入って3人か。
「もうしばらく問題見たくねーよ……」
肩を落とすカンナ。
そして3人で家でテスト問題と教科書等を見比べるのであった。
その時気づいた。
ちょいちょい愛莉がケアレスミスをしている。
何かあったのか?
因みに僕はまあ、いつも通り。
カンナは半分は正解していたらしい。
正確ではないが。
(3)
翌週月曜日。
順位が貼りだされた。
その結果に皆が騒然としている。
どうしたんだろう?
「やったー!!」
順位を大きく上げたカンナがはしゃいでいる。
「よかったね!神奈。勉強した甲斐あったね」
「おう、愛莉とトーヤありがとうな」
正直そこまで褒められた結果ではないが、確かに勉強した効果はあった。
僕も胸を撫でおろす。
僕の成績はいつもどおり中の上。
ただ……
「他人の結果で喜んでる余裕はあるのかしら」
一同がその声の主、佐伯由香を見る。
黒いボブカットのきつめの目。
その目は愛莉を見ていた。
愛莉は何も答えない。
そうだ、愛莉の成績は中学入学して以来常に1位をキープしていたのだが……。
「今回は手加減したとでもいいたいのかしら?」
「いいえ、いつでも全力だよ?」
「他人の世話なんてしてるから成績落としたんじゃないの?喜んでる場合?」
「友達が成績上がって喜んだらいけないの?」
「いつまでそう言ってられるかしら?」
「いつでも言えるよ」
トーンは明るいのだが何か張り詰めた空気が漂う。
佐伯由香の成績は1位だった。
そして2位は……。
「片桐君……だったかな?放課後ちょっといいかな?」
僕に声をかけてきたのは2位の仲摩修治だった。
午前7時25分
スマホのアラームが鳴り響く。
それを止めてのそりと起き上がる。
あと5分、急いで着替えないと!
5分後
「冬夜君おはよう……ってあれ?」
そこにはすでに着替え終わって立っている僕の姿があった。
「起きようと思えば起きられるんだね」
「フライパン叩かれたり鳩尾に肘鉄食らうのはごめんだからな」
「じゃあ、おはようのチュウしてあげよっか」
「……下降りようか」
愛莉は頷くと部屋を出た。
僕も荷物をもって部屋を出る。
朝ごはんを食べてる僕をじっと見ていた。
「どうした?」
「いや、今朝の寝起きといいなんか雰囲気がちがうから」
「そうか?」
「ひょっとして……今日のテストで緊張してる?」
「そんなわけないだろ!いつもの事だし」
「ならいいんだけど、テストは平常心だよ!」
「大丈夫だって」
「大丈夫よ冬夜は適当にやって適当に点数とってくるから」
母さんが割って入る。
「余計なお世話だよ」
大体誰が中間テストで緊張するものか。
大体皆口をそろえて「うわぁ、勉強してねー!」とか「ゲームばっかやってたー」とか言い訳を先に考えるんだ。
そう言うやつに限って勉強してたりするんだけど。
授業さえ聞いてればだいたいは出そうな範囲はわかるし、教師も教えてくれることが多い。
要は授業さえ聞いてれば、ヤマ張れるって事。
逆に言えば授業中寝てるカンナが……心配だ。
準備を済ませていると、呼び鈴がなった。
「あ、神奈だ」
母さんより早く、玄関に出る。
「おはよう……」
「なんか元気ないね」
「いや、緊張しちゃってさ、朝まで単語帳眺めてた」
無茶をする。
「神奈ちゃん大丈夫?顔色悪いわよ」
母さんが心配している。
「大丈夫です。徹夜は慣れてるから」
学校で寝てるけどな。
「ならいいんだけど……」
「それじゃ行ってきます」
カンナがそう言うと、二人はそろって家を出る。
最後に僕が出ようとすると
「カンナちゃんの事お願いね」
何を心配してるんだか。
「神奈歩きながら単語帳観るのは危ないよ」
「あ、そっか」
慌てて単語帳をしまうカンナ。
「そんなに緊張することないよ。普段通りやればいいんだから」
「でも二人に世話になったしな、少しでも良くなってないとやばいだろ?進学するって決めたし……」
「今からそんなに緊張してると、本番ミスするぞ」
「そ、そうか」
深呼吸をするカンナ。
少しは落ち着いたのだろうか。
足取りが軽くなった気がする。
(2)
学校に着くと案の定カンナは寝ていた。
緊張はどこへいったのやら。
かえってこっちの方が安心するけどな。
そうとは言ってられない。
「カンナ、起きろ!テスト始まるぞ」
「お、おう。サンキュー」
そうしてプリントが配られる。
チャイムの音と共にテストは始まった。
中間テストは5科目を二日間に渡って行われる。
たいがい週末に行われて翌週には結果発表がされる。
うちの中学は学年ごとに順位が掲示される仕組みになってた。
誰がそんな余計な事を考えたのだか。
1教科につき持ち時間50分、その後10分休憩があり、次の教科がはじまる。
簡単に説明すると普段の授業通りの時間ってことだ。
持ち時間は50分あるけどだいたい30~40分で終わってしまう。
そこから見直しやらケアレスミスがないかするんだけど、僕は時間の無駄だからしない。
間違ってたと思い込んで書き直してあとでチェックしたらやっぱり最初のであってたということもありうる。
あまり過ぎたことを考えてもしょうがない。
てなわけで寝るんだが。
カンナも早々とすませて机に突っ伏して寝ていた。
チャイムの音が鳴ると同時に溜息やら安堵の息をもらすものがいる。
プリントが回収されそのテストは終了。
そこから「あそこどうだった?」とか「しまった!そう言う意味だったのか!?」とか会話が聞こえる。
隣の席のカンナに声をかけてみた。
「カンナ、どうだった?」
寝ていたカンナはこっちを見るとにんまりする。
「おう!半分くらいは解けたぜ!」
得意げに語るカンナ。
……まあ、前回が前回だったしな。
「よかったな。その調子で頑張れよ」
テストは始まったばかりだ。
やる気を削ぐような真似はしたくない。
「おう!」
そう言うとカンナはまた寝た……。
まあ、チャイムが鳴ったら起こせばいいか?
テストが終わると人は3種類の行動をとる。
テストの自己採点するもの、次のテストの確認をするもの、なにもせずにリラックスするもの。
僕たち3人はリラックスするタイプのようだ。
後ろを見ると愛莉は何事もなかったかのように小説を読んでいる。
どこからあんな余裕が生まれるんだ……。
次の教科の担当の先生が入ってくる。
僕は自分の席につき、カンナを起こそうとする。
が、すでにカンナは起きていた。
周りのざわつきに気が付いたのだろう。
1日目のテストは終了した。
テスト期間は午前中で終わる。
大抵は明日のテストに備えるのだが、中にはここぞとばかりに遊びに行く。
僕たちは前者だった。
いつも通り僕の家に集まって勉強会。
「愛莉あの問題ってさあ……」
「はい、これ」
問題用紙は持ち帰っていいことになっていた。
愛莉の持ち帰った問題用紙には回答がしっかり書き込まれてある。
「げ!これそんなひっかけだったのか」
カンナはそれを見ながら喜んだりがっくりしたり忙しく表情を変化させてる。
それに対して愛莉は何か浮かばない表情をしていた。
「自信はないけどね」
前回の学力テストで500点とった愛莉のセリフではない。
2日目。
初日ほど緊張はしていないカンナ。
慣れてきたのだろう。
いつも通り愛莉と雑談していた。
テスト終了。
「やっと終わったー!!」
そう言って伸ばすカンナ。
「神奈お疲れ様」
帰り支度を済ませて愛莉がやってくる。
「今日は勉強休みにして遊びに行かね?」
「ブー。それは明日明後日に。今日は反省会しなくちゃ。ね?冬夜君」
いつもは二人でしていたのだが今日はカンナも入って3人か。
「もうしばらく問題見たくねーよ……」
肩を落とすカンナ。
そして3人で家でテスト問題と教科書等を見比べるのであった。
その時気づいた。
ちょいちょい愛莉がケアレスミスをしている。
何かあったのか?
因みに僕はまあ、いつも通り。
カンナは半分は正解していたらしい。
正確ではないが。
(3)
翌週月曜日。
順位が貼りだされた。
その結果に皆が騒然としている。
どうしたんだろう?
「やったー!!」
順位を大きく上げたカンナがはしゃいでいる。
「よかったね!神奈。勉強した甲斐あったね」
「おう、愛莉とトーヤありがとうな」
正直そこまで褒められた結果ではないが、確かに勉強した効果はあった。
僕も胸を撫でおろす。
僕の成績はいつもどおり中の上。
ただ……
「他人の結果で喜んでる余裕はあるのかしら」
一同がその声の主、佐伯由香を見る。
黒いボブカットのきつめの目。
その目は愛莉を見ていた。
愛莉は何も答えない。
そうだ、愛莉の成績は中学入学して以来常に1位をキープしていたのだが……。
「今回は手加減したとでもいいたいのかしら?」
「いいえ、いつでも全力だよ?」
「他人の世話なんてしてるから成績落としたんじゃないの?喜んでる場合?」
「友達が成績上がって喜んだらいけないの?」
「いつまでそう言ってられるかしら?」
「いつでも言えるよ」
トーンは明るいのだが何か張り詰めた空気が漂う。
佐伯由香の成績は1位だった。
そして2位は……。
「片桐君……だったかな?放課後ちょっといいかな?」
僕に声をかけてきたのは2位の仲摩修治だった。
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