姉妹チート

和希

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Ruler's eyes

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(1)

「声を出すな。言われた通りに歩け」

 修学旅行最終日。
 俺達は大阪の水族館を楽しんだ後適当に広場で休んでいた。
 すると突然現れた男が露骨に拳銃を珠希のこめかみに当てていた。
 さすがに俺達では対処できない。
 この男だけを異空間に飛ばすことも出来たけど父さんが言っていた。

「いいか、何もするな。下手に抵抗して怪我したら大変だ」

 まあ、珠希の顔に傷でもつけようものなら文字通り消失するだろうな。
 
「手は打ってある。空がそう言っていた」

 正確には片桐結が何か対策を講じているらしい。
 まあ下手に異空間に飛ばされると結の防衛網から外れてしまうからやめてくれという事だ。
 どこに連れて行く気か知らないけど俺達は歩いていく。 
 昼間に拳銃持った男が中学生に銃を突き付けていたら、さすがに騒ぎになる。
 こいつら馬鹿じゃないのだろうか?
 昼間に拳銃を見せる程度の馬鹿だから多分ありえないだろうけどとりあえず聞いておいた。

「お前らも能力者なのか?」
「ガキ相手にそんなお偉いさんが出てくると思ったか?」

 やはり馬鹿だ。
 最初に仕掛けるなら利用できる最大限の力で最初に仕留める。
 それがSHでの常識だった。
 とりあえず能力者ではないらしい。

「どこに連れて行く気だ?」
「喋るなと言ったはずだが?」
「そんなに気にしなくてももう十分騒ぎになってるだろ?」

 行先くらい教えてくれ。
 そう男に言った。

「あまり調子に乗ってると本当にこの女殺すぞ?」
「先に忠告しておく。その引き金はお前には絶対に引くことが出来ない」
「舐めるなよ!」

 男が頭に血が上って腕を上げて威嚇射撃しようとした……が出来なかった。
 男が慌てて自分があげた腕を見ると手首から先がない。
 そしてじわじわと蝕んでいくように男の腕が消失していく。
 男は恐怖のあまりにその場に座り込んでしまった。

「ああ。全く面倒な事してくれるね。旅行くらい自由にさせてやればいいのに」

 突然現れた男の子。
 リベリオンの人間が全員その男の子に銃を向ける。
 しかし男の子は怯む様子は全くない。

「そこの間抜けと同じ結末を迎えたいなら勝手に引き金を引くといいよ。でも無駄だよ?」
「何の真似だガキ」

 リベリオンの男が聞くと一言言った。

「浸食」

 ルーズコントロールと呼ぶらしい。
 男を蝕む闇は全て飲み込むまで止まる事は無いらしい。
 他の男が冷静に銃を撃った。
 しかし男の子は全ての弾丸をはじき返す。
 
「だから無駄だって言っただろ?」
「じゃあ、これはどうだ?」

 隠し持っていた青龍刀で男の子を真っ二つに両断する。
 しかし少年は笑っていた。
 二つに分かれた少年が欠損個所を修復して二人の少年に変わる。

「君達、自分の仲間に能力の事くらい聞いてないのかい?」

 少年は能力で作られた虚像に過ぎないと伝えた。

「だからこんな風にいくつにもでも生成されるんだ」

 そう言うと俺達を少年が取り囲んでいた。
 もちろん数的優位なんてどうでもいい。
 結が考えたのは同時に何か所も襲撃が起きた場合のケース。
 もう一つは地元じゃない県外で事件が起きた場合のケース。
 それを一度に解決する対策を考えた。
 それが少年の存在だ。
 そんな話をしている間に少年の一人が珠希を奪還していた。

「もう大丈夫だよ。安心して」
「ありがとう、君のお名前はなんて言うのかな?」

 もちろん能力で作り出した虚像に名前なんて聞いても無駄かもしれない。
 それでも珠希が聞いていた。
 不気味な泡とか言い出さないだろうな?

「刹那。僕達はそう名付けられている」

 スミスとかも考えたらしいけど、それだと反乱起こしそうだからと考えたらしい。
 そういう問題じゃなくその名前はアウトだと思ったが。
 この能力があればリベリオンなんて今すぐ壊滅出来るんじゃないか?

「それはマスターの意思じゃないとエデンは言っているからね」
「エデン?」

 珠希が聞いていた。

「ごめんね。あまり色々喋ると僕がエデンに叱られるんだ」

 それにまずこのゴミを始末しておかないとね。
 刹那がそう言って指をパチンと鳴らすと一人だけ残して全員を闇に葬った。
 どうして最初からそうしなかった?

「それは、彼らに恐怖を体験してもらいたいから」
「じゃあ、一人残したのは?」
「一々こいつらのリーダーを探すのも面倒だから」
 
 だからリーダーに伝えろ。

「その気になればいつでも潰せるけどそれじゃ面白くない。少しはまともな対策を考えて来いと伝えて」

 対策も何もいきなり消失させられる能力にどう対抗したらいいのか分からないけど男は逃げ去った。

「ごめんね。海外旅行の邪魔しちゃった」

 刹那がそう言って笑った。
 こいつらの目的は俺達をさらって中東にも派遣するつもりだったそうだ。
 そんな海外旅行はさすがに嫌だぞ。

「山本珠希だっけ?」
「そうだよ。ありがとね。助かったよ」
「それはいいんだ。恭一ってのは誰かな?」
「俺だけど?」

 俺が名乗り出ると刹那がクスリと笑った。

「初めまして。そして多分これが最後になると思う」
「どういうことだ?」
「僕達の役割はエデンの意思を伝えるメッセンジャー」

 俺達は常にエデンが監視していて、危険な存在は全てエデンが排除する。
 いきなりエデンが力を行使したら意味が分からなくて戸惑うだろうから最初だけ刹那が現れる。
 この世界のいかなるところにいようとエデンの目から逃れる事は出来ない。
 だから安心して大丈夫だと刹那は言った。

「エデンと言うのは何者なんだ?」

 単純に疑問だったから聞いてみた。
 秘密主義で教えないと思ったから答えないだろうと思ったけど、そうでもなかった。

「マスターの作った7体目のエイリアス。世界の観測者」

 もちろんエイリアスだからマスターの指示が最優先だけど自分の判断で動くことも出来る。
 その能力の詳細は分からない。
 秘密じゃなくて分からない。

「どうして?」

 珠希が聞くと刹那は笑って答えた。

「エデンの能力はマスターの能力」
「だから内緒?」
「違うよ。マスターはその情勢に応じてあらゆる能力を想像することが出来る」

 炎の皇帝と呼ぶ資質。
 片桐家の中でも最強の資質。
 その進化はとどまることを知らないから今いるエイリアスの誰にも把握できていない。
 でたらめな高校生だな。

「じゃ、そういう事で。折角の旅行なのにごめんね」

 刹那は「またね」とは言わずに消えて行った。
 その理由は多分刹那に会うような事態にならない事を祈ってるとかではないだろう。
 さっき言っていた「最初に説明する為の伝達者」の役割を終えたからだろう。
 念の為SHのグルチャに流しておいた。
 その結の能力は空でも知らなかったそうだ。
 だけど空は落ち着いていた。

「大丈夫なのか?お前より明らかに強いぞ?」

 天音が心配していた。

「自分の息子くらい信じるよ」

 結が暴走したら止める者がいない。
 だから慎重に育てている。
 もちろん甘やかしているわけじゃない。
 自分で物事を判断する力をあの歳ですでに叩き込もうとしている。
 それでも父親に似て彼女の茉奈には頭が上がらないみたいだが。
 
「それにしても案外油断しすぎだね」

 県外だから結の手が届かないとでも思ったのだろうか?
 祖父から直接色んなアドバイスを受けている結がそんな簡単なミスを冒すはずがない。
 結の目は刹那が言っていたようにこの世界のどこにいようと見逃すはずが無いようだった。

(2)

「お前が刹那か?」

 茉莉が聞いていた。
 その少年はこくりと頷いた。
 俺達は修学旅行で東京のテーマパークに来ていた。
 すると案の定尾行されていた。
 こんな人ごみの中でドンパチをするわけにはいかない。
 だから建物の裏に誘導した。
 それでも銃声とか聞かれると面倒だ。
 ここは地元じゃないから純也でもどうにもならない。
 能力者はいないようだ。
 エデンの情報通り相手はかなりの間抜けだったようだ。
 俺も結莉も相手するのが面倒だ。
 それに下手に手を出して茉莉や菫のお楽しみを奪ったらいけない。
 そんな事を考えていた時に刹那が現れた。
 刹那の事は相手も知ってるらしい。
 他の高校では海外に行くからそこを狙ったけどやっぱり刹那は現れたらしい。

「どこでやろうと関係ない。手を出してくるなら容赦しない。せめて能力者くらい連れて来い」
 
 刹那はそう告げていたらしい。
 どこにでも何人でも現れる死の宣告者。
 俺達も例外ではない。
 
「おい、ガキ。こいつらは私の獲物だ」

 茉莉がそう刹那に告げた。
 スキーもコース外を滑ろうとしたり、茉莉に雪崩を起こさせて「波乗りしようぜ!」とか無茶な事を言いだしたり。
 東京では当たり前の様に東京の不良を相手に遊んでいた。
 僕と茉奈はじいじから聞いた美味しいもんじゃのお店やラーメンの店を回っていた。
 実に運のない男だと少し同情してしまった。
 茉莉と菫は「こんな甘ったるい所で私にネズミと写真撮れって言うのか!?ふざけんな。責任者連れて来い!」と機嫌が悪かった。
 茉奈も俺のほんの少しの不注意で機嫌を損ねてしまった。
 茉莉や菫は嫌いでも大好きな大人の女性は大勢いる。
 そんな大人の女性に見とれてしまった。
 
「うぅ……」

 そう言って機嫌を損ねている茉奈にどうやって機嫌を直してもらおうか悩んでいるところにこいつらが来た。
 で、刹那が現れた。

「おい、お前は何もするな。少しでも手出しをしたら結を殺すぞ」

 茉莉がそう言うけど俺は黙って様子を見ていた。
 
「僕はあなた達が始末するのを見届けるだけ。手出しするつもりはない」

 それがエデンの判断だと刹那は言った。

「……ガキが調子に乗るなよ?」

 そう言ってリベリオンの男が銃口を茉莉に向けた瞬間、2発の銃弾を喰らって倒れた。

「お前もやっぱりイライラしてたのか?」

 茉莉が朔に言う。

「……さすがに彼女に銃口向けてる馬鹿を放っておいたら、俺が撃たれる側になるよ」

 朔がそう答えた。

「き、貴様ら銃を持ってるなんて聞いてないぞ?」

 男が言うと茉莉が「は?」と睨みつける。

「お前らは知らないのか?”拳銃向けるからには命かけろよ”ってのが常識だぞ」

 端から殺すつもりで撃っていたのは男の撃たれた個所を見れば分かる。
 反撃する機会を与えるな。
 先に仕掛けるなら一撃で仕留めろ。
 じいじがいっていた事だ。
 中途半端な脅しなんて余程の余裕がない限り自分達を危険に晒す。
 ましてや無防備の芳樹たちがいるのにそんな余裕はない。
 そう解説している間に茉莉達は反論の余地すら与えず全員始末した。

「なんだよ?全く手ごたえがねーじゃねーか。これならあのネズミぶっ殺した方がいいんじゃねーのか?」
「菫、それだけはやめておくれ。大事になってしまう」

 何人か人が死んでるのに手遅れじゃないだろうかと秋久の説得を聞いていた。
 多分そういう意味での大事じゃないだろうと思っていたけど。
 そんな不満が晶に知れたらもっと大惨事になる。

「そんなつまらないテーマパークなんて必要ない。不燃ゴミの廃棄所にでもしたほうがいいんじゃないの?」
「晶ちゃん、それはまずい。相手は世界なんだ」
「世界だろうが歯科医だろうが知らないけど敵に情けをかける必要はないでしょ!」

 そんなオチがきっと待っている。

「で、この生ごみどうすんだ?」

 茉莉が死体を指して刹那に聞いた。
 刹那はにこりと笑って指をパチンと鳴らす。
 死体は消えてしまった。

「刹那も異界送りとかそういうオチなのか?」

 何十年も経っているとはいえ、その表現はまずいんじゃないのかと思ったけど黙っておいた。
 しかし刹那は首を振った。

「文字通り消滅させました」

 軽く言ってのける刹那。
 俺だけがもってる能力”永遠の不在証明”
 相手の存在をこの世界から完全に消し去る。
 そしてその相手を覚えてる人間からその記憶を完全に削除する。
 
「後は大丈夫ですよね。僕はこれで失礼します。いい旅を」

 そう言って刹那の姿は消えた。

「いい旅って言ってもこれが最後なんだよな?」
「そうだな。どこもかしこも糞の山でイライラする」

 茉莉と菫は完全にこのテーマパークを嫌っている。
 そりゃ人気のアトラクションに乗るのに何時間も待たされたら二人は不機嫌になるんだろう。
 割と人気の少ない所で茉奈の機嫌を直せそうなところ。

「朔、こんだけ人いたら班行動してなくてもいいよな?」
「まあ、多分大丈夫じゃないか?」
「ちょっと茉奈と2人で行きたいところあるんだけどいいかな?」
「え?」

 茉奈が俺を見ていた。
 皆の了解を取って別行動をすると土産の店に入った。
 お目当ての物は決めてある。
 マグカップを探していた。

「どうしてこれが欲しいの?」
「父さんやじいじが言ってた」

 大学生になったらきっと茉奈と同棲を始める。
 2人でモーニングコーヒーを飲んだら気持ちがいいよ。

「結は私と一緒に暮らしてくれるの?」
「2人で朝を迎えるってなんか興味あってさ」
「んー、じゃあ私はこっちのピンクの方がいいのかな?」

 そう言って茉奈が楽しそうに選んでいる。
 マグカップを買い終えると茉莉達と合流する。
 そのまま集合場所に行ってバスで移動して飛行機で地元に帰る。
 その飛行機を襲撃することも考えた。
 だけど戦闘機が飛んで来たら自衛隊も黙っていない。
 仮に動けない事態になったとしても、そんな事情は恵美や晶に関係ない。
 何事もなかったかのように始末するだろう。
 学校に戻ると母さん達が迎えに来ていた。

「どうだった?」
「海鮮丼も捨てがたいけどやっぱり味噌ラーメンが美味しかった」
「……食べ物以外の思い出はないの?」

 母さんがそう言いながら車を運転していた。

「今日は結達が買って来た蟹準備してるからね。沢山食べなさい」

 そう言って今夜の我が家の夕食は蟹パーティだった。
 じいじ達にも送っておいた。
 意外にも雪は蟹の食べ方が苦手みたいだ。
 冬吾が身を取って与えていた。
 後で聞いたけど菫は殻ごと食べたらしい。
 それはまずいんじゃないだろうかと善明が危惧している。
 風呂に入った後はグルチャで盛り上がっていた。
 問題はリベリオンの動きが活発になってきた事。
 今はまだ俺のエイリアスが活動しているから問題ない。
 俺の能力を超える何かが現れた時どうする?
 そんな話をしていた。
 だけどじいじも見ていたらしく、気楽に答えた。

「その時は結はまた成長するさ」

 第一能力の使用を完全に封じて自分だけが使い放題の挙句、相手の治癒能力ですらジャマーで妨害する。
 そんな能力を持つ俺に勝てる方法を探すなんて無理だろ。
 しかし問題は俺の成長方針だ。
 これを間違えたら世界で最悪の敵を作ることになる。
 まあ、それは多分問題ないとじいじは言っていた。

「どうしてですか?」

 愛莉が聞いていた。

「結にはもう茉奈がいる」

 結が暴走したらストッパーになるのは茉奈だけだとじいじが言った。

「でもなんで片桐家の男はこうも彼女に逆らえないんだ?」

 天音が聞いていると翼が答えた。

「天音みたいなのがわんさかいるのが片桐家だからでしょ?」
「それはおかしいですよ、翼。じゃあ母さんも冬夜さんにとってそう言う存在なの?」
「大体翼は自分は関係ないと思ってるけど小6の時に小学校1年生の子を片っ端から殴り飛ばしたの忘れてねーぞ」
「あれは教師の代わりに説教してやっただけ」

 天音は喜一を殺しかけていたでしょ。
 それに比べたら私のしたことなんてそんなに大したことじゃない。
 この口論には父さん達は一切かかわらなかった。
 適当なところで俺達も寝室に行って寝る事にした。
 最後の敵、リベリオンが動き出した。
 奴らからSHを守る方法を考える。
 じいじは言っていた。

「SHの割と戦闘経験のない子供を脅して分裂を図ってる可能性がある」

 だけど結の監視の目はごまかせない。
 それで攻勢に出れないのだろう。
 だったら次はどうする?
 そんな事を考えていた。
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