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So strong
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(1)
卒業。
近所の校舎に引っ越す儀式。
ただそれだけなのに母さんが選んだこの日の為の服を着ていた。
学校で茉奈達に会う。
「結、服似合ってる」
「ありがとう、茉奈も似合ってる」
「ありがとう」
そんなやりとりをやってると、茉莉が早速いちゃもんをつける。
「お前らはそうやって大学までずっといちゃいちゃしてるんだろうな!」
「そう思うなら茉莉もやってもらえばいいじゃん~」
結莉はそう言って芳樹の腕に抱きつく。
芳樹はこの時に戸惑ったらしい。
確かになんかいけない気分になってしまう。
俺も顔を俯いていると茉奈が察したらしい。
「結も男なんだね」
そう言って機嫌がよかった。
中学生になったら楽しみだね。
大地や父さんはただ笑っていた。
「おい、朔!お前もなんか私に一言言う事があるんじゃねーのか!?」
「あ、ああ。今日の服とても似合ってるよ」
「んじゃあ、いつもは似合ってないって言うのか!?」
まあ、さすがに冬でもタンクトップでいた茉莉の服装を似合ってるとは言いづらいだろう。
「それに褒める所がもっとあるだろ!」
茉莉の言いたい事はなんとなくわかった。
それをこの卒業式の場で言うのはどうかと思ったけど。
茉莉はここが教室だという事を忘れて朔の腕に胸を押し付けている。
「これでも気づかないっていうならこの場で切り捨ててやるぞ!」
さすがに朔も僕と同じ男。
そんなはずがない。
だから茉莉も気づいた。
「気づいてるならそう言え!私だって不安になる時あるんだぞ。女だからな」
大声で言ってる茉莉を茉奈と同じ女子とはとても思えないけど、それを確認するとかは絶対に言わない。
ぽかっ
「結も気になるの?」
「……まあ気になるかな」
「大きい人が好きなの?」
「いや、どうしてあんなに大きいんだろう?って気になるだけ」
別に好き嫌いの問題じゃない。
その大きさに興味があるだけ。
だから誠達の動画で見る程度で十分の問題だと説明した。
ぽかっ
やっぱり茉奈に小突かれた。
「結もでかい方がいいなら触らせてやってもいいぞ」
「それは茉奈のでいいからいいよ」
「……うぅ」
「するってーと私は女子ですらないと言いたいのか?茉莉」
「残念だったな。去年から全く成長がねーじゃねーか。菫」
「……決めた。もう我慢できねぇ。今日はお前の人生の卒業だ!」
「やれるもんならやってみろ!このまな板女!」
茉莉と菫が始めると誰も止めようとしない。
「今日が最後だからお願いだから問題を起こさないでくれないかな」
未だ卒業式前のHRだというのにすでに泣きそうな桜子がやってきた。
HRを済ませて体育館で卒業式をする。
小学校の卒業式は一人ずつ卒業証書を校長から受け取る。
だから問題が起きた。
当たり前の様に爆睡する茉莉と菫。
卒業証書を受け取りに行かないといけないのに「うっせーぞはげ!安眠妨害するなといつも言ってるだろ!」と無茶苦茶な文句を言う。
「練習しただろ?取ってくればいくらでも寝ててもいいよ」
朔達がそう言って説得して茉莉達が向かった。
菫にいたっては校長から受け取る際に「まぶしいぜ!お前の頭」とか叫んで微妙な雰囲気になっていた。
当然のごとくあとで桜子は怒られたらしい。
そして式が終わると教室で桜子の最後の挨拶を聞く。
その時に茉奈と2人で計画していたことがある。
「桜子、6年間お世話になりました」
僕と茉奈は2人で前に出ると礼をする。
「……あなた達も頑張ったわね。でも、まだまだこれからだから頑張りなさい」
そう言って桜子が泣き出す。
それを茶化す黒いリストバンドをした馬鹿達。
今日は絶対に許さない。
だけどそんな僕の怒りを察した結莉が「茉莉!」と叫ぶ。
その前に茉莉と菫は行動していた。
「てめぇらの人生プラン書き換えとけ!この場で棺桶に直送してやる!」
どうして僕達のクラスはこうなるのだろう。
母さんや天音が笑っていた。
そして最後に親といっしょに校門を出る。
父さんと母さんは桜子と瞳子に挨拶していた。
雪の事も気になるらしい。
誠司郎の家に遊びに行ったことは聞いていた。
桜子も他人事ではない。
「で、でも。さすがに今度は大丈夫なんじゃない」
母さんが言っていた。
「桜子!よく考えろ!さすがに定年の歳まではいじらないだろ!」
天音が言っている。
「そうね……だから不安が職員の中ではある」
今までは桜子に任せてよければよかった片桐家の子供達。
誰に任せたらいい?
そんな問題が職員室の中であるらしい。
すると意外にも瞳子が言ったそうだ。
「自分の子供ですから、無理かもしれないけど、それでも任せてもらえるなら私が責任もって見ます」
出来れば自分が見たくないと思っていた担任だから文句を言う教師はいなかったらしい。
「あのさ、結構大変だと思うけど本当に良いの?」
自分の子供だから贔屓なんて絶対できない。
あらぬ疑いをかけられる。
きっとほかの親御さんが何かしら文句を言ってくる。
「それなら心配するな。瞳子に文句言う馬鹿な親がいたら私が始末してやる!」
天音が言うと、それが一番心配だと父さんと母さんが話していた。
天音は立場的には恵美さんと変わらない。
権力に頼らなくても十分危険な天音が学校に乗り込んだらただじゃ済まない。
「じゃ、元気でね~桜子」
結莉がそう言いながら手を振っていた。
桜子は僕達が見えなくなるまで見送っていたそうだ。
卒業。
近所の校舎に引っ越す儀式。
ただそれだけなのに母さんが選んだこの日の為の服を着ていた。
学校で茉奈達に会う。
「結、服似合ってる」
「ありがとう、茉奈も似合ってる」
「ありがとう」
そんなやりとりをやってると、茉莉が早速いちゃもんをつける。
「お前らはそうやって大学までずっといちゃいちゃしてるんだろうな!」
「そう思うなら茉莉もやってもらえばいいじゃん~」
結莉はそう言って芳樹の腕に抱きつく。
芳樹はこの時に戸惑ったらしい。
確かになんかいけない気分になってしまう。
俺も顔を俯いていると茉奈が察したらしい。
「結も男なんだね」
そう言って機嫌がよかった。
中学生になったら楽しみだね。
大地や父さんはただ笑っていた。
「おい、朔!お前もなんか私に一言言う事があるんじゃねーのか!?」
「あ、ああ。今日の服とても似合ってるよ」
「んじゃあ、いつもは似合ってないって言うのか!?」
まあ、さすがに冬でもタンクトップでいた茉莉の服装を似合ってるとは言いづらいだろう。
「それに褒める所がもっとあるだろ!」
茉莉の言いたい事はなんとなくわかった。
それをこの卒業式の場で言うのはどうかと思ったけど。
茉莉はここが教室だという事を忘れて朔の腕に胸を押し付けている。
「これでも気づかないっていうならこの場で切り捨ててやるぞ!」
さすがに朔も僕と同じ男。
そんなはずがない。
だから茉莉も気づいた。
「気づいてるならそう言え!私だって不安になる時あるんだぞ。女だからな」
大声で言ってる茉莉を茉奈と同じ女子とはとても思えないけど、それを確認するとかは絶対に言わない。
ぽかっ
「結も気になるの?」
「……まあ気になるかな」
「大きい人が好きなの?」
「いや、どうしてあんなに大きいんだろう?って気になるだけ」
別に好き嫌いの問題じゃない。
その大きさに興味があるだけ。
だから誠達の動画で見る程度で十分の問題だと説明した。
ぽかっ
やっぱり茉奈に小突かれた。
「結もでかい方がいいなら触らせてやってもいいぞ」
「それは茉奈のでいいからいいよ」
「……うぅ」
「するってーと私は女子ですらないと言いたいのか?茉莉」
「残念だったな。去年から全く成長がねーじゃねーか。菫」
「……決めた。もう我慢できねぇ。今日はお前の人生の卒業だ!」
「やれるもんならやってみろ!このまな板女!」
茉莉と菫が始めると誰も止めようとしない。
「今日が最後だからお願いだから問題を起こさないでくれないかな」
未だ卒業式前のHRだというのにすでに泣きそうな桜子がやってきた。
HRを済ませて体育館で卒業式をする。
小学校の卒業式は一人ずつ卒業証書を校長から受け取る。
だから問題が起きた。
当たり前の様に爆睡する茉莉と菫。
卒業証書を受け取りに行かないといけないのに「うっせーぞはげ!安眠妨害するなといつも言ってるだろ!」と無茶苦茶な文句を言う。
「練習しただろ?取ってくればいくらでも寝ててもいいよ」
朔達がそう言って説得して茉莉達が向かった。
菫にいたっては校長から受け取る際に「まぶしいぜ!お前の頭」とか叫んで微妙な雰囲気になっていた。
当然のごとくあとで桜子は怒られたらしい。
そして式が終わると教室で桜子の最後の挨拶を聞く。
その時に茉奈と2人で計画していたことがある。
「桜子、6年間お世話になりました」
僕と茉奈は2人で前に出ると礼をする。
「……あなた達も頑張ったわね。でも、まだまだこれからだから頑張りなさい」
そう言って桜子が泣き出す。
それを茶化す黒いリストバンドをした馬鹿達。
今日は絶対に許さない。
だけどそんな僕の怒りを察した結莉が「茉莉!」と叫ぶ。
その前に茉莉と菫は行動していた。
「てめぇらの人生プラン書き換えとけ!この場で棺桶に直送してやる!」
どうして僕達のクラスはこうなるのだろう。
母さんや天音が笑っていた。
そして最後に親といっしょに校門を出る。
父さんと母さんは桜子と瞳子に挨拶していた。
雪の事も気になるらしい。
誠司郎の家に遊びに行ったことは聞いていた。
桜子も他人事ではない。
「で、でも。さすがに今度は大丈夫なんじゃない」
母さんが言っていた。
「桜子!よく考えろ!さすがに定年の歳まではいじらないだろ!」
天音が言っている。
「そうね……だから不安が職員の中ではある」
今までは桜子に任せてよければよかった片桐家の子供達。
誰に任せたらいい?
そんな問題が職員室の中であるらしい。
すると意外にも瞳子が言ったそうだ。
「自分の子供ですから、無理かもしれないけど、それでも任せてもらえるなら私が責任もって見ます」
出来れば自分が見たくないと思っていた担任だから文句を言う教師はいなかったらしい。
「あのさ、結構大変だと思うけど本当に良いの?」
自分の子供だから贔屓なんて絶対できない。
あらぬ疑いをかけられる。
きっとほかの親御さんが何かしら文句を言ってくる。
「それなら心配するな。瞳子に文句言う馬鹿な親がいたら私が始末してやる!」
天音が言うと、それが一番心配だと父さんと母さんが話していた。
天音は立場的には恵美さんと変わらない。
権力に頼らなくても十分危険な天音が学校に乗り込んだらただじゃ済まない。
「じゃ、元気でね~桜子」
結莉がそう言いながら手を振っていた。
桜子は僕達が見えなくなるまで見送っていたそうだ。
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