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La ragazza col fucile
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(1)
ぴんぽーん。
すると翼が扉を開けて迎えていた。
昨日念の為翼に直接連絡しておいた。
するとやっぱり菫達から聞いていなかったらしい。
ちなみに天音は「桜子が抜き打ちで着て焦ったんだよ!」と愛莉先輩に言い訳したらしい。
愛莉先輩は恵美先輩と一緒に天音の家に行って叱ったらしい。
「来年の家庭訪問は私達も一緒に聞きます」
愛莉先輩がそう言ったそうだ。
「お待ちしてました」
翼はそう言ってリビングに案内する。
すると私は不思議に思った。
善明と愛莉先輩と晶先輩がいる。
善明は多分晶先輩に言われたんだろうけど愛莉先輩たちはどうしてだろう?
「あ、ああ。母さんに言われてね」
仕事と子供の問題どっちが大事なの!?
子供の問題を嫁に押し付けるつもりなのか!?
善明はそう晶先輩に言われたらしい。
で、愛莉先輩たちは。
「どうも昨日の天音の話を聞いてると菫達の事が気になったから」
「孫の事が気になったから」
なるほどね。
しかし秋久と紀子と健太はちゃんと座っているけど、菫と陽葵はいない。
「あの、菫さんと陽葵さんは?」
すると翼が答えた。
「部屋でゲームしてる」
やっぱり菫達もか。
「2人にも話があるから呼んできてくれないかな?」
「そうなんだ。ごめんなさい。私初めてで」
「翼は私の何を見てきたの?母親なんだからしっかりしなさい」
愛莉先輩はさすがに昨日の例があるから少し厳しいらしい。
晶先輩も愛莉先輩から聞いていたようだ。
美希はすぐに菫達を呼びに行く。
「天音が説教ばっかりで詰まんねーから勉強してるって言っとけば大丈夫だって言ってたぞ」
「でも、今ゲームしてるでしょ。少しくらいゲームを止めなさい」
「お、お前ら今日だったのか。あとで愛莉が面倒だから聞いとけ」
天音の声がはっきり聞こえる。
天音がやっぱり余計な事を吹き込んでいたらしい。
そうやって翼が説得してる間に晶先輩が話を聞いてきた。
「やっぱり菫も酷いの?」
「それは私も気になるわね……昨日の茉莉の話は聞いた」
菫は茉莉と組んで無茶をやらかす。
遠足からさっそく問題を増やしてくれた。
どう説明したらいだろう?
私は考えて言った。
「天音が4人同じクラスにいるみたいな状況です」
多分その例えであっているだろう。
多分天音も翼と同じことを言ったのだろう。
「桜子をあまり困らせるな」
だから悪戯はしない。
代わりに暴力が酷い。
幼稚園時代は二人でもみ合ってるだけだったが、小学生になるとFGとリベリオンという餌が出来ていた。
1年生の1学期から6年生の教室に乱入するくらいだ。
「私より強い奴に会いに行く」
そんな事を言って上級生の教室に乱入する。
「黒いリストバンドをしてる馬鹿がいたら迷わず潰せ」
天音の命令を忠実に実行している。
来年には優奈と愛菜や琴音が来る
琴音は暴力はないみたいだけど何かやらかしそうで怖い。
話を聞いたら快は勝手に幼稚園から家に帰るという無茶な行動をしたそうだ。
「私も恵美と相談したんだけど」
天音がああいう風に成長したからまだ大丈夫だろう。
思春期に入っても、あまり酷いようなら二人に世話役をつけると恵美先輩が言った。
天音にも愛莉先輩がそう宣告したらしい。
「どういう意味がわかってるでしょうね?天音には子供の世話を任せられないという意味ですよ」
母親失格だという意味だと愛莉先輩は容赦なく告げたそうだ。
さすがに天音も落ち込んだらしい。
まあ、大地が慰めたらしいけど。
大地もちょっと結莉はともかく茉莉の世話を手伝うと言ったらしい。
その落ち込んでるはずの天音は菫に何を吹き込んだのか……。
「私も予想してなかった。あの子たちは天音一人では荷が重いかもしれないわね」
晶先輩がそう言ってため息を吐いていた。
すると翼が菫と陽葵を連れてきた。
「説教ならさっさとしろ、聞くのも面倒だ!」
私の顔を見るなりそう言う菫。
「菫の今後にかかわることだから、菫が聞いてないと意味がないだろ?」
皆で菫が何をしたいのか?菫をどういう風にすればいいのか?
それを担任と親が相談するんだ。
だからそれを菫抜きでは話にならない。
だからちゃんと話を聞きなさい。
善明がそう言う。
すると菫と陽葵は大人しく善明の隣に座る。
父親に嫌われたくないらしいと後で翼から聞いた。
「じゃ、始めてちょうだい」
晶先輩が言うので始める事にした。
「では、まず学校での様子なのですが……」
晶先輩達を前に言うのをためらったけどこれも教師としての務めだ。
ありのままの菫の様子を言う。
一方秋久はいつもつまらなさそうにしていると伝えた。
何か趣味が無いのだろうか?
そんな話をしてみた。
「読書くらいかな」
秋久は答える。
「将来の夢とかないの?」
「多分親の跡継ぎだから……」
最初から分かり切ってるように答える。
「……菫は将来の夢とかないの?」
「茉莉の奴は石油王って言ってたからなぁ。カジノ王とか撃墜王になるしかないかな」
菫はここが日本だと知っているのだろうか?
「それならカジノを作るしかないわね」
待って下さい晶先輩。
翼も感心してないで止めてください。
「菫や、戦闘機のパイロットならなれるかもしれないけど自衛隊じゃ撃墜は出来ないよ」
善明の説得もどうなのかと思うけどとりあえず様子を見ていた。
「なんで?」
「自衛隊は相手が攻撃してこないと攻撃できない仕組みになってるんだ」
それもお偉いさんの許可なしには出来ない。
撃墜王なんてなれるわけがないよと説明した。
「待ちなさい善明」
晶先輩はどうも善明の説得に不満があるようだ。
「そもそも菫が戦闘機のパイロットなんて認められません」
女の子なのに危険すぎるでしょ。
そこまでは多分普通の祖母の意見なんだろう。
「空軍を一個用意してあげる。好きな戦闘機を教えて頂戴」
「ま、待って母さん。これ以上戦力増やしてどこに配備するの?」
「どこかの国は岩礁の周りを埋め立てて無理矢理基地にしたそうじゃない。そんな島ならいくらでもあるでしょ?」
「そ、そんな真似したらさすがに周辺国が黙ってないよ」
「そうね、それならこうしましょう」
嫌な予感しかしない。
そして的中した。
何も基地から飛ばす必要はない。
空母を用意するつもりらしい。
それなら寂れた漁港にでも係留させておけばいいと晶先輩が言う。
どこの漁港に空母を停泊させるつもりだ。
最近某国が空母を大量生産の計画を発表したから対抗するつもりだったらしい。
それが1企業のやる事かと思ったけど。
しかし菫は言った。
「自分で操縦できないならカジノでいい」
「……それなら簡単ね。ホテルのカジノ作ればいいだけでしょ?」
ちなみにまだ日本ではカジノは認可されていない。
だけどそんな理由がこの二人に通るわけがなかった。
「競馬とかはよくてカジノがダメっておかしいじゃない。文句がある奴は私が潰してやる」
このままだと本当にやりそうで怖いので菫に聞いてみた。
「お嫁さんとかはどうなの?」
「それ退屈そうじゃん」
「こ、こう見えて結構大変なんだよ?母親になるのも」
翼が言う。
現在進行形で苦労してるのがよく分かる。
「そういえば菫の彼氏の話全然聞かないわね」
「そう言えばそうね。茉奈と結の話ばかり」
1年生に何を求めているんだ……。
しかし菫はそうじゃなかった。
「女の子に殴られた程度で泣きわめくガキが彼氏なんていやだ!」
しかもたった一発殴った程度で、”親父にもぶたれたことがないのに”と言わんばかりに泣き出すらしい。
「なるほど……そういうことならばあばに任せなさい」
適当に捕まえてきなさい。あとは晶先輩が鍛えなおすらしい。
止めないとまずい気がする。
そう思ったのは私だけじゃないようだ。
「す、菫。まだ小学1年生なんだ。これからどんな出会いがあるのか分からないだろ?」
「そ、そうだよ。母さんだって小6の時が初恋だったんだよ」
善明と翼が菫を宥める。
しかしその程度で止まる菫じゃなかった。
「秋久!お前他人事だと思うなよ!お前も全然心音の相手してないじゃねーか!もう飽きたとかふざけた事考えてるんじゃないだろうな!?」
「なんですって……?」
菫が言うと晶先輩が秋久を睨みつける。
もうすぐ連休だ。
秋久も慌てて弁解した。
「部屋にいる時心音と話をしているから大丈夫だよ」
心音は恥ずかしがり屋だしまだ二人っきりになるという事が恥ずかしいらしい。
まあ、普通はそうだろうな。
「その彼女を安心させるのが男の役目でしょ!?善明!あなた息子の教育すらできないの!?」
さすがに一線を越えるのは早いけどキスくらいはしたんでしょうね!?
晶先輩それは無茶ですよ。、
しかし晶先輩を止める者などいない。
多分片桐先輩でも諦めるレベルだ。
下手をすると愛莉先輩から色々言われるだろうし。
「まあ、恋愛ごとに興味を持って大人しくしてくれるのが一番いいんですけど」
無理だろうな。
「それは相手のガキに言ったらどうなの?わざわざ黒いリストバンドをつけて菫達を挑発するから事件が起きるんでしょ」
菫達に喧嘩を売るためにつけてるわけじゃないんだと思うけど。
「そういえば、2人とも成績はどうなの?」
「まあ、結莉や茉莉。片桐君と同等で優秀だと思います」
「やっぱり片桐家の血筋はすごいわね……」
「そういえば茉莉の話は聞いてないわね」
晶先輩が言い出した。
茉莉の恋人は晶先輩の孫の朔だ。
「愛莉。何か茉莉から聞いてない?」
「多分秋久と同じじゃないかしら?」
「一度事情を聞いておく必要があるわね」
「待って下さい」
晶先輩と恵美先輩の間に入った。
まだ二人とも子供だ。
恋人がいるのが不思議な部類だ。
なんとなくでも好きだと思ったから告白したのだろう。
ただ、男の子はみんなそうらしい。
結ばれた後どうすればいいのか分からない。
そのうちそれが分かれば何か動きがあるはず。
今は見守ってあげませんか?
「確かにいきなりベッドに押し倒すような変態は認められないわね」
そんな小学一年生絶対いないと思います。
「……とにかくあまり事件を起こさないで下さい」
「桜子、任せておいて。ふざけた連中は片っ端から抹消してやる」
晶先輩の返事を聞いて私は善明の家を出た。
なんとか無事全部終わった。
予想通りかなり遅くなった。
佐に電話する。
「ごめん、今日ご飯任せてもいいかな?」
「ああ、俺も今から帰る所。たまには二人でどっか食べに行くか?」
今年も疲れたんだろ?
毎年家庭訪問が終わると佐が労わってくれる。
まだ1年目。
これから何が起きるのだろう。
嫌な予感しかしなかった。
ぴんぽーん。
すると翼が扉を開けて迎えていた。
昨日念の為翼に直接連絡しておいた。
するとやっぱり菫達から聞いていなかったらしい。
ちなみに天音は「桜子が抜き打ちで着て焦ったんだよ!」と愛莉先輩に言い訳したらしい。
愛莉先輩は恵美先輩と一緒に天音の家に行って叱ったらしい。
「来年の家庭訪問は私達も一緒に聞きます」
愛莉先輩がそう言ったそうだ。
「お待ちしてました」
翼はそう言ってリビングに案内する。
すると私は不思議に思った。
善明と愛莉先輩と晶先輩がいる。
善明は多分晶先輩に言われたんだろうけど愛莉先輩たちはどうしてだろう?
「あ、ああ。母さんに言われてね」
仕事と子供の問題どっちが大事なの!?
子供の問題を嫁に押し付けるつもりなのか!?
善明はそう晶先輩に言われたらしい。
で、愛莉先輩たちは。
「どうも昨日の天音の話を聞いてると菫達の事が気になったから」
「孫の事が気になったから」
なるほどね。
しかし秋久と紀子と健太はちゃんと座っているけど、菫と陽葵はいない。
「あの、菫さんと陽葵さんは?」
すると翼が答えた。
「部屋でゲームしてる」
やっぱり菫達もか。
「2人にも話があるから呼んできてくれないかな?」
「そうなんだ。ごめんなさい。私初めてで」
「翼は私の何を見てきたの?母親なんだからしっかりしなさい」
愛莉先輩はさすがに昨日の例があるから少し厳しいらしい。
晶先輩も愛莉先輩から聞いていたようだ。
美希はすぐに菫達を呼びに行く。
「天音が説教ばっかりで詰まんねーから勉強してるって言っとけば大丈夫だって言ってたぞ」
「でも、今ゲームしてるでしょ。少しくらいゲームを止めなさい」
「お、お前ら今日だったのか。あとで愛莉が面倒だから聞いとけ」
天音の声がはっきり聞こえる。
天音がやっぱり余計な事を吹き込んでいたらしい。
そうやって翼が説得してる間に晶先輩が話を聞いてきた。
「やっぱり菫も酷いの?」
「それは私も気になるわね……昨日の茉莉の話は聞いた」
菫は茉莉と組んで無茶をやらかす。
遠足からさっそく問題を増やしてくれた。
どう説明したらいだろう?
私は考えて言った。
「天音が4人同じクラスにいるみたいな状況です」
多分その例えであっているだろう。
多分天音も翼と同じことを言ったのだろう。
「桜子をあまり困らせるな」
だから悪戯はしない。
代わりに暴力が酷い。
幼稚園時代は二人でもみ合ってるだけだったが、小学生になるとFGとリベリオンという餌が出来ていた。
1年生の1学期から6年生の教室に乱入するくらいだ。
「私より強い奴に会いに行く」
そんな事を言って上級生の教室に乱入する。
「黒いリストバンドをしてる馬鹿がいたら迷わず潰せ」
天音の命令を忠実に実行している。
来年には優奈と愛菜や琴音が来る
琴音は暴力はないみたいだけど何かやらかしそうで怖い。
話を聞いたら快は勝手に幼稚園から家に帰るという無茶な行動をしたそうだ。
「私も恵美と相談したんだけど」
天音がああいう風に成長したからまだ大丈夫だろう。
思春期に入っても、あまり酷いようなら二人に世話役をつけると恵美先輩が言った。
天音にも愛莉先輩がそう宣告したらしい。
「どういう意味がわかってるでしょうね?天音には子供の世話を任せられないという意味ですよ」
母親失格だという意味だと愛莉先輩は容赦なく告げたそうだ。
さすがに天音も落ち込んだらしい。
まあ、大地が慰めたらしいけど。
大地もちょっと結莉はともかく茉莉の世話を手伝うと言ったらしい。
その落ち込んでるはずの天音は菫に何を吹き込んだのか……。
「私も予想してなかった。あの子たちは天音一人では荷が重いかもしれないわね」
晶先輩がそう言ってため息を吐いていた。
すると翼が菫と陽葵を連れてきた。
「説教ならさっさとしろ、聞くのも面倒だ!」
私の顔を見るなりそう言う菫。
「菫の今後にかかわることだから、菫が聞いてないと意味がないだろ?」
皆で菫が何をしたいのか?菫をどういう風にすればいいのか?
それを担任と親が相談するんだ。
だからそれを菫抜きでは話にならない。
だからちゃんと話を聞きなさい。
善明がそう言う。
すると菫と陽葵は大人しく善明の隣に座る。
父親に嫌われたくないらしいと後で翼から聞いた。
「じゃ、始めてちょうだい」
晶先輩が言うので始める事にした。
「では、まず学校での様子なのですが……」
晶先輩達を前に言うのをためらったけどこれも教師としての務めだ。
ありのままの菫の様子を言う。
一方秋久はいつもつまらなさそうにしていると伝えた。
何か趣味が無いのだろうか?
そんな話をしてみた。
「読書くらいかな」
秋久は答える。
「将来の夢とかないの?」
「多分親の跡継ぎだから……」
最初から分かり切ってるように答える。
「……菫は将来の夢とかないの?」
「茉莉の奴は石油王って言ってたからなぁ。カジノ王とか撃墜王になるしかないかな」
菫はここが日本だと知っているのだろうか?
「それならカジノを作るしかないわね」
待って下さい晶先輩。
翼も感心してないで止めてください。
「菫や、戦闘機のパイロットならなれるかもしれないけど自衛隊じゃ撃墜は出来ないよ」
善明の説得もどうなのかと思うけどとりあえず様子を見ていた。
「なんで?」
「自衛隊は相手が攻撃してこないと攻撃できない仕組みになってるんだ」
それもお偉いさんの許可なしには出来ない。
撃墜王なんてなれるわけがないよと説明した。
「待ちなさい善明」
晶先輩はどうも善明の説得に不満があるようだ。
「そもそも菫が戦闘機のパイロットなんて認められません」
女の子なのに危険すぎるでしょ。
そこまでは多分普通の祖母の意見なんだろう。
「空軍を一個用意してあげる。好きな戦闘機を教えて頂戴」
「ま、待って母さん。これ以上戦力増やしてどこに配備するの?」
「どこかの国は岩礁の周りを埋め立てて無理矢理基地にしたそうじゃない。そんな島ならいくらでもあるでしょ?」
「そ、そんな真似したらさすがに周辺国が黙ってないよ」
「そうね、それならこうしましょう」
嫌な予感しかしない。
そして的中した。
何も基地から飛ばす必要はない。
空母を用意するつもりらしい。
それなら寂れた漁港にでも係留させておけばいいと晶先輩が言う。
どこの漁港に空母を停泊させるつもりだ。
最近某国が空母を大量生産の計画を発表したから対抗するつもりだったらしい。
それが1企業のやる事かと思ったけど。
しかし菫は言った。
「自分で操縦できないならカジノでいい」
「……それなら簡単ね。ホテルのカジノ作ればいいだけでしょ?」
ちなみにまだ日本ではカジノは認可されていない。
だけどそんな理由がこの二人に通るわけがなかった。
「競馬とかはよくてカジノがダメっておかしいじゃない。文句がある奴は私が潰してやる」
このままだと本当にやりそうで怖いので菫に聞いてみた。
「お嫁さんとかはどうなの?」
「それ退屈そうじゃん」
「こ、こう見えて結構大変なんだよ?母親になるのも」
翼が言う。
現在進行形で苦労してるのがよく分かる。
「そういえば菫の彼氏の話全然聞かないわね」
「そう言えばそうね。茉奈と結の話ばかり」
1年生に何を求めているんだ……。
しかし菫はそうじゃなかった。
「女の子に殴られた程度で泣きわめくガキが彼氏なんていやだ!」
しかもたった一発殴った程度で、”親父にもぶたれたことがないのに”と言わんばかりに泣き出すらしい。
「なるほど……そういうことならばあばに任せなさい」
適当に捕まえてきなさい。あとは晶先輩が鍛えなおすらしい。
止めないとまずい気がする。
そう思ったのは私だけじゃないようだ。
「す、菫。まだ小学1年生なんだ。これからどんな出会いがあるのか分からないだろ?」
「そ、そうだよ。母さんだって小6の時が初恋だったんだよ」
善明と翼が菫を宥める。
しかしその程度で止まる菫じゃなかった。
「秋久!お前他人事だと思うなよ!お前も全然心音の相手してないじゃねーか!もう飽きたとかふざけた事考えてるんじゃないだろうな!?」
「なんですって……?」
菫が言うと晶先輩が秋久を睨みつける。
もうすぐ連休だ。
秋久も慌てて弁解した。
「部屋にいる時心音と話をしているから大丈夫だよ」
心音は恥ずかしがり屋だしまだ二人っきりになるという事が恥ずかしいらしい。
まあ、普通はそうだろうな。
「その彼女を安心させるのが男の役目でしょ!?善明!あなた息子の教育すらできないの!?」
さすがに一線を越えるのは早いけどキスくらいはしたんでしょうね!?
晶先輩それは無茶ですよ。、
しかし晶先輩を止める者などいない。
多分片桐先輩でも諦めるレベルだ。
下手をすると愛莉先輩から色々言われるだろうし。
「まあ、恋愛ごとに興味を持って大人しくしてくれるのが一番いいんですけど」
無理だろうな。
「それは相手のガキに言ったらどうなの?わざわざ黒いリストバンドをつけて菫達を挑発するから事件が起きるんでしょ」
菫達に喧嘩を売るためにつけてるわけじゃないんだと思うけど。
「そういえば、2人とも成績はどうなの?」
「まあ、結莉や茉莉。片桐君と同等で優秀だと思います」
「やっぱり片桐家の血筋はすごいわね……」
「そういえば茉莉の話は聞いてないわね」
晶先輩が言い出した。
茉莉の恋人は晶先輩の孫の朔だ。
「愛莉。何か茉莉から聞いてない?」
「多分秋久と同じじゃないかしら?」
「一度事情を聞いておく必要があるわね」
「待って下さい」
晶先輩と恵美先輩の間に入った。
まだ二人とも子供だ。
恋人がいるのが不思議な部類だ。
なんとなくでも好きだと思ったから告白したのだろう。
ただ、男の子はみんなそうらしい。
結ばれた後どうすればいいのか分からない。
そのうちそれが分かれば何か動きがあるはず。
今は見守ってあげませんか?
「確かにいきなりベッドに押し倒すような変態は認められないわね」
そんな小学一年生絶対いないと思います。
「……とにかくあまり事件を起こさないで下さい」
「桜子、任せておいて。ふざけた連中は片っ端から抹消してやる」
晶先輩の返事を聞いて私は善明の家を出た。
なんとか無事全部終わった。
予想通りかなり遅くなった。
佐に電話する。
「ごめん、今日ご飯任せてもいいかな?」
「ああ、俺も今から帰る所。たまには二人でどっか食べに行くか?」
今年も疲れたんだろ?
毎年家庭訪問が終わると佐が労わってくれる。
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