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(1)
「何の用だ?」
俺と加奈子は突然呼び出された。
相手は原川郁夫。
最近FGの中心人物になりつつあった。
「話がある」
そう言って呼び出された。
FGのメンバーが大勢いる。
「そうだな……そんなに難しい事じゃないよ」
原川はそう言って俺に近づいて来る。
何をする気か察した俺は加奈子に離れるように言う。
それがミスだった。
原川は予想通り俺を殴ろうとする。
その拳を受け止めた。
「リーダーの座を譲れっていうのか?」
「よく分かってるじゃねーか」
「だけどお前如きに俺がやられると思ったか……!?」
背後から突然金属バットで殴りつけられた。
咄嗟に反応すると今度は前にいる原川に殴り飛ばされた。
すると次々と俺の下に近づいて俺を踏みつける。
「いや、やめてぇ!」
加奈子の悲鳴が聞こえる。
「止めろ!加奈子に手を出すな!」
俺が怒鳴りつけるが原川は蹴りつけられる俺を見て笑っていた。
「そんな甘っちょろい事言ってるからお前から離れていくんだよ」
「てめぇ、こんなことしてただで済むと思ってるんじゃねーだろうな!?」
「そんな事より自分の身を心配した方がいいんじゃないのか?」
「は、離してぇ!」
加奈子の悲鳴が止まない。
「これからは俺がFGのリーダーだ。手始めにSHを潰してやるよ」
こいつ本気で言ってるのか?
そんなことして潰されるのはFGだぞ。
薄れていく意識の中で加奈子の身をただ案じていた。
気がついたら病室にいた。
「勝次、気づいた?」
紗奈がそばにいた。
加奈子の姿がもある。
衣服がボロボロだった。
俺の視線に気づいた紗奈が言った。
「さっき加奈子も診てもらった……」
加奈子の胎内から精液が検出されたらしい。
「加奈子……すまない!」
俺は一番大事な人を守れなかった。
「勝次ごめん、どうか私を嫌いにならないで!」
そう言って加奈子は俺に抱きつく。
「紗奈、出よう。今は2人にしてやりたい」
喜一も帰ってきていたのか。
2人でずっと泣き続けていた。
あいつだけは許せない。
俺の手で殺してやる。
復讐を誓っていた。
しかしこの事件は思わぬ第3者が介入することになる。
(2)
「な、何でお前らがいるんだ?」
FGのリーダー山本勝次が僕達を見るなりそう言った。
僕は光太と学と善明と来ていた。
事件の直後に紗奈から連絡が入った。
FGの裏切り。
原川郁夫という男が企てた。
勝次は袋叩きにされた挙句、恋人の中村加奈子は強制わいせつ。
その際に勝次が耳にしたらしい。
「手始めにSHを潰してやる」
FGを葬る理由はそれだけで十分だ。
光太が「まずは事情を聞こう。俺達が介入するかどうかは空の判断に任せよう」と言ったから取りあえず事情を聞きに来た。
しかし都合が悪い。
勝次の側に加奈子さんがいる。
そういう事情を加奈子さんの前で聞いていいのか分からない。
セカンドレイプって言葉もある。
それを察した紗奈が加奈子さんに「ちょっとだけ席を外そう?」という。
自分が嫌われると思い込んでしまった加奈子さんを説得するのは難しそうだ。
僕も協力した。
「僕達は縁を結ぶ事は得意だけど縁を切るのは苦手なんだ」
心配しないで、ちょっと勝次と2人で話しをしたい事があるだけだから。
女性を連れてこなかったのは加奈子さんに配慮したのもあるけど、子供の面倒を見るので大変だから。
「わかりました」
加奈子さんはそう言って勝次を不安そうに見ながら部屋を出た。
「随分派手にやられたな」
光太が加奈子さんの後姿を見ながら言う。
「……まあな。気をつけろ。あいつ等お前らを狙ってる」
「紗奈からその事は聞いた。だから僕が事情を聞きに来た。全部吐け」
すると勝次が事情を話した。
だいたい紗奈から聞いた事と同じだ。
ただ最後に勝次が言った。
「お前らの出る幕じゃない。あの野郎は俺がぶっ殺す」
多分そんな事だろうと思ったよ。
「ふざけるな」
僕はそう言った。
理由はいくつかある。
まず相手が悪い。
原川郁夫。原川金融……闇金融の社長。
原川組……全国規模の暴力団の中枢の若頭。
勝次一人でどうにかなる相手じゃない。
諦めろ、お前にもしもの事があったら加奈子さんを悲しませるだけだぞと伝える。
「くそったれ!」
話には聞いていたけど驚いた。
勝次が泣いていた。
それだけ悔しいんだろう。
自分の大切な女性を守れなかった。
しかもその復讐すらできない。
その悔しさが形に現れている。
「……まあ、話はそれだけ。絶対に馬鹿な考えはするなよ」
「空や、やっぱり今回は手出ししないのかい?」
善明が聞いた。
「あいつらはSHを潰すと言ったんだろ?」
放っておいても仕掛けてくるだろう。
やり方も大体分かる。
SHの弱点を容赦なくついてくるだろう。
光太達も子供には気をつけろと言う。
しかし、今回は受け身では話にならないだろう。
こっちから先に仕掛けてふざけた奴を潰す必要がある。
その原川という奴等が二度とふざけた事を考えないように叩きのめす必要がある。
「じゃあ、ここは任せるよ」
そう言って僕は病室を出る。
「どこ行くんだ?」
学が言った。
「……ちょっとトイレ」
そう言って病室を出ると外にいる紗奈達に「心配しないで」とだけ伝えて病院を出ようとした。
すると待合室に翼と天音がいた。
子供も連れてきている。
「……どうしたんだ?」
「どうせ空の事だからこうなるんじゃないかと思ってな」
待ち伏せしてたらしい。
「馬鹿な考えは捨てろ。お前一人じゃないんだぞ!お前にもしもの事が合ったら美希や結をどうするつもりだ!?」
「美希達ならちゃんと石原家が護衛するよ」
「そうじゃないだろ!お前にもしもの事があったら泣くのは美希だぞ!」
「……皆を巻き込めないだろ?」
相手が相手なだけに子供の喧嘩じゃ済まない。
「だったらなおさらだよ!今茜が相手の規模を調べてる」
相手を把握してから対処する。
いつも通りでいいだろう。
勝次の話はすでにSHの中で広まっている。
このまま放っておいていい相手じゃない。
第一お前ひとりにおいしい思いはさせない。
「相手の事は聞いてるんだろ?皆を巻き込めない」
「だったらなおさらでしょ。一人で無茶は止めて」
翼が言う。
自分の立場を忘れたの?
空は王なんでしょ?
「翼の言う通りだな」
振り返ると光太達がきていた。
あまりにも遅かったからもしやと思って来たらしい。
翼と天音に知らせたのは学だった。
「空、お前はSHのリーダーだ。頭がふらふらしてたらみんな混乱する。お前は指示をだすだけでいいんだ」
みんな自分の役割を分かっている。
その証拠に茜達がすでに動き出しているだろ?
「……分かったよ」
「とりあえず、原川って奴の素性をしらべてからだな」
「その件ならすでに茜が大体洗い出したらしい。今夜ファミレスで話そう」
天音が言うととりあえず家に帰る。
「あ、その前にパパが実家に寄って欲しいって」
翼が言うので実家に寄ると父さんがいた。
「話は翼から聞いた。今度は暴力団相手だって?」
「……止めようとしても無駄だよ。どのみち僕達を狙ってるなら先に潰すしかない」
「それでいいんじゃないか?」
僕が言うと父さんが言った。
「冬夜さん。親としては止めるべきでは?」
母さんが言う。
「どのみち狙われてるなら空の結論であってるよ。それに相手がその気なら僕達も出る口実になる」
そんなに死に急ぐなら手伝ってやろう。
父さんはそう言った。
「だけど、空には美希や結達がいる事をわすれちゃいけないよ」
父さんはそれだけ言ってファイルを渡してくれた。
「これは?」
「父さん達だって空達には負けてないよ」
原川組の大体の規模を完璧に集めたらしい。
恵美さんや晶さんは既にやる気らしい。
「たかだか闇金如き叩きつぶしてやる」
晶さんがすでに動き始めているとか。
「気をつけてね。愛莉も空の心配をしている」
「分かった」
帰ると美希が出迎えてくれた。
「どうでした?」
「……勝次が泣くほどつらい目にあったんだ。生き地獄を味合わせてやる」
「……気を付けてくださいね」
「美希の方は何か情報つかめた?」
「母さんが冬夜さんにすでに渡していると聞きましたけど」
やっぱり親には敵わないか。
ここからは僕の采配か。
父さん達にも見られてるし下手は打てない。
かといって選択肢もそんなに無い。
ベタに行くか。
僕はSHのグルチャで茜を呼び出した。
「茜、FGのグルチャに割り込むことは出来るか?」
「ああ、そのくらいなら簡単だ」
あいつらオープンでメンバー募ってるくらいの馬鹿だからなと笑っていた。
問題なさそうだ。
「茜が割り込んで警告してくれないか?”そんなに死にたいなら今すぐ殺してやるから今夜22時に山に来い”って」
「旦那様!?」
美希が驚いていた。
なんなら空の王の名前を使ってもいいよと水奈に伝える。
「いつも通りじゃなかったのか?」
光太が聞いていた。
出待ちをしていたんじゃ小さな子供がいる僕たちの方が不利だ。
だから先手を取って恐怖を植え付けてやろう。
時間ももったいない、自殺願望があるなら手伝ってやろう。
それから美希達を家に残して僕は出かけようとする。
「私は足を引っ張るだけだから残るけど、お気をつけて」」
美希が不安そうに言う。
「お腹空くかもだからラーメン用意してくれないかな」
「それ今後は控えてください」
「どうして?」
「……結達ったらもうラーメンのにおいに感づくみたいで」
すごい子供だな。
僕の事だから本気で殺しかねない。
だから恵美さん達にお願いしてる。
翼も善明の家に菫と陽葵と秋久を預けて来ていた。
天音や水奈も来ていた。
「夜だから車の中に入れとけば大丈夫だろ?」
お気に入りの車に傷入れる奴は埋めて帰ると天音が言っている。
馬鹿は生き埋めにしてやれと恵美さんに言われたらしい。
父さんのファイルと美希の情報を整理する。
やはり規模が今までの相手とは違う。
だからどうした?という意見が殆どだったけど。
「手加減する必要が無いって事だろ?」
天音が言う。
「空、こっちは準備出来たよ。簡単に挑発に乗ってくれた」
茜の方も準備が出来たみたいだ。
「ああ、そんな馬鹿がまだいたなら全員ぶっ殺してやる」
日本を地獄に変えてやる。
天音や翼、水奈や紗理奈はただで帰すつもりはないらしい。
加奈子の件があるからだろう。
「切り取ってやるくらいしても罰当たらないだろう」
紗理奈が言った。
暴力団の介入があるならそれも潰す。
結論は出た。
危険だけどどっちみち向こうがやる気なら相手してやろう。
みんなが僕の顔を見る。
一度言ってみたかったんだよね。
「んじゃ、出来れば暴力団が出てくる前にケリをつけるよ」
「ああ」
「すまんが、皆の命をくれ」
ぽかっ
「アニメのセリフを引用するのは止めて!」
翼に小突かれた。
こういう場面ならばっちり決まると思ったんだけどな。
「心配するな、先に全員ぶっ殺してやる」
天音がそう言って笑っていた。
(3)
面倒な状況になったよ。
僕達は山の中でFGの連中と対立していた。
随分増えたみたいだね。
理屈は簡単。
SHから追放した奴らが今度はFGに乗り換えただけ。
SHから余計な部分を切り落として標的にされたからFGに入った。
もともとFGの方が地元での勢力は大きいからね。
それでも自分の命が惜しかった山本勝次が「絶対にSHには手を出すな」と命じていたから気にも留めていなかった。
前にも言ったけど僕達から仕掛けて無事で済む勢力なんて地元にはいない。
そんな奴らと遊んでも仕方がない。
そんな暇あったら嫁さんの機嫌を取っていた方がよっぽど建設的だ。
嫁の機嫌ひとつで企業がつぶれていくからね。
それを勘違いした馬鹿がSHで好き勝手に暴れて今度はFGの名前で好き放題したいらしい。
そういうのを「勝ち馬ライダー」というらしいよ。
しかしそんな奴らがどっちにつこうが構造は変わらない。
なのに原川郁夫というのは余程死にたいらしい。
FGを乗っ取ってSHを潰す気でいるらしい。
ほっとけばいい、手を出して来たら潰せばいい。
空も最初はそう考えていたらしい。
だけど山本紗奈の話を聞いて気が変わった。
馬鹿な真似をするよ。
勝次を袋叩きにして騒いでるだけで済ませばよかった。
だけど調子に乗った彼らは勝次の彼女を汚した。
殺すのに一々理由がいるならそれだけで十分。
最初は空一人でやるつもりでいたらしい。
彼等の中には暴力団も混ざっているそうだ。
原川組若頭という肩書を見ればそのくらい想像がつく。
他の非戦闘員にまで巻き込むつもりはなかったらしい。
だけど天音や翼が止めた。
光太も「お前は空の王なんだから堂々と構えて指示を俺達に出せばいい」と言ったらしい。
光太の言う事も一理ある。
何でもリーダー一人に任せるような弱いグループじゃない。
結束が固いグループなんだ。
こんな事に一々空が出る必要は無い。
まあ、光太達がやった方が相手の為でもある。
空が暴れたら今度こそ死人が出る。
空の運動能力はただ”球技が苦手”だと言うだけで他の事なら何でもやってのける。
見た感じ日本刀なんか担いでる馬鹿がいる。
本気で死にたいらしい。
そして彼等は余程自殺願望が高いのだろう。
「原川ってのはどいつだ?」
空が聞いていた。
するとFGの彼等は笑いだす。
こんな状況は初めてだ。
すると彼等は言った。
「お前ら如きにうちの頭が相手すると思ったか?」
僕はため息をついた。
君達の命はもうそんなに残ってないと思うよ。
初めから怒っていた空に燃料を投下した。
空だけじゃなく天音にも火をつけた。
山を指定したのは騒ぎをかぎつけられて警察に来られたら面倒だからというのもあるけどもっと他に理由がある。
ここなら行方不明者を出しても問題ないだろ。
死人と言わないあたりが優しいね。
「随分と余裕こいてくれるじゃねーか」
光太が言った。
すると学も空に言う。
「空はそこにいろ。こんな雑魚共にお前が手を出すまでもない」
俺達だけで片づける。
「遊、びびって逃げるなよ」
「なずなの方が100倍怖いよ」
SHの人間ならそうだろうね。
嫁さんほど怒らせると厄介な物は存在しない。
空だって美希の制御下にいるのだから。
「てめーら遺書は書いてきただろうな?全員ここに埋めてやる」
天音が言うと戦いは始まった。
想像通りだった。
前にも言ったけどSHには片桐姉妹がいる。
彼女たちの持つ能力”ライド・ギグ”がある限り集団戦闘で負ける事はまずない。
AWACSみたいなものだ。
戦況を把握し常に優位に立てるように指示を送る能力。
しかも味方の能力を数段引き上げるらしい。
戦闘が苦手な物でも可能なくらいに引き上げる。
拳一つでコンクリートを粉々にするくらいの強度にまで向上させる。
一方的に蹂躙していく味方を暇そうに見ている空と翼。
そんな中で空達に銃口を向ける馬鹿がいた。
本当に馬鹿だ。
僕が気づいた時には大地が発砲していた。
眉間に穴が開いてたよ。
どうなったかは敢えて書かない。
表現しなきゃいいと思ってるらしいからね。
「面倒な真似をするな」
発砲した大地はそう告げた。
それでも分かってくれない馬鹿が刀を持って空に斬りかかる。
空は微塵とも動こうとしなかった。
その振り上げた刀を持った手を光太が掴んでいた。
「空がお前ら如きの相手をすると思ったか?」
そう言って殴り飛ばす。
制圧するのに30分かからなかった。
彼等を全員叩きのめした。
「うぬぼれるなよチンピラ。俺達と一戦やりたかったら戦車くらい引っ張ってこい」
光太が言う。
多分自衛隊くらいだったら叩きつぶすだろうね。
なんせ親を怒らせたら日本壊滅くらいはさせるだろう。
「てめーらこんな真似してただで済むと思うなよ。クソガキ」
それを聞いた天音がそいつを蹴飛ばす。
「誰に口きいてんだてめぇ!」
「ああ、天音。そいつ生きてるなら原川とかいうふざけた奴に伝えたい事がある」
空がそう言って天音を止めていた。
「お前らが勝手に勝次をやって盛り上がってる分には構わんが約束は破棄だ。お望み通りじっくりと相手してやる。楽しみにしておけ」
黒いリストバンドが目についたら片っ端から殺してやる。
すでにFGのメンバーの素性は把握してる。
一人たりとも逃さない。
原川とか言う腰抜けは上手いこと逃げたみたいだが、逃げ切れると思うなよ。
空はそれだけ言ってその男を逃がした。
「で、この寝てる奴らはどうするんだ?」
遊が聞く。
「寝てるんだから土の中に埋めておけばいいだろ」
空が答えると「また穴掘りかよ。先にこいつらに穴掘らせとけばよかった」と言いながら天音達と穴を掘りだす。
こうしてまた行方不明者が増えた。
今年も忙しい事になるだろう。
失業者と行方不明者がうなぎのぼりの最悪の年になるだろうから。
地元で最悪のグループがまた動き出した。
原川とかいう人間がこのまま大人しく震えてるような人間だったらまだよかったのだろうけど……もう遅いか。
「何の用だ?」
俺と加奈子は突然呼び出された。
相手は原川郁夫。
最近FGの中心人物になりつつあった。
「話がある」
そう言って呼び出された。
FGのメンバーが大勢いる。
「そうだな……そんなに難しい事じゃないよ」
原川はそう言って俺に近づいて来る。
何をする気か察した俺は加奈子に離れるように言う。
それがミスだった。
原川は予想通り俺を殴ろうとする。
その拳を受け止めた。
「リーダーの座を譲れっていうのか?」
「よく分かってるじゃねーか」
「だけどお前如きに俺がやられると思ったか……!?」
背後から突然金属バットで殴りつけられた。
咄嗟に反応すると今度は前にいる原川に殴り飛ばされた。
すると次々と俺の下に近づいて俺を踏みつける。
「いや、やめてぇ!」
加奈子の悲鳴が聞こえる。
「止めろ!加奈子に手を出すな!」
俺が怒鳴りつけるが原川は蹴りつけられる俺を見て笑っていた。
「そんな甘っちょろい事言ってるからお前から離れていくんだよ」
「てめぇ、こんなことしてただで済むと思ってるんじゃねーだろうな!?」
「そんな事より自分の身を心配した方がいいんじゃないのか?」
「は、離してぇ!」
加奈子の悲鳴が止まない。
「これからは俺がFGのリーダーだ。手始めにSHを潰してやるよ」
こいつ本気で言ってるのか?
そんなことして潰されるのはFGだぞ。
薄れていく意識の中で加奈子の身をただ案じていた。
気がついたら病室にいた。
「勝次、気づいた?」
紗奈がそばにいた。
加奈子の姿がもある。
衣服がボロボロだった。
俺の視線に気づいた紗奈が言った。
「さっき加奈子も診てもらった……」
加奈子の胎内から精液が検出されたらしい。
「加奈子……すまない!」
俺は一番大事な人を守れなかった。
「勝次ごめん、どうか私を嫌いにならないで!」
そう言って加奈子は俺に抱きつく。
「紗奈、出よう。今は2人にしてやりたい」
喜一も帰ってきていたのか。
2人でずっと泣き続けていた。
あいつだけは許せない。
俺の手で殺してやる。
復讐を誓っていた。
しかしこの事件は思わぬ第3者が介入することになる。
(2)
「な、何でお前らがいるんだ?」
FGのリーダー山本勝次が僕達を見るなりそう言った。
僕は光太と学と善明と来ていた。
事件の直後に紗奈から連絡が入った。
FGの裏切り。
原川郁夫という男が企てた。
勝次は袋叩きにされた挙句、恋人の中村加奈子は強制わいせつ。
その際に勝次が耳にしたらしい。
「手始めにSHを潰してやる」
FGを葬る理由はそれだけで十分だ。
光太が「まずは事情を聞こう。俺達が介入するかどうかは空の判断に任せよう」と言ったから取りあえず事情を聞きに来た。
しかし都合が悪い。
勝次の側に加奈子さんがいる。
そういう事情を加奈子さんの前で聞いていいのか分からない。
セカンドレイプって言葉もある。
それを察した紗奈が加奈子さんに「ちょっとだけ席を外そう?」という。
自分が嫌われると思い込んでしまった加奈子さんを説得するのは難しそうだ。
僕も協力した。
「僕達は縁を結ぶ事は得意だけど縁を切るのは苦手なんだ」
心配しないで、ちょっと勝次と2人で話しをしたい事があるだけだから。
女性を連れてこなかったのは加奈子さんに配慮したのもあるけど、子供の面倒を見るので大変だから。
「わかりました」
加奈子さんはそう言って勝次を不安そうに見ながら部屋を出た。
「随分派手にやられたな」
光太が加奈子さんの後姿を見ながら言う。
「……まあな。気をつけろ。あいつ等お前らを狙ってる」
「紗奈からその事は聞いた。だから僕が事情を聞きに来た。全部吐け」
すると勝次が事情を話した。
だいたい紗奈から聞いた事と同じだ。
ただ最後に勝次が言った。
「お前らの出る幕じゃない。あの野郎は俺がぶっ殺す」
多分そんな事だろうと思ったよ。
「ふざけるな」
僕はそう言った。
理由はいくつかある。
まず相手が悪い。
原川郁夫。原川金融……闇金融の社長。
原川組……全国規模の暴力団の中枢の若頭。
勝次一人でどうにかなる相手じゃない。
諦めろ、お前にもしもの事があったら加奈子さんを悲しませるだけだぞと伝える。
「くそったれ!」
話には聞いていたけど驚いた。
勝次が泣いていた。
それだけ悔しいんだろう。
自分の大切な女性を守れなかった。
しかもその復讐すらできない。
その悔しさが形に現れている。
「……まあ、話はそれだけ。絶対に馬鹿な考えはするなよ」
「空や、やっぱり今回は手出ししないのかい?」
善明が聞いた。
「あいつらはSHを潰すと言ったんだろ?」
放っておいても仕掛けてくるだろう。
やり方も大体分かる。
SHの弱点を容赦なくついてくるだろう。
光太達も子供には気をつけろと言う。
しかし、今回は受け身では話にならないだろう。
こっちから先に仕掛けてふざけた奴を潰す必要がある。
その原川という奴等が二度とふざけた事を考えないように叩きのめす必要がある。
「じゃあ、ここは任せるよ」
そう言って僕は病室を出る。
「どこ行くんだ?」
学が言った。
「……ちょっとトイレ」
そう言って病室を出ると外にいる紗奈達に「心配しないで」とだけ伝えて病院を出ようとした。
すると待合室に翼と天音がいた。
子供も連れてきている。
「……どうしたんだ?」
「どうせ空の事だからこうなるんじゃないかと思ってな」
待ち伏せしてたらしい。
「馬鹿な考えは捨てろ。お前一人じゃないんだぞ!お前にもしもの事が合ったら美希や結をどうするつもりだ!?」
「美希達ならちゃんと石原家が護衛するよ」
「そうじゃないだろ!お前にもしもの事があったら泣くのは美希だぞ!」
「……皆を巻き込めないだろ?」
相手が相手なだけに子供の喧嘩じゃ済まない。
「だったらなおさらだよ!今茜が相手の規模を調べてる」
相手を把握してから対処する。
いつも通りでいいだろう。
勝次の話はすでにSHの中で広まっている。
このまま放っておいていい相手じゃない。
第一お前ひとりにおいしい思いはさせない。
「相手の事は聞いてるんだろ?皆を巻き込めない」
「だったらなおさらでしょ。一人で無茶は止めて」
翼が言う。
自分の立場を忘れたの?
空は王なんでしょ?
「翼の言う通りだな」
振り返ると光太達がきていた。
あまりにも遅かったからもしやと思って来たらしい。
翼と天音に知らせたのは学だった。
「空、お前はSHのリーダーだ。頭がふらふらしてたらみんな混乱する。お前は指示をだすだけでいいんだ」
みんな自分の役割を分かっている。
その証拠に茜達がすでに動き出しているだろ?
「……分かったよ」
「とりあえず、原川って奴の素性をしらべてからだな」
「その件ならすでに茜が大体洗い出したらしい。今夜ファミレスで話そう」
天音が言うととりあえず家に帰る。
「あ、その前にパパが実家に寄って欲しいって」
翼が言うので実家に寄ると父さんがいた。
「話は翼から聞いた。今度は暴力団相手だって?」
「……止めようとしても無駄だよ。どのみち僕達を狙ってるなら先に潰すしかない」
「それでいいんじゃないか?」
僕が言うと父さんが言った。
「冬夜さん。親としては止めるべきでは?」
母さんが言う。
「どのみち狙われてるなら空の結論であってるよ。それに相手がその気なら僕達も出る口実になる」
そんなに死に急ぐなら手伝ってやろう。
父さんはそう言った。
「だけど、空には美希や結達がいる事をわすれちゃいけないよ」
父さんはそれだけ言ってファイルを渡してくれた。
「これは?」
「父さん達だって空達には負けてないよ」
原川組の大体の規模を完璧に集めたらしい。
恵美さんや晶さんは既にやる気らしい。
「たかだか闇金如き叩きつぶしてやる」
晶さんがすでに動き始めているとか。
「気をつけてね。愛莉も空の心配をしている」
「分かった」
帰ると美希が出迎えてくれた。
「どうでした?」
「……勝次が泣くほどつらい目にあったんだ。生き地獄を味合わせてやる」
「……気を付けてくださいね」
「美希の方は何か情報つかめた?」
「母さんが冬夜さんにすでに渡していると聞きましたけど」
やっぱり親には敵わないか。
ここからは僕の采配か。
父さん達にも見られてるし下手は打てない。
かといって選択肢もそんなに無い。
ベタに行くか。
僕はSHのグルチャで茜を呼び出した。
「茜、FGのグルチャに割り込むことは出来るか?」
「ああ、そのくらいなら簡単だ」
あいつらオープンでメンバー募ってるくらいの馬鹿だからなと笑っていた。
問題なさそうだ。
「茜が割り込んで警告してくれないか?”そんなに死にたいなら今すぐ殺してやるから今夜22時に山に来い”って」
「旦那様!?」
美希が驚いていた。
なんなら空の王の名前を使ってもいいよと水奈に伝える。
「いつも通りじゃなかったのか?」
光太が聞いていた。
出待ちをしていたんじゃ小さな子供がいる僕たちの方が不利だ。
だから先手を取って恐怖を植え付けてやろう。
時間ももったいない、自殺願望があるなら手伝ってやろう。
それから美希達を家に残して僕は出かけようとする。
「私は足を引っ張るだけだから残るけど、お気をつけて」」
美希が不安そうに言う。
「お腹空くかもだからラーメン用意してくれないかな」
「それ今後は控えてください」
「どうして?」
「……結達ったらもうラーメンのにおいに感づくみたいで」
すごい子供だな。
僕の事だから本気で殺しかねない。
だから恵美さん達にお願いしてる。
翼も善明の家に菫と陽葵と秋久を預けて来ていた。
天音や水奈も来ていた。
「夜だから車の中に入れとけば大丈夫だろ?」
お気に入りの車に傷入れる奴は埋めて帰ると天音が言っている。
馬鹿は生き埋めにしてやれと恵美さんに言われたらしい。
父さんのファイルと美希の情報を整理する。
やはり規模が今までの相手とは違う。
だからどうした?という意見が殆どだったけど。
「手加減する必要が無いって事だろ?」
天音が言う。
「空、こっちは準備出来たよ。簡単に挑発に乗ってくれた」
茜の方も準備が出来たみたいだ。
「ああ、そんな馬鹿がまだいたなら全員ぶっ殺してやる」
日本を地獄に変えてやる。
天音や翼、水奈や紗理奈はただで帰すつもりはないらしい。
加奈子の件があるからだろう。
「切り取ってやるくらいしても罰当たらないだろう」
紗理奈が言った。
暴力団の介入があるならそれも潰す。
結論は出た。
危険だけどどっちみち向こうがやる気なら相手してやろう。
みんなが僕の顔を見る。
一度言ってみたかったんだよね。
「んじゃ、出来れば暴力団が出てくる前にケリをつけるよ」
「ああ」
「すまんが、皆の命をくれ」
ぽかっ
「アニメのセリフを引用するのは止めて!」
翼に小突かれた。
こういう場面ならばっちり決まると思ったんだけどな。
「心配するな、先に全員ぶっ殺してやる」
天音がそう言って笑っていた。
(3)
面倒な状況になったよ。
僕達は山の中でFGの連中と対立していた。
随分増えたみたいだね。
理屈は簡単。
SHから追放した奴らが今度はFGに乗り換えただけ。
SHから余計な部分を切り落として標的にされたからFGに入った。
もともとFGの方が地元での勢力は大きいからね。
それでも自分の命が惜しかった山本勝次が「絶対にSHには手を出すな」と命じていたから気にも留めていなかった。
前にも言ったけど僕達から仕掛けて無事で済む勢力なんて地元にはいない。
そんな奴らと遊んでも仕方がない。
そんな暇あったら嫁さんの機嫌を取っていた方がよっぽど建設的だ。
嫁の機嫌ひとつで企業がつぶれていくからね。
それを勘違いした馬鹿がSHで好き勝手に暴れて今度はFGの名前で好き放題したいらしい。
そういうのを「勝ち馬ライダー」というらしいよ。
しかしそんな奴らがどっちにつこうが構造は変わらない。
なのに原川郁夫というのは余程死にたいらしい。
FGを乗っ取ってSHを潰す気でいるらしい。
ほっとけばいい、手を出して来たら潰せばいい。
空も最初はそう考えていたらしい。
だけど山本紗奈の話を聞いて気が変わった。
馬鹿な真似をするよ。
勝次を袋叩きにして騒いでるだけで済ませばよかった。
だけど調子に乗った彼らは勝次の彼女を汚した。
殺すのに一々理由がいるならそれだけで十分。
最初は空一人でやるつもりでいたらしい。
彼等の中には暴力団も混ざっているそうだ。
原川組若頭という肩書を見ればそのくらい想像がつく。
他の非戦闘員にまで巻き込むつもりはなかったらしい。
だけど天音や翼が止めた。
光太も「お前は空の王なんだから堂々と構えて指示を俺達に出せばいい」と言ったらしい。
光太の言う事も一理ある。
何でもリーダー一人に任せるような弱いグループじゃない。
結束が固いグループなんだ。
こんな事に一々空が出る必要は無い。
まあ、光太達がやった方が相手の為でもある。
空が暴れたら今度こそ死人が出る。
空の運動能力はただ”球技が苦手”だと言うだけで他の事なら何でもやってのける。
見た感じ日本刀なんか担いでる馬鹿がいる。
本気で死にたいらしい。
そして彼等は余程自殺願望が高いのだろう。
「原川ってのはどいつだ?」
空が聞いていた。
するとFGの彼等は笑いだす。
こんな状況は初めてだ。
すると彼等は言った。
「お前ら如きにうちの頭が相手すると思ったか?」
僕はため息をついた。
君達の命はもうそんなに残ってないと思うよ。
初めから怒っていた空に燃料を投下した。
空だけじゃなく天音にも火をつけた。
山を指定したのは騒ぎをかぎつけられて警察に来られたら面倒だからというのもあるけどもっと他に理由がある。
ここなら行方不明者を出しても問題ないだろ。
死人と言わないあたりが優しいね。
「随分と余裕こいてくれるじゃねーか」
光太が言った。
すると学も空に言う。
「空はそこにいろ。こんな雑魚共にお前が手を出すまでもない」
俺達だけで片づける。
「遊、びびって逃げるなよ」
「なずなの方が100倍怖いよ」
SHの人間ならそうだろうね。
嫁さんほど怒らせると厄介な物は存在しない。
空だって美希の制御下にいるのだから。
「てめーら遺書は書いてきただろうな?全員ここに埋めてやる」
天音が言うと戦いは始まった。
想像通りだった。
前にも言ったけどSHには片桐姉妹がいる。
彼女たちの持つ能力”ライド・ギグ”がある限り集団戦闘で負ける事はまずない。
AWACSみたいなものだ。
戦況を把握し常に優位に立てるように指示を送る能力。
しかも味方の能力を数段引き上げるらしい。
戦闘が苦手な物でも可能なくらいに引き上げる。
拳一つでコンクリートを粉々にするくらいの強度にまで向上させる。
一方的に蹂躙していく味方を暇そうに見ている空と翼。
そんな中で空達に銃口を向ける馬鹿がいた。
本当に馬鹿だ。
僕が気づいた時には大地が発砲していた。
眉間に穴が開いてたよ。
どうなったかは敢えて書かない。
表現しなきゃいいと思ってるらしいからね。
「面倒な真似をするな」
発砲した大地はそう告げた。
それでも分かってくれない馬鹿が刀を持って空に斬りかかる。
空は微塵とも動こうとしなかった。
その振り上げた刀を持った手を光太が掴んでいた。
「空がお前ら如きの相手をすると思ったか?」
そう言って殴り飛ばす。
制圧するのに30分かからなかった。
彼等を全員叩きのめした。
「うぬぼれるなよチンピラ。俺達と一戦やりたかったら戦車くらい引っ張ってこい」
光太が言う。
多分自衛隊くらいだったら叩きつぶすだろうね。
なんせ親を怒らせたら日本壊滅くらいはさせるだろう。
「てめーらこんな真似してただで済むと思うなよ。クソガキ」
それを聞いた天音がそいつを蹴飛ばす。
「誰に口きいてんだてめぇ!」
「ああ、天音。そいつ生きてるなら原川とかいうふざけた奴に伝えたい事がある」
空がそう言って天音を止めていた。
「お前らが勝手に勝次をやって盛り上がってる分には構わんが約束は破棄だ。お望み通りじっくりと相手してやる。楽しみにしておけ」
黒いリストバンドが目についたら片っ端から殺してやる。
すでにFGのメンバーの素性は把握してる。
一人たりとも逃さない。
原川とか言う腰抜けは上手いこと逃げたみたいだが、逃げ切れると思うなよ。
空はそれだけ言ってその男を逃がした。
「で、この寝てる奴らはどうするんだ?」
遊が聞く。
「寝てるんだから土の中に埋めておけばいいだろ」
空が答えると「また穴掘りかよ。先にこいつらに穴掘らせとけばよかった」と言いながら天音達と穴を掘りだす。
こうしてまた行方不明者が増えた。
今年も忙しい事になるだろう。
失業者と行方不明者がうなぎのぼりの最悪の年になるだろうから。
地元で最悪のグループがまた動き出した。
原川とかいう人間がこのまま大人しく震えてるような人間だったらまだよかったのだろうけど……もう遅いか。
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