姉妹チート

和希

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紅い葉

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(1)

「わあ、綺麗だね」

 翼は燥いで写真を撮っている。
 僕達は紅葉を見に九酔渓に来ていた。
 来ていたのは片桐家、多田家、桐谷家、石原家、酒井家、中島家、木元家、渡辺家。
 渡辺家を除けば皆だいたい彼女、彼氏がいる。
 そういう車の配置をしていた。
 先頭を渡辺家が、最後尾を父さんが行く。
 父さんは高速であっという間において行かれてしまった。
 多田家、桐谷家、中島家は父親の車の運転が上手いのだろうか?
 あっという間に父さんを置き去りにしてしまう。

「左見てごらん?滝だよ」

 父さんが言う通り一瞬だけ滝が見れた。
 この辺も紅葉が始まっていた。

「空、凄いね!」

 女性はこういうのを見ると気分が高まるのだろうか?
 美希のテンションは高かった。
 父さんはその後も色々案内してくれる。
 天音は石原家の車に、翼は酒井家の車に乗っている。
 九重インターで降りるとコンビニで一度皆集まる。

「ここから先は絶対に追い越しとかダメだからな!」

 渡辺さんが言う。
 そして九酔渓の見事な紅葉を見ていた。
 綺麗なだけじゃお腹がすく。
 ゲームでもして時間を潰したかったけど、美希と景色を眺めながら話をしていた。
 美希はとても楽しそうだったからいたずらに不安を煽りたくなかった。
 そして目的地の夢大吊橋に着く。
 ここからは自由時間で。
 もっとも自由行動を許されたのは僕と美希と善明君と翼と光一と輝夜だけだったけど。
 美希は橋を渡ろうという。

「夢バーガーは後にしてあげたら?」

 翼がそう言って笑った。
 橋の上からも滝が見えて紅葉で染まっている。
 美希と翼は写真をたくさん撮っていた。
 多分SNSにでも投稿するつもりなんだろう。
 橋を渡ると引き返す。
 そして待望の夢バーガー。
 翼が悩んでた。
 ドリームを食べたいところだけどレディースで我慢するべきじゃないのだろうか?
 翼にも女心というものがあるらしい。
 彼氏の前でみっともない真似はしたくない。

「気にする事無いから好きなのお食べ」

 善明が言うと翼は嬉しそうにドリーム2個を注文していた。
 ファストフード店のそれとは違って大きくて食べづらかったけど美味しかった。

「じゃ、あとソフトクリーム食べようか?」

 そう言って、ソフトクリームを注文すると外のベンチに腰掛けソフトクリームを食べながら皆を待っていた。

「あ、お前たちだけずりーぞ!」

 天音がそう言う。
 そして自分もと大地を連れて買いに行く。
 みんな揃ったところで昼ご飯を食べに久住のレストランに行く。
 ハンバーグが美味しいらしい。
 子供は子供だけでまとまって座る。
 昼食を食べ終わると地元に帰る。
 地元に帰る頃には夜になっていた。
 ファミレスに寄って夕食を食べる。
 お昼もハンバーグだったけど、やはりハンバーグを選んだ。
 パスタ程度じゃ僕のお腹は満たされない。
 翼も同じだったようだ。
 夕食を食べ終わるとジュースを飲みながら美希が撮った写真を見ている。
 どれも綺麗に映っていた。

「冬夜と愛莉さんは今年は忘年会これるんだろ?」

 渡辺さんが聞いていた。

「うん、冬吾も冬莉も大人しいからね。多分大丈夫」
「うちも大丈夫だ。誠司も大人しいんだ」

 ただし2次会は無理だけど。
 父さんと水奈のお父さんが言っていた。
 今年の忘年会は皆のお父さんのお疲れ様会も兼ねるらしい。
 地元チームはよほどひどい負け方をしない限り3連覇は間違いないだろうと言われている。
 失点が極端に低く、そして得点が異常に高い。
 ルイス選手の活躍がすごいらしい。
 今年もクラブワールドカップに出場できるだろう。
 AFCなんて余裕だと水奈の父さんは言う。
 そしてクラブワールドカップを最後に水奈のお父さんは引退する。
 夕食が終ると家に帰る。
 帰りは天音もいた。
 家に帰ると風呂に入って家でゆっくり休む。
 明日は日曜日。
 何をして過ごそうか美希と話をしていた。

(2)

 期末テストが終る頃。
 地元でも紅葉が目立つようになった。
 AFCは地元チームが優勝した。
 そして来月からいよいよクラブワールドカップが始まる。
 週末僕達は期末テストの打ち上げに来ていた。
 ボーリングはいつも通りだった。
 翼と僕の2人舞台。
 ボーリングが終るとカラオケに移動する。
 距離がちょっとある。
 自転車で10分ほど。
 皆カラオケがさほど好きなわけでも無くおしゃべりをしながら食べ物を食べる。
 中学生の打ち上げだ。
 それ以上はない。
 カラオケ店を出るとさっさと家に帰る。
 日が暮れるのも早くなってきた。
 家に帰ると夕食を食べて風呂に入って部屋でゲームをしていた。
 それが終ると僕達はベッドに入る。
 
「今年もあとわずかだね」

 美希からメッセージが着た。

「そうだね」
「何もなくてよかった」
「何かはあっただろ?」
「……そういうことは言わないの!」

 美希が少し怒ってるようだ。
 来年は修学旅行が楽しみだ。
 そうして今日もまた終わる。
 月が綺麗な夜だった。
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