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波乱の学園生活
決着
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帝国諜報部特務少佐。これがルージュことルージュリアの本当の姿だ。
一瞬警戒を見せたルージュだったがすぐに平静を装う。
「おいおい何の話だ?俺はこの通りこの王国のただの平民だぜ?」
「うちの騎士団と暗部を甘く見ないでもらいたいね。
君はやりすぎたんだ。何があったか知らないがある時期から急に行動が大胆になった。
何か確信を持っているかのように動くようになった。おかげでこちらは楽に証拠を押さえることができた。」
そう言いながら王城から送られてきた書状の写しを彼に見せる。
「王国、山の国、砂の国の3国の連名で帝国に抗議させて貰ったよ。その解答がこれだ。」
そこに書かれているのはルージュリアという者と帝国の関係性の否定。
帝国は彼と彼の部下達を切り捨てたのだ。
「あぁ、帝国はこうして否定しているから自称帝国諜報部特務少佐かな?
君には国家転覆罪の容疑がかかっている。」
手で合図をするといつ間にか中庭を囲むように潜んでいた騎士団が現れ、一斉に彼に向かって槍を向けた。
「いいのかよ。俺に何かあったらそこの嬢ちゃん達の家族に危険が及ぶぞ?」
「彼女らの両親を狙っていた君の部下は既に捕らえている。この学園に潜んでいた者も全てね。
残っているのは君だけだよ。ルージュリア。」
取り押さえられたルージュリアを騎士団が連行し、その場は僕達とリゲルだけとなった。
「さて、これで君の野望は潰えたことになるかな?リゲル殿。」
僕が現れてから状況についていけず動けなかったリゲルに声をかけると、途端に彼女は僕を睨みつけた。
「どこまでも私の邪魔をするのね、偽物王子。」
「まだその妄想に囚われているのか。何度もいっているだろう。ここは君の言うルミファン?の世界では無い。
いい加減現実を受け入れるんだ。」
しかし僕の言葉は彼女には届かない。彼女は黙って僕を睨みつけるとそのまま去って行った。
ルージュと違って彼女には罪はない。前世なら脅迫罪幇助とかになるかもしれないがこの世界にはそんなものはない。
しかしもう彼女にはこの学園に居場所はないだろう。
「ブランシュ様・・・」
そんな事を考えていると後ろからキュリテに声をかけられた。
「「申し訳ございません。そして、両親を助けていただきありがとうございます、殿下。」」
リッタとロッタが声を揃えて謝罪と感謝に頭を下げる。
「いや、こちらこそご両親を危険な目に合わせてしまい申し訳なかった。
全員無事で何よりだよ。」
リッタとロッタの両親には監視がついており、彼女達の人質となっていた。
それが彼女達が彼らに従わされた理由だった。
「キュリテも。辛い思いをさせたね。すまなかった。」
すると彼女は涙を浮かべて首を振る。
「いえ、いえ。一人で抱え込もうとした私が悪いんです。」
後悔の念を漏らす彼女を僕は抱き寄せた。
一瞬警戒を見せたルージュだったがすぐに平静を装う。
「おいおい何の話だ?俺はこの通りこの王国のただの平民だぜ?」
「うちの騎士団と暗部を甘く見ないでもらいたいね。
君はやりすぎたんだ。何があったか知らないがある時期から急に行動が大胆になった。
何か確信を持っているかのように動くようになった。おかげでこちらは楽に証拠を押さえることができた。」
そう言いながら王城から送られてきた書状の写しを彼に見せる。
「王国、山の国、砂の国の3国の連名で帝国に抗議させて貰ったよ。その解答がこれだ。」
そこに書かれているのはルージュリアという者と帝国の関係性の否定。
帝国は彼と彼の部下達を切り捨てたのだ。
「あぁ、帝国はこうして否定しているから自称帝国諜報部特務少佐かな?
君には国家転覆罪の容疑がかかっている。」
手で合図をするといつ間にか中庭を囲むように潜んでいた騎士団が現れ、一斉に彼に向かって槍を向けた。
「いいのかよ。俺に何かあったらそこの嬢ちゃん達の家族に危険が及ぶぞ?」
「彼女らの両親を狙っていた君の部下は既に捕らえている。この学園に潜んでいた者も全てね。
残っているのは君だけだよ。ルージュリア。」
取り押さえられたルージュリアを騎士団が連行し、その場は僕達とリゲルだけとなった。
「さて、これで君の野望は潰えたことになるかな?リゲル殿。」
僕が現れてから状況についていけず動けなかったリゲルに声をかけると、途端に彼女は僕を睨みつけた。
「どこまでも私の邪魔をするのね、偽物王子。」
「まだその妄想に囚われているのか。何度もいっているだろう。ここは君の言うルミファン?の世界では無い。
いい加減現実を受け入れるんだ。」
しかし僕の言葉は彼女には届かない。彼女は黙って僕を睨みつけるとそのまま去って行った。
ルージュと違って彼女には罪はない。前世なら脅迫罪幇助とかになるかもしれないがこの世界にはそんなものはない。
しかしもう彼女にはこの学園に居場所はないだろう。
「ブランシュ様・・・」
そんな事を考えていると後ろからキュリテに声をかけられた。
「「申し訳ございません。そして、両親を助けていただきありがとうございます、殿下。」」
リッタとロッタが声を揃えて謝罪と感謝に頭を下げる。
「いや、こちらこそご両親を危険な目に合わせてしまい申し訳なかった。
全員無事で何よりだよ。」
リッタとロッタの両親には監視がついており、彼女達の人質となっていた。
それが彼女達が彼らに従わされた理由だった。
「キュリテも。辛い思いをさせたね。すまなかった。」
すると彼女は涙を浮かべて首を振る。
「いえ、いえ。一人で抱え込もうとした私が悪いんです。」
後悔の念を漏らす彼女を僕は抱き寄せた。
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