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波乱の学園生活
彼女の動向
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入学式から数日。ゲームでは日常パートとなり、主人公は授業の合間を忙しく動き回って攻略対象の好感度を稼いだり、必須イベントに必要なフラグを回収したりする期間だ。
しかしこの日常パート。ゲームだから違和感はなかったけど普通に考えたら中々常軌を逸していると僕は思った。
授業と授業の境目に意味もなく学校内を彷徨き周り、意中の相手を追いかけ回すって普通に考えるとストーカーそのものの行為だ。
ジョーンヌやブル達の元にも彼女は現れたらしく、その彼女の行動を彼らは訝しげに感じていた。
「リゲル嬢?あーあの光の魔力に目覚めたって言う平民の子ですか。あの子の平民クラスは学園内でも結構奥ですよね。
理由はわかりませんけど先日うちのクラスの前まで来てなんかよくわからないアピールをしてきましたよ。
彼女の言ってることなんてもう3年以上前に殿下が思いついて商品化してるというのに。
平民にも結構広まってると思ったのですが・・・ご存知なかったんでしょうか。」
うちもまだまだですねとジョーンヌ。
「あぁ。僕のいる貴族クラスにも来てたな。迷ったとか何とか。
けど貴族クラスと平民クラスって逆方向だよね。調度品や制服も差があるし気付かないものなのかな。
周りも変な目で見てるのに全く気にしてなかったよ。」
と珍獣を見たように言うブル。
「あ、それ私も見ましたわ。あまりにも嘘っぽい言い訳にみんな笑ってた。」
とロッタ嬢。
「うん。本気なら天然通り越してちょっとやばいよね。」
とリッタ嬢。やっぱりそうだよなぁ。しかしこの感じ彼女はとりあえず起こせるイベントは全て起こしてみて確認しようという魂胆のようだ。
そしてそれは今のところ全て彼女の思惑と違う形で進んでいる。
ゲームと同じようにその場に行けば意中の人と接触はできているが、彼女の思惑通りの展開にはならない。
これは別に僕が何かしたわけではなく、ゲームの展開の都合が良すぎただけなのだ。
細かいバックグラウンド等を考えればゲームのような展開になることはほとんどない。
特に学園生活に馴染ませるために身分でクラス分けされている1年生なら尚更だ。
合同授業や今僕たちが集まっているテラスのような共同の学内施設を使う時ぐらいしか他クラスとの交流なんて普通はないのだ。
「少し注意した方がよろしいでしょうか。あらぬ噂も立っておりますし。」
キュリテの言う通りそんな彼女の行動に早くも色々噂が立っていた。
貴族の側室の座を狙うアバズレ、実は他国のスパイなどなどどれも当然いい噂ではない。
「口や手を出すにしても私達は彼女の事をよく知らないですから。仮に噂が事実の場合にあなたに危険が及ぶかもしれません。」
キュリテの手を取りそう諭す。リゲルの行動に深い意味がないとわかりながらそれを利用する僕は酷い男だな。
「ですが次代の国を支える一員としてそれが在らぬ話であるなら見過ごしていいとは思えなくて・・・」
何も知らないキュリテは彼女を通して国を憂う。
「だけど何か意図はあると思う。彼女は特に兄上や僕、そしてジョーンヌ殿とブル殿の付近によく出没するみたいだし・・・」
ノワールは警戒をした様子でそう注意した。持ち前の明るさを武器に身分の壁なく様々な人と接する事ができるこの腹違いの弟は情報通なのだ。
「そのせいで自分のクラスにも馴染めてない。さっきの噂は僕ら商人クラスや貴族クラスだけでなく平民クラスの中からも流れてるよ。」
キュリテと同じく彼の表情は彼女を心配しているものだった。
「・・・わかったよ。私も国のものが在らぬ噂で不当な目にあうのは見過ごせない。
今度見かけたらそれとなく注意しよう。しかし噂が噂と確証が取れるまでは君達も気をつけてくれよ?」
ため息をつきながらそう釘を刺す。僕自身は彼女と結ばれる気はないが彼女の行動を邪魔する気もないのだ。
当人同士が納得するのであれば別に僕以外の誰かと結ばれる事も別に否定はしないのだ。
まぁノワールとのエンディングは民に目を向けない兄から王位継承権を奪って王になるというのだったりするけど。
ちなみに僕は故意に譲る気はないけどノワールが望むのであれば譲っていいと思っている。
学園に入学するまでの5年の養育で王という存在の重責は痛いほど理解しているから彼や彼女にその覚悟があるならだが。
この世界はゲームじゃない。当然エンディングを迎えて終わるわけじゃないのだ。
平民の貴族教育を一切受けていない少女が簡単に王子と結婚して『幸せに暮らしましたとさ』とはならない。
世継ぎ問題、王位簒奪による臣民の不信感よ払拭等どう考えても茨の道だ。
それは他国の王族であるブルを選んでも同じだ。
彼は遊学で山の国から王国に来ているが彼にも婚約者ではないが将来を誓い合った相手がいるらしい。
その相手を置いて他国から婚約者を連れ帰ればどうなるかくらい考えなくてもわかる話だ。
この中で1番見込みがあるのはジョーンヌだろう。
しかし自分の感情より家や交友関係を優先する彼の心を狙い撃つには相当な茨の道が待っている。
残る可能性はまだ僕も交友関係を持てていないルージュリア。
彼は平民として彼女と同じクラスに所属している。
実力主義の帝国出身で有能な人材を引き抜き王国の国力低下を狙う彼に彼女はどのように映っているだろうか。
----------
その翌日に僕は彼女と接触する機会を得た。
昼休みに中庭の木陰で休む僕の胸に彼女が躓いて飛び込んでくるというよくあるラッキーイベントだ。
しかしゲームの彼女は転んだりぼんやりしてぶつかったり注意散漫すぎないかね。
ゲームではラッキー扱いだけどこれは実はお互いあまり良くない。
事故とはいえ婚約者以外に抱きつかれる僕にも見られれば不誠実な噂が立つし抱きつく側も噂が事実だったと思われるいい口実になる。
なのでイベント通りの展開にする気はない。
僕の姿を見つけて近寄ってくる彼女を読書の横目で確認する。そして躓くであろう少し手前で声をかけた。
「そこ、滑るから気をつけなよ。」
声をかけられると思っていなかった彼女は驚き、足を滑らして飛び込むのではなくその場で尻餅をついた。
まぁその際スカートの中が見えたのは勘弁してほしい。
「大丈夫かい?」
しかし転ぶのは防げなかったか。尻餅をつく彼女に僕はそう声をかけ、ハンカチを差し出す。
「あ・・・あの、すみません。」
驚きすぎてもちゃんとゲームのセリフが出てくる事に執念を感じるね。
「・・・先日は噴水に見惚れて、今回はどのような御用かな?真っ直ぐに私の方向に向かってきたようだが。」
咎めるような怪しむような調子で問いただす。ゲームにはないかつゲームの通りのセリフでは返せない質問に彼女は答えられず黙り込む。
「君は学園内の色んなところに行ってるようだけど何か目的でもあるのかい?
君のその行動に対してよくない噂が立っているのは君も知らないわけじゃないだろう?」
被せるように問いただすと彼女はその重い口を開いた。
「やっぱり偽物ねあなた・・・そうよ、私のブランシュ様があの小姑女と仲良くするはずがないわ!
ジョーンヌもブルもノワールもきっと偽物なのよ!そうじゃなかったらあなたが魔法かなにかで洗脳したに違いないわ!
そうよ洗脳して小姑女も取り巻きの双子もいい子に見えるように操ってるんでしょ!」
現実を受け入れられない彼女は決めつけでそう否定する。
「許さない!私のルミファンの世界を返せ偽物王子め!返せ!返せ!返してよぉ!」
最後は泣き喚いた。騒動に人だかりができるが最初から様子を見ていた者がいた事と騒動の中心が噂の彼女である事で注目は僕より彼女に向けられている。
「おいお前、王太子に不敬だぞ!」
そんな彼女に周りからそんな声が出てくるが、
「うるさい!こいつはブランシュ様の偽物だからいいんだ!見てなさいよ偽物!絶対あんたの正体を暴いてやるんだから!」
そう捨て台詞を残して彼女は去っていった。
律儀に手渡したハンカチは地面に叩きつけて踏みつけて行っている。
そんな彼女の徹底ぶりに僕は苦笑を浮かべるしかできなかった。
しかしこの日常パート。ゲームだから違和感はなかったけど普通に考えたら中々常軌を逸していると僕は思った。
授業と授業の境目に意味もなく学校内を彷徨き周り、意中の相手を追いかけ回すって普通に考えるとストーカーそのものの行為だ。
ジョーンヌやブル達の元にも彼女は現れたらしく、その彼女の行動を彼らは訝しげに感じていた。
「リゲル嬢?あーあの光の魔力に目覚めたって言う平民の子ですか。あの子の平民クラスは学園内でも結構奥ですよね。
理由はわかりませんけど先日うちのクラスの前まで来てなんかよくわからないアピールをしてきましたよ。
彼女の言ってることなんてもう3年以上前に殿下が思いついて商品化してるというのに。
平民にも結構広まってると思ったのですが・・・ご存知なかったんでしょうか。」
うちもまだまだですねとジョーンヌ。
「あぁ。僕のいる貴族クラスにも来てたな。迷ったとか何とか。
けど貴族クラスと平民クラスって逆方向だよね。調度品や制服も差があるし気付かないものなのかな。
周りも変な目で見てるのに全く気にしてなかったよ。」
と珍獣を見たように言うブル。
「あ、それ私も見ましたわ。あまりにも嘘っぽい言い訳にみんな笑ってた。」
とロッタ嬢。
「うん。本気なら天然通り越してちょっとやばいよね。」
とリッタ嬢。やっぱりそうだよなぁ。しかしこの感じ彼女はとりあえず起こせるイベントは全て起こしてみて確認しようという魂胆のようだ。
そしてそれは今のところ全て彼女の思惑と違う形で進んでいる。
ゲームと同じようにその場に行けば意中の人と接触はできているが、彼女の思惑通りの展開にはならない。
これは別に僕が何かしたわけではなく、ゲームの展開の都合が良すぎただけなのだ。
細かいバックグラウンド等を考えればゲームのような展開になることはほとんどない。
特に学園生活に馴染ませるために身分でクラス分けされている1年生なら尚更だ。
合同授業や今僕たちが集まっているテラスのような共同の学内施設を使う時ぐらいしか他クラスとの交流なんて普通はないのだ。
「少し注意した方がよろしいでしょうか。あらぬ噂も立っておりますし。」
キュリテの言う通りそんな彼女の行動に早くも色々噂が立っていた。
貴族の側室の座を狙うアバズレ、実は他国のスパイなどなどどれも当然いい噂ではない。
「口や手を出すにしても私達は彼女の事をよく知らないですから。仮に噂が事実の場合にあなたに危険が及ぶかもしれません。」
キュリテの手を取りそう諭す。リゲルの行動に深い意味がないとわかりながらそれを利用する僕は酷い男だな。
「ですが次代の国を支える一員としてそれが在らぬ話であるなら見過ごしていいとは思えなくて・・・」
何も知らないキュリテは彼女を通して国を憂う。
「だけど何か意図はあると思う。彼女は特に兄上や僕、そしてジョーンヌ殿とブル殿の付近によく出没するみたいだし・・・」
ノワールは警戒をした様子でそう注意した。持ち前の明るさを武器に身分の壁なく様々な人と接する事ができるこの腹違いの弟は情報通なのだ。
「そのせいで自分のクラスにも馴染めてない。さっきの噂は僕ら商人クラスや貴族クラスだけでなく平民クラスの中からも流れてるよ。」
キュリテと同じく彼の表情は彼女を心配しているものだった。
「・・・わかったよ。私も国のものが在らぬ噂で不当な目にあうのは見過ごせない。
今度見かけたらそれとなく注意しよう。しかし噂が噂と確証が取れるまでは君達も気をつけてくれよ?」
ため息をつきながらそう釘を刺す。僕自身は彼女と結ばれる気はないが彼女の行動を邪魔する気もないのだ。
当人同士が納得するのであれば別に僕以外の誰かと結ばれる事も別に否定はしないのだ。
まぁノワールとのエンディングは民に目を向けない兄から王位継承権を奪って王になるというのだったりするけど。
ちなみに僕は故意に譲る気はないけどノワールが望むのであれば譲っていいと思っている。
学園に入学するまでの5年の養育で王という存在の重責は痛いほど理解しているから彼や彼女にその覚悟があるならだが。
この世界はゲームじゃない。当然エンディングを迎えて終わるわけじゃないのだ。
平民の貴族教育を一切受けていない少女が簡単に王子と結婚して『幸せに暮らしましたとさ』とはならない。
世継ぎ問題、王位簒奪による臣民の不信感よ払拭等どう考えても茨の道だ。
それは他国の王族であるブルを選んでも同じだ。
彼は遊学で山の国から王国に来ているが彼にも婚約者ではないが将来を誓い合った相手がいるらしい。
その相手を置いて他国から婚約者を連れ帰ればどうなるかくらい考えなくてもわかる話だ。
この中で1番見込みがあるのはジョーンヌだろう。
しかし自分の感情より家や交友関係を優先する彼の心を狙い撃つには相当な茨の道が待っている。
残る可能性はまだ僕も交友関係を持てていないルージュリア。
彼は平民として彼女と同じクラスに所属している。
実力主義の帝国出身で有能な人材を引き抜き王国の国力低下を狙う彼に彼女はどのように映っているだろうか。
----------
その翌日に僕は彼女と接触する機会を得た。
昼休みに中庭の木陰で休む僕の胸に彼女が躓いて飛び込んでくるというよくあるラッキーイベントだ。
しかしゲームの彼女は転んだりぼんやりしてぶつかったり注意散漫すぎないかね。
ゲームではラッキー扱いだけどこれは実はお互いあまり良くない。
事故とはいえ婚約者以外に抱きつかれる僕にも見られれば不誠実な噂が立つし抱きつく側も噂が事実だったと思われるいい口実になる。
なのでイベント通りの展開にする気はない。
僕の姿を見つけて近寄ってくる彼女を読書の横目で確認する。そして躓くであろう少し手前で声をかけた。
「そこ、滑るから気をつけなよ。」
声をかけられると思っていなかった彼女は驚き、足を滑らして飛び込むのではなくその場で尻餅をついた。
まぁその際スカートの中が見えたのは勘弁してほしい。
「大丈夫かい?」
しかし転ぶのは防げなかったか。尻餅をつく彼女に僕はそう声をかけ、ハンカチを差し出す。
「あ・・・あの、すみません。」
驚きすぎてもちゃんとゲームのセリフが出てくる事に執念を感じるね。
「・・・先日は噴水に見惚れて、今回はどのような御用かな?真っ直ぐに私の方向に向かってきたようだが。」
咎めるような怪しむような調子で問いただす。ゲームにはないかつゲームの通りのセリフでは返せない質問に彼女は答えられず黙り込む。
「君は学園内の色んなところに行ってるようだけど何か目的でもあるのかい?
君のその行動に対してよくない噂が立っているのは君も知らないわけじゃないだろう?」
被せるように問いただすと彼女はその重い口を開いた。
「やっぱり偽物ねあなた・・・そうよ、私のブランシュ様があの小姑女と仲良くするはずがないわ!
ジョーンヌもブルもノワールもきっと偽物なのよ!そうじゃなかったらあなたが魔法かなにかで洗脳したに違いないわ!
そうよ洗脳して小姑女も取り巻きの双子もいい子に見えるように操ってるんでしょ!」
現実を受け入れられない彼女は決めつけでそう否定する。
「許さない!私のルミファンの世界を返せ偽物王子め!返せ!返せ!返してよぉ!」
最後は泣き喚いた。騒動に人だかりができるが最初から様子を見ていた者がいた事と騒動の中心が噂の彼女である事で注目は僕より彼女に向けられている。
「おいお前、王太子に不敬だぞ!」
そんな彼女に周りからそんな声が出てくるが、
「うるさい!こいつはブランシュ様の偽物だからいいんだ!見てなさいよ偽物!絶対あんたの正体を暴いてやるんだから!」
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