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第一章『迷宮掌握』
終末の日
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自分の管理する世界に異変が起こっている事を女神ルドラはいち早く察知していた。
この世界ルドラサウムには2柱の女神がいる。
破壊の女神サウムと創造の女神ルドラだ。言うまでもなく同一の存在であるがこの世界の者は誰もその真実を知らない。
かつてこの世界は女神が管理を怠った結果、終末を間近にしていた。
人類の敵役を担う筈の魔物達は統率力の無さから人類に淘汰され絶滅寸前だ。
魔物の脅威が無くなった人類は人類同士で争いを始め、世界は退廃していた。
困った女神は魔物達の王となるものを異世界から呼び寄せた。
本来は様々な協定を結ばなければならないが自分の世界にはそんな猶予が無かったので独断で行った。
思慮は浅いが女神ルドラはそれほどの力は持っていたのだ。
当然問題となった。しかしルドラサウムの状況と転移元の世界の影響は小さいものであったことからそれは不問となった。
魔物達の勢いが戻った事で世界は安定へと向かった。終末は免れたのだ。
人類は魔物の脅威に表面上は争いを辞めて手を取り合った。
しかし今度は魔物が強くなりすぎた。呼び寄せた魔王が強すぎたのだ。
このままでは今度は人類が滅びてしまう。ならば魔王への対抗策を取ろう。
女神は再び異世界から人類の救世主となるものを呼び寄せた。
今回は協定を結んでおこなったので問題にはならなかった。
しかしそうしてやってきた救世主『勇者』はイマイチだった。
最低限の仕事はこなし、魔王の封印はできたものの根本的な解決に導けていない。
しかもその封印で力を使い果たしたのかその場で共倒れだ。
これでは時が経ち魔王が復活したらまた元の木阿弥となる。
本来ならそれを導くのが女神の仕事であるが傲慢な女神はそんなことをするつもりなどなくただ無様に倒れた勇者を詰った。
やはり協定などを結んで妥協したものではダメだ。連れてくるなら自分の納得がいくものでなければいけない。
しかし強すぎればまたバランスが崩れる。やりすぎれば他の世界の神々に目をつけられる。
狡賢く絶妙な匙加減で女神は他の世界の人類を攫い続けた。
その結果が今である。預かり知らぬ何かがこの世界の魔王の居城に降り立った。
それは初代魔王の魂を媒介に呼び寄せられたようでその結果世界から魔王が消失した。
側にいた魂の管理者である魔物もあっさりと討伐された。
嫌な予感しかしない。急いで対抗手段を呼び寄せなければならない。
しかしそれができない。世界を管理する神々でも指折りの力を持つ自分の力が何故か他の世界に届かない。
その時、世界管理用の端末に世界神からの通達が届いた。
「『終末』ですってぇ!!」
それは最後通達。彼女の力が外に届かないのは世界神が逆結界を張り巡らせているのだろう。
そして、やってきた何かが終末を導く尖兵か。
冗談ではない。なぜ自分の世界がこんな目に遭わなければならないのか。
自分のした事を棚上げにして女神は怒り狂った。
そんな事は許さない。どんな手を使っても負けない。
ここに世界『ルドラサウム』の『終末の日』をかけた戦いが幕を開けた。
この世界ルドラサウムには2柱の女神がいる。
破壊の女神サウムと創造の女神ルドラだ。言うまでもなく同一の存在であるがこの世界の者は誰もその真実を知らない。
かつてこの世界は女神が管理を怠った結果、終末を間近にしていた。
人類の敵役を担う筈の魔物達は統率力の無さから人類に淘汰され絶滅寸前だ。
魔物の脅威が無くなった人類は人類同士で争いを始め、世界は退廃していた。
困った女神は魔物達の王となるものを異世界から呼び寄せた。
本来は様々な協定を結ばなければならないが自分の世界にはそんな猶予が無かったので独断で行った。
思慮は浅いが女神ルドラはそれほどの力は持っていたのだ。
当然問題となった。しかしルドラサウムの状況と転移元の世界の影響は小さいものであったことからそれは不問となった。
魔物達の勢いが戻った事で世界は安定へと向かった。終末は免れたのだ。
人類は魔物の脅威に表面上は争いを辞めて手を取り合った。
しかし今度は魔物が強くなりすぎた。呼び寄せた魔王が強すぎたのだ。
このままでは今度は人類が滅びてしまう。ならば魔王への対抗策を取ろう。
女神は再び異世界から人類の救世主となるものを呼び寄せた。
今回は協定を結んでおこなったので問題にはならなかった。
しかしそうしてやってきた救世主『勇者』はイマイチだった。
最低限の仕事はこなし、魔王の封印はできたものの根本的な解決に導けていない。
しかもその封印で力を使い果たしたのかその場で共倒れだ。
これでは時が経ち魔王が復活したらまた元の木阿弥となる。
本来ならそれを導くのが女神の仕事であるが傲慢な女神はそんなことをするつもりなどなくただ無様に倒れた勇者を詰った。
やはり協定などを結んで妥協したものではダメだ。連れてくるなら自分の納得がいくものでなければいけない。
しかし強すぎればまたバランスが崩れる。やりすぎれば他の世界の神々に目をつけられる。
狡賢く絶妙な匙加減で女神は他の世界の人類を攫い続けた。
その結果が今である。預かり知らぬ何かがこの世界の魔王の居城に降り立った。
それは初代魔王の魂を媒介に呼び寄せられたようでその結果世界から魔王が消失した。
側にいた魂の管理者である魔物もあっさりと討伐された。
嫌な予感しかしない。急いで対抗手段を呼び寄せなければならない。
しかしそれができない。世界を管理する神々でも指折りの力を持つ自分の力が何故か他の世界に届かない。
その時、世界管理用の端末に世界神からの通達が届いた。
「『終末』ですってぇ!!」
それは最後通達。彼女の力が外に届かないのは世界神が逆結界を張り巡らせているのだろう。
そして、やってきた何かが終末を導く尖兵か。
冗談ではない。なぜ自分の世界がこんな目に遭わなければならないのか。
自分のした事を棚上げにして女神は怒り狂った。
そんな事は許さない。どんな手を使っても負けない。
ここに世界『ルドラサウム』の『終末の日』をかけた戦いが幕を開けた。
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