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 説明の内容はこの恒星を発見した時からである。

 銀河観測の為にやって来た現宙域のボイド。
 宇宙に点在する何も無い空間のことである。
 ダイソン球と呼ばれる、恒星を覆う巨大な人工構造物を発見できたのは偶然と言うよりは、光学観測が目的であったが故に必然であったかも知れない。
 そのような構造物を作る目的は恒星からのエネルギーを余すことなく使用し、球体内で循環させることである。
 当然、作った種族は超越した科学力と技術力を持ち、強大な力を保持していると思われる。


 接触を試みた所、こちらの言語を理解しハッチまで誘導して快く受け入れてくれた。
 しかし、中に入ると世界は時代遅れのファンタジー世界であり、通信をした誰かとも連絡は取れなくなった。
 仕方なくせっかく来たのだからと散策をすることにした。
 その時に仕入れた情報のダンジョンが実に気になってしまった。
 現在、散策が進んでいるダンジョンの最下層は30階層以上あるらしく、どう考えても外殻を突き抜ける深さなのだ。

 『つまりね、ここはもう宇宙空間の筈なんだよねぇ……』

 『それは本当なのか?』

 『うん。空も変だと思わなかった? 夜にならないし、一部でノイズも発生してるんだけど』

 『ホログラムか何か…… か?』

 『多分、そんなとこでしょ。微妙に壊れてるっぽいかも、暑さも異常だし』

 『にわかには信じられないけど…… 僕も転生した身としては何があっても不思議ではないしな。女神にも会ったし』

 『女神…… に?』

 『うん。なら今度は僕が話そう……』

 と、ジュル助はこれまでの経緯いきさつを教えてくれた。

 事故により意識を失い、気がつけば眩い光の世界で女神に出逢った。
 彼女が言うには転生をして、違う世界で新しい人生を送らせてくれるとのことであった。
 その時に何か希望は無いかと訊ねられ、即答でスライムにしてくれと頼んだ。
 しかし、ただのスライムでは味気無いであろうとのことからダンジョンマスターとして転生させてくれたのだ。

 『スライムこそ最強で最高のモンスターだからな。僕は本当に嬉しかったよ』

 『は? 最強のモンスターは触手怪人だよ何言ってんの……』

 『おいおい、冗談はよしてくれよな。このゼリー状の身体は体内に侵入し性的感度を増幅させる効果があるんだ。そんじゃそこらのモンスターとは別次元の強さなんだ』

 『あーはいはい。その程度なら触手にもできるもんねー。こちとら最大で3千倍の感度に上げれるんだよなー。スライム程度に負ける分けないって』

 『いやいや、所詮は固形物だろ。僕の液状化した身体で貼り付くように絡む攻撃は最高のエクスタシーを与えるんだ。締め付けるだけの触手とは大違いさ』

 『はあ!? 触手のネットリした絡みを理解できないとはねぇ。三流モンスターもいいとこだよ』

 『なんだと! 誰が三流だ!』

 二匹のモンスターは激しく下らないことでいがみ合い始めてしまった。
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