4 / 21
04ページ目
しおりを挟む
説明の内容はこの恒星を発見した時からである。
銀河観測の為にやって来た現宙域のボイド。
宇宙に点在する何も無い空間のことである。
ダイソン球と呼ばれる、恒星を覆う巨大な人工構造物を発見できたのは偶然と言うよりは、光学観測が目的であったが故に必然であったかも知れない。
そのような構造物を作る目的は恒星からのエネルギーを余すことなく使用し、球体内で循環させることである。
当然、作った種族は超越した科学力と技術力を持ち、強大な力を保持していると思われる。
接触を試みた所、こちらの言語を理解しハッチまで誘導して快く受け入れてくれた。
しかし、中に入ると世界は時代遅れのファンタジー世界であり、通信をした誰かとも連絡は取れなくなった。
仕方なくせっかく来たのだからと散策をすることにした。
その時に仕入れた情報のダンジョンが実に気になってしまった。
現在、散策が進んでいるダンジョンの最下層は30階層以上あるらしく、どう考えても外殻を突き抜ける深さなのだ。
『つまりね、ここはもう宇宙空間の筈なんだよねぇ……』
『それは本当なのか?』
『うん。空も変だと思わなかった? 夜にならないし、一部でノイズも発生してるんだけど』
『ホログラムか何か…… か?』
『多分、そんなとこでしょ。微妙に壊れてるっぽいかも、暑さも異常だし』
『にわかには信じられないけど…… 僕も転生した身としては何があっても不思議ではないしな。女神にも会ったし』
『女神…… に?』
『うん。なら今度は僕が話そう……』
と、ジュル助はこれまでの経緯を教えてくれた。
事故により意識を失い、気がつけば眩い光の世界で女神に出逢った。
彼女が言うには転生をして、違う世界で新しい人生を送らせてくれるとのことであった。
その時に何か希望は無いかと訊ねられ、即答でスライムにしてくれと頼んだ。
しかし、ただのスライムでは味気無いであろうとのことからダンジョンマスターとして転生させてくれたのだ。
『スライムこそ最強で最高のモンスターだからな。僕は本当に嬉しかったよ』
『は? 最強のモンスターは触手怪人だよ何言ってんの……』
『おいおい、冗談はよしてくれよな。このゼリー状の身体は体内に侵入し性的感度を増幅させる効果があるんだ。そんじゃそこらのモンスターとは別次元の強さなんだ』
『あーはいはい。その程度なら触手にもできるもんねー。こちとら最大で3千倍の感度に上げれるんだよなー。スライム程度に負ける分けないって』
『いやいや、所詮は固形物だろ。僕の液状化した身体で貼り付くように絡む攻撃は最高のエクスタシーを与えるんだ。締め付けるだけの触手とは大違いさ』
『はあ!? 触手のネットリした絡みを理解できないとはねぇ。三流モンスターもいいとこだよ』
『なんだと! 誰が三流だ!』
二匹のモンスターは激しく下らないことでいがみ合い始めてしまった。
銀河観測の為にやって来た現宙域のボイド。
宇宙に点在する何も無い空間のことである。
ダイソン球と呼ばれる、恒星を覆う巨大な人工構造物を発見できたのは偶然と言うよりは、光学観測が目的であったが故に必然であったかも知れない。
そのような構造物を作る目的は恒星からのエネルギーを余すことなく使用し、球体内で循環させることである。
当然、作った種族は超越した科学力と技術力を持ち、強大な力を保持していると思われる。
接触を試みた所、こちらの言語を理解しハッチまで誘導して快く受け入れてくれた。
しかし、中に入ると世界は時代遅れのファンタジー世界であり、通信をした誰かとも連絡は取れなくなった。
仕方なくせっかく来たのだからと散策をすることにした。
その時に仕入れた情報のダンジョンが実に気になってしまった。
現在、散策が進んでいるダンジョンの最下層は30階層以上あるらしく、どう考えても外殻を突き抜ける深さなのだ。
『つまりね、ここはもう宇宙空間の筈なんだよねぇ……』
『それは本当なのか?』
『うん。空も変だと思わなかった? 夜にならないし、一部でノイズも発生してるんだけど』
『ホログラムか何か…… か?』
『多分、そんなとこでしょ。微妙に壊れてるっぽいかも、暑さも異常だし』
『にわかには信じられないけど…… 僕も転生した身としては何があっても不思議ではないしな。女神にも会ったし』
『女神…… に?』
『うん。なら今度は僕が話そう……』
と、ジュル助はこれまでの経緯を教えてくれた。
事故により意識を失い、気がつけば眩い光の世界で女神に出逢った。
彼女が言うには転生をして、違う世界で新しい人生を送らせてくれるとのことであった。
その時に何か希望は無いかと訊ねられ、即答でスライムにしてくれと頼んだ。
しかし、ただのスライムでは味気無いであろうとのことからダンジョンマスターとして転生させてくれたのだ。
『スライムこそ最強で最高のモンスターだからな。僕は本当に嬉しかったよ』
『は? 最強のモンスターは触手怪人だよ何言ってんの……』
『おいおい、冗談はよしてくれよな。このゼリー状の身体は体内に侵入し性的感度を増幅させる効果があるんだ。そんじゃそこらのモンスターとは別次元の強さなんだ』
『あーはいはい。その程度なら触手にもできるもんねー。こちとら最大で3千倍の感度に上げれるんだよなー。スライム程度に負ける分けないって』
『いやいや、所詮は固形物だろ。僕の液状化した身体で貼り付くように絡む攻撃は最高のエクスタシーを与えるんだ。締め付けるだけの触手とは大違いさ』
『はあ!? 触手のネットリした絡みを理解できないとはねぇ。三流モンスターもいいとこだよ』
『なんだと! 誰が三流だ!』
二匹のモンスターは激しく下らないことでいがみ合い始めてしまった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
触手ネタ(エロのみなついったネタ)
月
恋愛
深夜テンションなエロリハビリ的な何か。
なんとなく触手物を読んだ結果触手物が書きたくなっただけとも言う。
いつもの如くストーリーはほぼ皆無なエロのみである。
こちらも気が向いたのでムーンライトより転載。
わたしは不要だと、仰いましたね
ごろごろみかん。
恋愛
十七年、全てを擲って国民のため、国のために尽くしてきた。何ができるか、何が出来ないか。出来ないものを実現させるためにはどうすればいいのか。
試行錯誤しながらも政治に生きた彼女に突きつけられたのは「王太子妃に相応しくない」という婚約破棄の宣言だった。わたしに足りないものは何だったのだろう?
国のために全てを差し出した彼女に残されたものは何も無い。それなら、生きている意味も──
生きるよすがを失った彼女に声をかけたのは、悪名高い公爵子息。
「きみ、このままでいいの?このまま捨てられて終わりなんて、悔しくない?」
もちろん悔しい。
だけどそれ以上に、裏切られたショックの方が大きい。愛がなくても、信頼はあると思っていた。
「きみに足りないものを教えてあげようか」
男は笑った。
☆
国を変えたい、という気持ちは変わらない。
王太子妃の椅子が使えないのであれば、実力行使するしか──ありませんよね。
*以前掲載していたもののリメイク
亡き妻を求める皇帝は耳の聞こえない少女を妻にして偽りの愛を誓う
永江寧々
恋愛
二年前に婚約したばかりの幼馴染から突然、婚約破棄を受けたイベリス。
愛しすぎたが故の婚約破棄。なんとか笑顔でありがとうと告げ、別れを終えた二日後、イベリスは求婚される。相手は自国の貴族でも隣国の王子でもなく、隣の大陸に存在する大帝国テロスを統べる若き皇帝ファーディナンド・キルヒシュ。
婚約破棄の現場を見ており、幼馴染に見せた笑顔に一目惚れしたと突然家を訪ねてきた皇帝の求婚に戸惑いながらもイベリスは彼と結婚することにした。耳が聞こえない障害を理解した上での求婚だったからイベリスも両親も安心していた。
伯爵令嬢である自分が帝国に嫁ぐというのは不安もあったが、彼との明るい未来を想像していた。しかし、結婚してから事態は更に一変する。城の至る所に飾られたイベリスそっくりの女性の肖像画や写真に不気味さを感じ、服や装飾品など全て前皇妃の物を着用させられる。
自分という人間がまるで他人になるよう矯正されている感覚を覚える日々。優しさと甘さを注いでくれるはずだったファーディナンドへの不信感を抱えていたある日、イベリスは知ることになる。ファーディナンドが亡き妻の魂を降ろそうとしていること。瓜二つの自分がその器として求婚されたことを。
知られていないと思っている皇帝と、彼の計画を知りながらも妻でいることを決めた少女の行く末は──……
※中盤辺りまで胸糞展開ございますので、苦手な方はご注意ください。
婚約者の誕生日パーティーに出席していたら、前世でわたしの夫だったという人が現れました
柚木ゆず
恋愛
それは、わたしことエリーズの婚約者であるサンフォエル伯爵家の嫡男・ディミトリ様のお誕生日をお祝いするパーティーで起きました。
ディミトリ様と二人でいたら突然『自分はエリーズ様と前世で夫婦だった』と主張する方が現れて、驚いていると更に『婚約を解消して自分と結婚をして欲しい』と言い出したのです。
信じられないことを次々と仰ったのは、ダツレットス子爵家の嫡男アンリ様。
この方は何かの理由があって、夫婦だったと嘘をついているのでしょうか……? それともアンリ様とわたしは、本当に夫婦だったのでしょうか……?
新たな婚約者は釣った魚に餌を与え過ぎて窒息死させてくるタイプでした
蓮
恋愛
猛吹雪による災害により、領地が大打撃を受けたせいで傾いているローゼン伯爵家。その長女であるヘレーナは、ローゼン伯爵家及び領地の復興を援助してもらう為に新興貴族であるヴェーデル子爵家のスヴァンテと婚約していた。しかし、スヴァンテはヘレーナを邪険に扱い、彼女の前で堂々と浮気をしている。ローゼン伯爵家は援助してもらう立場なので強く出ることが出来ないのだ。
そんなある日、ヴェーデル子爵家が破産して爵位を返上しなければならない事態が発生した。当然ヘレーナとスヴァンテの婚約も白紙になる。ヘレーナは傾いたローゼン伯爵家がどうなるのか不安になった。しかしヘレーナに新たな縁談が舞い込む。相手は国一番の資産家と言われるアーレンシュトルプ侯爵家の長男のエリオット。彼はヴェーデル子爵家よりも遥かに良い条件を提示し、ヘレーナとの婚約を望んでいるのだ。
ヘレーナはまず、エリオットに会ってみることにした。
エリオットは以前夜会でヘレーナに一目惚れをしていたのである。
エリオットを信じ、婚約したヘレーナ。それ以降、エリオットから溺愛される日が始まるのだが、その溺愛は過剰であった。
果たしてヘレーナはエリオットからの重い溺愛を受け止めることが出来るのか?
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
片思い中の幼馴染とR18ダンジョンに行くことになってしまった
白玉しらす
恋愛
初恋を拗らせた童貞の俺は、パーティーを組んでいる幼馴染のセラからR18ダンジョン攻略を持ちかけられる。
ダンジョンが当たり前にあるこの世界でも、極めて異質な存在であるR18ダンジョンに、男女で挑んでナニも無く帰ってこれる訳が無い。
片思い中の相手から、そんな場所に誘われた俺の心中を察して欲しい。
ゲーム的世界の中で繰り広げられる、エロいだけの話です。
ヒロインがガッツリスライムに犯されているのでご注意下さい。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
【ロベリア】の聖女
ごろごろみかん。
恋愛
本物の聖女が、偽りの聖女にその肩書きを乗っ取られ、さらに冤罪をかけられて死罪となった。
聖女の失せた国は、やがて滅びることだろう。
牢獄の中で、処刑の日を待つ【偽りの聖女】ことエベリウムの前に男が現れ、言った。
「もうこの国など、見捨ててしまえばよろしいのです」
それは、彼女の護衛騎士、ファルアランだった。
だけど、エベリウムにはその言葉に頷けない理由があった。
*冤罪をかけて処刑されそうな聖女×愛を知らない生い立ちゆえにヒロインに誤解され、「それは愛ではないわ」と断言されてしまうヤンデレ護衛騎士ヒーローのお話。
*最初から歪んでいたものが徐々に【正しい】形になるにつれ、後悔するお話でもあります。
退魔の少女達
コロンド
ファンタジー
※R-18注意
退魔師としての力を持つサクラは、淫魔と呼ばれる女性を犯すことだけを目的に行動する化け物と戦う毎日を送っていた。
しかし退魔の力を以てしても、強力な淫魔の前では敵わない。
サクラは敗北するたびに、淫魔の手により時に激しく、時に優しくその体をされるがままに陵辱される。
それでもサクラは何度敗北しようとも、世の平和のために戦い続ける。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
所謂敗北ヒロインものです。
女性の淫魔にやられるシーン多めです。
ストーリーパートとエロパートの比率は1:3くらいでエロ多めです。
(もともとノクターンノベルズであげてたものをこちらでもあげることにしました)
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
Fantiaでは1話先の話を先行公開したり、限定エピソードの投稿などしてます。
よかったらどーぞ。
https://fantia.jp/fanclubs/30630
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる