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第4話 恐怖のウツボカズラ淫人現る

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 ―― 数日後

 ここ何日かで淫人発生警報が二度ほど鳴った。
 だけど、一ヶ所は遠かったし、もう一ヶ所は、ソシャゲのイベントを回すのに忙しかったので、鈴雲りりたんは出撃しなかった。
 そもそも、淫人を退治しに行ったところで、鈴雲りりたんには何の特も無いのだ。

 だから今日も夕方に起きて、カップラーメンにお湯を注ぎ終わった時であった……
 蓋の上に置いたスマホが、マナーモードにしていたのでブルブル震えだす。

 「おとととっ、急にプルプルしないで下さい。って、また淫人警報ですか…… あ゛っ! あぢぢぢっぢぃぃぃ!」

 スマホを取ろうとしてカップラーメンを倒してしまった。

 「ああ…… 私の朝ごはん…… いえ、夕飯と言うべきでしょうか…… とにかく、私の食事の邪魔をして許せません! こうなったら懲らしめてやります!」

 久々にやる気を出した鈴雲りりたんは、スマホを手にして変身する。
 着ている汚らしい部屋着が消え、綺麗なコスチュームを纏うと、魔闘少女プディカベリーと変身した。

 「おお。久し振り着替えると、気持ちがいいものですね。では、さっそく。えっと、場所は…… ああ、また池田公園ですか。あそこは、いかがわしいお店が多いので仕方ありませんね」

 二階の窓から、久し振りに外出する鈴雲…… ではなく、プディカベリー。
 跳躍すると屋根や屋上を伝って現場へ急行するのであった。

 ……………
 ………
 …

 ―― 夜の公園

 「くそっ! やめろっ! 離せっ! お前のせいで! お前のせいで、みゆきはっ!」

 「ゲヒヒヒ、みゆきだぁ? どれだそいつは?」

 「三日前にお前が連れ去った女性だ!」

 「ああ、あいつか…… 一日しか、もたなかった女かぁ。すぐに壊れちまってつまんなかったな。ゲヒヒヒ」

 「ふざけるなっ!」

 「心配するな、お前もすぐに同じ目に合わせてやるからよぉ」

 「ちきしょー! それ以上近づくな! いやぁぁぁぁぁっ!」

 威勢のいいキャバ嬢と頭がウツボカズラの淫人が争っている。
 争うといっても、淫人が一方的に責めようとしているのだが……

 と、そこへプディカベリーが到着した。

 「そこまでです!」

 前回と同じ公衆トイレの上に立って叫ぶと、キャバ嬢とウツボカズラ淫人が振り向く。

 「あっ、プディカベリー!」

 「ああん? お前か…… プディカベリーとかいうふざけたコスプレ女はぁ」

 「コスプレではありません! それより、その人を離しなさい!」

 と、プディカベリーは公衆トイレから飛び降り、ウツボカズラ淫人の前に立った。

 「ゲヒヒヒ、お前の方が犯し犯し甲斐がありそうだなぁ。いいだろう、その生意気な口を黙らせてヒーヒー言わせてやるぅ」

 「まったく気持ち悪い淫人ですね。と言うか…… あなた動物や虫でもなくて植物ですよ…… 脳みそは入っているのですか?」

 「生意気な小娘だなぁ。すぐに気持ち良くしてやるぅ! 覚悟しなぁ」

 「ザコ淫人が私に勝てるとでも思っているのですか? ふぅ……」

 「後で吠え面かくんじゃねーぞ!」

 ウツボカズラ淫人の通常攻撃。
 パンチを連続で繰り出して襲ってくる。

 「見切ってますよ」

 プディカベリーは簡単に避けると、カウンターで顎を…… 捕虫袋の下の方を殴った。

 「うごっ!」

 敵は怯んだ。
 続けてハイキックをお見舞いする!
 グシャっと顔面が…… 捕虫袋が凹んで中の液体が少し漏れた。

 「ぎゃぁ!」

 「ふふっ、ザコすぎですねぇ。まだまだ、行きますよ!」

 「くそっ! てめぇ……」

 「とりゃぁぁぁっ!」

 気合を入れた拳が炸裂する!
 ズボッと捕虫袋を貫通し風穴を開けた!

 と、思ったが…… 腕が抜けない。

 「あ、ちょっと。なんですかこれはっ……?」

 「ゲヒヒヒッ。引っ掛かったなプディカベリーっ!」

 「くっ、このぉ……」

 「捕まえたぞぉ。いくら動きが速くても、こうなりゃこっちのもんだぜぇ」

 なんとウツボカズラ淫人は、攻撃を受ける直前にお辞儀をしていたのだ!
 大打撃を与えたと思ったが、実は頭の上側…… つまり捕虫袋の入口に腕を突っ込んでいた。

 「ぬ、抜けません…… それならこれでっ」

 まだ自由の効く反対の拳で殴ろうとした時だった。
 グチャと鈍い音がすると、痛みが込み上げてくる。

 「ぎはぁぁぁぁぁっ!?」

 先にウツボカズラ淫人の蹴りが、股間にヒットしていた!
 クリトリスが潰れそうな感覚にプディカベリーは悶え苦しむ。

 「あ、あ、あ、お゛お゛お゛ぅぎぃぃぃ…… あ、あそこがぁ…… 壊れりゅぅぅぅ……」

 「ゲヒヒヒッッッ! いい面じゃないかぁ。お次は、こいつだぜぇ!」

 そう言うと、ウツボカズラ淫人は腕を離したかと思えば、捕虫袋から大量の液体を噴き出させプディカベリーにぶっ掛けた!
 透明な液体はネットリと全身に粘り付き、徐々にコスチュームを溶かし始める。

 「きゃぁぁぁ!? なにこの気持ち悪い液体は? うう、ベトベトして取れないです」

 「どうだ俺の消化液はぁ。そいつは服だけ溶かすんだぜぇ。ヒーッヒッヒッィ」

 「え? ああ!? 溶けてる! な、なんてエッチな汁ですか!」

 胸元がはだけかけたので、慌てて腕で隠すと、胸に何とも言えない刺激を感じる。
 まるで性器のように敏感で、誰かに揉まれているかの様に気持ちがいい。

 「ああんっ、な、なに……?」

 パラメーターを表示すると淫度が急上昇していた。
 しかも、シールドは50%をきっており、今もどんどん下がっている。

 (コスチュームが溶けてマジカルシールドが無くなりそうです。淫度は90%ですか。これも消化液のせいみたいですね。これなら少ししのいでから超必殺技で…… )

 手痛いダメージは受けたが、腕が外れたことで攻撃のチャンスだ。
 敵の液体が付着し、時間が経てば不利になる一方的であると判断したプディカベリーは、反撃を試みようとする。

 「私を離したのは失敗ですね! 魔導けっ? んっ?」

 必殺技を撃とうとしたが、脚が動かない。
 見ると植物のつるが絡み動きを封じていた。

 「ぎゃはははーっ。そう簡単に離すとでも思ったか! 徹底的に嬲ってやるぜぇ。楽しみにしとくんだなぁ」

 「この程度でっ…… あっ!?」

 プディカベリーは振り解こうとしたが、別のつるが両腕と一緒に上半身にも絡み、完全に身動きがとれなくなってしまった。
 しかも、ギリギリと締め上げる。
 骨が軋み呼吸もままならないうえに、淫度の上昇によって感じてしまう。

 「あぐっ……… あああっ…… ぎひぃぃぃぃぃっ!!」

 苦しみの中で身体がビクビクと反応している。
 溢れ出る愛液によってグッショリと濡れたショーツは、半分溶けたスカートのせいでチラチラと見えている。
 おっぱいも丸出しで、ピンと勃ったピンクの乳首が切なそうに硬くなっていた。

 (苦しいのに、気持ち良すぎます。このままではイッてしまいますね。淫度はもう100%ですか。どうにか脱出して、超必殺技を撃ってやりましょう。とにかく隙を伺って……)

 媚薬効果と締め付け攻撃によって淫度がマックスを超えたせいで、全身が性感帯となってしまった。
 肌に食い込むつるが快楽を与え続ける。
 今にもイッてしまいそうだが、歯を食いしばって耐えるしかない。

 「あぎぎぎぎぎぃひぃぃぃ…… この…… 程度でイッては…… あ゛あ゛あ゛、今は耐えてぇぇぇ…… ら゛めぇ…… んひぃ!」

 寸前で持ちこたえるプディカベリーだが、ウツボカズラ淫人の責めは始まったばかりだ。
 身体を縛る蔓が枝分かれして伸びると、勃起乳首を結ぶように巻き付く。
 そのままねじり上げ、力任せに引っ張った!

 「ヒギャァァァァァッ!! らめぇぇぇ! 乳首はぁ゛ぁ゛ぁ゛っ…… きちゃうぅぅぅぅぅ…… うぎぃぃぃ、ひぐぅぅぅッッッ!!」

 身体をビクンと跳ねさせ、マンコから潮を吹いた。
 心では耐えているが、強烈な刺激は身体を強制的に反応させている。
 絶頂すればパワーダウンし、絶望的な状況になるであろう。

 「う゛う゛う゛ぁ゛っ…… うぁぎひぃやぁぁぁぁぁッッッ!!」

 自由を奪われ、淫人の魔の手が忍び寄るプディカベリーは恐怖に駆られていた。
 溶けたコスチュームから白い柔肌が覗き、膨らみかけの胸が疼いている。
 股間からは絶え間なく愛液が溢れ出し、意思とは関係なく流れ出していた。

 プディカベリーは、まだイッてはいないと自分に言い聞かせながら、瞳に涙を浮かべるのであった。
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