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異世界編 2章
第89話 石人その5
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レオパルト2はゴーレムだったモノの近くで停車していた。
謎の茶色のグチョグチョしたモノが見るからに気持ち悪い。
辺りは負傷した冒険者や自警団の救護で忙しそうだ。
そこら中で聖魔道士によるヒールでの回復が行われている。
しかし、その救護を阻むのが、飛び散ったゴーレムのネバネバであった。
魔獣の特性が残っているのだろうか?
ネバネバが付いているとこにはヒールが効き辛いのだ。
動ける者は、ひたすらネバネバを取り除いていた。
そんな光景をタンククルーの皆は、車内から眺めていた。
「なーんか、イキナリ破裂しちゃったね……」
「だな」
「気持ち悪いわね、これ」
「です」
近寄って直ぐに、ドロドロしたゴーレムだったモノの上側が弾け飛んだ。
そのせいで、周囲に居た人々はネバネバを大量に被るハメになった。
破裂したのは、仕込まれたスクロールによるものであるが、四人は知る由もない。
「降りてみようぜ……」
「そうね」
正秀とマヨーラは降車し、為次とスイはハッチから頭を覗かせる。
と、そこへシムリが血相を変えて駆け寄って来た。
「あぅ…… た、タメツグさん…… お姉ちゃんが、お姉ちゃんが!」
「お、シムリは無事だったのか。ヨカッタ、ヨカッタ」
「ご無事で何よりなのです」
「それより、お姉ちゃんが大変なんです」
「シャルがどうかしたのか?」
正秀は訊いた。
「ゴーレムのお腹が破裂した時に、破片を浴びて…… 怪我を……」
それを聞いた四人は、シムリから目を逸らす。
そして、申し合わせたかの如く、黙って自分達のせいであることを隠すのだ。
「あぅ…… みん……(みんなどうしちゃったの?)」
「うわー、それはたいへんだー」
「えぇ……(どうして棒読みなのかな?)」
正秀の白々しいセリフで、しばし沈黙が流れる……
その沈黙を破ったのはスイであった。
何か喋った分けではないが……
スイは車内にもぐると、四角いミカンを1個持って再び頭を覗かせる。
すると、突然ライトブレード展開しミカンを切り始めた。
ショリ ショリ ショリ……
「できました、です」
角を削られ丸いミカンになっていた。
早速、装填手ハッチの手前から転がすスイ。
コロコロと転がるミカンは楔型装甲を伝い、車体前部に落ちると車体前方の傾斜装甲を転がりポトリとシムリの足元に落ちた。
「…………」
シムリは地面に落ちて砂の付いたミカンを、無言で拾い上げる。
「……です」
「うん……」
「……そうね」
「ひ、ひーるみかんだー、わーい、いいなー」
再び訪れる沈黙に正秀は、またしても棒読みで言った。
「そう…… だよね……」
「……ぐっ、シムリちゃん……」
「スイさん…… ありがとぅ」
「はぃ…… です」
シムリはミカンの砂を払いながら、姉の元へと歩いて行く。
その背中は心なしか、寂しそうであった……
そして、人混みの中へと姿が消えると、皆は顔を見合わせる。
「スイ! あんた何やってんのよ」
「うぅ…… シムリ様は怖いのです」
「まあ、その気持ちは分かるけど」
「でもまあ、バレなくて良かったよ」
「だな」
「あの娘、ちょっと何考えてるのか分からないし」
「だな。マヨーラ」
「「「「はははははっ」」」」
シャッ シャッ シャッ……
四人がホッとしているところへ、今度は空から風切り音が聞こえてくる。
「なんの音だ? 今度はなんなんだ!?」
正秀は、まだ何かあるのかとウンザリ気味だ。
「あら、アレは……」
皆が一様に夜空を見上げると、小型の飛行艇がこちらに向かって飛んで来る。
「アレって……」
為次には見覚えのある飛行艇であった。
「サダムネの飛行艇ね」
「隊長の……」
「どうかしたのか為次?」
「いや……」
その小型飛行艇は、戦闘空域で為次の見た大型の飛行艇に接舷していたものであった。
王宮飛行艇へと乗り込んだ、貞宗の乗船する飛行艇である。
レオパルト2の横へと降りてくる。
魔法で浮遊する比率が多いのだろう、ダウンウォッシュは少ない。
「よう、終わったみたいだな」
「皆さん、ご無事で何よりだわ」
着陸した飛行艇から貞宗とクリスが降りて来た。
「隊長、今までどこに?」
「すまねぇな水谷よ、ちょいと野暮用でな」
「高みの見物っスか?」
皮肉そうに為次は言った。
「ふっ、そんなとこか」
「……へぇ」
「なんだ、不満そうだな山崎、文句があるならハッキリ言っていいんだぞ?」
「……別に」
「そうか。ま、話は家に帰ってからだな」
そう言って、目線をゴーレムだったモノに移す貞宗。
「しかし、こいつには驚いたぞ」
「自分もまさか、こんな風になるとは思いも寄りませんでした」
「これ、どうなるのかしらね?」
「どうなるんだ? スイちゃんなら分かるのか?」
「スイにも分からないです」
「巨大なスライムみたいですね」
クリスは言った。
「隕石と融合してる感じだねぇ」
「だな、少し持って行くか? 為次」
「要らんよ」
そんなゴーレムっぽいモノの話題で盛り上がろうとしていたところだが……
マヨーラはクリスに近づいて話しかける。
「ところでクリスさん」
「何かしら? マヨーラさん」
「タメツグにバインドをかけてくれないかしら?」
「タメツグさんに?」
それを聞いた為次はギョッとする。
思い出した…… ゴーレムを倒すとパンツを取られることを……
慌てて車内にもぐりハッチを閉めようとするのだが。
「とうっ」
ガシッ!
スイは戦車から飛び降りると、為次の頭を掴んだ。
「ちょ、スイ……」
「スイちゃん……」
スイは黙ってニコニコと笑っている。
「よく分かりませんが、バインドぉ」
クリスが呪文を唱えると、為次は痺れて動けなくなった。
そのままスイに引き摺りだされる。
「うごごごごご…… な、何を……」
「スイちゃんと約束しただろ」
「お、俺は…… して…… な」
……………
………
…
結局、為次はパンツを剥ぎ取られてしまった。
おかげで下半身を丸出しで地べたに転がっている。
そんな為次に、武士の情けと貞宗はハンカチをゾウさんに被せておいた。
「うぉぉぉ! やりました! やったのです! ご褒美なのです!」
スイはパンツを月にかざし大歓喜だ。
「良かったなスイちゃん」
「はいです」
と、そこへシムリとシャルが戻って来た。
シャルの怪我は、ヒールミカンのおかげですっかり良くなっていた。
「タメツグさーん、お姉ちゃん治ったんだよ」
「また、君達の世話になってしまったな」
「お? 山崎の助けた娘達か?」
「はい、そうです」
と、正秀が答えた。
さっきは寂しそうにしていた、シムリも姉が元気になって今は笑っている。
だが、パンツを持って喜んでいるスイを見たとたんに表情が変わるのだ。
しかも、自分の王子様がズボンを脱がされて横たわっている。
「スイさん…… 何やってるのかな?」
「はわわわっわぁぁぁ!」
焦ったスイは、咄嗟に戦車へと逃げ込んだ。
「あぁっ! 待つんだよ、逃がさないよ!」
「なあシムリ」
「何? お姉ちゃん」
「スイ君より、タメツグ君を助けたる方が先ではないのか?」
「あ! そうなんだよ、タメツグさんどうしちゃったの?」
「バインドで痺れてるだけよ」
マヨーラは教えてあげた。
「ええ!? なんでなのかな!?」
「色々と大人の事情があるのよ……」
「そんなことよりお前ら、いい加減帰るぞ!」
「そうね帰りましょうか、皆さんもお腹が空いたでしょう? 夜食を作るわ」
「はい。ありがとうございます、クリスさん」
正秀は元気一杯に言った。
シャルも無事なのが分かったので、安心したから。
こうして、魔獣迎撃任務は無事に? 終了したのであった。
※ ※ ※ ※ ※
その後……
レオパルト2は姉妹も同乗させ、貞宗の操縦で車庫まで戻った。
為次が痺れているので代わりに操縦したのだ。
残された小型飛行艇は、クリスが街の中央付近にある駐機場まで操船して行った。
それと、後で分かったことなのだが、戦車砲よる砲撃で冒険者と自警団の死者は出なかったそうである。
ケガ人は複数でたものの、全員が無事に回復できた。
しかし、ゴーレムやゴブリンなどに喰い殺されたり、嬲り殺しにされた者も多い。
複数の死者に街の防壁も損傷し、建物にも一部被害が出た。
もっとも、建築物の損傷は砲弾によるものであるが……
そんな夜の出来事の終わりと同時に、王宮飛行艇は知らぬ間に飛び去っていた……
謎の茶色のグチョグチョしたモノが見るからに気持ち悪い。
辺りは負傷した冒険者や自警団の救護で忙しそうだ。
そこら中で聖魔道士によるヒールでの回復が行われている。
しかし、その救護を阻むのが、飛び散ったゴーレムのネバネバであった。
魔獣の特性が残っているのだろうか?
ネバネバが付いているとこにはヒールが効き辛いのだ。
動ける者は、ひたすらネバネバを取り除いていた。
そんな光景をタンククルーの皆は、車内から眺めていた。
「なーんか、イキナリ破裂しちゃったね……」
「だな」
「気持ち悪いわね、これ」
「です」
近寄って直ぐに、ドロドロしたゴーレムだったモノの上側が弾け飛んだ。
そのせいで、周囲に居た人々はネバネバを大量に被るハメになった。
破裂したのは、仕込まれたスクロールによるものであるが、四人は知る由もない。
「降りてみようぜ……」
「そうね」
正秀とマヨーラは降車し、為次とスイはハッチから頭を覗かせる。
と、そこへシムリが血相を変えて駆け寄って来た。
「あぅ…… た、タメツグさん…… お姉ちゃんが、お姉ちゃんが!」
「お、シムリは無事だったのか。ヨカッタ、ヨカッタ」
「ご無事で何よりなのです」
「それより、お姉ちゃんが大変なんです」
「シャルがどうかしたのか?」
正秀は訊いた。
「ゴーレムのお腹が破裂した時に、破片を浴びて…… 怪我を……」
それを聞いた四人は、シムリから目を逸らす。
そして、申し合わせたかの如く、黙って自分達のせいであることを隠すのだ。
「あぅ…… みん……(みんなどうしちゃったの?)」
「うわー、それはたいへんだー」
「えぇ……(どうして棒読みなのかな?)」
正秀の白々しいセリフで、しばし沈黙が流れる……
その沈黙を破ったのはスイであった。
何か喋った分けではないが……
スイは車内にもぐると、四角いミカンを1個持って再び頭を覗かせる。
すると、突然ライトブレード展開しミカンを切り始めた。
ショリ ショリ ショリ……
「できました、です」
角を削られ丸いミカンになっていた。
早速、装填手ハッチの手前から転がすスイ。
コロコロと転がるミカンは楔型装甲を伝い、車体前部に落ちると車体前方の傾斜装甲を転がりポトリとシムリの足元に落ちた。
「…………」
シムリは地面に落ちて砂の付いたミカンを、無言で拾い上げる。
「……です」
「うん……」
「……そうね」
「ひ、ひーるみかんだー、わーい、いいなー」
再び訪れる沈黙に正秀は、またしても棒読みで言った。
「そう…… だよね……」
「……ぐっ、シムリちゃん……」
「スイさん…… ありがとぅ」
「はぃ…… です」
シムリはミカンの砂を払いながら、姉の元へと歩いて行く。
その背中は心なしか、寂しそうであった……
そして、人混みの中へと姿が消えると、皆は顔を見合わせる。
「スイ! あんた何やってんのよ」
「うぅ…… シムリ様は怖いのです」
「まあ、その気持ちは分かるけど」
「でもまあ、バレなくて良かったよ」
「だな」
「あの娘、ちょっと何考えてるのか分からないし」
「だな。マヨーラ」
「「「「はははははっ」」」」
シャッ シャッ シャッ……
四人がホッとしているところへ、今度は空から風切り音が聞こえてくる。
「なんの音だ? 今度はなんなんだ!?」
正秀は、まだ何かあるのかとウンザリ気味だ。
「あら、アレは……」
皆が一様に夜空を見上げると、小型の飛行艇がこちらに向かって飛んで来る。
「アレって……」
為次には見覚えのある飛行艇であった。
「サダムネの飛行艇ね」
「隊長の……」
「どうかしたのか為次?」
「いや……」
その小型飛行艇は、戦闘空域で為次の見た大型の飛行艇に接舷していたものであった。
王宮飛行艇へと乗り込んだ、貞宗の乗船する飛行艇である。
レオパルト2の横へと降りてくる。
魔法で浮遊する比率が多いのだろう、ダウンウォッシュは少ない。
「よう、終わったみたいだな」
「皆さん、ご無事で何よりだわ」
着陸した飛行艇から貞宗とクリスが降りて来た。
「隊長、今までどこに?」
「すまねぇな水谷よ、ちょいと野暮用でな」
「高みの見物っスか?」
皮肉そうに為次は言った。
「ふっ、そんなとこか」
「……へぇ」
「なんだ、不満そうだな山崎、文句があるならハッキリ言っていいんだぞ?」
「……別に」
「そうか。ま、話は家に帰ってからだな」
そう言って、目線をゴーレムだったモノに移す貞宗。
「しかし、こいつには驚いたぞ」
「自分もまさか、こんな風になるとは思いも寄りませんでした」
「これ、どうなるのかしらね?」
「どうなるんだ? スイちゃんなら分かるのか?」
「スイにも分からないです」
「巨大なスライムみたいですね」
クリスは言った。
「隕石と融合してる感じだねぇ」
「だな、少し持って行くか? 為次」
「要らんよ」
そんなゴーレムっぽいモノの話題で盛り上がろうとしていたところだが……
マヨーラはクリスに近づいて話しかける。
「ところでクリスさん」
「何かしら? マヨーラさん」
「タメツグにバインドをかけてくれないかしら?」
「タメツグさんに?」
それを聞いた為次はギョッとする。
思い出した…… ゴーレムを倒すとパンツを取られることを……
慌てて車内にもぐりハッチを閉めようとするのだが。
「とうっ」
ガシッ!
スイは戦車から飛び降りると、為次の頭を掴んだ。
「ちょ、スイ……」
「スイちゃん……」
スイは黙ってニコニコと笑っている。
「よく分かりませんが、バインドぉ」
クリスが呪文を唱えると、為次は痺れて動けなくなった。
そのままスイに引き摺りだされる。
「うごごごごご…… な、何を……」
「スイちゃんと約束しただろ」
「お、俺は…… して…… な」
……………
………
…
結局、為次はパンツを剥ぎ取られてしまった。
おかげで下半身を丸出しで地べたに転がっている。
そんな為次に、武士の情けと貞宗はハンカチをゾウさんに被せておいた。
「うぉぉぉ! やりました! やったのです! ご褒美なのです!」
スイはパンツを月にかざし大歓喜だ。
「良かったなスイちゃん」
「はいです」
と、そこへシムリとシャルが戻って来た。
シャルの怪我は、ヒールミカンのおかげですっかり良くなっていた。
「タメツグさーん、お姉ちゃん治ったんだよ」
「また、君達の世話になってしまったな」
「お? 山崎の助けた娘達か?」
「はい、そうです」
と、正秀が答えた。
さっきは寂しそうにしていた、シムリも姉が元気になって今は笑っている。
だが、パンツを持って喜んでいるスイを見たとたんに表情が変わるのだ。
しかも、自分の王子様がズボンを脱がされて横たわっている。
「スイさん…… 何やってるのかな?」
「はわわわっわぁぁぁ!」
焦ったスイは、咄嗟に戦車へと逃げ込んだ。
「あぁっ! 待つんだよ、逃がさないよ!」
「なあシムリ」
「何? お姉ちゃん」
「スイ君より、タメツグ君を助けたる方が先ではないのか?」
「あ! そうなんだよ、タメツグさんどうしちゃったの?」
「バインドで痺れてるだけよ」
マヨーラは教えてあげた。
「ええ!? なんでなのかな!?」
「色々と大人の事情があるのよ……」
「そんなことよりお前ら、いい加減帰るぞ!」
「そうね帰りましょうか、皆さんもお腹が空いたでしょう? 夜食を作るわ」
「はい。ありがとうございます、クリスさん」
正秀は元気一杯に言った。
シャルも無事なのが分かったので、安心したから。
こうして、魔獣迎撃任務は無事に? 終了したのであった。
※ ※ ※ ※ ※
その後……
レオパルト2は姉妹も同乗させ、貞宗の操縦で車庫まで戻った。
為次が痺れているので代わりに操縦したのだ。
残された小型飛行艇は、クリスが街の中央付近にある駐機場まで操船して行った。
それと、後で分かったことなのだが、戦車砲よる砲撃で冒険者と自警団の死者は出なかったそうである。
ケガ人は複数でたものの、全員が無事に回復できた。
しかし、ゴーレムやゴブリンなどに喰い殺されたり、嬲り殺しにされた者も多い。
複数の死者に街の防壁も損傷し、建物にも一部被害が出た。
もっとも、建築物の損傷は砲弾によるものであるが……
そんな夜の出来事の終わりと同時に、王宮飛行艇は知らぬ間に飛び去っていた……
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