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異世界編 1章

第30話 喧嘩

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 ガザフ邸からの帰り道、三人の口数は少なかった。
 スイはあるじに疑われているのを気にしているのか、結構いじけている。

 そして、何時もの屋台が並んでいる道を通り抜けると見えて来る。
 木の陰に駐車してあるレオパルト2が……

 「やっと着いたね」

 「為次じゃねーが、レオがあると安心するな」

 「うん。スイ、またレオに魔法かけてよー」

 「むぅー……」

 「スイちゃん……」

 「はぁい……」

 スネながらも魔法を戦車にかけてくれる。

 「エンチャントリバースグラビティむぅー」

 「もぉー、いつまで怒ってるの…… スイ」

 「別に怒っていませんです。むー」

 「はぁ…… とりあえず乗ってよ」

 「はぁい……」

 スイは言われたように戦車に乗り込もうとするのだが、正秀は搭乗しようとはせず腕を組んで砲塔の上を見ていた。

 「ちょっと待ってくれ」

 正秀はそう言いうと砲塔に飛び乗った。

 車長席には入ろうとせず、置いてあった大剣を手にする。
 そして、片手で持ち上げ軽々と振り回して見せるのだ。
 
 「おお、すげーぜ」

 大剣を持って砲塔からジャンプすると、近くにあった木に回転しながら斬りかかる。
 そのまま、高さ10メートルはあろう木の上から下へと大剣を振り下ろした。
 
 「うぉりゃぁぁぁ!」

 ズバババッ!

 何と! 木は縦真っ二つに斬れてしまった!
 ちなみに、斬った木は戦車を駐車している木とは別のだ。
 それを見ていた為次は唖然としている。

 「マジかよ…… バケモンだは」

 やっちゃった本人すらも、驚いている様子だ。

 「す、すげぇ…… ぜ。これなら敵なしだぜ、多分」

 「おおう、怪物退治はマサに期待せざるを得ない」

 「おう! 任せときな、へへっ」

 「スイもお役に立ちますよ。むぅー」

 「あ、う、うん、もちろんスイにも期待してるよ」

 「ほんとですかぁ?」

 「ほ、ほんとだってば……」

 「……むぅ」

 「…………」

 黙る為次を見ながら正秀は言う。

 「そんじゃ、帰るとするか」

 「うい」
 「はぁい」

 正秀はとりあえず大剣を砲塔後部に置いて車内へ。
 三人が搭乗すると、為次は軽くなった戦車を動かし始める。
 レオパルト2は相変わらず快調であるが、三人はちょっと微妙な雰囲気だ。
 もっとも、正秀は大剣の威力にご満悦なのか、嬉しそうではある。
 だが、やっぱりガザフ邸での為次の行動に不満が残るのだ……

 「なあ、為次」

 「んー、何ぃ?」

 「なんでイキナリ撃ったんだよ? いくらなんでも非常識だろ」

 先程のガザフ邸での出来事を思い出しながら正秀は尋ねる。

 「はぁ……」

 「なんだよ、はぁっ、て」

 「別にぃ」

 「……なぁ」

 「非常識な世界だから、非常識な撃ち方をしただけ。そんだけ」

 「そうかい。ま、この手記もあるし帰ってからにするか」

 「うん……」

 そして、レオパルト2はエンジン音を鳴り響かせながら、三人を乗せて借家へと向かうのであった……

 ※  ※  ※  ※  ※

 借家に着くと、皆はお腹が空いているので遅い昼食を取ることになった。
 ガザフ邸での食事は血まみれになったので食べていない。
 スイはまだ、ご機嫌斜めではあるが食事の準備をしてくれたのだ。
 三人はソファーに座ると、テーブルの上に置かれた大剣を食卓にして食べ始める。
 スイは為次の被っている洗面器を狙っている様子だが、また、怒られると思い渋々お皿で食べるのであった。

 「腹減ってるから、余計に美味いなスイちゃんの飯は」

 「そうね」

 「えへへ、ありがとうございますぅ」

 スイは二人に褒められて嬉しそうだが、心なしか寂しそうでもあった。

 「じゃ、早速さっそくだけどなんか弁解はあるのか? 為次」

 「は? 弁解って……」

 「ガザフのとこでだよ。やり過ぎだろ……」

 「また、その話…… もー、めんどくさいなぁ」

 「めんどくさいって、こたぁねーだろ」

 「はぁ、簡単なことだよ、一発撃ってみれば敵かどうか直ぐ分かるでしょ。実際、その後はガザフも大人しく話たわけだし」

 「いや、そう言う問題じゃないだろ。イキナリ人の腕を千切るヤツが居るか? それに、スイちゃんを試すようなことをして。あのカーラってメイドさんに、謝りながら蹴り入れてたぞ」

 「はいはい、分かった、分かった。俺が悪かったよ」

 「なんだよ、その言い方は」

 「…………」

 「なんとか言ったらどうだ?」

 「ああ、もう、そうね…… じゃあ、ご馳走さんとでも言っとくよ。レオでも洗って来るわ、焦げたままだし」

 「おい、為次っ」 

 「俺が居ると、飯が不味まずくなるみたいだからね……」

 為次は食事に少し手を付けただけで、フォークを置いて立ち上がろうとした。 
 しかし、立ち上がろうとした、その時だった。

 「ご主人様、待って下さい……」

 「ん? 何?」

 為次の前に立ち、悲しそうに言うのだ。

 「私のせいですよね…… 私のせいでご主人様が嫌な思いをするんですよね……」

 スイは為次の前に立っているが、テーブルとソファーの間なので、二人の距離はかなり近い。

 目の前のスイを見上げながら言う。

 「いや…… ち、違うて……」

 「スイちゃん……」

 正秀もスイの突然の行動に戸惑っている。
 そして、スイは叫ぶように涙を流しながら為次の前で話し始めるのだ。

 「私がご主人様を困らせているんですよねっ!」

 「いや…… あの……」

 為次も戸惑っている。

 「ご主人様に買われたあの日も、私のせいで困らせてたんですよねっ!」

 「違っ……」

 「ご主人様に助けてもらって…… 私は、スイは…… ご主人様に体も命も全てを捧げるつもりでいます! だけど…… だけど、私が居ることでご主人様が…… ご主人様が…… うぇ…… ご主人様がスイのことを迷惑なら…… スイをさっさと処分して下さいよっ! どうして、こんな出来損ないの奴隷を飼っているんですかっ!」

 「ス…… イ……?」

 「どうして、ご主人様が出て行こうとするんですか? 私なんて居ない方がいいじゃないですかっ!! ご主人様に迷惑をかけるくらいなら、助けてもらわない方がよかった! 要らないならさっさと殺して下さいっ! 死ねと言わればすぐにでも死にますよっ!!」

 「スイっ! いい加減にしろ!」

 思わずスイに向かって叫ぶ為次!

 バチーン!

 思いっきり引っぱたいてしまった。
 だが、自分の愚かな行為に為次は直ぐさま後悔する。

 「……あ」

 「……おい、お前……」

 「……きゃぁん」

 スイは大粒の涙を流しながら、為次を睨つけている。

 「な、な、な! 何するんですかっ!」

 「あの、その…… ごめんなさい……」 

 スイをビンタしたバカな為次はどうしていいのか分からない。

 「信じられません! 意味が分からないですよ!」

 「マジでお前、何考えてんだ?」

 「いや…… だってさ、目の前にさ……」

 ビンタをしてしまった……

 「どうして、スイのおっぱいを叩くんですかっ!」

 ビンタをしてしまった……

 おっぱいをだっ!

 「だから…… 目の前に、けしからんモノがぷるんぷるんって…… ぷるん ぷるん」

 「意味分かんねぇー」

 「ほんとですよ、普通は頬っぺたとかじゃないですか? 叩くのはっ」

 「いや、ほんと、スイさんのおっしゃる通りでして……」

 「もう、ご主人様なんて知りませんっ! ご主人様のバカぁー!」

 スイは叫ぶと為次の前から走って行ってしまう。

 「あ、ちょ、スイ……」

 そして、部屋に入り閉じこもってしまった。
 為次の部屋に……

 「あーぁ、スイちゃん行っちまったぞ。おまえの部屋に」

 「あぅ…… スイ……」

 「早く行ってやった方が、いいんじゃないのか?」

 「え? なんで…… 俺が?」

 「だって、お前の部屋だろ」

 「うぐっ。あぁぁぁ! もうっ! なんなのっ!」

 とうとう、為次は叫び始めてしまうのでした。

 ※  ※  ※  ※  ※

 一方、為次の部屋に飛び込んだスイも後悔していた……

 「あ、あ…… 私はなんてことを…… こともあろうか、ご主人様をバカ呼ばわりして、しまいましたぁ。しかも、思わずご主人様の部屋に入ってしまいました。ど、どうしましょう…… ご主人様におっぱいを叩かれるくらい、なんとも無いはずですが…… どうして私は……」

 不安になったスイは扉に耳を当てて、ロビーの様子を伺って見ることにした。
 すると、ロビーの方から為次の叫び声が聞こえて来る。

 「俺が何をしたってんだよ!」

 「お、おい、為次……」

 「ガザフの野郎がムカついたから、撃っただけだろ! マサは見てないから知らんだろうけど、どんだけスイがいたぶられたと思ってんだよっ! 腕一本で済んだだけでも、ありがたく思えっ!」

 「為次、お前……」

 「そりゃ、最初は話でも聞こうと思ったけど、アイツの顔見たらそれどころじゃないっての!」
 
 それを聞いた正秀は、突然笑いだした。

 「うははははは、そりゃいーや」 

 「え? ちょ、マサ、なんで笑うの……」

 「初めから、そう言えよ。はははっ」

 「えぇー?」

 「お前はやっぱりバカで、安心したぜ」

 「はぁ? んもー。そもそも、スイをけしかけたのだって、俺も疑いたく無かったから…… 変なわだかまりとかあると嫌だし……」

 「ああ、分かったぜ」

 「…………」

 「じゃあ、早くスイちゃんのとこ行ってやれよ」

 「でも…… スイ怒ってるし……」

 「そりゃぁ、おっぱい叩けば怒るだろ」

 「あうう」

 「だけど、為次に来て欲しいから、お前の部屋に駆け込んだんだろ」

 「…………」

 「ほらっ、行ってこい」

 正秀に背中を押されると、為次は憂鬱そうに自分の部屋に向うのだった。

 そんな、ロビーの様子を伺っていたスイは、二人の会話を聞いて喜んでいた。

 「ご主人様…… 私の為に…… えへ、えへへへ。ご主人様ぁ、えへへぇ。ハッ! こうしてる場合じゃありませんっ。ご、ご主人様が来ちゃいますぅ」

 慌ててベットに潜り込むと、頭から布団を被った。
 どうしていいのか分からず、とりあえず隠れたつもりなのだ。

 トン トン トン

 部屋の扉をノックする音が聞こえる。

 はわわわ、どうしましょう……

 とスイは布団の中で思った。

 スイが返事をしないので、為次は仕方なく部屋に入って来るようだ。

 「スイ、入るよ」

 「…………」

 為次は自分の部屋に入り辺りを見回すと、あからさまにベットの中に誰か居る。
 とりあえず、ベットへと近づいてみる。

 「スイ…… あの……」

 「なんですかぁ?」

 布団の中から、スイのこもった声が聞こえてくる。
 そして、恥ずかしそうに顔だけ布団から覗かせた。
 為次もベットへと腰掛ける。

 「悪かったから、怒ってないで機嫌直してよ……」

 「怒ってませんよ、ご主人様に怒る分けがありません」

 「んー」

 「それに…… すいません、先程のお二人のお話を聞いてしまいました……」

 「え? マジで……」

 「はぃ……」

 「うぅ……」

 「ご主人様ぁ!」

 イキナリ為次に抱きついて来た。

 「ごめんなさぃ、うぇぇぇ…… ごめんなさい、ご主人様ぁ」

 「スイ…… 俺の方こそごめんね。痛かったよね」

 「はぃ、ご主人様に叩かれた胸が痛いです」

 「えっと、えっと、どうしよう…… ヒールポーション飲もうか?」

 しかし、スイは為次の胸に顔を埋めながら首を振るのだ。

 「ううん、飲まないです」

 「えー、どうしよう……」

 「ご主人様にさすってもらえば、治るかもです」

 「えっ!?」

 「……んー、んー」

 「い、いいの?」

 「はいぃ。お、お願いしますぅ……」

 為次はゴクリと生唾を飲み込む。

 「分かりました! で、でわ、失礼します……」

 そっと、おっぱいに触れて見る。
 手には柔らかく、豊かな胸の感触が伝わってくるのだ。

 「あんっ……」

 なんとも言えない感触に、為次は夢中になる。
 もはや、触れるどころか、ひたすら揉みしだくのだ。

 「んん…… あっ、あっ、んぁ……」

 甘い声で鳴きだすスイ。

 「スイ…… はぁ、はぁ」

 「んぁ、あっ、あ……、ご主人…… さまぁ……」

 スイは身を悶えさせ、切ない顔をしながら、為次に顔を寄せてくる。

 「はぁ、はぁ…… ご主人様さ…… ま…… あんっ、あんっ、んんんっー…… もっとぉ…… もっと触ってぇ……」

 硬くなった突起を服の上から指でツマミあげる度に、スイはピクンピクンと身体を痙攣させる。

 「……スイ」

 「あ、ああ…… ご主人様……」

 二人は見つめ合う。
 そして、物欲しそうなスイの唇が触れる……

 その瞬間だった!

 バァン!!

 突然、扉が開き誰か入ってくる。
 それは当然、空気の読めない正秀だ!

 「おい! 為次!」

 「ぎゃぁぁぁぁぁ! マサぁぁぁ!」

 為次は叫びながらスイを突き放すと、手近にあった壺を手にするのだ。
 突き飛ばされたスイは、ベットの反対側に転げ落ちる。

 「にゃぁぁぁ!?」

 「ん? どうした?」

 「いや、いや、えっと……」

 咄嗟に壺を撫でながら言う。

 「コレはいいモノかもー」

 「そうか…… あ、もしかして、邪魔したか?」

 「いえいえ、全然、まったく、の~ぷろぶれむ」

 「お、おう」

 「そ、それより、どうかしたの?」

 「おう、そうだ、コレ暇だったから読んでたぜ」

 そう言いながら、ガザフの手記を為次に渡す。

 「中々、面白いことが書いてあってな、お前にもすぐに見せようと思って」

 「うむっ、なるほどっ、よしっ、直ぐに読もう、そうしよう」

 「お、おう…… ところでスイちゃんは?」

 「ここに居ますよぉ…… むー」

 ベッドの向こうから、ふて腐れながら顔を覗かせてきた。

 「なんだ、まだ怒ってるのか?」

 「いや、アレはマサに対して怒ってるのかも……」

 「は? 俺は何もしてないぜ」

 「むぅ」

 「まあいい、とりあえず手記を読もう」

 「お、おう……」

 そして、三人はロビーに戻ると、遅い昼食を再度食べながらガザフの手記を読み始める。

 そこには、にわかには信じられないことが書いてあるのだった……
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