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いらない
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物心つく頃から恵まれた容姿と人好きする性格加えて長身で樹は女性に不自由したことはなかった。
請われて相手を気に入れば付き合ったが、いずれも長続きしなかった。どうしてもキス以上のことができなかったのだ。
相手からしてみればそれなりに見た目に自信があるから樹に言い寄った結果付き合うことができたのに、自分に手を出さないのはなぜなのか疑問に思うだろう。そのうち「抱いてくれないなら別れて」と迫られるので別れを選ぶと、別の女性に言い寄られる、ということを樹は繰り返した。
女が抱けないならゲイなのでは、と噂が立つのを覚悟したが、噂がたつことはなかった。別れた女性にすれば付き合った男性に求められない、というのを人に話すのはプライドが許さないのだろう。
大学生のころには「隠し子が何人かいるらしい」だの噂になっていたのには自嘲混じりに笑ってしまった。
子供を作るような行為をすることができないのだから、隠し子などできるはずがない。そんなことができるのなら何も悩むことはない。
じゃあ男ならできるのかと言えば、そうでもない。
一度言い寄られた男と試してみたが、まったくできなかった。
男役でも女役でも無理だった。
学生時代は付き合っている相手がいなければほぼくるもの拒まずだったが、社会人になってからは言い寄られても笑顔でかわすことにし、彼女は一切作らないことにした。
仕事が忙しく、それどころではないというのが大きな理由だったが、もう疲れた。
「抱いてほしい」と言い寄られるのに。
「なぜ抱いてくれないの?」と責められることに。
自分はきっともう誰ともできない。ということは結婚もできないし、子供もできない。
人として欠陥品だ、と言われた気がした。
だができないものはできないのだから仕方がない。
樹は自分に言い聞かせた。
彼女がいなくても生きて行ける。
未婚だということでうるさく言われることも出てくるだろうが、いまどき未婚も多いのだから気にすることはない。
そんなとき佑と親しくなり、不意に触りたくなって触った。
今まで感じていた嫌悪感は全くなかった。
それどころかもっと触りたい。
もっと鳴かせたい。
そう思った。
もしかしたら佑となら。
請われて相手を気に入れば付き合ったが、いずれも長続きしなかった。どうしてもキス以上のことができなかったのだ。
相手からしてみればそれなりに見た目に自信があるから樹に言い寄った結果付き合うことができたのに、自分に手を出さないのはなぜなのか疑問に思うだろう。そのうち「抱いてくれないなら別れて」と迫られるので別れを選ぶと、別の女性に言い寄られる、ということを樹は繰り返した。
女が抱けないならゲイなのでは、と噂が立つのを覚悟したが、噂がたつことはなかった。別れた女性にすれば付き合った男性に求められない、というのを人に話すのはプライドが許さないのだろう。
大学生のころには「隠し子が何人かいるらしい」だの噂になっていたのには自嘲混じりに笑ってしまった。
子供を作るような行為をすることができないのだから、隠し子などできるはずがない。そんなことができるのなら何も悩むことはない。
じゃあ男ならできるのかと言えば、そうでもない。
一度言い寄られた男と試してみたが、まったくできなかった。
男役でも女役でも無理だった。
学生時代は付き合っている相手がいなければほぼくるもの拒まずだったが、社会人になってからは言い寄られても笑顔でかわすことにし、彼女は一切作らないことにした。
仕事が忙しく、それどころではないというのが大きな理由だったが、もう疲れた。
「抱いてほしい」と言い寄られるのに。
「なぜ抱いてくれないの?」と責められることに。
自分はきっともう誰ともできない。ということは結婚もできないし、子供もできない。
人として欠陥品だ、と言われた気がした。
だができないものはできないのだから仕方がない。
樹は自分に言い聞かせた。
彼女がいなくても生きて行ける。
未婚だということでうるさく言われることも出てくるだろうが、いまどき未婚も多いのだから気にすることはない。
そんなとき佑と親しくなり、不意に触りたくなって触った。
今まで感じていた嫌悪感は全くなかった。
それどころかもっと触りたい。
もっと鳴かせたい。
そう思った。
もしかしたら佑となら。
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