35 / 66
待ち伏せ2
しおりを挟む
水を飲んでいなくてよかった。完璧に吹き出すところだった。
瀬奈といい高田といい、佑は課内でどういう話をしているのだろう。
色々伏せつつ相談されて予想をつけられたというところだろうが。瀬奈に関しては多分佑から無理やり色々聞き出してあることないこと妄想しているのだろう。
さすがの樹もたびたび三人でランチ会が催され、結構詳細に話されているのは知らない。
(相談されるようなことやったかなー。やったな)
強姦未遂と言われても仕方のないようなことを確かにやった。
やったかやってないかで言えばやってはいないが、やったと言えばやった。
佑がどのような話をしたのかは知らないが、とりあえずごまかすことにする。
どのような関係で佑をどう思っているかなど、非常にデリケートな部分なのだ。樹自身もよく分かっていない。
「どういう関係とかやったとかやらないとかいう話になるの自体変じゃないですか。男同士なのに。
それにいちいち高田さんに言う必要ありますか?
もしオレと一緒にいるのが嫌になったら小鳩さん本人が言うでしょう。大人なんだから」
「小鳩っていいやつだから言えねーかもしれないだろ。あいつのイメチェンしたときはお前いいやつだと思ったよ?
でも休ませて看病させたりさ、いいやつだからつけこんでるだけじゃねーの?」
「看病してほしいってオレから頼んだわけじゃないです。休んでほしいとも言ってないし」
「じゃ看病はいいわ。ぶっちゃけイケメンのお前ならスタイル良くて可愛い女なんかいくらでも寄ってくんだろ?小鳩は今はイケメン風だけど素はダサいんだし、なおさらそういう女のほうがいいんじゃないの?
興味本位で体だけとか遊びじゃねーだろうな」
佑をディスっているが、要するにすでに肉体関係があると思われてるらしい。そのうえで真剣なのか確かめたいようだ。
恐らく以前佑をアパートに送った時のあれを包み隠さずではないと思われるが、高田に知られているようだ。
(何ぶっちゃけてんだよ、もー)
そもそも自分がそういうことをしなければよかったのは棚にあげて、心の中で佑に毒づく。
「正直女の子に困ったことはないですよ。でも毎回真剣に付き合ってるし、やり捨てとか体目的とかないです。もし仮に小鳩さんと付き合っても同じです。
てか遊ばれるっつーならオレのほうですよ。毎回顔で寄ってきてすぐフラれるんで」
この不毛な会話を終わらせるために高田がききたかったであろう言葉を告げる。最後は思わずぽろっと出た言葉で完全に蛇足だったが。
外見で恋愛経験豊富だと思われるが、恋愛経験自体で言えば恐らく高田のほうが樹より豊富だと思う。少なくとも付き合ったのは片手で足りる程度だし、過去の恋愛で肉体関係に至った彼女はいない。そこまで言う必要はないので言わないが。
「まだ付き合ってねーのな?まーお前が小鳩に真剣だってのが聞ければ満足だわ」
とりあえず高田は満足したようで、表情が若干和らいだ。それどころか不憫そうな表情になる。
「顔がハイレベルで性格も悪くねーのにすぐフラれるってどういうことだよ。お前そんなテクねーの?若いのに嫌だろうけどあれいいぞ。赤マムシとか」
多分盛大に勘違いしているが、高田は真剣にアドバイスしているようだ。基本的には親切な人間なのだ。
「お待たせしましたぁ」
そこで店員が食事を運んできたので会話が途切れる。勘違いされたままなのは不本意だが、あえて続けないことにする。
丁寧に配膳を済ませた店員がメモをすっと樹のポケットにねじ込み、耳元でささやく。
「私夕方までのシフトなので連絡待ってますね」
「色目使ってないで仕事しろや」と内心思うが、もちろん顔には出さない。あいまいな笑顔で受け流す。
メモは会社に戻ったら速攻ゴミ箱に入れよう。
瀬奈といい高田といい、佑は課内でどういう話をしているのだろう。
色々伏せつつ相談されて予想をつけられたというところだろうが。瀬奈に関しては多分佑から無理やり色々聞き出してあることないこと妄想しているのだろう。
さすがの樹もたびたび三人でランチ会が催され、結構詳細に話されているのは知らない。
(相談されるようなことやったかなー。やったな)
強姦未遂と言われても仕方のないようなことを確かにやった。
やったかやってないかで言えばやってはいないが、やったと言えばやった。
佑がどのような話をしたのかは知らないが、とりあえずごまかすことにする。
どのような関係で佑をどう思っているかなど、非常にデリケートな部分なのだ。樹自身もよく分かっていない。
「どういう関係とかやったとかやらないとかいう話になるの自体変じゃないですか。男同士なのに。
それにいちいち高田さんに言う必要ありますか?
もしオレと一緒にいるのが嫌になったら小鳩さん本人が言うでしょう。大人なんだから」
「小鳩っていいやつだから言えねーかもしれないだろ。あいつのイメチェンしたときはお前いいやつだと思ったよ?
でも休ませて看病させたりさ、いいやつだからつけこんでるだけじゃねーの?」
「看病してほしいってオレから頼んだわけじゃないです。休んでほしいとも言ってないし」
「じゃ看病はいいわ。ぶっちゃけイケメンのお前ならスタイル良くて可愛い女なんかいくらでも寄ってくんだろ?小鳩は今はイケメン風だけど素はダサいんだし、なおさらそういう女のほうがいいんじゃないの?
興味本位で体だけとか遊びじゃねーだろうな」
佑をディスっているが、要するにすでに肉体関係があると思われてるらしい。そのうえで真剣なのか確かめたいようだ。
恐らく以前佑をアパートに送った時のあれを包み隠さずではないと思われるが、高田に知られているようだ。
(何ぶっちゃけてんだよ、もー)
そもそも自分がそういうことをしなければよかったのは棚にあげて、心の中で佑に毒づく。
「正直女の子に困ったことはないですよ。でも毎回真剣に付き合ってるし、やり捨てとか体目的とかないです。もし仮に小鳩さんと付き合っても同じです。
てか遊ばれるっつーならオレのほうですよ。毎回顔で寄ってきてすぐフラれるんで」
この不毛な会話を終わらせるために高田がききたかったであろう言葉を告げる。最後は思わずぽろっと出た言葉で完全に蛇足だったが。
外見で恋愛経験豊富だと思われるが、恋愛経験自体で言えば恐らく高田のほうが樹より豊富だと思う。少なくとも付き合ったのは片手で足りる程度だし、過去の恋愛で肉体関係に至った彼女はいない。そこまで言う必要はないので言わないが。
「まだ付き合ってねーのな?まーお前が小鳩に真剣だってのが聞ければ満足だわ」
とりあえず高田は満足したようで、表情が若干和らいだ。それどころか不憫そうな表情になる。
「顔がハイレベルで性格も悪くねーのにすぐフラれるってどういうことだよ。お前そんなテクねーの?若いのに嫌だろうけどあれいいぞ。赤マムシとか」
多分盛大に勘違いしているが、高田は真剣にアドバイスしているようだ。基本的には親切な人間なのだ。
「お待たせしましたぁ」
そこで店員が食事を運んできたので会話が途切れる。勘違いされたままなのは不本意だが、あえて続けないことにする。
丁寧に配膳を済ませた店員がメモをすっと樹のポケットにねじ込み、耳元でささやく。
「私夕方までのシフトなので連絡待ってますね」
「色目使ってないで仕事しろや」と内心思うが、もちろん顔には出さない。あいまいな笑顔で受け流す。
メモは会社に戻ったら速攻ゴミ箱に入れよう。
5
お気に入りに追加
469
あなたにおすすめの小説
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる