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第一話「城木」
1-3 痴漢に襲われる ※
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「…く…ぅっ」
声を押し殺そうと美果は必死だった。
鳥肌が立ち、嫌悪感で頭がクラクラしていた。
自分の今の状況はまるで以前の森野舞そっくりだと気づき涙が込み上げる。こんな状態の彼女を自分は見捨てていたのだと思い知らされ、今回は助けることができたのだと分かっていても罪悪感に胸が潰されそうになる。涙目のまま扉に映る自分の顔を見た。明らかに普通ではない動きをしているのは分かりそうである。誰かが気づいてくれないかと、美果は周りを見回した。しかし誰もこちらを見ていない。無視しているのではなく、本当に気づいていないのだ。こんなにも自分に痴漢を働いている男が腰を押し付け両手でこちらの体をまさぐっているというのに誰も気がつかない。
やはりこの世界はおかしなままだったのだ。何かおかしな力が働いて、こういった行為が行われていることに周りは気づかないのだ。美果は自分が世界を変えられた気がしていたが、それは勘違いだった。その証拠に、後ろの男を誰も止めはしないのである。
ベロリと首筋を舐められ息を呑む、あまりの気持ちの悪さに思わずきつく閉じていた足の力を僅かに抜いてしまい美果は後悔した。途端に美果の足の間に城木が片足を入れ閉じられないようにすると、彼の片手は下着の中へと侵入してきたのである。
三本の指が強引に美果の割れ目を探る。
二本の指が襞を左右に広げ、真ん中の指が遠慮もなく美果の肉芽に触れた。
「ひっ…!」
途端に喉の奥から細い悲鳴が漏れる。しかしそれは一瞬のことで美果は思わず口を閉じて周りを見た。幸い誰も気づいていない。いや、最悪なことに誰も気づかない。
美果は痴漢の手を下着の中から引きずり出そうと腕を引っ張るが、がっしりとしたその腕はどんなに力を入れても動かすことができない。
そうこうしている間に美果の肉芽を弄っていた指は更に奥にある美果の蜜壷へと侵入を開始していた。痴漢の長い中指が容赦なく美果の肉穴へと入り込む。そこは微かに湿り気を帯び始めていて痛みを伴うことなく内部へと指が入ってくる。
「クリとマンコいじられて気持ちいいのか?」
卑猥な言葉とともに欲情しきった男の声が美果の耳元で囁いた。美果が人生で一度も口にしたことのない卑猥な響きの性器の名前を痴漢は小声で囁き続けた。美果は真っ赤な顔をして嫌々と首を振り、痴漢の手の動きに息を飲んだり悲鳴を押し殺したりしていた。
しばらく美果の内部の感触を指で味わっていた城木は熱い息を美果の後頭部に吹きかけ、興奮で我慢が効かなくなってきているようだった。彼ははあはあ、と荒い息のまま早急に自らのズボンのチャックを下ろすと勃起した自らの肉棒を取り出した。さらに素早く美果の下着をずり下ろすと、猛る自らの肉棒を無防備な美果の足の間に挟ませた。
「なっ、や、やだ!」
美果が小声で悲鳴をあげるも、城木は無視して彼女の足の間に入れていた自分の片足を引くと命令した。
「両足をそのまま閉じろ」
美果は驚いて後ろを振り返ろうとしたが、再びきつい口調で「早くしろ」と言われナイフを突きつけられたため渋々言葉に従った。
「もっとキツく足をとじろ」
小声での命令だが、周囲の人間には聞こえてもおかしくないはずである。だがやはり周りはなんの反応も見せない。美果は身体を震わせながら言われた通りにキツく足を閉じた。
「よし、そのままじっとしてろよ…今度は指じゃなくてコレで気持ちよくしてやるからな」
男はそういうと腰を前後に動かし始めた。男の肉棒は先端から透明な汁が溢れてベトベトになっており、美果の蜜壷も肉芽を刺激されたことで透明な液体が漏れてきていた。痴漢の肉棒はその二つの液体の力を借りてスムーズに美果の足の間を行き来していた。美果のスカートが静かに波打つ。男の肉棒が内側からスカートに突き当たるのである。美果は自分に覆いかぶさっている男の腰の動きに連動して波打つ自分のスカートを見て鳥肌を立てた。
「嫌…やだぁっ、誰か」
助けて、と叫ぼうとしたその口は痴漢の片手によって覆われた。言葉はそのまま口の中に押し込まれる。
「こんなにマンコぐちゃぐちゃにしといて何が嫌だって?」
その言葉に耳まで真っ赤に染めながらも美果は必死に周りに助けを求めた。しかし森野舞の時と同様、すぐ隣にいる眠そうな顔をした大学生すらこの距離にも関わらず美果の悲鳴には気づかなかった。痴漢の腰の動きが激しくなり足の間の肉棒がどんどん熱く太くなっていく。
「くっ、出る」
そして突然それは爆発でもしたかのように先端から欲望の液を放出したのだった。絶頂の証である白い液体は美果のスカートの内側にぶちまけられ、床へぼとぼとと落ちた。背後で痴漢は汗をかく程熱くなった身体をダルそうにして美果にもたれ掛かっていた。美果はスカートの内側を見知らぬ男の精液で汚されたことに呆然としていた。背後の男の体温でこちらまで汗をかき始めたため、そのせいで思考が上手く回らなかった。しばらくの間二人共動かず互いの体が密着していたが、車内に美果が下車する予定の駅名がアナウンスされた。その声に我に返り美果は今更ながらに電車を降りようとする。しかし、後ろからぴったりと密着され全身を抱き抱えられたままの美果は身動きが取れなかった。
「…降ります」
消え入りそうな声で美果はもう一度言った。
「降ろして…!」
「――ダメだ」
熱に浮かされた掠れた声で男が言った。有無を言わせないその響きの後に、再び彼の腰が動き出した。そして美果の足の間の肉棒は僅かに硬さを取り戻し始めていた。
「あ…や、やだ…」
美果はどうにか逃れようと腰を振ってみるが、その行為は逆効果だったようで男はごくりと唾を飲み込んだ。城木の肉棒はますます硬さを取り戻し、既に臨戦態勢をとっていた。再びアナウンスが流れ、美果が下車する駅に到着したことを知らせる。プシューと言う音が響き二人が密着している扉の反対側が開かれた。その音が響くと同時に城木は腰を引いた。美果はその隙に逃げようとしたが、それを許すほど背後の男は甘くなかった。
片手で再び美果の口元を覆い、もう片方の手が彼女の腰をグッと引き寄せた。
「このまま生でお前のマンコに入れるからな」
「んぐっ! んぅ、んんっ!!」
(嫌だ、誰かっ、誰か助けて!)
小声で痴漢が宣言し、いや、いや、と美果が涙を飛ばして首を振る。しかしドクドクと脈打つ痴漢の肉棒はもう美果の蜜壷の前に充てがわれていた。
「俺のチンポ、たっぷり味わってくれ」
(やだやだやだ! 翔さん助けて!)
好きでもない男の性器が自らの中に突き入れられようとしている。美果は必死に身体を揺さぶり、愛する恋人の名前を心の中で呼んだ。
だが美果の必死の願いも虚しく、乗客たちがゾロゾロと開かれた扉に殺到するのと同時に痴漢の肉棒は美果の中へと突き入れられたのだった。
「んううぅー!!!」
美果の悲鳴は大勢の乗客たちの下車と乗車の騒ぎに紛れかき消された。いや、そうでなくても恐らく彼女の声は誰の耳にも届かない。この世界は、こういった行為が行われていても気づかないようにされているのだから。
ズブズブと痴漢の肉棒は容赦なく美果の内部へと侵入していた。
その侵入を止める手立てはもう彼女には残っていない。美果は両足のつま先で立ち、少しでも侵入してくる肉棒から逃れようと最後の抵抗を試みるがそんな事は何の意味も成さなかった。
美果必死の抵抗を見ながら、城木は彼女の耳元で低く笑った。
「―――可愛いな、お前」
そう言うと同時に彼は腰を更に突き出し、美果に合わせて屈んでいた膝を真っ直ぐに伸ばした。
「ふうっ、う、んぐっ!?」
すると美果の足が僅かに宙に浮いた。背後から抱き抱えられ、足がつかなくなったのだ。そのまま目の前の扉に身体を押し付けられる。美果はあまりに深い密着に男の手に覆われて叫ぶこともできない口をパクパクと動かした。
そして悪夢のような時間が始まったのだった。
***
ガタガタと電車の扉が音を立てて揺れる。
電車が線路を走る振動で扉が音を立てて揺れるのはいつものことだが、その扉の音は不自然に大きく断続して続いていた。にも関わらずその扉に注意を向けるものはいない。老若男女が入り混じり込み合っているその車両は通勤や通学のために乗り合わせた乗客でごった返していたが、会話を交わすものは誰もいなかった。
しかし、走行中の電車内には似つかわしくない音が響いている。大勢の乗客が乗り込んでいるこの車両の中で背広を着た男が、目の前に立っている女子高生に覆いかぶさり彼女に痴漢行為を働いたあげくにその場で犯され続けていることなど、誰ひとりとして気づかないのだ。
ぐちゅぐちゅぐちゅっ!!!!
ばちゅばちゅばちゅばちゅっっ!!!
「――…ひぅ…ぁ、ぐ…ぅ、ぅっ!」
美果の声は痴漢の手に遮られ小声でしか漏れては来ない。それを良いことに痴漢は美果の身体を下から激しく突き上げ揺さぶり続けていた。
(苦しいっ、こんな、激しいの知らない、怖いっ、翔さん、助けて!)
二人の結合部分は卑猥な音を立て、ガチガチに勃起した痴漢の肉棒が何度も何度も美果を攻め立てていた。
―――次は○○駅、次は○○駅
車内アナウンスが流れる。
すでに美果が降りるはずだった駅は遠のき、今では彼女が聞いたこともないような駅を通り過ぎている。その間に三度美果の目の前の扉が開かれたが、下車していく乗客も真正面から彼女を見て乗り込んできた数人も、扉付近に居る二人を邪魔そうに避けただけだった。騒ぐものも助けに入るものもいない。美果はもうここが電車内なのかどうかすら分からなくなってきていた。ただ容赦なく下から突き上げてくる見ず知らずの男の欲棒を内部に感じながら涙を流し喘ぐことしかできない。しかしそれも永遠のことではなかった。
ふーっ、ふーっ、と背後の男の鼻息が益々強くなり内部の肉棒の動きも激しさを増し始めた。先程よりも激しく美果が押し付けられている扉がガタガタと音を立てた。
「――はあはあ…あー出る、もう出る!」
快楽に喘ぐように痴漢が言う。言いながらも腰は激しくぶつかり、その速度はますます速まっていく。
「ふぅっ、ぃぁ、いぁっ…」
打ち付けられる下半身の衝撃に、美果は泣き声で拒否をする。しかしもう絶頂が近い男の耳にそんな言葉はまるで耳に入らないらしかった。男はますます美果を強く抱きしめ一心不乱に腰を振り、肉棒をぐちゃぐちゃと音を立てて突き入れる。
「マンコに全部出すからなっ、う、うっ…もう、出るッ、出る出る!」
「あん、あっ、あう、やあ…やだぁ!!」
口を覆う男の手を無我夢中で外し、美果は叫んだ。
しかしその声が言い終わると同時に城木は美果の内部へと腰を突き上げ、獣のように短く唸ると勢いよく射精したのだった。
ドビュッ!!!!
ビュルルルルルッッッッ!!!!!!
「はあはあっ、出てる、お前のマンコに俺の精子出てるぞ!!」
「やだあーっ! やだ、やだっ、中に出さないでぇ!!」
美果の叫びはもはや車内に響いていた。しかしもうそんな事はどうでもいいのか痴漢は腰を奥へとぐいぐい押し込み恍惚とした表情でがっしりと美果の腰を掴んでいた。
「俺の精子が女子高生の生マンコに…」
「やめてぇ…もう出さないで…」
泣きながら訴える美果だが、もはや逃げ出す力も気力も残っていなかった。結局痴漢の射精が終わるまで美果の身体が放される事はなかったのである。
***
城木はぐったりした美果を電車から降ろしてタクシーを拾った。
平日の昼前にも関わらず制服姿の美果を連れて堂々とラブホテルに入った城木は、彼女の服を脱がせて汚れたそれを丁寧に洗った。
逃げたら殺すと脅されて怯える美果を振り返り、せっかくホテルに来たのだからともう一度と言ってまた無理矢理彼女を犯した。心身ともに疲弊した美果が気を失い、再び目を覚ますと風呂に入れられた後らしく身体は綺麗に洗われていた。
城木は美果の学生手帳から住所を書き写し再びタクシーを使って彼女を家まで送り届けた。タクシーから降りてまだフラつく美果を抱きしめると城木は彼女の耳元で囁いた。
「お前が寝てる時に、いっぱい写真撮っといたから」
「…え?」
疲れて頭が上手く回らない美果に一方的に言って、城木は自分のスマートフォンの画面を見せた。そこには気を失い全裸のまま足を大きく広げている美果が撮されており、散々に犯された秘部からは城木の出した精液が溢れている画像があった。
途端に青ざめる美果の顔を確認すると城木は実に嬉しそうに画面を閉じた。
「消して、下さい…」
消え入りそうな声でそう訴える美果の頬に涙が伝う。
その涙を見た城木は「…やっぱ可愛いわ」と小声で一言呟くと、二度ほど彼女の頬に軽く口づけて涙を舐めとった。
まるで愛しい恋人を慰めるかのようなそのキスに、美果は怯えて目を閉じる事しか出来なかった。
「…じゃあな、美果ちゃん」
満足気に笑い、そう言い残すと城木はタクシーに乗り込んだ。
「また連絡する…逃げるなよ」
呆然としている美果を置いて、タクシーは走り去っていったのだった。
第一話「城木」 終わり
声を押し殺そうと美果は必死だった。
鳥肌が立ち、嫌悪感で頭がクラクラしていた。
自分の今の状況はまるで以前の森野舞そっくりだと気づき涙が込み上げる。こんな状態の彼女を自分は見捨てていたのだと思い知らされ、今回は助けることができたのだと分かっていても罪悪感に胸が潰されそうになる。涙目のまま扉に映る自分の顔を見た。明らかに普通ではない動きをしているのは分かりそうである。誰かが気づいてくれないかと、美果は周りを見回した。しかし誰もこちらを見ていない。無視しているのではなく、本当に気づいていないのだ。こんなにも自分に痴漢を働いている男が腰を押し付け両手でこちらの体をまさぐっているというのに誰も気がつかない。
やはりこの世界はおかしなままだったのだ。何かおかしな力が働いて、こういった行為が行われていることに周りは気づかないのだ。美果は自分が世界を変えられた気がしていたが、それは勘違いだった。その証拠に、後ろの男を誰も止めはしないのである。
ベロリと首筋を舐められ息を呑む、あまりの気持ちの悪さに思わずきつく閉じていた足の力を僅かに抜いてしまい美果は後悔した。途端に美果の足の間に城木が片足を入れ閉じられないようにすると、彼の片手は下着の中へと侵入してきたのである。
三本の指が強引に美果の割れ目を探る。
二本の指が襞を左右に広げ、真ん中の指が遠慮もなく美果の肉芽に触れた。
「ひっ…!」
途端に喉の奥から細い悲鳴が漏れる。しかしそれは一瞬のことで美果は思わず口を閉じて周りを見た。幸い誰も気づいていない。いや、最悪なことに誰も気づかない。
美果は痴漢の手を下着の中から引きずり出そうと腕を引っ張るが、がっしりとしたその腕はどんなに力を入れても動かすことができない。
そうこうしている間に美果の肉芽を弄っていた指は更に奥にある美果の蜜壷へと侵入を開始していた。痴漢の長い中指が容赦なく美果の肉穴へと入り込む。そこは微かに湿り気を帯び始めていて痛みを伴うことなく内部へと指が入ってくる。
「クリとマンコいじられて気持ちいいのか?」
卑猥な言葉とともに欲情しきった男の声が美果の耳元で囁いた。美果が人生で一度も口にしたことのない卑猥な響きの性器の名前を痴漢は小声で囁き続けた。美果は真っ赤な顔をして嫌々と首を振り、痴漢の手の動きに息を飲んだり悲鳴を押し殺したりしていた。
しばらく美果の内部の感触を指で味わっていた城木は熱い息を美果の後頭部に吹きかけ、興奮で我慢が効かなくなってきているようだった。彼ははあはあ、と荒い息のまま早急に自らのズボンのチャックを下ろすと勃起した自らの肉棒を取り出した。さらに素早く美果の下着をずり下ろすと、猛る自らの肉棒を無防備な美果の足の間に挟ませた。
「なっ、や、やだ!」
美果が小声で悲鳴をあげるも、城木は無視して彼女の足の間に入れていた自分の片足を引くと命令した。
「両足をそのまま閉じろ」
美果は驚いて後ろを振り返ろうとしたが、再びきつい口調で「早くしろ」と言われナイフを突きつけられたため渋々言葉に従った。
「もっとキツく足をとじろ」
小声での命令だが、周囲の人間には聞こえてもおかしくないはずである。だがやはり周りはなんの反応も見せない。美果は身体を震わせながら言われた通りにキツく足を閉じた。
「よし、そのままじっとしてろよ…今度は指じゃなくてコレで気持ちよくしてやるからな」
男はそういうと腰を前後に動かし始めた。男の肉棒は先端から透明な汁が溢れてベトベトになっており、美果の蜜壷も肉芽を刺激されたことで透明な液体が漏れてきていた。痴漢の肉棒はその二つの液体の力を借りてスムーズに美果の足の間を行き来していた。美果のスカートが静かに波打つ。男の肉棒が内側からスカートに突き当たるのである。美果は自分に覆いかぶさっている男の腰の動きに連動して波打つ自分のスカートを見て鳥肌を立てた。
「嫌…やだぁっ、誰か」
助けて、と叫ぼうとしたその口は痴漢の片手によって覆われた。言葉はそのまま口の中に押し込まれる。
「こんなにマンコぐちゃぐちゃにしといて何が嫌だって?」
その言葉に耳まで真っ赤に染めながらも美果は必死に周りに助けを求めた。しかし森野舞の時と同様、すぐ隣にいる眠そうな顔をした大学生すらこの距離にも関わらず美果の悲鳴には気づかなかった。痴漢の腰の動きが激しくなり足の間の肉棒がどんどん熱く太くなっていく。
「くっ、出る」
そして突然それは爆発でもしたかのように先端から欲望の液を放出したのだった。絶頂の証である白い液体は美果のスカートの内側にぶちまけられ、床へぼとぼとと落ちた。背後で痴漢は汗をかく程熱くなった身体をダルそうにして美果にもたれ掛かっていた。美果はスカートの内側を見知らぬ男の精液で汚されたことに呆然としていた。背後の男の体温でこちらまで汗をかき始めたため、そのせいで思考が上手く回らなかった。しばらくの間二人共動かず互いの体が密着していたが、車内に美果が下車する予定の駅名がアナウンスされた。その声に我に返り美果は今更ながらに電車を降りようとする。しかし、後ろからぴったりと密着され全身を抱き抱えられたままの美果は身動きが取れなかった。
「…降ります」
消え入りそうな声で美果はもう一度言った。
「降ろして…!」
「――ダメだ」
熱に浮かされた掠れた声で男が言った。有無を言わせないその響きの後に、再び彼の腰が動き出した。そして美果の足の間の肉棒は僅かに硬さを取り戻し始めていた。
「あ…や、やだ…」
美果はどうにか逃れようと腰を振ってみるが、その行為は逆効果だったようで男はごくりと唾を飲み込んだ。城木の肉棒はますます硬さを取り戻し、既に臨戦態勢をとっていた。再びアナウンスが流れ、美果が下車する駅に到着したことを知らせる。プシューと言う音が響き二人が密着している扉の反対側が開かれた。その音が響くと同時に城木は腰を引いた。美果はその隙に逃げようとしたが、それを許すほど背後の男は甘くなかった。
片手で再び美果の口元を覆い、もう片方の手が彼女の腰をグッと引き寄せた。
「このまま生でお前のマンコに入れるからな」
「んぐっ! んぅ、んんっ!!」
(嫌だ、誰かっ、誰か助けて!)
小声で痴漢が宣言し、いや、いや、と美果が涙を飛ばして首を振る。しかしドクドクと脈打つ痴漢の肉棒はもう美果の蜜壷の前に充てがわれていた。
「俺のチンポ、たっぷり味わってくれ」
(やだやだやだ! 翔さん助けて!)
好きでもない男の性器が自らの中に突き入れられようとしている。美果は必死に身体を揺さぶり、愛する恋人の名前を心の中で呼んだ。
だが美果の必死の願いも虚しく、乗客たちがゾロゾロと開かれた扉に殺到するのと同時に痴漢の肉棒は美果の中へと突き入れられたのだった。
「んううぅー!!!」
美果の悲鳴は大勢の乗客たちの下車と乗車の騒ぎに紛れかき消された。いや、そうでなくても恐らく彼女の声は誰の耳にも届かない。この世界は、こういった行為が行われていても気づかないようにされているのだから。
ズブズブと痴漢の肉棒は容赦なく美果の内部へと侵入していた。
その侵入を止める手立てはもう彼女には残っていない。美果は両足のつま先で立ち、少しでも侵入してくる肉棒から逃れようと最後の抵抗を試みるがそんな事は何の意味も成さなかった。
美果必死の抵抗を見ながら、城木は彼女の耳元で低く笑った。
「―――可愛いな、お前」
そう言うと同時に彼は腰を更に突き出し、美果に合わせて屈んでいた膝を真っ直ぐに伸ばした。
「ふうっ、う、んぐっ!?」
すると美果の足が僅かに宙に浮いた。背後から抱き抱えられ、足がつかなくなったのだ。そのまま目の前の扉に身体を押し付けられる。美果はあまりに深い密着に男の手に覆われて叫ぶこともできない口をパクパクと動かした。
そして悪夢のような時間が始まったのだった。
***
ガタガタと電車の扉が音を立てて揺れる。
電車が線路を走る振動で扉が音を立てて揺れるのはいつものことだが、その扉の音は不自然に大きく断続して続いていた。にも関わらずその扉に注意を向けるものはいない。老若男女が入り混じり込み合っているその車両は通勤や通学のために乗り合わせた乗客でごった返していたが、会話を交わすものは誰もいなかった。
しかし、走行中の電車内には似つかわしくない音が響いている。大勢の乗客が乗り込んでいるこの車両の中で背広を着た男が、目の前に立っている女子高生に覆いかぶさり彼女に痴漢行為を働いたあげくにその場で犯され続けていることなど、誰ひとりとして気づかないのだ。
ぐちゅぐちゅぐちゅっ!!!!
ばちゅばちゅばちゅばちゅっっ!!!
「――…ひぅ…ぁ、ぐ…ぅ、ぅっ!」
美果の声は痴漢の手に遮られ小声でしか漏れては来ない。それを良いことに痴漢は美果の身体を下から激しく突き上げ揺さぶり続けていた。
(苦しいっ、こんな、激しいの知らない、怖いっ、翔さん、助けて!)
二人の結合部分は卑猥な音を立て、ガチガチに勃起した痴漢の肉棒が何度も何度も美果を攻め立てていた。
―――次は○○駅、次は○○駅
車内アナウンスが流れる。
すでに美果が降りるはずだった駅は遠のき、今では彼女が聞いたこともないような駅を通り過ぎている。その間に三度美果の目の前の扉が開かれたが、下車していく乗客も真正面から彼女を見て乗り込んできた数人も、扉付近に居る二人を邪魔そうに避けただけだった。騒ぐものも助けに入るものもいない。美果はもうここが電車内なのかどうかすら分からなくなってきていた。ただ容赦なく下から突き上げてくる見ず知らずの男の欲棒を内部に感じながら涙を流し喘ぐことしかできない。しかしそれも永遠のことではなかった。
ふーっ、ふーっ、と背後の男の鼻息が益々強くなり内部の肉棒の動きも激しさを増し始めた。先程よりも激しく美果が押し付けられている扉がガタガタと音を立てた。
「――はあはあ…あー出る、もう出る!」
快楽に喘ぐように痴漢が言う。言いながらも腰は激しくぶつかり、その速度はますます速まっていく。
「ふぅっ、ぃぁ、いぁっ…」
打ち付けられる下半身の衝撃に、美果は泣き声で拒否をする。しかしもう絶頂が近い男の耳にそんな言葉はまるで耳に入らないらしかった。男はますます美果を強く抱きしめ一心不乱に腰を振り、肉棒をぐちゃぐちゃと音を立てて突き入れる。
「マンコに全部出すからなっ、う、うっ…もう、出るッ、出る出る!」
「あん、あっ、あう、やあ…やだぁ!!」
口を覆う男の手を無我夢中で外し、美果は叫んだ。
しかしその声が言い終わると同時に城木は美果の内部へと腰を突き上げ、獣のように短く唸ると勢いよく射精したのだった。
ドビュッ!!!!
ビュルルルルルッッッッ!!!!!!
「はあはあっ、出てる、お前のマンコに俺の精子出てるぞ!!」
「やだあーっ! やだ、やだっ、中に出さないでぇ!!」
美果の叫びはもはや車内に響いていた。しかしもうそんな事はどうでもいいのか痴漢は腰を奥へとぐいぐい押し込み恍惚とした表情でがっしりと美果の腰を掴んでいた。
「俺の精子が女子高生の生マンコに…」
「やめてぇ…もう出さないで…」
泣きながら訴える美果だが、もはや逃げ出す力も気力も残っていなかった。結局痴漢の射精が終わるまで美果の身体が放される事はなかったのである。
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城木はぐったりした美果を電車から降ろしてタクシーを拾った。
平日の昼前にも関わらず制服姿の美果を連れて堂々とラブホテルに入った城木は、彼女の服を脱がせて汚れたそれを丁寧に洗った。
逃げたら殺すと脅されて怯える美果を振り返り、せっかくホテルに来たのだからともう一度と言ってまた無理矢理彼女を犯した。心身ともに疲弊した美果が気を失い、再び目を覚ますと風呂に入れられた後らしく身体は綺麗に洗われていた。
城木は美果の学生手帳から住所を書き写し再びタクシーを使って彼女を家まで送り届けた。タクシーから降りてまだフラつく美果を抱きしめると城木は彼女の耳元で囁いた。
「お前が寝てる時に、いっぱい写真撮っといたから」
「…え?」
疲れて頭が上手く回らない美果に一方的に言って、城木は自分のスマートフォンの画面を見せた。そこには気を失い全裸のまま足を大きく広げている美果が撮されており、散々に犯された秘部からは城木の出した精液が溢れている画像があった。
途端に青ざめる美果の顔を確認すると城木は実に嬉しそうに画面を閉じた。
「消して、下さい…」
消え入りそうな声でそう訴える美果の頬に涙が伝う。
その涙を見た城木は「…やっぱ可愛いわ」と小声で一言呟くと、二度ほど彼女の頬に軽く口づけて涙を舐めとった。
まるで愛しい恋人を慰めるかのようなそのキスに、美果は怯えて目を閉じる事しか出来なかった。
「…じゃあな、美果ちゃん」
満足気に笑い、そう言い残すと城木はタクシーに乗り込んだ。
「また連絡する…逃げるなよ」
呆然としている美果を置いて、タクシーは走り去っていったのだった。
第一話「城木」 終わり
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