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二、
1.突撃されました
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一学期の中間考査が終り、向けられる視線も少なくなってきた。
人の噂も75日とはよく言ったものである。これならもっと早く世間の目は私から離れてくれるだろう―そんなふうに思っていた朝もありました。
「いったいどういうことよ!?」
その日一時間目が終った後血相を変えて飛び込んできたヒロインことリトーネ・イテイーサの姿を見て、私にはまだ平穏な時は訪れないらしいと内心嘆息した。
「……イテイーサ嬢、何の御用かしら?」
「貴女と婚約破棄したのになんで私と結婚しないのよ!?」
主語がない。内容からして主語は「第二王子」だろうということはわかる。だが何故私に言いにきたのだヒロインよ。しかも顔が非常に近い。いくら侍女たちによる魔法のようなメイクで美しく見えるようになっていても、こんなに近づかれたらボロがでてしまうかもしれないではないか。勘弁してほしい。
私はため息をついた。
「……直接相手にお尋ねになったら如何かしら?」
「それができたら貴女に聞いてないわよ!」
ということはすでに王城へ突撃したあげくけんもほろろに追い返されたのだろう。当り前だ。本来男爵家の令嬢がほいほい行って面会できるような相手ではない。
あまりの怒りでTPOを忘れているらしいヒロインに、「それは今ここで話さなければいけないことかしら?」と小首を傾げて聞くと、さすがの彼女もはっとしたらしかった。
「ほ……放課後付き合って!」
判断は悪くないがそれに従う義理はない。だがここで断ったとしても厄介なのは変わらないだろうから私は譲歩することにした。
「ねぇ、イテイーサ嬢。私一応公爵令嬢なんですの」
そう言って微笑んでやると彼女は少し考えたようだった。
「……サ、サワクーロ……さま……お話したいことが、ありますので……放課後付き合って……いただけますか?」
すごく言いづらそうに、なおかつとても嫌そうな表情で頼むヒロインに、私は「少しだけでしたら」と笑顔で返してやった。
* *
その後珍しく昼休みは平穏無事に終え(今日は王太子がこなかった)、放課後王城へ来るようにとの王太子からの手紙が届けられたが、それに断りを入れるともう放課後だった。
そういえばどこで話をするか聞いていなかったなと思いながら帰り支度をしていたら、廊下を走る音が近づいてきて教室の扉がスパーン! と勢いよく開かれた。道場破りか。
「はぁはぁ……サワクーロ、さま……お待たせ、しました……」
「はい。イテイーサ嬢、廊下は走らない方がよろしくてよ?」
立ち止まったせいかぶわっと一気に汗をかいているヒロインに、私はそっとハンカチを差し出した。
あれ? もしかしたらこの子面白いかも、とふと思う。見方を変えてもいいのかもしれない。
彼女の汗が引くのを待って学園内にある貴族専用のカフェへ移動した。そこは貴族専用をうたってはいるものの、基本伯爵家以上の者しか足を踏み入れない特別な空間である。当然ながら調度品も素晴らしい。ここで出される物は全て上質であるが故に価格も高く、おいそれと気軽にお茶ができるような場所ではない。(伯爵家以上の家柄の者は学生証を見せれば家に直接請求がいくようになっている)それ故にここを利用する者は少ないので人目をはばかるような話をするには最適である。
躊躇する彼女の腕を取り、「お茶ぐらいはごちそうしますわ」と言うとしぶしぶ足を踏み入れる。いったいどちらが話をしたいのかさっぱりわからない。
ところで何故ヒロインが廊下を駆けてきたのかというと、2年生になってクラスが分かれたのだ。私は第二王子と婚約解消したことで更なる餌を周りに与えない為成績のキープを図ったのでそのままだったが、ヒロインは三学期の期末テストはもう全くやる気がなかったらしく子・男爵子女の集まるクラスへと変わることとなった。つまり成績上位十位以内には入らなかったのである。今回の中間テストも特にがんばらなかったらしく、五十位辺りをさまよっているらしいと、聞きもしないのに注進してくる輩はいた。
「それで、お話とは?」
ロイヤルミルクティーに角砂糖を二つ入れてそっとかき混ぜながら水を向けてやると、それまで少し俯き加減で固まっていたヒロインはビクッとした。やがてためらいながら低い声で言う。
「……サワクーロさまと婚約破棄されたのに、どうして王子は私を正妃にしてくれないの……?」
「何か打診があったのかしら?」
これは第二王子の名でイテイーサ男爵に正式な文書でも出したのだろう。あの時彼はヒロインを妾にすると言っていた。
ヒロインはわなわなと肩を震わせた。いきなりここで怒鳴りださなければいいなと思う。
「……正式に婚約者が決まったら、第二夫人としてもらってやってもいいって……」
第二夫人というのは妾のことだ。
「そう……」
「……どういうことなのよ?」
さすがに場をわきまえて声を張り上げることはしないでくれた。ただその恨みがましい視線と低い声はいただけないが。
どうもヒロインは自分の置かれた状況というものが理解できないらしい。私は内心嘆息し、どこまで彼女がこの国の制度というものを理解しているのか聞きだすことにした。
「イテイーサ嬢、失礼だけど貴女は男爵家の令嬢よね?」
「……それがなにか?」
「ザワーオ様は王子なのよ。その隣に立つには少なくとも伯爵家以上の身分が必要なのはご存知?」
もちろんヒロインは知らなかったらしくあまりの驚愕に目を見開き絶句した。
しかたないのでこの国の身分制度について説明する。この国は王の下に公・侯・伯・子・男の五等爵がありそれらは一般的に貴族と呼ばれているがその内実は異なる。この国の爵位はそのまま官職と行政区域を表しているので必然的に公爵が権力を持ち、所領の大きさやその豊かさにおいても他とは比べ物にならない。当然ながら子爵・男爵は所領がそれほど広くはない為、商人などが身分を得る為に国に相応のお金を払えばなれないことはない。当然ながら爵位持ちになるということは権限を持つ代わりに義務も増えるのだがそれは割愛する。
とどのつまり、男爵というのは金で買える身分なわけである。
昔は爵位というのも世襲制ではなかったらしいが、公・侯・伯となった者たちの子女も総じて優秀だったことから、途中からは世襲制に移行したのだと言われている。実際にはいろいろあったのだろうと推察されるがそれを論じる立場にはない。ようは伯爵以上の貴族は長い間王家を支えており、信用もある。その為王家の者と結婚するには伯爵以上の身分を持つ者に限定されているのだ。ただこれは王国法に定められているわけでもないいわば慣習による暗黙の了解である。一応抜け道もあるのだがそれはヒロインには伝えなかった。
「うそ……そんな……。ゲームではそんなの関係なかったのに……」
説明を咀嚼したヒロインは茫然として呟いた。「ゲーム」の部分は聞かなかったことにする。
「ご理解いただけたかしら?」
「ええ……でも、ならなんで婚約破棄したの? 私が王子と結婚できないなら別れる必要はないじゃない」
頭は悪くないようだ。入学試験で二番だったのだから当然か。
「それは家の事情によるわ」
暗に答えたくないことを示唆して微笑むと、ヒロインはうっすらと頬を染めた。なんでだ?
「……わかったわ。ゲームにはなかったけど……やっぱりサワクーロさまは王太子殿下と結婚されるのね?」
は?
今度は私の頭が真っ白になった。いや、物理ではなく。
人の噂も75日とはよく言ったものである。これならもっと早く世間の目は私から離れてくれるだろう―そんなふうに思っていた朝もありました。
「いったいどういうことよ!?」
その日一時間目が終った後血相を変えて飛び込んできたヒロインことリトーネ・イテイーサの姿を見て、私にはまだ平穏な時は訪れないらしいと内心嘆息した。
「……イテイーサ嬢、何の御用かしら?」
「貴女と婚約破棄したのになんで私と結婚しないのよ!?」
主語がない。内容からして主語は「第二王子」だろうということはわかる。だが何故私に言いにきたのだヒロインよ。しかも顔が非常に近い。いくら侍女たちによる魔法のようなメイクで美しく見えるようになっていても、こんなに近づかれたらボロがでてしまうかもしれないではないか。勘弁してほしい。
私はため息をついた。
「……直接相手にお尋ねになったら如何かしら?」
「それができたら貴女に聞いてないわよ!」
ということはすでに王城へ突撃したあげくけんもほろろに追い返されたのだろう。当り前だ。本来男爵家の令嬢がほいほい行って面会できるような相手ではない。
あまりの怒りでTPOを忘れているらしいヒロインに、「それは今ここで話さなければいけないことかしら?」と小首を傾げて聞くと、さすがの彼女もはっとしたらしかった。
「ほ……放課後付き合って!」
判断は悪くないがそれに従う義理はない。だがここで断ったとしても厄介なのは変わらないだろうから私は譲歩することにした。
「ねぇ、イテイーサ嬢。私一応公爵令嬢なんですの」
そう言って微笑んでやると彼女は少し考えたようだった。
「……サ、サワクーロ……さま……お話したいことが、ありますので……放課後付き合って……いただけますか?」
すごく言いづらそうに、なおかつとても嫌そうな表情で頼むヒロインに、私は「少しだけでしたら」と笑顔で返してやった。
* *
その後珍しく昼休みは平穏無事に終え(今日は王太子がこなかった)、放課後王城へ来るようにとの王太子からの手紙が届けられたが、それに断りを入れるともう放課後だった。
そういえばどこで話をするか聞いていなかったなと思いながら帰り支度をしていたら、廊下を走る音が近づいてきて教室の扉がスパーン! と勢いよく開かれた。道場破りか。
「はぁはぁ……サワクーロ、さま……お待たせ、しました……」
「はい。イテイーサ嬢、廊下は走らない方がよろしくてよ?」
立ち止まったせいかぶわっと一気に汗をかいているヒロインに、私はそっとハンカチを差し出した。
あれ? もしかしたらこの子面白いかも、とふと思う。見方を変えてもいいのかもしれない。
彼女の汗が引くのを待って学園内にある貴族専用のカフェへ移動した。そこは貴族専用をうたってはいるものの、基本伯爵家以上の者しか足を踏み入れない特別な空間である。当然ながら調度品も素晴らしい。ここで出される物は全て上質であるが故に価格も高く、おいそれと気軽にお茶ができるような場所ではない。(伯爵家以上の家柄の者は学生証を見せれば家に直接請求がいくようになっている)それ故にここを利用する者は少ないので人目をはばかるような話をするには最適である。
躊躇する彼女の腕を取り、「お茶ぐらいはごちそうしますわ」と言うとしぶしぶ足を踏み入れる。いったいどちらが話をしたいのかさっぱりわからない。
ところで何故ヒロインが廊下を駆けてきたのかというと、2年生になってクラスが分かれたのだ。私は第二王子と婚約解消したことで更なる餌を周りに与えない為成績のキープを図ったのでそのままだったが、ヒロインは三学期の期末テストはもう全くやる気がなかったらしく子・男爵子女の集まるクラスへと変わることとなった。つまり成績上位十位以内には入らなかったのである。今回の中間テストも特にがんばらなかったらしく、五十位辺りをさまよっているらしいと、聞きもしないのに注進してくる輩はいた。
「それで、お話とは?」
ロイヤルミルクティーに角砂糖を二つ入れてそっとかき混ぜながら水を向けてやると、それまで少し俯き加減で固まっていたヒロインはビクッとした。やがてためらいながら低い声で言う。
「……サワクーロさまと婚約破棄されたのに、どうして王子は私を正妃にしてくれないの……?」
「何か打診があったのかしら?」
これは第二王子の名でイテイーサ男爵に正式な文書でも出したのだろう。あの時彼はヒロインを妾にすると言っていた。
ヒロインはわなわなと肩を震わせた。いきなりここで怒鳴りださなければいいなと思う。
「……正式に婚約者が決まったら、第二夫人としてもらってやってもいいって……」
第二夫人というのは妾のことだ。
「そう……」
「……どういうことなのよ?」
さすがに場をわきまえて声を張り上げることはしないでくれた。ただその恨みがましい視線と低い声はいただけないが。
どうもヒロインは自分の置かれた状況というものが理解できないらしい。私は内心嘆息し、どこまで彼女がこの国の制度というものを理解しているのか聞きだすことにした。
「イテイーサ嬢、失礼だけど貴女は男爵家の令嬢よね?」
「……それがなにか?」
「ザワーオ様は王子なのよ。その隣に立つには少なくとも伯爵家以上の身分が必要なのはご存知?」
もちろんヒロインは知らなかったらしくあまりの驚愕に目を見開き絶句した。
しかたないのでこの国の身分制度について説明する。この国は王の下に公・侯・伯・子・男の五等爵がありそれらは一般的に貴族と呼ばれているがその内実は異なる。この国の爵位はそのまま官職と行政区域を表しているので必然的に公爵が権力を持ち、所領の大きさやその豊かさにおいても他とは比べ物にならない。当然ながら子爵・男爵は所領がそれほど広くはない為、商人などが身分を得る為に国に相応のお金を払えばなれないことはない。当然ながら爵位持ちになるということは権限を持つ代わりに義務も増えるのだがそれは割愛する。
とどのつまり、男爵というのは金で買える身分なわけである。
昔は爵位というのも世襲制ではなかったらしいが、公・侯・伯となった者たちの子女も総じて優秀だったことから、途中からは世襲制に移行したのだと言われている。実際にはいろいろあったのだろうと推察されるがそれを論じる立場にはない。ようは伯爵以上の貴族は長い間王家を支えており、信用もある。その為王家の者と結婚するには伯爵以上の身分を持つ者に限定されているのだ。ただこれは王国法に定められているわけでもないいわば慣習による暗黙の了解である。一応抜け道もあるのだがそれはヒロインには伝えなかった。
「うそ……そんな……。ゲームではそんなの関係なかったのに……」
説明を咀嚼したヒロインは茫然として呟いた。「ゲーム」の部分は聞かなかったことにする。
「ご理解いただけたかしら?」
「ええ……でも、ならなんで婚約破棄したの? 私が王子と結婚できないなら別れる必要はないじゃない」
頭は悪くないようだ。入学試験で二番だったのだから当然か。
「それは家の事情によるわ」
暗に答えたくないことを示唆して微笑むと、ヒロインはうっすらと頬を染めた。なんでだ?
「……わかったわ。ゲームにはなかったけど……やっぱりサワクーロさまは王太子殿下と結婚されるのね?」
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