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78.夫なのに怒られてる
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「ほほう? それですごすごと帰ってきたとカヤテ殿はおっしゃるんですね?」
キールが笑顔でキれていた。いわゆる目が笑ってないという奴である。こわいって、俺も思った。
「……いやぁ、その……ウイ様とジュン様のえっちが見たいなーって、キールは思わないかなー……?」
俺は今部屋の布団の上に下ろされて、キールがカヤテに詰め寄っているところを見させられていた。正確には、カヤテを椅子にした形で、おなかに腕を回されてだっこされているような形である。つまり、キールは俺の目の前にいるわけだ。
キールは俺を責める気は全くないみたいだったけど、居心地は悪かった。だってなんか、ウイに抱かれるのを俺が了承したみたいな形になってしまったからである。
キールは嘆息した。
「……ウイ様は存じ上げませんが、天使とお聞きしていますからかわいらしい方なのでしょうね? かわいい方同士のえっちを見たくないと言ったら嘘になりますが……ジュン様は私の妻でもあるんですよ?」
キールはこちらで勝手に決めたことに怒っているようだった。それもそうだよな。キールも俺の夫なんだから……。
「キール、ごめん……」
しょんぼりした。すごく悪いことをしたと思った。
「ジュン様が謝られる必要はありません。同じ村で過ごされた方ですから、逆らえなかったのでしょう? ジュン様に非はありませんよ」
キールは柔和な笑みを浮かべた。
「それで、いつなのですか?」
「夕飯の後だそうです。他の鬼たちに詮索されたくありませんから」
「見学には?」
「私と、キール、リー、ワンド、クド、それから長とリンドル、アズとビーです。ジュン様の身体の準備は洗浄と衣裳のみ、あちらの部屋に連れて行くことになります」
カヤテが淡々と答える。
「……お嫁入りですか」
「それっぽいですねぇ」
キールが低い声で言う。それにカヤテは飄々と答えた。
お嫁入りって……そんな。
俺は顔が熱くなるのを感じた。
「お、俺っ……」
「わかっていますよ。ウイ様のご希望なのでしょう? ……蕩けたジュン様を見られるのはとても楽しみです」
「えっ?」
キールにそんなことを言われて頬が熱くなった。なんで俺が蕩けること前提になってるんだよ……。
それに、なんかキールの表情も柔らかくなってるし。
「……先入観は与えない方がいいでしょうね」
「戸惑って泣いてしまうのもかわいいでしょうし」
「腰が立たなくなってしまうかもしれないと聞いていますよ」
「それは是非見たい!」
「二人ともそれで動けなくなってしまったらと思うと」
「たまりませんね」
頭上でされる会話が意味不明で、俺はむーっとした。
「疲れたでしょうから……少しお休みしましょうか? それとも……触れさせていただけますか?」
キールにそんなことを言われた。顔の熱が全然去らなくて困ってしまう。
「い、入れなければ……いい、からっ……」
「ありがとうございます」
さすがに抱かれちゃうとわけがわからなくなっちゃうから、その手前まででって思ったけど……よく考えなくても天使の身体は感じやすいからどちらにせよたいへんなのだった。でもなんか……その……ウイに抱かれるって決まっちゃったから。
「カヤテ殿は見てるだけですよ」
「ええ!? 何故!?」
「だって止められなかったじゃないですか」
「ひどい! ウイ様を止められる人なんて長様以外いないじゃないですかっ!」
カヤテの抗議に内心同意してしまう。ウイってそういえば昔からけっこう頑固なところあったなーって。こうと決めたらてこでも動かない、みたいな。細くて、弱弱しく見えるけど実は一番強いのかもしれない。
「私はウイ様のことを存じ上げませんので、全てカヤテ殿の責任です」
「横暴だ!」
「はいはい、部屋の隅に行ってください。ジュン様は私たちにお任せを」
「ジュン様ぁ……」
なんだかんだ言って俺はカヤテのことは好きなのだ。だから、
「えーと……ウイに抱かれた後なら……」
と言ってしまった。
「承知しました!」
即答されて目を丸くした。
「あーあ……ジュン様、あんなこと言ってよかったんですか? 今夜はおそらく……寝られませんよ?」
カヤテからキールに渡され、キールにそんなことを言われた。俺は首を傾げた。
「? ウイだってそんなにできないだろ?」
「わかりませんよ? まぁいいです。今は……触れさせてください」
「あっ!?」
服の上からやんわりと俺自身を揉まれ、身体がびくんっと跳ねた。いきなりそこを刺激しちゃだめだってば。
「ふ、ふく、がっ……」
「そうですね。脱ぎましょうか」
素早く服を脱がされ、すぐに俺は裸にされてしまった。キールが嬉しそうに俺の身体を眺める。なんか恥ずかしくてそっぽを向いた。
「恥じらうジュン様もかわいいです……」
「あぁっ……」
乳首、いきなりきゅって摘まんじゃだめっ。足拡げて尻穴舐めちゃだめだめっ。あっちもこっちも同時に刺激しちゃらめえええっ。
そうして俺は夕飯の時間まで、キールだけじゃなくて鬼たちにも散々愛撫されてしまったのだった。もうっ、せーえき出ないってばぁっ。
キールが笑顔でキれていた。いわゆる目が笑ってないという奴である。こわいって、俺も思った。
「……いやぁ、その……ウイ様とジュン様のえっちが見たいなーって、キールは思わないかなー……?」
俺は今部屋の布団の上に下ろされて、キールがカヤテに詰め寄っているところを見させられていた。正確には、カヤテを椅子にした形で、おなかに腕を回されてだっこされているような形である。つまり、キールは俺の目の前にいるわけだ。
キールは俺を責める気は全くないみたいだったけど、居心地は悪かった。だってなんか、ウイに抱かれるのを俺が了承したみたいな形になってしまったからである。
キールは嘆息した。
「……ウイ様は存じ上げませんが、天使とお聞きしていますからかわいらしい方なのでしょうね? かわいい方同士のえっちを見たくないと言ったら嘘になりますが……ジュン様は私の妻でもあるんですよ?」
キールはこちらで勝手に決めたことに怒っているようだった。それもそうだよな。キールも俺の夫なんだから……。
「キール、ごめん……」
しょんぼりした。すごく悪いことをしたと思った。
「ジュン様が謝られる必要はありません。同じ村で過ごされた方ですから、逆らえなかったのでしょう? ジュン様に非はありませんよ」
キールは柔和な笑みを浮かべた。
「それで、いつなのですか?」
「夕飯の後だそうです。他の鬼たちに詮索されたくありませんから」
「見学には?」
「私と、キール、リー、ワンド、クド、それから長とリンドル、アズとビーです。ジュン様の身体の準備は洗浄と衣裳のみ、あちらの部屋に連れて行くことになります」
カヤテが淡々と答える。
「……お嫁入りですか」
「それっぽいですねぇ」
キールが低い声で言う。それにカヤテは飄々と答えた。
お嫁入りって……そんな。
俺は顔が熱くなるのを感じた。
「お、俺っ……」
「わかっていますよ。ウイ様のご希望なのでしょう? ……蕩けたジュン様を見られるのはとても楽しみです」
「えっ?」
キールにそんなことを言われて頬が熱くなった。なんで俺が蕩けること前提になってるんだよ……。
それに、なんかキールの表情も柔らかくなってるし。
「……先入観は与えない方がいいでしょうね」
「戸惑って泣いてしまうのもかわいいでしょうし」
「腰が立たなくなってしまうかもしれないと聞いていますよ」
「それは是非見たい!」
「二人ともそれで動けなくなってしまったらと思うと」
「たまりませんね」
頭上でされる会話が意味不明で、俺はむーっとした。
「疲れたでしょうから……少しお休みしましょうか? それとも……触れさせていただけますか?」
キールにそんなことを言われた。顔の熱が全然去らなくて困ってしまう。
「い、入れなければ……いい、からっ……」
「ありがとうございます」
さすがに抱かれちゃうとわけがわからなくなっちゃうから、その手前まででって思ったけど……よく考えなくても天使の身体は感じやすいからどちらにせよたいへんなのだった。でもなんか……その……ウイに抱かれるって決まっちゃったから。
「カヤテ殿は見てるだけですよ」
「ええ!? 何故!?」
「だって止められなかったじゃないですか」
「ひどい! ウイ様を止められる人なんて長様以外いないじゃないですかっ!」
カヤテの抗議に内心同意してしまう。ウイってそういえば昔からけっこう頑固なところあったなーって。こうと決めたらてこでも動かない、みたいな。細くて、弱弱しく見えるけど実は一番強いのかもしれない。
「私はウイ様のことを存じ上げませんので、全てカヤテ殿の責任です」
「横暴だ!」
「はいはい、部屋の隅に行ってください。ジュン様は私たちにお任せを」
「ジュン様ぁ……」
なんだかんだ言って俺はカヤテのことは好きなのだ。だから、
「えーと……ウイに抱かれた後なら……」
と言ってしまった。
「承知しました!」
即答されて目を丸くした。
「あーあ……ジュン様、あんなこと言ってよかったんですか? 今夜はおそらく……寝られませんよ?」
カヤテからキールに渡され、キールにそんなことを言われた。俺は首を傾げた。
「? ウイだってそんなにできないだろ?」
「わかりませんよ? まぁいいです。今は……触れさせてください」
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服の上からやんわりと俺自身を揉まれ、身体がびくんっと跳ねた。いきなりそこを刺激しちゃだめだってば。
「ふ、ふく、がっ……」
「そうですね。脱ぎましょうか」
素早く服を脱がされ、すぐに俺は裸にされてしまった。キールが嬉しそうに俺の身体を眺める。なんか恥ずかしくてそっぽを向いた。
「恥じらうジュン様もかわいいです……」
「あぁっ……」
乳首、いきなりきゅって摘まんじゃだめっ。足拡げて尻穴舐めちゃだめだめっ。あっちもこっちも同時に刺激しちゃらめえええっ。
そうして俺は夕飯の時間まで、キールだけじゃなくて鬼たちにも散々愛撫されてしまったのだった。もうっ、せーえき出ないってばぁっ。
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