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9.愛撫されるの見られちゃう

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 朝飯も鬼たちが部屋に運んできてくれた。
 どれも食べやすくておいしかった。柔らかい物が多く、胃に優しい味付けだった。

「あのぅ……」

 カヤテよりみんな身体が大きいけれど、俺はおそるおそる声をかけた。
 鬼はキールを見た。キールが頷く。鬼は俺を見やり、口を開いた。

「なんでしょう」
「この食事は……ウイも食べているのですか?」
「長殿の花嫁様です」

 ウイと言ってわかるものではなかったようだ。キールが補足をしてくれて助かったと思った。なんか恥ずかしい。

「はい。天使さまも食べていらっしゃいます」
「……ありがとうございます」

 答えてもらえてほっとした。鬼は一瞬目を見開いたが、そのまま無言で給仕を続けてくれた。がたいも大きいし、角もあるし、肌も灰色でとても怖いのだけど、俺たちがイメージしていた鬼とは全然違うのだなと再認識した。
 朝食を終えてお茶をもらった。このお茶もおいしい。
 村にいた時よりもいいものをいただいていると思う。ウイも同じようにしてもらっているというから、ここでの暮らしは決して悪くないのだろう。ウイが楽しく暮らせているのならいいと思った。
 でも。
 ずっとウイは一人で鬼の相手を務めてきたのだと思うと胸が痛んだ。
 まだ俺は天使ではないからもう少しかかるかもしれないが、ウイが楽になるようにがんばらなければと思った。
 ぼうっとしていたら「失礼します」と部屋の表から声がかかった。

「どうぞ」

 キールが返事をした。スッと扉が開かれ、鬼が三人現れた。俺はその姿を見てびくっと震えた。キールがすぐ側で、

「恐れることはありません」

 と言う。

「何用ですか」
「カヤテ様より呼ばれて参上しました。天使候補様に触れてもよいと伺いましたので」
「……え」
「失礼ですが、カヤテ殿からなにか預かってはいませんか?」
「これを」

 手紙のようなものをキールが受け取り、中を改めた。キールは考えるような顔をした。

「私は聞いておりませんので、許可は出せません。カヤテ殿にはどのように言われていますか?」
「キール殿の命に従うようにと」
「……それならばいいのでしょうが……」

 キールは考えるような顔をした。

「では、まず私がジュン様に触れますのでよく触り方を見ていてください。人の身体は弱いものです。決して傷つけないように愛撫は丁寧に、感じさせることを意識して行う必要があります。ジュン様、こちらへ」
「え……」

 キールに抱き上げられて布団の上に下ろされた。
 俺、これからキールに触れられるのか? カヤテがいないところで……。

「ジュン様、大丈夫ですから力を抜いてください。カヤテ殿が来るまでは手出しはさせません。どうか……」

 そんなことを言われても鬼が三人も側にいて俺とキールの様子を見ているのだ。ちら、と怖い物見たさで視線を向けたら、その鬼たちが朝食を給仕してくれていた者たちだったことに気づいた。

「あ、あの……」

 思わず俺は先ほどの鬼に声をかけていた。

「俺に、触りたいって……思いますか……?」

 自分でも何を聞いているのだと思ったが、鬼がどう思っているのか知りたくて聞いてしまった。聞いてからバカな質問をしたと思い、頭を抱えたくなった。

「……キール殿」
「どうぞ、答えてください」
「自分は、天使候補様に触れたい、です。自分とのHが大好きと言ってもらえるぐらい感じさせて、抱きたいです。おっぱいもちんちんもおまんこも舐めまくりたいですしいじりまくりたいです、それから……」
「も、もう、いい……やめて……」

 カーッと顔が熱くなる。どうしてキールも止めてくれないのだろうと、キールを睨んだ。

「鬼も情熱的ですね。私もジュン様のおっぱいもおちんちんもおまんこも舐めて、いっぱい感じさせてから抱きたいですよ」
「キ、キール……」

 動かない表情で何言ってんだコイツ、と思った。

「ジュン様」
「あっ……!?」

 いきなり俺自身を握られ、俺はびくっと震えた。

「貴方が天使さまになるまであと六日です。その六日間でとろとろにして差し上げます。天使になった途端イチモツで犯されていないといられないぐらいの淫乱に育てますから覚悟してください……」
「え? ど、どうして……そんな……」

 涙が浮かんだ。どうしてそんな恥ずかしいことを言うんだろう。

「ジュン様、淫乱は褒め言葉ですよ。鬼は絶倫ですから、相手が淫乱でなければ困ります。そして巨大なイチモツを好む相手ならなおいいのです」
「やっ、あっ……」

 くにくにと俺自身を揉みながら、キールは俺の乳首をちゅっと吸った。
 気持ちいい、と思って愕然とした。

「まだ触れさせはしませんが、見るのはかまいませんよ」

 キールが鬼たちに言う。そして片方の乳首を摘まむ。

「ああっ……!?」
「おっぱいとおちんちんで気持ちよくなってくださいね……」
「あっ、あっ……」

 キールってこんなに饒舌だったっけ?

「あっ、噛んじゃ、やぁっ……!」

 鬼が俺たちを凝視している。見られていることにぞくぞくする。天使は基本何人もに犯されるのが普通だから見られてHするのは当たり前だと聞いた。それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
 かぷかぷと乳首を甘噛みされ、もう片方の乳首は指先でくにくにと揉まれる。すでに勃起してしまった俺自身はキールの手で揉まれたりしごかれたりした。

「あっ、あっ、あっ、あっ……」
「おっぱいはいずれ乳が出るように丁寧に育てなければなりません。最初は優しく触れながら、やがて大きくなってきたら少し力を入れていじったりしていきます。もっと粒が大きくなったら何度も軽く引っ張ってかわいがります。そうすることで乳の出るかわいいおっぱいになるそうです」

 そんなこと言いながら吸わないでほしい。

「やだっ、やぁあっ……」

 鬼たちからの視線が痛い。いっぱい乳首もちんちんもいじられて、俺はとうとうイカされてしまった。
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