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208.これって玉の輿かも?
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昼食後、食休みでベランダに出してもらった。
そんなに広いわけじゃないけど(元の世界の俺の知っている一戸建ての庭よりははるかに広い)、この庭の手入れって誰がしているんだろう。
今日はジャンがいないから給仕はビットにしてもらった。恐る恐るお茶を淹れる手つきが面白い。ちょっと睨まれたけどしょうがないじゃないか。ま、冒険者がお茶を淹れるとか言ったらカップに茶葉入れてお湯を入れるってだけだもんな。飯屋でだってこんな上品なティーポットを使ってお茶を淹れるなんてことはしてくれない。そう考えるとやっぱり今の生活はものすごく贅沢なんだなと実感した。
「なぁ、ジャック」
「なんだ?」
「この庭の手入れって誰がしてるんだ?」
「俺も一応しているが……昼の間は村の者たちに頼んでいる」
「あ、やっぱそうなんだ?」
村の人たちにはとてもお世話になっているようだ。ジャックの収入はとんでもないからいくらでも人は雇えるんだろう。ジャンも奴隷商の専属調教師なんかやってるぐらいだし、相当な高給取りだ。
ってあれ? もしかして俺って玉の輿?
「どうしたんだ?」
ジャックに顔を覗き込まれた。
「ん? いや……俺冒険者やってたの知ってるだろ?」
「……ああ」
ん? なんかジャックの声が低く聞こえるぞ。またなんか勘違いしたのかな。ジャックってけっこう早とちりなんだよな。
「俺、つい最近まで根無し草でさ、将来とか全く見えなかったのになんか変わっちまったなと思って。ってこういう話前にもしたよな?」
「ああ、そうだな……」
まだなんかくよくよ考えてそうだ。はっきり言わないとジャックには伝わらない。
「俺さ……ジャックと、ジャンの……奥さん、なんだろ……?」
うわあん。なんかこれ言うのすっごく恥ずかしい。今白い靴下履かされてるのも実は恥ずかしくてたまらないんだ。
「ああ、そうだ!」
「なんか、その……玉の輿だなって……思っちゃって、恥ずかしいよな?」
こっちの世界って俺がしゃべる言葉そのまま通じるんだけど、玉の輿もわかるのかな? 確か日本の言い方だったと思うけど……。
ジャックは考えるような顔をした。
「……そんなことはないだろう。カイトは元の世界では普通に組織の中で働いていたのだろう? カイトは学もある。決して玉の輿と考えるほどではないと思うぞ?」
「んー……でも、元の世界の俺の給料だと誰かを養うなんてことできなかったと思うぞ。結婚しても働いてもらうことになっただろうし、もちろんこんなに大きな家も買えないし誰かを雇うとかもできなかったから」
「玉の輿だろうがなんだろうが大事なのはカイトの気持ちだろう。カイトが今俺たちと共にいて満たされていると思ってくれるなら何よりだ」
「そっか……」
俺は照れ隠しにお茶に口をつけた。
「こっ! ビット、お前どんだけ葉っぱ入れたんだよっ!」
茶葉もいいものを使っているせいか入れすぎたとしても苦くなることはないみたいだ。ただ、なんというかすごく濃い。
「しょうがねーだろっ! こんな上品なお茶なんか淹れたことねーんだからっ、お前も知ってるだろっ!」
「わかんねーんだったら安請け合いしないで誰かに聞けっつってんだよっ!」
やるかっ!? と思ったけどジャックに抱き込まれてしまった。
「お湯のみを入れたポットがある。取ってこい」
「は、はい! 失礼しました!」
ジャックに冷たい声で言われ、ビットは蒼褪めながら家の中へ戻っていった。
「……気安いな……」
俺をぎゅうぎゅう抱きしめながら、ジャックは拗ねたように言った。
「……まぁそれなりに長いこと一緒に冒険者やってたからな……」
ジャンとジャックとは、どんなに長く見積もっても4か月ぐらいだ。ビットたちとは三年だな。この世界に来て右往左往して、どうにか仲間を見つけられたと思ったのに。思い出したらなんか悲しくなってきた。
「……カイト?」
もうあんな思いは二度としたくない。
「ジャックは……俺のこと捨てたりしないよな……?」
「何を言ってるんだ!」
ジャックが驚いたような声を出した。
「カイトを捨てるなんてありえない! カイトは俺たちの大事な嫁だ」
「でも、もし……俺の身体が使い物にならなくなったら……」
「天使の身体がどうなっていくのかは俺たちにはわからない。だが、例えカイトを抱けなくなったとしても俺たちは放す気はないからな。カイトは俺たちの大事な、伴侶だ」
「うう~……」
泣きたくないのになんか涙が出てきた。俺の身体に回されているジャックの腕をぎゅうぎゅう抱きしめる。
もちろん今そう言われたからって一生安泰ってことはない。でも嬉しくてしかたなかった。
「ジャック……」
「なんだ?」
優しく抱き込まれていることが嬉しくて、俺はジャックの胸に頭をすり寄せた。
「あの……」
顔が熱い。
胸がきゅううっと苦しくなっただけじゃなくて、尻穴もなんかひくひくしてきた。俺の身体は明らかに発情している。
「……えっち、しよ?」
恥ずかしいけど上目遣いでおねだりしたら、ジャックは俺を抱きしめたまま無言で立ち上がった。
えーっと……激しくされちゃう、かな?
そんなに広いわけじゃないけど(元の世界の俺の知っている一戸建ての庭よりははるかに広い)、この庭の手入れって誰がしているんだろう。
今日はジャンがいないから給仕はビットにしてもらった。恐る恐るお茶を淹れる手つきが面白い。ちょっと睨まれたけどしょうがないじゃないか。ま、冒険者がお茶を淹れるとか言ったらカップに茶葉入れてお湯を入れるってだけだもんな。飯屋でだってこんな上品なティーポットを使ってお茶を淹れるなんてことはしてくれない。そう考えるとやっぱり今の生活はものすごく贅沢なんだなと実感した。
「なぁ、ジャック」
「なんだ?」
「この庭の手入れって誰がしてるんだ?」
「俺も一応しているが……昼の間は村の者たちに頼んでいる」
「あ、やっぱそうなんだ?」
村の人たちにはとてもお世話になっているようだ。ジャックの収入はとんでもないからいくらでも人は雇えるんだろう。ジャンも奴隷商の専属調教師なんかやってるぐらいだし、相当な高給取りだ。
ってあれ? もしかして俺って玉の輿?
「どうしたんだ?」
ジャックに顔を覗き込まれた。
「ん? いや……俺冒険者やってたの知ってるだろ?」
「……ああ」
ん? なんかジャックの声が低く聞こえるぞ。またなんか勘違いしたのかな。ジャックってけっこう早とちりなんだよな。
「俺、つい最近まで根無し草でさ、将来とか全く見えなかったのになんか変わっちまったなと思って。ってこういう話前にもしたよな?」
「ああ、そうだな……」
まだなんかくよくよ考えてそうだ。はっきり言わないとジャックには伝わらない。
「俺さ……ジャックと、ジャンの……奥さん、なんだろ……?」
うわあん。なんかこれ言うのすっごく恥ずかしい。今白い靴下履かされてるのも実は恥ずかしくてたまらないんだ。
「ああ、そうだ!」
「なんか、その……玉の輿だなって……思っちゃって、恥ずかしいよな?」
こっちの世界って俺がしゃべる言葉そのまま通じるんだけど、玉の輿もわかるのかな? 確か日本の言い方だったと思うけど……。
ジャックは考えるような顔をした。
「……そんなことはないだろう。カイトは元の世界では普通に組織の中で働いていたのだろう? カイトは学もある。決して玉の輿と考えるほどではないと思うぞ?」
「んー……でも、元の世界の俺の給料だと誰かを養うなんてことできなかったと思うぞ。結婚しても働いてもらうことになっただろうし、もちろんこんなに大きな家も買えないし誰かを雇うとかもできなかったから」
「玉の輿だろうがなんだろうが大事なのはカイトの気持ちだろう。カイトが今俺たちと共にいて満たされていると思ってくれるなら何よりだ」
「そっか……」
俺は照れ隠しにお茶に口をつけた。
「こっ! ビット、お前どんだけ葉っぱ入れたんだよっ!」
茶葉もいいものを使っているせいか入れすぎたとしても苦くなることはないみたいだ。ただ、なんというかすごく濃い。
「しょうがねーだろっ! こんな上品なお茶なんか淹れたことねーんだからっ、お前も知ってるだろっ!」
「わかんねーんだったら安請け合いしないで誰かに聞けっつってんだよっ!」
やるかっ!? と思ったけどジャックに抱き込まれてしまった。
「お湯のみを入れたポットがある。取ってこい」
「は、はい! 失礼しました!」
ジャックに冷たい声で言われ、ビットは蒼褪めながら家の中へ戻っていった。
「……気安いな……」
俺をぎゅうぎゅう抱きしめながら、ジャックは拗ねたように言った。
「……まぁそれなりに長いこと一緒に冒険者やってたからな……」
ジャンとジャックとは、どんなに長く見積もっても4か月ぐらいだ。ビットたちとは三年だな。この世界に来て右往左往して、どうにか仲間を見つけられたと思ったのに。思い出したらなんか悲しくなってきた。
「……カイト?」
もうあんな思いは二度としたくない。
「ジャックは……俺のこと捨てたりしないよな……?」
「何を言ってるんだ!」
ジャックが驚いたような声を出した。
「カイトを捨てるなんてありえない! カイトは俺たちの大事な嫁だ」
「でも、もし……俺の身体が使い物にならなくなったら……」
「天使の身体がどうなっていくのかは俺たちにはわからない。だが、例えカイトを抱けなくなったとしても俺たちは放す気はないからな。カイトは俺たちの大事な、伴侶だ」
「うう~……」
泣きたくないのになんか涙が出てきた。俺の身体に回されているジャックの腕をぎゅうぎゅう抱きしめる。
もちろん今そう言われたからって一生安泰ってことはない。でも嬉しくてしかたなかった。
「ジャック……」
「なんだ?」
優しく抱き込まれていることが嬉しくて、俺はジャックの胸に頭をすり寄せた。
「あの……」
顔が熱い。
胸がきゅううっと苦しくなっただけじゃなくて、尻穴もなんかひくひくしてきた。俺の身体は明らかに発情している。
「……えっち、しよ?」
恥ずかしいけど上目遣いでおねだりしたら、ジャックは俺を抱きしめたまま無言で立ち上がった。
えーっと……激しくされちゃう、かな?
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