彩師 サリエルの訪問

のーまじん

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未完

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 ガーデンテーブルは、あっと言う間に華やかなイングリッシュティーパーティの華やかさでお菓子と茶器が賑わっている。

 「召し上がれ。」
楓は、タイトな黒い長袖のシャツに、アンティークなストールをかけて微笑んだ。
 綺麗……。

 一瞬、紗由理は、ストールに手をかける楓の仕草に見とれてしまう。

 それから、慌てて、小さく「はい。」と返事をする。

 楓の顔が上品にほころんだ。
 楓は紅茶を入れる。
 「アールグレーと言うと、基本、アイスティーを思い浮かべるけれど、ホットもいけるのよ。」
と、言いながら、氷のたっぷり入ったグラスにホットティーを入れる。
 カラカラと、軽く氷の弾ける音が響く。
 軽く混ぜられて、紗由理の所へ届く頃には冷たく冷えている。

 「ありがとうございます。」
紗由理は、つぎたてのアイスティーを口にする。
 ベルガモットの渋味のある爽快さが、大人の世界を思わせる。


 「ところで、今日は文芸部の私の作品の件でいらしたのよね?」
落ち着いた頃合いで楓は聞いた。
「はい。『祓魔師』の続きを書きたいと思って、許可を貰いに来ました。」
紗由理は、少し緊張する。
 顧問の真田先生よりも年上の先輩の作品の改変なんて、普通はおそれ多くて交渉なんてダメだと部長には言われた。
 こうして、楓を前にするまでは、平気だと紗由理は思っていた。
 が、こうして、楓の……作者を前にして、作り替えたいと言うと、何か、とてつもなく失礼で悪いことをお願いしている気分になる。

 しばらくの沈黙。

 怒られるな。

 紗由理は、直感的にそう思った。
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