154 / 208
パラサイト
覚醒
しおりを挟む
部屋の中で、私は雅苗をジッと見つめていた。
長い歴史と登場人物に混乱する。
北宮の主要人物だけで4人。
そして、森鴎外とか、有名人が数人…
謎の男、太田なる人物まで登場してきて、なんだか、記憶ゲームでもしている気分になる。
「とにかく、皆、プロバンスに行った…と、言うことですね?」
私は、膨らむキャラクターを記憶のプロバンスに押し込んだ。
今、優先事項はなんだろう?
北宮の歴史を聞くことでは無い気がする。
虫の駆除……
そして、秋吉達を病院へ…
警察や保健所に連絡した方が良い気がする。
正気に戻った…気がした。
「雅苗さん、先ずは、119番に……溶生さん達を病院に連れて行きましょう。」
私は、焦るように立ち上がった。
そんな私を雅苗は悲しそうに微笑んだ。
そして、残酷なくらいキッパリとこう言い放った。
「無理です。」
Σ( ̄□ ̄)!
「じ、じゃあ、温室に…虫を…駆除しに行きましょう。」
私は、おろおろしながら、2番目の優先事項を話す。 が、雅苗は眉を寄せながら首をふる。
「このまま、何もせずに部屋を出たら、餌食になるだけです。」
「餌食……(°∇°;)」
「ハリガネムシに操られたカマキリのように…池にのまれてしまいます。」
ハリガネムシ………。
恐怖が背中を激痛のように走る。
ハリガネムシは、細い糸のような姿の寄生虫である。
類線形動物に属し、昆虫に寄生する。
寄生されたカマキリは、やがて、時が来るとフラフラと水辺に誘われるのだ。
そして、ハリガネムシに操られるままに、水の中へと自ら飛び込んで行くのだ。
ハリガネムシが、繁殖相手を池で見つけられるように。
そして、哀れなカマキリは、川の生物に美味しく食べられて、ハリガネムシの子供達の豊かな寄生の為に、川の生物の栄養源として最後まで貢献するのだ。
ここに来て、池の伝説の恐ろしさが、骨身に染みてきた。
いるのだ…
人を補食する謎の生物が。
既に、私の体にも潜伏しているのかもしれない。
軽いめまいがした。
と、同時に、深い好奇心にもかられる。
「私は、殺虫剤の研究はしてきましたが、虫下しなどの人体に作用する薬は管轄外です。
それでも、お役にたてるのでしょうか?」
激しい動機にさいなまれながら、それでも、意識はシャキッとするのを感じた。
敵が……これから先の展望が、少しだけ見えてきたからだ。
長い歴史と登場人物に混乱する。
北宮の主要人物だけで4人。
そして、森鴎外とか、有名人が数人…
謎の男、太田なる人物まで登場してきて、なんだか、記憶ゲームでもしている気分になる。
「とにかく、皆、プロバンスに行った…と、言うことですね?」
私は、膨らむキャラクターを記憶のプロバンスに押し込んだ。
今、優先事項はなんだろう?
北宮の歴史を聞くことでは無い気がする。
虫の駆除……
そして、秋吉達を病院へ…
警察や保健所に連絡した方が良い気がする。
正気に戻った…気がした。
「雅苗さん、先ずは、119番に……溶生さん達を病院に連れて行きましょう。」
私は、焦るように立ち上がった。
そんな私を雅苗は悲しそうに微笑んだ。
そして、残酷なくらいキッパリとこう言い放った。
「無理です。」
Σ( ̄□ ̄)!
「じ、じゃあ、温室に…虫を…駆除しに行きましょう。」
私は、おろおろしながら、2番目の優先事項を話す。 が、雅苗は眉を寄せながら首をふる。
「このまま、何もせずに部屋を出たら、餌食になるだけです。」
「餌食……(°∇°;)」
「ハリガネムシに操られたカマキリのように…池にのまれてしまいます。」
ハリガネムシ………。
恐怖が背中を激痛のように走る。
ハリガネムシは、細い糸のような姿の寄生虫である。
類線形動物に属し、昆虫に寄生する。
寄生されたカマキリは、やがて、時が来るとフラフラと水辺に誘われるのだ。
そして、ハリガネムシに操られるままに、水の中へと自ら飛び込んで行くのだ。
ハリガネムシが、繁殖相手を池で見つけられるように。
そして、哀れなカマキリは、川の生物に美味しく食べられて、ハリガネムシの子供達の豊かな寄生の為に、川の生物の栄養源として最後まで貢献するのだ。
ここに来て、池の伝説の恐ろしさが、骨身に染みてきた。
いるのだ…
人を補食する謎の生物が。
既に、私の体にも潜伏しているのかもしれない。
軽いめまいがした。
と、同時に、深い好奇心にもかられる。
「私は、殺虫剤の研究はしてきましたが、虫下しなどの人体に作用する薬は管轄外です。
それでも、お役にたてるのでしょうか?」
激しい動機にさいなまれながら、それでも、意識はシャキッとするのを感じた。
敵が……これから先の展望が、少しだけ見えてきたからだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
悪夢のエロオスガキわからせ性教育
蓮實長治
ホラー
もし、学校の性教育の内容が下手なエロ・コンテンツより過激なモノになったとしたら……その時、エロ・コンテンツは商売として成り立つのか?
エロ用語がかなり出て来るのでR15にしてますが、実用性は期待しないで下さい。
あくまで「世の中はマシになっている……らしいが、その原因は悪夢のような事態」と云う不条理モノです。
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」に同じモノを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる