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パラサイト
辞任
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セクシー素数(ーー;)
分からない。北城と言う男も、数学者と言うやつらも…
中学生じゃあるまいし、6の発音にトキメクなんて、50代を突破した日本男児の私には理解できない。
と、いいながら、中学時代の英語のリスニングの試験で6時の発音に、好きな女の子の横顔を盗み見た黒歴史がよみがえったりもする。
いや、私の黒歴史で甘酸っぱくなってる場合ではない!
「これは年号だ。そして、ノストラダムスが関係してる。」
と、恥ずかしい回想の反動で北城に強く抗議した。
「( ̄ー+ ̄)フッ…ノストラダムス…」
「(///∇///)…」
ここで、ノストラダムスを鼻で笑われて我にかえった。
実は、私の方が恥ずかしい事を口走ったのだろうか?
「このしおりにノストラダムスを連想する何がある?」北城は真顔で聞いていた。
馬鹿にされるのも嫌だが、真顔でスルーも痛いものだ。
「これは、2011年、雅苗さんがプロバンスでもらったらしいパンフレット等のコラージュだと思う。」
平常心を心がける。
「そうか、たしか、ノストラダムスは、プロバンスの人間だったな。しかし、それだけでは、説明が弱いな。それに、らしい…とは憶測だろ?」
「そうだ。しかし、長山さんに聞いたところによると、雅苗さんがノストラダムスに興味があったらしい。」
私はそう言いながら、スカラベの話を思い出していた。
イシスのスカラベのミイラの話…北城はどう考えているのだろう?
が、それを聞く機会(タイミング)を私は外した。
北宮 雅苗(かなえ)
生物学者であるが、お嬢様。
ポップスターだった若宮 溶生(ときお)と結婚し、7年前に謎を残して失踪した。
今から100年前、1919年に出版された『砂金』に自作のケースを被せ、そこにシケイダ3301のセミを描いた。
そして、『トミノの地獄』のページにボッチチェリの『地獄の見取り図』と言う絵を張り付ける。
失踪後、誰かに謎解きを迫るようでもあり、
段々、違うような気持ちもしてきた。
2013年…ローマ教皇の退任劇があったのを思い出した。
確か、ベネディクト16世の辞任という、珍しい形での新教皇だったはずだ。
バチカンに雷が落ちたり、聖マラキの予言があったりと、色々な噂があったのを思い出す。
でも…そんな事、2012年の夏に予測出来るのだろうか?
基本、ローマ教皇は生涯変わらない。
普通なら、病気など予測もつくだろうが、今回は、突然の話だったから、ノストラダムスも聖マラキもこうなるなんて想像できなかっただろう……。
「何を考えている?」
耳に北城の声が飛び込んできた。
「雅苗さんは…何を考えてたんだろう?」
私は、不思議な謎にうすら寒さを覚えた。
「私は、池上、お前の事が心配だ。
なんだ、いきなり、マラキの話なんて。」
北城は不気味そうに私を見る。
「仕方ないだろ。」
私は、戦犯にされた事に不服を言った。
「今年は2019年だからな、砂金は1919年に出版されて100周年になるが、今年はダ・ヴィンチの没後500年でもあるんだ。この年に何かを考えていたとするなら、ノストラダムスより、ダ・ヴィンチを想像すると考えた。
ヨハネ騎士団は、テンプル騎士団とも縁があるからな。」
北城に言われて、私は絶句する。頭がついて行かない。
「で、『砂金』には、ボッチチェリー『地獄の見取り図』が張り付けられてるだろ?
それなら、バチカンの何かもあると考えるじゃないか。これは、夏祭りの子供用の謎かもしれないぞ。」
そうに違いない。と、真面目に思った。
が、北城は私の説明を一通り聞いて爆笑した。
本当に、失礼なくらい楽しそうに馬鹿笑いをかましてくれた。
腹が立った…が、困った子供を見る顔で私をみて、
「ローマ教皇の…辞任が報道されたのは2013年2月のことだ。そんなこと、日本の一学者が知る由も無い。」
北城はそう言ってまた、笑った。
「悪かったな、世間知らずで。」
と、不機嫌に文句を言う。
「まあ、我々は仏教徒だから。」
北城はそう言いながら、なだめるように私の肩をポンポンと叩く。
「知らないよ。全く。でも、だったら、なんで、あんな意味ありげにボッチチェリの絵なんて張り付けたんだろう?」
私は、文句をいいながら、雅苗さんは、やはり、北城の親族だな、と、思った。
「さあ、まだ、わからないが、このしおりについては、思い付いたことがある。」
「なんだ?」
「モルゲロンズだ。」
北城はそう言った。
分からない。北城と言う男も、数学者と言うやつらも…
中学生じゃあるまいし、6の発音にトキメクなんて、50代を突破した日本男児の私には理解できない。
と、いいながら、中学時代の英語のリスニングの試験で6時の発音に、好きな女の子の横顔を盗み見た黒歴史がよみがえったりもする。
いや、私の黒歴史で甘酸っぱくなってる場合ではない!
「これは年号だ。そして、ノストラダムスが関係してる。」
と、恥ずかしい回想の反動で北城に強く抗議した。
「( ̄ー+ ̄)フッ…ノストラダムス…」
「(///∇///)…」
ここで、ノストラダムスを鼻で笑われて我にかえった。
実は、私の方が恥ずかしい事を口走ったのだろうか?
「このしおりにノストラダムスを連想する何がある?」北城は真顔で聞いていた。
馬鹿にされるのも嫌だが、真顔でスルーも痛いものだ。
「これは、2011年、雅苗さんがプロバンスでもらったらしいパンフレット等のコラージュだと思う。」
平常心を心がける。
「そうか、たしか、ノストラダムスは、プロバンスの人間だったな。しかし、それだけでは、説明が弱いな。それに、らしい…とは憶測だろ?」
「そうだ。しかし、長山さんに聞いたところによると、雅苗さんがノストラダムスに興味があったらしい。」
私はそう言いながら、スカラベの話を思い出していた。
イシスのスカラベのミイラの話…北城はどう考えているのだろう?
が、それを聞く機会(タイミング)を私は外した。
北宮 雅苗(かなえ)
生物学者であるが、お嬢様。
ポップスターだった若宮 溶生(ときお)と結婚し、7年前に謎を残して失踪した。
今から100年前、1919年に出版された『砂金』に自作のケースを被せ、そこにシケイダ3301のセミを描いた。
そして、『トミノの地獄』のページにボッチチェリの『地獄の見取り図』と言う絵を張り付ける。
失踪後、誰かに謎解きを迫るようでもあり、
段々、違うような気持ちもしてきた。
2013年…ローマ教皇の退任劇があったのを思い出した。
確か、ベネディクト16世の辞任という、珍しい形での新教皇だったはずだ。
バチカンに雷が落ちたり、聖マラキの予言があったりと、色々な噂があったのを思い出す。
でも…そんな事、2012年の夏に予測出来るのだろうか?
基本、ローマ教皇は生涯変わらない。
普通なら、病気など予測もつくだろうが、今回は、突然の話だったから、ノストラダムスも聖マラキもこうなるなんて想像できなかっただろう……。
「何を考えている?」
耳に北城の声が飛び込んできた。
「雅苗さんは…何を考えてたんだろう?」
私は、不思議な謎にうすら寒さを覚えた。
「私は、池上、お前の事が心配だ。
なんだ、いきなり、マラキの話なんて。」
北城は不気味そうに私を見る。
「仕方ないだろ。」
私は、戦犯にされた事に不服を言った。
「今年は2019年だからな、砂金は1919年に出版されて100周年になるが、今年はダ・ヴィンチの没後500年でもあるんだ。この年に何かを考えていたとするなら、ノストラダムスより、ダ・ヴィンチを想像すると考えた。
ヨハネ騎士団は、テンプル騎士団とも縁があるからな。」
北城に言われて、私は絶句する。頭がついて行かない。
「で、『砂金』には、ボッチチェリー『地獄の見取り図』が張り付けられてるだろ?
それなら、バチカンの何かもあると考えるじゃないか。これは、夏祭りの子供用の謎かもしれないぞ。」
そうに違いない。と、真面目に思った。
が、北城は私の説明を一通り聞いて爆笑した。
本当に、失礼なくらい楽しそうに馬鹿笑いをかましてくれた。
腹が立った…が、困った子供を見る顔で私をみて、
「ローマ教皇の…辞任が報道されたのは2013年2月のことだ。そんなこと、日本の一学者が知る由も無い。」
北城はそう言ってまた、笑った。
「悪かったな、世間知らずで。」
と、不機嫌に文句を言う。
「まあ、我々は仏教徒だから。」
北城はそう言いながら、なだめるように私の肩をポンポンと叩く。
「知らないよ。全く。でも、だったら、なんで、あんな意味ありげにボッチチェリの絵なんて張り付けたんだろう?」
私は、文句をいいながら、雅苗さんは、やはり、北城の親族だな、と、思った。
「さあ、まだ、わからないが、このしおりについては、思い付いたことがある。」
「なんだ?」
「モルゲロンズだ。」
北城はそう言った。
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