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パラサイト
地獄絵図
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「と、言うわけで、トミノの地獄は、都市伝説になったのだ。
しかし、これは2004年にある作家のエッセーに書かれた推測から始まる、全くの根拠のない話なのだよ。
さあ、本日、私がこの詩を朗読しよう。」
音無の低く通る声が響いて、一瞬、本を持ったまま、パソコン画面に吸い付けられる。
「やめてくださいっ。」
秋吉はキッパリと言いきった。
あんなに、音無を怖がっていたとは思えない、しっかりとした大きな声だった。
「不幸にはなりたくないんで。俺、今度の『シルク』に声優人生かけてるんで、幸せにしてくださいよ。」
続いて、今度は甘える声で秋吉は話しかける。
そこで安心して、私は本を持ち直す。
そして、ここで簡単に『トミノの地獄』のページが開いた理由を知った。
何か、このページだけがわずかに膨れていたのだ。
ページを開くと、空白に紙が張り付けられている。
挿し絵のつもりだろうか?
なにか、お椀型の物が浮いている西洋画がついていた。
初めはなにか、分からなかったが、地獄と言うので思い出した。
地獄…インフェルノ…
これは、西洋画、ボッティチェリの絵画『地獄図』だ。
しかし、これは2004年にある作家のエッセーに書かれた推測から始まる、全くの根拠のない話なのだよ。
さあ、本日、私がこの詩を朗読しよう。」
音無の低く通る声が響いて、一瞬、本を持ったまま、パソコン画面に吸い付けられる。
「やめてくださいっ。」
秋吉はキッパリと言いきった。
あんなに、音無を怖がっていたとは思えない、しっかりとした大きな声だった。
「不幸にはなりたくないんで。俺、今度の『シルク』に声優人生かけてるんで、幸せにしてくださいよ。」
続いて、今度は甘える声で秋吉は話しかける。
そこで安心して、私は本を持ち直す。
そして、ここで簡単に『トミノの地獄』のページが開いた理由を知った。
何か、このページだけがわずかに膨れていたのだ。
ページを開くと、空白に紙が張り付けられている。
挿し絵のつもりだろうか?
なにか、お椀型の物が浮いている西洋画がついていた。
初めはなにか、分からなかったが、地獄と言うので思い出した。
地獄…インフェルノ…
これは、西洋画、ボッティチェリの絵画『地獄図』だ。
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