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パラサイト
聖ヨハネ
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草むしりをしながら、私は、小さな温室に広がる夢幻の世界を楽しんでいた。
何はともあれ、ここで少年尊徳先生が、生物学の知識を深めたのには違いない。
石をひっくり返せば、ハサミ虫やダンゴムシが顔を出すし、蜜蜂も忙しく働いている。
私は一通り温室を片付けると、思いきって長山にしおりについて意見を聞こうと決心した。
長山は、2010年に雅苗とプロバンスで会っているのだ。
2012年の人類滅亡の番組を収録していた長山に何か、影響を受けている可能性はある。
「すいません。」
私は、思いきって長山に声をかける。
長山は、機材のセッテングの手を止めて私を見る。
「終わりましたか?」
「はい。あと…ひとつ、お伺いしたい事があるのですが。」
と、私はポケットからしおりを取り出した。
長山は、それを見つめ、静かに手にした。
「これ、どこにありました?」
長山は、真剣な顔で私を見る。
「雅苗さんの部屋で見つけました。」
私は素直に答え、長山は眉をよせて私の答えを疑った。
「部屋のどこで見つけましたか?」
「小学生用の本に挟まっていました。」
長山の質問に私はシンプルに答えた。
やはり、何か、長山には気になることがあるのだろう。
「このしおり、大切なものなんですか?」
私は、何かに急かされるような長山の様子に不安になる。
私の様子に長山が少し、冷静さを取り戻す。
「どうでしょうか?でも、何か、伝えたい事があるんだと思います。」
長山は少し言葉を濁していた。
「セントジョーンズワートは薬、聖ヨハネと言えば騎士団が有名ですよね?
設立に尽力したのは、プロバンスのジェラールという人物。
医療活動をしていたので、ホスピタル騎士団とも呼ばれ、モンペリエともゆかりがある。
モンペリエと言えば、大学の医学部がヨーロッパ最古のものとして有名ですよね?
ノストラダムスも在籍していた。」
私は長山を挑発するように言った。
長山は、少し困ったように私を見て、呟くようにこう言った。
「確かに、ノストラダムスは医者です。
そして、雅苗さんは、医師の……疫学者としてのノストラダムスに興味を持っていたようでした。」
何はともあれ、ここで少年尊徳先生が、生物学の知識を深めたのには違いない。
石をひっくり返せば、ハサミ虫やダンゴムシが顔を出すし、蜜蜂も忙しく働いている。
私は一通り温室を片付けると、思いきって長山にしおりについて意見を聞こうと決心した。
長山は、2010年に雅苗とプロバンスで会っているのだ。
2012年の人類滅亡の番組を収録していた長山に何か、影響を受けている可能性はある。
「すいません。」
私は、思いきって長山に声をかける。
長山は、機材のセッテングの手を止めて私を見る。
「終わりましたか?」
「はい。あと…ひとつ、お伺いしたい事があるのですが。」
と、私はポケットからしおりを取り出した。
長山は、それを見つめ、静かに手にした。
「これ、どこにありました?」
長山は、真剣な顔で私を見る。
「雅苗さんの部屋で見つけました。」
私は素直に答え、長山は眉をよせて私の答えを疑った。
「部屋のどこで見つけましたか?」
「小学生用の本に挟まっていました。」
長山の質問に私はシンプルに答えた。
やはり、何か、長山には気になることがあるのだろう。
「このしおり、大切なものなんですか?」
私は、何かに急かされるような長山の様子に不安になる。
私の様子に長山が少し、冷静さを取り戻す。
「どうでしょうか?でも、何か、伝えたい事があるんだと思います。」
長山は少し言葉を濁していた。
「セントジョーンズワートは薬、聖ヨハネと言えば騎士団が有名ですよね?
設立に尽力したのは、プロバンスのジェラールという人物。
医療活動をしていたので、ホスピタル騎士団とも呼ばれ、モンペリエともゆかりがある。
モンペリエと言えば、大学の医学部がヨーロッパ最古のものとして有名ですよね?
ノストラダムスも在籍していた。」
私は長山を挑発するように言った。
長山は、少し困ったように私を見て、呟くようにこう言った。
「確かに、ノストラダムスは医者です。
そして、雅苗さんは、医師の……疫学者としてのノストラダムスに興味を持っていたようでした。」
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