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冥王の迷宮
サンタクロースしんどろーむ3
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「アンタ、まさか、サンタクロースを宇宙人なんて言わないわよね?」
私は叫ぶ。サンタさんを宇宙人にされるのに耐えられなかった。
いや、カッパみたいな両生類っぽいのはまだいい。
でも、サンタさんは…サンタさんは…やめてほしい(>_<)
かまえる私に、山臥は当たり前、といった表情でみる。
「宇宙人?馬鹿だな…サンタクロースは、指輪を持った彼氏に決まってるじゃないか。」
山臥は古いアメリカ映画の気のきいたジョークの後のようにウインクをする。
ぱあぁぁ~ん(///∇///)
サンタクロースはね、指輪を持った恋人カレシの事なのよっ。
ああ、頭のなかに、懐かしいクリスマスのBGMに少女漫画のヒロインが叫ぶ。
なんだろう?この高血圧とは違うドキドキは?ときめきはっ!
ああ…頭の中でバブルな彼女が新幹線ホームで恋人を待っている。
空港から直通の新幹線に乗った恋人をソワソワしながら待っている。
宇宙人より、娘時代の一般常識の方が問題な気がする、空港と新幹線は直通では無いはずだ。
多分、それは新幹線じゃなく、特急と間違ってる気もするが、でも、そんなのどうでもいいじゃん。だってその方がトレンディですもの。
バカ娘の私が頭の中で歌ってる。呆れるけれど、でも、愛おしい思い出。
「アンタ、凄いわね…なんかさ、小説書いた方が良いよ。絶対、イケるよ。才能あるよ。」
ああ、悔しい…嫉妬してしまうわ。私は山臥を褒めた。
そして、 今、私が恋愛小説家として足りない部分を悟った。
一言で、人の気持ちをハジけさせる台詞。
この感覚が欲しいから、金を出しても読者は本を買うのだ。
自分では、こんな、ウレシ恥ずかしの台詞が作り出せないし、自分で作った台詞では、気持ちが弾けないからだ。
山臥をバカにしているようでは、恋愛ジャンルで小銭なんて稼げないわ。
「嫌だね。俺はそんな派手な舞台には立ちたくないんだよ。」
と、いつの間にかコーヒーを取りに行った山臥は私ににもコーヒーをくれた。
「別に…派手って事はないよ。」
そうそう簡単に読者がチヤホヤしてくれる存在にはなれない。私は肩をすくめた。
「だとしても…俺に文学は似合わないよ。」
と、ニヒルに笑いながらコーヒーを山臥は口にする。
「才能あると思うんだけどなぁ…」
恋愛ジャンル今、人気なんだよなぁ。
ため息をつく。そして、山臥に少し皮肉を込めた世辞を付け加えた。
「ありがとう。参考になった。味噌おでんが食べられるように頑張るよ。」
「ああ。たくさん食べておいで。」
山臥のキラースマイルが眩しいわ。
現実は多分、10万字の完結が書けてもコンビニの大根が食えるかどうかが私の実力だ。
「ありがとう。お土産買ってくるよ。」
嫌みが通じない所に、書く側と書かない人との壁を感じた。
デザートも食べ終わり、我々は帰ることにした。
結論は出なかったけれど恋愛小説のヒントは貰えた。
山臥の台詞が胡散臭くて恥ずかしく感じるようでは、味噌おでんは食べさせては貰えない。
普通の人が考えない、なにか、痒いところに手が届くようなセリフを作れるようにならなくては。
いや、それが出来れば、ワンチャン、お皿の味噌おでんを食べさせて貰えるに違いない。
レシートを手に立ち上がる。
何も解決しないけれど、なんか、ヤル気が出てきた。
書き終わろう。
味噌おでんの分が稼げないとしても…
完結して、くっさい後書きを書いて、威風堂々と名古屋に行くんだ。
気持ちが前向きになる。その勢いでレジに向かった。
「ご馳走さま。本当によかった?」
山臥は心配そうに聞く。
「いいよ。実質、払ったの、自分の分だけだし、すごく参考になったわ。」
と、笑う私を山臥しは不思議そうに見ていた。
まあ、仕方ない。
宇宙人の話なんて、してなかったのだから。
「そう。それなら良かった。」
と、山臥は自転車用のヘルメットを被る。
それから、思い出したように私に言った。
「ああ、そうだ。もし、また悩んだら、世界をひっくり返すといい。」
山臥の声が、低く、ちょっと90年代のトレンディ男優を意識したイケ声になった。
「あ、うん。」
何が言いたいかは分からないが、とりあえず、相づちを打つ。
「気に入らないブラバッキーを肯定してみたらどうだろう?」
山臥、マジレスである。
「うん…ありがとう。」
曖昧に頷いた。山臥の言いたい事は分からないけれど、あんな変な話をしっかり聞いてくれたのが、ブラバッキーの一言に感じた。
「分からないかな?じゃあ、ガリレオを否定してみたらいい。」
「ガリレオ?」
「ああ、地動説を否定してみたら、今まで気づかなかった何かを見つけられるんじゃないかな?」
山臥は、90年代のイケメン探偵のようにアドバイスをくれた。
「地動説を否定する?」
何が言いたいのか、良く分からなかった。
山臥は、競技用の自転車に颯爽と乗ると、捨てぜりふの様に私にヒントを投げる。
「サンタクロース・シンドロームだよ。太陽は上るもので、地球が自転するとは言わないだろ?
明日はね、『来る』ものなんだよ。じゃあ。」
チリリーン。と、ベルを鳴らし、山臥は風のように去っていった。
「明日は、来るもの…かぁ。」
声に出してみた。
なんか、格好良く聞こえるけれど、だから、何だと言うのだろう?
私は叫ぶ。サンタさんを宇宙人にされるのに耐えられなかった。
いや、カッパみたいな両生類っぽいのはまだいい。
でも、サンタさんは…サンタさんは…やめてほしい(>_<)
かまえる私に、山臥は当たり前、といった表情でみる。
「宇宙人?馬鹿だな…サンタクロースは、指輪を持った彼氏に決まってるじゃないか。」
山臥は古いアメリカ映画の気のきいたジョークの後のようにウインクをする。
ぱあぁぁ~ん(///∇///)
サンタクロースはね、指輪を持った恋人カレシの事なのよっ。
ああ、頭のなかに、懐かしいクリスマスのBGMに少女漫画のヒロインが叫ぶ。
なんだろう?この高血圧とは違うドキドキは?ときめきはっ!
ああ…頭の中でバブルな彼女が新幹線ホームで恋人を待っている。
空港から直通の新幹線に乗った恋人をソワソワしながら待っている。
宇宙人より、娘時代の一般常識の方が問題な気がする、空港と新幹線は直通では無いはずだ。
多分、それは新幹線じゃなく、特急と間違ってる気もするが、でも、そんなのどうでもいいじゃん。だってその方がトレンディですもの。
バカ娘の私が頭の中で歌ってる。呆れるけれど、でも、愛おしい思い出。
「アンタ、凄いわね…なんかさ、小説書いた方が良いよ。絶対、イケるよ。才能あるよ。」
ああ、悔しい…嫉妬してしまうわ。私は山臥を褒めた。
そして、 今、私が恋愛小説家として足りない部分を悟った。
一言で、人の気持ちをハジけさせる台詞。
この感覚が欲しいから、金を出しても読者は本を買うのだ。
自分では、こんな、ウレシ恥ずかしの台詞が作り出せないし、自分で作った台詞では、気持ちが弾けないからだ。
山臥をバカにしているようでは、恋愛ジャンルで小銭なんて稼げないわ。
「嫌だね。俺はそんな派手な舞台には立ちたくないんだよ。」
と、いつの間にかコーヒーを取りに行った山臥は私ににもコーヒーをくれた。
「別に…派手って事はないよ。」
そうそう簡単に読者がチヤホヤしてくれる存在にはなれない。私は肩をすくめた。
「だとしても…俺に文学は似合わないよ。」
と、ニヒルに笑いながらコーヒーを山臥は口にする。
「才能あると思うんだけどなぁ…」
恋愛ジャンル今、人気なんだよなぁ。
ため息をつく。そして、山臥に少し皮肉を込めた世辞を付け加えた。
「ありがとう。参考になった。味噌おでんが食べられるように頑張るよ。」
「ああ。たくさん食べておいで。」
山臥のキラースマイルが眩しいわ。
現実は多分、10万字の完結が書けてもコンビニの大根が食えるかどうかが私の実力だ。
「ありがとう。お土産買ってくるよ。」
嫌みが通じない所に、書く側と書かない人との壁を感じた。
デザートも食べ終わり、我々は帰ることにした。
結論は出なかったけれど恋愛小説のヒントは貰えた。
山臥の台詞が胡散臭くて恥ずかしく感じるようでは、味噌おでんは食べさせては貰えない。
普通の人が考えない、なにか、痒いところに手が届くようなセリフを作れるようにならなくては。
いや、それが出来れば、ワンチャン、お皿の味噌おでんを食べさせて貰えるに違いない。
レシートを手に立ち上がる。
何も解決しないけれど、なんか、ヤル気が出てきた。
書き終わろう。
味噌おでんの分が稼げないとしても…
完結して、くっさい後書きを書いて、威風堂々と名古屋に行くんだ。
気持ちが前向きになる。その勢いでレジに向かった。
「ご馳走さま。本当によかった?」
山臥は心配そうに聞く。
「いいよ。実質、払ったの、自分の分だけだし、すごく参考になったわ。」
と、笑う私を山臥しは不思議そうに見ていた。
まあ、仕方ない。
宇宙人の話なんて、してなかったのだから。
「そう。それなら良かった。」
と、山臥は自転車用のヘルメットを被る。
それから、思い出したように私に言った。
「ああ、そうだ。もし、また悩んだら、世界をひっくり返すといい。」
山臥の声が、低く、ちょっと90年代のトレンディ男優を意識したイケ声になった。
「あ、うん。」
何が言いたいかは分からないが、とりあえず、相づちを打つ。
「気に入らないブラバッキーを肯定してみたらどうだろう?」
山臥、マジレスである。
「うん…ありがとう。」
曖昧に頷いた。山臥の言いたい事は分からないけれど、あんな変な話をしっかり聞いてくれたのが、ブラバッキーの一言に感じた。
「分からないかな?じゃあ、ガリレオを否定してみたらいい。」
「ガリレオ?」
「ああ、地動説を否定してみたら、今まで気づかなかった何かを見つけられるんじゃないかな?」
山臥は、90年代のイケメン探偵のようにアドバイスをくれた。
「地動説を否定する?」
何が言いたいのか、良く分からなかった。
山臥は、競技用の自転車に颯爽と乗ると、捨てぜりふの様に私にヒントを投げる。
「サンタクロース・シンドロームだよ。太陽は上るもので、地球が自転するとは言わないだろ?
明日はね、『来る』ものなんだよ。じゃあ。」
チリリーン。と、ベルを鳴らし、山臥は風のように去っていった。
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