まさかwebで ミステリー大賞に リベンジする日が来るなんて!

のーまじん

文字の大きさ
上 下
113 / 208
1917

24

しおりを挟む
  イキリ転生者…

  ネット系の異世界転生ファンタジーの主人公を批判する言葉である。

  細かいことは良く分からないけど、現実世界から異世界に転生して、凄い力を授かった主人公。
  数ある作品の中には、主人公が正義の為に暴走して、必要以上の破壊行為をする事がある。
  
  これは、ネット小説系の異世界ものが、ゲームの世界に由来しているのが、原因ではないかと私は考える。
  ゲームの場合、カタルシスを最大限に感じるために、攻撃のシーンを派手に演出したりする。
  あと、オンラインゲームなどでは、追加の料金を払うことで、協力な武器や魔法が使えるシステムが存在し、その優位性を楽しませ、次の課金に繋げるために、派手な破壊表現がとられたりする。

  で、この世界観で作られる物語は、オンラインゲームの破壊行為を彷彿とさせる激しい表現を用いる作者も少なからず存在する。

  この場合、ネットで小説をさらし、ゲームの世界観を認識しながら閲覧(み)られてる場合はいいけれど、
  一度(ひとたび)、書籍やアニメ化などになり、私のようなゲーム音痴の目にも止まるようになると、その派手な表現が、執拗に残虐で、主人公に共感できなくなる場合がある。

  共感される時は『キメ台詞』でも、違和感がある読者が台詞を見たら、『イキってる』ように見られてしまうわけだ。

  「どうしたの?急に黙っちゃって…」
ベルフェゴールに言われて、ハッとした。
「ああ、ゴメン。イキり転生者なんて、聖書の神様をいうからさ…でも、確かに、そう考えると、別の側面も見えるなって、思ってさ。」
私は話ながら、変に納得していた。

  キリスト教の神様は、イエス様だけれど、イエス様を作られた神が存在する。
  ヤハウェである。

  イエス様の生まれる前、ノアの時代には、人々が悪くなって、それに怒った神様は、ノアの一族と、方舟(はこぶね)に乗せた動物以外は、洪水で絶滅させてしまうのだ。

  この話は、人間の罪や愚かさを反省させて、神様に従おうと考えさせるエピソードとして昭和では語られた。
  そして、私も、信じて疑わなかった…神の愛を…

  が、イキり転生者…オンラインゲームの話と重ねると、確かに、人間は神様に似せても別物で、
  ゲームの中の村人みたいに、神様からしたら似て非なるものなのかもしれない。

  ネットファンタジーやゲームの世界では、ゴブリンは、弱小モンスターで、出会ったら問答無用で潰す存在だ。

  が、口伝(くでん)の昔話のゴブリンは、そんな弱小モンスターではないし、
  ゴブリンのエピソードの元に、黄色人種やケルト人などがモデルのエピソードも存在するんじゃないかと私は思う。

  そんなイメージを持つ私は、楽しそうにゴブリンを殺して行く表現には抵抗があるけれど、
  確かに、神様から見たら、私たちもゲームの脇役(モブ)のような、どうでもいい存在なのかもしれない…

「別の側面ね…。」
「うん。確かに、聖書の神様、結構、人類に容赦がないよね。」 

  私は、ノアの方舟のエピソードを思い出しながら、虹の青空を思い浮かべた。
「あら、今頃、気がついたの?あんなに堂々と、大量虐殺しているって、聖書に書いてあるのに。」
ベルフェゴールは、責めるように私を見る。
  私は、少し、不機嫌になりながら、虹のエピソードを思い出していた。

  「でも…やっぱりおかしいよ…ファティマの予言…」
「いきなり、どうしたの?」
ベルフェゴールがからかうように私を見る。
「いや、ノアの…虹のエピソードを思い出したんだよ。」

  そう、聖書の神様は、世界を水で満たして世界を一度、消滅させた。

  が、それがあまりにも徹底的にやり過ぎたので、少しは気が引けたのだろうか…
  虹をノアに見せると、2度と、ここまでド派手なお仕置きはしないとノアに約束するのだ。
「ああ、虹の話ね。」
ベルフェゴールはつまらなそうにため息をつく。
「うん。でもさ、ノアに虹が見える間は人類滅亡はしないって神様は約束したんなら、ファティマの聖母の…第3の予言に人類滅亡の要素がなくなるわよね?
  それしたら、神様が約束やぶりをした事になるじゃない!」
私は、叫びながら驚いた。
が、ベルフェゴールは冷たい目で私をにらんで、それから、盛大にため息をついて私を馬鹿にした。
「別に…洪水だけじゃないの?その約束。
  ファティマの聖母も、洪水がおこるなんて言わなかったのだろうし。温暖化で灼熱地獄とかは、カウントされないんじゃないの?」
ベルフェゴールは面倒くさそうに答えて、それから、席を立った。

  「コーヒー淹れてくるね。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

春の夜話…短編集

のーまじん
ホラー
[コンタクティ] 私は趣味で小説を書いている。年配女性。 空想の本の妖精とサイトのイベントを図書館のエントランスで考えていた。 ※この話は単体で読める様に書いているつもりですが。自作のミステリー大賞…の番外でもあります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活

まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳 様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。 子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開? 第二巻は、ホラー風味です。 【ご注意ください】 ※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます ※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります ※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます 【連載中】は、短時間で読めるように短い文節ごとでの公開になります。 (お気に入り登録いただけると通知が行き、便利かもです) その後、誤字脱字修正や辻褄合わせが行われて、合成された1話分にタイトルをつけ再公開されます。 (その前に、仮まとめ版が出る場合もある、かも、しれない、可能性) 物語の細部は連載時と変わることが多いので、二度読むのが通です。 表紙イラストはAI作成です。 (セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ) 題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...