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悪霊
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克也は私を軽く見て、このごに及んで「大した事じゃない」とか、言い出した。
もう、大したことでも、違っても、そこまで言ったら気になるじゃないか!
「ねえ、一体、どうやって密室にしたのよ!犯人は誰なのよっ(>_<。)」
しびれを切らす私に、克也はヤレヤレ顔をしているが、そんなもの、どうだって良い。
「知ったところで、仮説にすぎないさ。」
克也がボヤく。
「知ってるわよ。別に、小説には使わないから、参考に教えてよ。」
私の頭の中では探偵が、克也が何処を参考に密室を解いたのか探し始める。
『悪霊』の犯人探しの二次作は、きっと山ほどあるはずだから、それを小説で書いたりしたら、面倒になるに違いない。
が、参考に聞いてみたいと思う。
回答から検索をしたら、何か、新しいヒントを拾えるかもしれない。
ドキドキする私。
酔っぱらいの山臥を軽く見て、克也は苦笑しながら話始めた。
「日本の超常研究に触発された江戸川乱歩が作る事件だからね。
被害者は、土蔵に入る前に既に催眠術にかけられていたのさ。
そして、自ら鍵をあけ、フラフラと土蔵に入ると、自ら鍵をかけて全裸になったのさ。」
「はぁ?」
思わず叫び、叫びそうになるのをぐっとこらえた。
これだけじゃ、小説にはならない。
どんなふざけた結末でも、まずは、全容を聞いてから考えなくては!
「ごめん、びっくりしてさ…で、まさか、自分で体を切り刻んだとかは言わないわよね?」
努めて冷静に質問する。
確か、催眠術は、自分が拒絶するような事は、出来ないと聞いたことがある。
自分の体を数ヵ所も切り刻むなんて、無理だし、小説としても華がない。
「ああ、犯人は念動力を使って意識が朦朧とした被害者を切り刻み、そうして、念動力で凶器を回収したのさ。たぶん、カミソリの刃だと思う。」
「サイコキネシス(○_○)!!って、アンタ、いくらなんでも、それはないわよっ。昭和の特撮映画じゃあるまいし!」
さすがに叫んだ。
念動力なんて、推理小説では使ってはいけないはずだから。
そんな私に克也は答えを間違えた生徒を見るような顔をする。
「時代考証を考えてないね。1933年の話だ。
超能力は科学なんだよ。」
「科学!?」
ああ、克也は超常現象を語らせると、なんて良い顔をするんだろう…
馬鹿馬鹿しいと思うけど、小説ばえする不敵な顔がいいわ。
「そうさ、2012年、君は、俺に聞いてきたね?アメリカの超能力実験について。」
克也の昔話に、記憶がよみがえる…
「そうね、確かに聞いたわ。超能力実験は、まだやっているのかって。
で、あんたは言ったのよ。まるで、服の流行でも語るように『もう、それは時代おくれだよ』って。」
少し、責めるように克也に視線を投げる。
が、克也は、私の様子に呆れたようにため息をつき、気だるげに話始める。
「ああ、そうだよ。21世紀には既に、どこの国も超能力に興味を持たなくなった。が、70年代、東西冷戦の時代、ロシアは超能力を真剣に研究し、ペンタゴンは、追随するように研究を行った…」
克也は、昭和のアニメのナレーションのようにそう語り、そして、私を見て、こう質問した。
「『スターゲート・プロジェクト』を忘れてしまったのかい?」
「え、映画…だっけ?」
私は古い記憶を絞り出すように呟いた。
もう、大したことでも、違っても、そこまで言ったら気になるじゃないか!
「ねえ、一体、どうやって密室にしたのよ!犯人は誰なのよっ(>_<。)」
しびれを切らす私に、克也はヤレヤレ顔をしているが、そんなもの、どうだって良い。
「知ったところで、仮説にすぎないさ。」
克也がボヤく。
「知ってるわよ。別に、小説には使わないから、参考に教えてよ。」
私の頭の中では探偵が、克也が何処を参考に密室を解いたのか探し始める。
『悪霊』の犯人探しの二次作は、きっと山ほどあるはずだから、それを小説で書いたりしたら、面倒になるに違いない。
が、参考に聞いてみたいと思う。
回答から検索をしたら、何か、新しいヒントを拾えるかもしれない。
ドキドキする私。
酔っぱらいの山臥を軽く見て、克也は苦笑しながら話始めた。
「日本の超常研究に触発された江戸川乱歩が作る事件だからね。
被害者は、土蔵に入る前に既に催眠術にかけられていたのさ。
そして、自ら鍵をあけ、フラフラと土蔵に入ると、自ら鍵をかけて全裸になったのさ。」
「はぁ?」
思わず叫び、叫びそうになるのをぐっとこらえた。
これだけじゃ、小説にはならない。
どんなふざけた結末でも、まずは、全容を聞いてから考えなくては!
「ごめん、びっくりしてさ…で、まさか、自分で体を切り刻んだとかは言わないわよね?」
努めて冷静に質問する。
確か、催眠術は、自分が拒絶するような事は、出来ないと聞いたことがある。
自分の体を数ヵ所も切り刻むなんて、無理だし、小説としても華がない。
「ああ、犯人は念動力を使って意識が朦朧とした被害者を切り刻み、そうして、念動力で凶器を回収したのさ。たぶん、カミソリの刃だと思う。」
「サイコキネシス(○_○)!!って、アンタ、いくらなんでも、それはないわよっ。昭和の特撮映画じゃあるまいし!」
さすがに叫んだ。
念動力なんて、推理小説では使ってはいけないはずだから。
そんな私に克也は答えを間違えた生徒を見るような顔をする。
「時代考証を考えてないね。1933年の話だ。
超能力は科学なんだよ。」
「科学!?」
ああ、克也は超常現象を語らせると、なんて良い顔をするんだろう…
馬鹿馬鹿しいと思うけど、小説ばえする不敵な顔がいいわ。
「そうさ、2012年、君は、俺に聞いてきたね?アメリカの超能力実験について。」
克也の昔話に、記憶がよみがえる…
「そうね、確かに聞いたわ。超能力実験は、まだやっているのかって。
で、あんたは言ったのよ。まるで、服の流行でも語るように『もう、それは時代おくれだよ』って。」
少し、責めるように克也に視線を投げる。
が、克也は、私の様子に呆れたようにため息をつき、気だるげに話始める。
「ああ、そうだよ。21世紀には既に、どこの国も超能力に興味を持たなくなった。が、70年代、東西冷戦の時代、ロシアは超能力を真剣に研究し、ペンタゴンは、追随するように研究を行った…」
克也は、昭和のアニメのナレーションのようにそう語り、そして、私を見て、こう質問した。
「『スターゲート・プロジェクト』を忘れてしまったのかい?」
「え、映画…だっけ?」
私は古い記憶を絞り出すように呟いた。
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