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奈穂子は混乱していたが、少しすると落ち着いた。それから、国語の授業でもするようにBLと『やおい』の違いを説明し始めた。
「つまり、昔のBLがやおいなの?」
葵の言葉に、奈穂子は、首を横にふり、できの悪い生徒に説明する先生のように、上から目線で説明をする。
「違うわ…まっ…たく違うわ。他の作品は別としても、あの人の作品は…BLではなくて、純文学に近いのよ。」
と、奈穂子は言うが、ただのラノベではないかと葵は思った。
そして、ミス・セプテンバーは、奈穂子の推し女(メン)なんだと言うことだけは理解した。
「そうなんだ…。」
と、葵は曖昧(あいまい)な返事をしながら、本当に話すべき事を口にする為に、気持ちに助走をつける。
「だから、叔母さん、挿し絵を描いたんでしょ?あの…ロンドン浪漫の絵師、ホリタツって、叔母さんだよね?」
葵は、口にしながら少しだけ冷静な気持ちになる。
そう、あの作品の挿し絵を書いていても何も問題はない。
遥希くんすら、BLだって気がついてなかったし。
問題は、叔母さんが薄い本を書いてなきゃ、良いのだ。
「ほんと…なんで、そんな事知ってるの?まさか、葵、あなた、私のファン?」
奈穂子が呆れたようにそう言うのを葵は、苦笑で返す。
「私じゃないわ。熱烈なファンは、遥希くんと秀実ちゃん。
飛騨 秀実ちゃんは、私達の活動のメンバーで、叔母さんに自分の作品の挿し絵を書いて欲しがってるよ。」
と、言いながら葵は、今度は秀実が心配になってきた。
DEEPなBL挿し絵なんてねだったりしないだろうか…。それで、奈穂子を怒らせないか、それが心配だった。
「えっ…(°∇°;)いやよう。私は、もう、絵は描いてないもの。下手になってると思うから。」
奈穂子の顔が、少しだけ影を帯びたことを葵は見逃さなかった。
絵を描かなくなった奈穂子。
その理由を考えると、何やら、漠然とした不安が葵の胸に膨らんでくる。
「つまり、昔のBLがやおいなの?」
葵の言葉に、奈穂子は、首を横にふり、できの悪い生徒に説明する先生のように、上から目線で説明をする。
「違うわ…まっ…たく違うわ。他の作品は別としても、あの人の作品は…BLではなくて、純文学に近いのよ。」
と、奈穂子は言うが、ただのラノベではないかと葵は思った。
そして、ミス・セプテンバーは、奈穂子の推し女(メン)なんだと言うことだけは理解した。
「そうなんだ…。」
と、葵は曖昧(あいまい)な返事をしながら、本当に話すべき事を口にする為に、気持ちに助走をつける。
「だから、叔母さん、挿し絵を描いたんでしょ?あの…ロンドン浪漫の絵師、ホリタツって、叔母さんだよね?」
葵は、口にしながら少しだけ冷静な気持ちになる。
そう、あの作品の挿し絵を書いていても何も問題はない。
遥希くんすら、BLだって気がついてなかったし。
問題は、叔母さんが薄い本を書いてなきゃ、良いのだ。
「ほんと…なんで、そんな事知ってるの?まさか、葵、あなた、私のファン?」
奈穂子が呆れたようにそう言うのを葵は、苦笑で返す。
「私じゃないわ。熱烈なファンは、遥希くんと秀実ちゃん。
飛騨 秀実ちゃんは、私達の活動のメンバーで、叔母さんに自分の作品の挿し絵を書いて欲しがってるよ。」
と、言いながら葵は、今度は秀実が心配になってきた。
DEEPなBL挿し絵なんてねだったりしないだろうか…。それで、奈穂子を怒らせないか、それが心配だった。
「えっ…(°∇°;)いやよう。私は、もう、絵は描いてないもの。下手になってると思うから。」
奈穂子の顔が、少しだけ影を帯びたことを葵は見逃さなかった。
絵を描かなくなった奈穂子。
その理由を考えると、何やら、漠然とした不安が葵の胸に膨らんでくる。
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