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活動開始
宇宙怪人
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部活は、一時間くらいで終わった。
文化部と言うこともあり、最近は自宅で各自で調べたりする方が多くなった。
それは、寂しい事だが、忙しいときは助かったりもする。
早く帰れた分、帰り道で秀実と話が出来る。
駅に行くまでの通学路にある公園に寄り道する。
推理小説を考えていたのに、いきなり、童話を書けと言われても葵は混乱する。
「童話って…何をすればいいのっ。」
葵は心配そうに秀実に聞く。
「書けばいいのよ。」
秀実は、のんびりとそう言って、葵の前を歩いて行く。
「俺も書くのか?」
葵の隣で遥希も心配そうに聞いた。
それを聞いて、秀実がくるりと回って、後ろ向きに歩き出す。
「そうね……皆で書いてみる?」
秀実は嬉しそうに話すが、葵は嬉しくない。
「童話なんて書けないわ。何を書いたらいいかも分からないし。」
葵の声が不満の分だけ大きくなる。
「乱歩を書いたらいいんじゃないかな?
ああ、テーマがあるから、それは上手く話に織り込んでね。」
秀実は葵の腕をとって、嬉しそうに並んで歩く。
「テーマ…ってなに?」
葵は、とりあえず、聞いてみる。
「今年は『宇宙』素敵でしょ?」
と、秀実は言うが、葵も遥希もドン引きする。
童話…宇宙…乱歩(-"-;)
どうしろと言うのだろう?
混乱する葵の横で、遥希は、大きな指を器用に動かして検索している。
「凄いな、江戸川乱歩で『宇宙怪人』て作品がヒットした。」
遥希の台詞に、葵が足を止める。
「うちゅう…怪人( ; ゜Д゜)」
「宇宙怪人は、1950年代の児童文庫のようだ。
怪人40面相と明智小五郎のバトルものらしい。」
遥希も止まって葵に説明する。
「え?二十面相の間違いじゃないの?」
葵は反射的に聞く。秀実が面白そうに、遥希のスマホを覗きこむ。
「マジ…四十面相にレベルアップしてるっ!!」
秀実には、笑いのツボだったらしく笑い出す。
その様子に、葵も遥希の右腕に手を乗せてスマホを覗きこむ。
「怪人……なにそれっ。UFOとかも登場するって……信じらんない。」
葵の両手に力が入り、遥希は、少し驚くが、いきなり、葵が自分の胸の辺りで頭を上げて目を潤ませるので、痛いと言うのを忘れてしまう。
「大川くんは、コレを使うの?」
葵の問いかけに遥希は焦る。
木曽さんの手って、小さいな。
「木曽さん、腕が痛いよ。」
遥希は少し困りながらそう言った。
葵が、その言葉の意味を理解するのに、2、3秒、至近距離、アップで遥希を不思議そうに見つめる。
遥希は、少し照れたような困り顔で葵を見つめ返す。
(゜ロ゜)!!
自分の手の事だと理解して、葵は、小さな悲鳴を上げて遥希と離れると、なんだか知らないが、ピョンピョン跳ねる。
「ごめん、ごめん(///∇///)、痛かった?」
と、赤面しながら聞いてくる葵に、遥希は静かに首を横にふる。
「別に、大丈夫だ。それよりも、『宇宙怪人』で童話の投稿をするの?」
遥希に聞かれて、葵は、そちらにもビックリする。
「えっ…(°∇°;)むり!無理無理無理。」
今度は葵が、首を横に降る番だ。
『宇宙怪人』
1953年に江戸川乱歩が、少年向けに雑誌に連載した物語である。
UFOなどが登場するが、基本、明智小五郎と怪人四十面相との推理バトルである。
この作品から『ヘリコプター』と呼ばれる、箱形のドローンのようなアイテムが登場する、夢あふれる冒険小説である。
文化部と言うこともあり、最近は自宅で各自で調べたりする方が多くなった。
それは、寂しい事だが、忙しいときは助かったりもする。
早く帰れた分、帰り道で秀実と話が出来る。
駅に行くまでの通学路にある公園に寄り道する。
推理小説を考えていたのに、いきなり、童話を書けと言われても葵は混乱する。
「童話って…何をすればいいのっ。」
葵は心配そうに秀実に聞く。
「書けばいいのよ。」
秀実は、のんびりとそう言って、葵の前を歩いて行く。
「俺も書くのか?」
葵の隣で遥希も心配そうに聞いた。
それを聞いて、秀実がくるりと回って、後ろ向きに歩き出す。
「そうね……皆で書いてみる?」
秀実は嬉しそうに話すが、葵は嬉しくない。
「童話なんて書けないわ。何を書いたらいいかも分からないし。」
葵の声が不満の分だけ大きくなる。
「乱歩を書いたらいいんじゃないかな?
ああ、テーマがあるから、それは上手く話に織り込んでね。」
秀実は葵の腕をとって、嬉しそうに並んで歩く。
「テーマ…ってなに?」
葵は、とりあえず、聞いてみる。
「今年は『宇宙』素敵でしょ?」
と、秀実は言うが、葵も遥希もドン引きする。
童話…宇宙…乱歩(-"-;)
どうしろと言うのだろう?
混乱する葵の横で、遥希は、大きな指を器用に動かして検索している。
「凄いな、江戸川乱歩で『宇宙怪人』て作品がヒットした。」
遥希の台詞に、葵が足を止める。
「うちゅう…怪人( ; ゜Д゜)」
「宇宙怪人は、1950年代の児童文庫のようだ。
怪人40面相と明智小五郎のバトルものらしい。」
遥希も止まって葵に説明する。
「え?二十面相の間違いじゃないの?」
葵は反射的に聞く。秀実が面白そうに、遥希のスマホを覗きこむ。
「マジ…四十面相にレベルアップしてるっ!!」
秀実には、笑いのツボだったらしく笑い出す。
その様子に、葵も遥希の右腕に手を乗せてスマホを覗きこむ。
「怪人……なにそれっ。UFOとかも登場するって……信じらんない。」
葵の両手に力が入り、遥希は、少し驚くが、いきなり、葵が自分の胸の辺りで頭を上げて目を潤ませるので、痛いと言うのを忘れてしまう。
「大川くんは、コレを使うの?」
葵の問いかけに遥希は焦る。
木曽さんの手って、小さいな。
「木曽さん、腕が痛いよ。」
遥希は少し困りながらそう言った。
葵が、その言葉の意味を理解するのに、2、3秒、至近距離、アップで遥希を不思議そうに見つめる。
遥希は、少し照れたような困り顔で葵を見つめ返す。
(゜ロ゜)!!
自分の手の事だと理解して、葵は、小さな悲鳴を上げて遥希と離れると、なんだか知らないが、ピョンピョン跳ねる。
「ごめん、ごめん(///∇///)、痛かった?」
と、赤面しながら聞いてくる葵に、遥希は静かに首を横にふる。
「別に、大丈夫だ。それよりも、『宇宙怪人』で童話の投稿をするの?」
遥希に聞かれて、葵は、そちらにもビックリする。
「えっ…(°∇°;)むり!無理無理無理。」
今度は葵が、首を横に降る番だ。
『宇宙怪人』
1953年に江戸川乱歩が、少年向けに雑誌に連載した物語である。
UFOなどが登場するが、基本、明智小五郎と怪人四十面相との推理バトルである。
この作品から『ヘリコプター』と呼ばれる、箱形のドローンのようなアイテムが登場する、夢あふれる冒険小説である。
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