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葵と遥希は、この時点で自分達が思ったよりも面倒な事を始めた事に気がついた。
秀実は少し呆れながら、思い出したように遥希に聞く。
「ところで、私の本は?」
秀実の言葉に葵は弾かれたように鞄から本を取り出した。
「ありがとう。私も借りちゃったの。」
葵は秀実に本を返した。
秀実は本を受け取りながら二人を見る。
「ところで、大川くん、この本の感想を聞かせてくれない?」
秀実の唐突な質問に葵も興味を引かれる。
超、淡い恋愛ジレジレのアーサーとグラストンのBL…BL初体験の、と、言うか、BL自体知らなそうな遥希の感想は、葵にも興味がある。
特に、刑事のアロンダイトに追い詰められたアーサーを庇ったグラストンを愛してる…と、エンデングで冗談混じりにアーサーが抱きしめたシーンとか…
真面目で固そうな遥希にはどう見えたのだろう(*''*)
気持ちと裏腹に、そしらぬ顔を作る葵。
真逆に挑みかかるように遥希を見る秀実。
遥希は尋常でない雰囲気に緊張する。
「なんか…二人ともスゲーな。俺みたいなのが、気軽に参加して良かったのか心配になるよ。」
遥希は恐縮する。
「そんなことは今は、良いわ。私は『ロンドン浪漫』の感想を聞きたいの。」
秀実に促されて遥希は語り始めた。
「面白かったよ。19世紀のコーヒーショップの話とか、勉強になったし、
アーサーが司書として勤めた富豪の未亡人が変死して、彼が疑われて、心配するグラストンや、アーサーをやり込めたい刑事のアロンダイトの攻防とか…
これが自費出版の同人作品なんて木曽さんに教わるまで分からなかったよ。
多分、元ネタはシャーロック・ホームズなんだろうけど、元があっても気にならない面白さがあったよ。」
遥希の回答は優等生のようだった。
葵は何故かがっかりしてため息が出る。
が、秀実はなお嬉しそうに遥希を観察している。
「で、冷静沈着なアーサーが、最後にグラストンに抱きついたのは、どう感じたの?」
秀実の質問に葵が遥希を見る。
そうよ、そこ、そこが知りたいのよっ。
葵はドキドキしながら秀実のナイス質問に、心の『いいね』ボタンを連打する。
少し頬を赤く染めて、じっと葵に見つめられて、遥希は混乱する。
何か、凄いコメントをしないと、格好がつかない雰囲気が流れている。
遥希は変な緊張感を唾と共に飲み込んだ。
「わるい、西洋文学とか、良くわからないんだ。」
遥希、一気に格好つけるのを諦める。
「え、文学!?愛してるとかいってたじゃん!」
葵が思わず口走る。
それに遥希が眉を寄せながら反応する。
「そうだよな、確かに、日本語なんだけど西洋書の物語って、なんだか変なんだよな。
抱きついたり、キスするとか、生活習慣も違うし、愛してるとか、普通の会話でバンバン出てきて、なんか混乱するんだよ。」
遥希は、困った顔をする。
生活習慣……(>_<。)
葵は、何か、憑き物が落ちたように力が抜けるのを感じる。
逆に、秀実はニヤリと嬉しそうに笑う。
「そう…あなたには、アレがそう見えるのね。」
何故か秀実は上から目線で遥希を見るが、混乱している遥希は、それを素直に受け止めている。
「で、木曽さん、折角だから、あなたの感想も教えてくれない?」
秀実に言われて、葵は顔をあげる。
え、今、男子の前で、BL感想を言えと、そう言われてるのでしょうか( ̄□ ̄;)!!
今度は葵が混乱する番である。
秀実は少し呆れながら、思い出したように遥希に聞く。
「ところで、私の本は?」
秀実の言葉に葵は弾かれたように鞄から本を取り出した。
「ありがとう。私も借りちゃったの。」
葵は秀実に本を返した。
秀実は本を受け取りながら二人を見る。
「ところで、大川くん、この本の感想を聞かせてくれない?」
秀実の唐突な質問に葵も興味を引かれる。
超、淡い恋愛ジレジレのアーサーとグラストンのBL…BL初体験の、と、言うか、BL自体知らなそうな遥希の感想は、葵にも興味がある。
特に、刑事のアロンダイトに追い詰められたアーサーを庇ったグラストンを愛してる…と、エンデングで冗談混じりにアーサーが抱きしめたシーンとか…
真面目で固そうな遥希にはどう見えたのだろう(*''*)
気持ちと裏腹に、そしらぬ顔を作る葵。
真逆に挑みかかるように遥希を見る秀実。
遥希は尋常でない雰囲気に緊張する。
「なんか…二人ともスゲーな。俺みたいなのが、気軽に参加して良かったのか心配になるよ。」
遥希は恐縮する。
「そんなことは今は、良いわ。私は『ロンドン浪漫』の感想を聞きたいの。」
秀実に促されて遥希は語り始めた。
「面白かったよ。19世紀のコーヒーショップの話とか、勉強になったし、
アーサーが司書として勤めた富豪の未亡人が変死して、彼が疑われて、心配するグラストンや、アーサーをやり込めたい刑事のアロンダイトの攻防とか…
これが自費出版の同人作品なんて木曽さんに教わるまで分からなかったよ。
多分、元ネタはシャーロック・ホームズなんだろうけど、元があっても気にならない面白さがあったよ。」
遥希の回答は優等生のようだった。
葵は何故かがっかりしてため息が出る。
が、秀実はなお嬉しそうに遥希を観察している。
「で、冷静沈着なアーサーが、最後にグラストンに抱きついたのは、どう感じたの?」
秀実の質問に葵が遥希を見る。
そうよ、そこ、そこが知りたいのよっ。
葵はドキドキしながら秀実のナイス質問に、心の『いいね』ボタンを連打する。
少し頬を赤く染めて、じっと葵に見つめられて、遥希は混乱する。
何か、凄いコメントをしないと、格好がつかない雰囲気が流れている。
遥希は変な緊張感を唾と共に飲み込んだ。
「わるい、西洋文学とか、良くわからないんだ。」
遥希、一気に格好つけるのを諦める。
「え、文学!?愛してるとかいってたじゃん!」
葵が思わず口走る。
それに遥希が眉を寄せながら反応する。
「そうだよな、確かに、日本語なんだけど西洋書の物語って、なんだか変なんだよな。
抱きついたり、キスするとか、生活習慣も違うし、愛してるとか、普通の会話でバンバン出てきて、なんか混乱するんだよ。」
遥希は、困った顔をする。
生活習慣……(>_<。)
葵は、何か、憑き物が落ちたように力が抜けるのを感じる。
逆に、秀実はニヤリと嬉しそうに笑う。
「そう…あなたには、アレがそう見えるのね。」
何故か秀実は上から目線で遥希を見るが、混乱している遥希は、それを素直に受け止めている。
「で、木曽さん、折角だから、あなたの感想も教えてくれない?」
秀実に言われて、葵は顔をあげる。
え、今、男子の前で、BL感想を言えと、そう言われてるのでしょうか( ̄□ ̄;)!!
今度は葵が混乱する番である。
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