祓魔師 短編集

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ちょっと一服 〜作者のぼやき〜7

 話を進めるために適当に作ったキャラ、それがレクスだ。


 ラグーザ兵と言うイタリアの軽歩兵で、ラグーザの意味を調べると、シチリア島にある地域の事らしい。

 別にラグーザ兵がみんなシチリアの人でもなさそうだけど、レクスは生粋のシチリアの人間だ。


シチリア。


名前に馴染みのあるこの地域は、地中海に浮かぶイタリアの島である。


マフィアなどの怖いイメージがあるとしたら、マフィア映画の撮影場所だからかもしれない。


 ネットで検索すると、美しい地中海の海と町並みの画像が沢山出てくる。


古くはギリシア人も住んでいて、アルキメデスもこの島の出身だ。


カルタゴの支配下におかれた時もある。


と、言う事で、少ない知識でこの地域で浮かぶ人物と言えば、


ナポレオン(コルシカ島出身)


ハンニバル(カルタゴの将軍)


が精一杯だ。まあ、この猛々しい二人をイメージして、レクスを作るのも良いけど、私の知識があっという間に枯渇するので、戦国武将の豊臣秀吉をモデルに考える。


と、言うわけで、レクスの父さんは船乗りでレクスが小さいときに亡くなる。

義理の親父とは仲良くなく、12才の時に家出、ヴェネチア人の商人と島をでる。

その時に、読み書きなど様々な知識を身に付ける。

秀吉は、殺戮を中心とした戦い方より、建造物や自然を使った作戦で成功していたイメージがあるから、レクスもそんな感じで盛ってゆく。


確か、古代ローマ兵も壁を作ったり、大工仕事が得意だった気がするし。


で、なんで軽歩兵をしているのかは知らないけど、フランスから金儲けを企むヴェネチアやジェノバ、フェレンツェの商人と結託して、うまいことやってる。

まあ、そう言うと、なんだか商人が悪い人に思えるが、14世紀、フランス王は、テンプル騎士団から財産を巻き上げる前に、ユダヤ人の裕福な商人から財産を没収していたと思うから、これは復讐なのだ。




 レクスを秀吉をモデルで考えたのは良かった。


人生と家族構成を考えずにすむし、訳のわからない西洋史に親近感が沸いてきた。


秀吉は母親をとても大切にしていたが、

イタリア人も母親をとても大切にしているイメージがある。


映画などでも、働き者で陽気なイタリアのお母さんが登場するけれど、レクスのお母さんもそんな感じかもしれない。


レクスの実のお父さんは漁師で、時には商船の水先案内人ガイドや海賊討伐なんかをしている、地元では人気のある人で、初めての子供だったレクスを愛していた。


レクスは、あだ名だ。


日本でも昔は、太郎と次郎が多かったように、子供が多いから、名前がかぶる。


私は西洋史を広げる度にジャンとピエールばかりになってきて、頭が混乱するばかりだ。


だから、あだ名は必要になる。と、思う。


レクスの本名は、ジュリアスだ。皇帝の名前をいただいた(ジュリアス・シーザー)彼は、後に王レクスと名前は降格するが、ヨーロッパの各国で一目おかれる人物になる。


すばしっこくて、人懐っこく、頭の回転がいい。


地中海の十字路と言われるシチリア島に住んでいるので、ヴェネチアはもとより、アラブやアフリカの商人とも交流があり、普通の会話なら、五か国語を話せる設定だ。


この能力は、後に傭兵のまとめ役をするのに役に立つことになる。


８才になると、母親を手伝い、近所の貴族の家に魚を届けて小銭を稼ぐ。


この貴族には子供が居なくて、滑稽で明るいレクスは気に入られる。

この辺りで、知識人や貴族と知り合いを作ることにしよう。


秀吉には、異母兄弟の秀長がいたから、レクスにもそんな弟がいる。


私の話には、シチリアに秘密結社の騎士団がいることになっているから、弟はこの辺りと繋がりを持たせて、これでレクスと秘密結社の関係を作る。


利休は、修道士のソムリエかぁ。


なんだか、二次感がたのしいなぁ。


確か、シャルル７世はフランスを絶対王政にまとめてゆくはずだから、なんか、秀吉の天下統一を想像させる。まあ、レクスが歴史の表舞台には登場しないけど。


が、このレクス、ジャンの下で働いていたので、ジャンと信長を比べたくなる。


すると、ジャンの一家惨殺の話も、信長の比叡山焼き討ちと並べて考えてしまうから、ジャンの怖いイメージが少しだけ薄れてきた。

まあ、ジャンは、信長のようには短気ではないんだけれど。


しかし、有名人をモデルに話を考えるのは楽しい。

そして、話の筋が考えやすい。


 そんな事をボンヤリと考えた事がある。