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セカンドシーズン
調子にのる人、もう遅い人
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結局、皆、お金持ちのイケメンとか、可愛く純真な少年が好きなんじゃないさっ(*`Д´)ノ!!!
私は、炭酸水を飲み干しただけなのに、お酒を飲んだようなグダグダとした気持ちになる。
ネット小説の主人公は、ニートとか無職とか、オッサンが人気で、そういった人に優しいとか、そんな話を聞いていたけれど、なんて事はない、結局、皆、異世界で変身してイケメンになるんじゃないっ。
不器用なオッサンなんて、書いたって一円にもならないんだわ。
今頃になって、そんな真実に気がついた。
雄二郎の設定があまりにも「なろう系」と呼ばれる主人公に似ていたので騙されてしまった……。
そう、はじめはオッサンでも、異世界ではイケメンの善人にならなければ読者はつかない。
だから、異世界で雄二郎の馬鹿話を繰り広げても失笑…どころか素通りされるだけだ。
しかも、「もう遅い」とか言う話にするには、フランダースの犬に登場するネロのような心が綺麗な少年が好まれる。
そんなの雄二郎には無理じゃん(>_<。)
私は頭が痛くなってきた。
読者の好みの善人にすれば、主人公は雄二郎ではなくなるし、
目覚ましかけずに遅刻してくる雄二郎なんて、読者だってドン引きするに違いない。
つまり、金にはならないのだ。
ここに来て、ネットの小説でお金を稼ぐ難しさが背中にグッとのしかかってきた。
仲間内では面白くても、赤の他人には面白味は無いのだ。雄二郎の話なんて。
スーパーのポイント、今月いくらついたかな?
ふと、いつも行くスーパーのポイントを思い返した。
今月は買い物を沢山したから、500円くらいあるかもしれない。
もう、これ、使っちゃおうかな?
私は哀しい気持ちになる。そして、面倒くさくもなってきた。
大体、どうして雄二郎の話で金儲けなんて出来ると考えたのか?
《正解》奈津子
ああっ…O(><;)
そう、奈津子、奈津子が言い出したのだ。
雄二郎は、現場ごとの契約で仕事をしてるので、たまに無職になる時がある。
そんなとき、雄二郎はやさぐれたりする。
そして、やさぐれる雄二郎に奈津子が励まし…なのか、悪口なのか分からないような、そんな激励をする。
「雄二郎…アンタ、ロクデナシだけど、要らないって訳でも無いよ。
馬鹿だけど素直だし、悪いことをしても小五レベルだし、それなりに魅力あると思うんだ。
昭和喜劇の世界なら。」
奈津子が真顔で落ち込む雄二郎にそう話しかけていた。
令和の現在、今更、昭和喜劇とか言われても、雄二郎だって困るに違いないが、怪しげな励ましのあいだ中、ひたすら奈津子のハンバーグの食べ残しを見つめていた雄二郎には、そんな事はどうでも良かったに違いない。
「それ…もう食べないの?」
と、奈津子の会話と食い違う質問で返答し、奈津子も気にしないでハンバーグの皿を渡していたから。
あの二人は、あれで話が通じていたのだろう。
なんだか、懐かしい笑いが込み上げる。
こずかいの少ない雄二郎を気にして、奈津子はよく大きなセットメニューを頼み、雄二郎に渡すことを考えて綺麗に食べていた。
私は、奈津子の特別扱いが気に入らなくて、対抗するようにフライドポテトなどのクーポンを新聞のチラシとかで集めては使っていた。
確かに、雄二郎は善人ではない。
でも、善人で、もう遅いをしたネロより、つまらないキャラだろうか?
否!!
私は、顔を上げた。
そう、ネットの世界に絶対的な正義なんて無い。
もう遅いが好きな人がいれば、雄二郎みたいな話が好きな人だっている。
そして、私は500円分の客を集めればいいのだ。
やる気が戻るのがわかる。両手を握りしめて歯を食いしばる。
そう、確かに、『フランダースの犬』は名作だ。
でも、ネロは周りの人を幸せには出来なかったではないか。
『もう遅い』って信者ったら、ふるさとの村は永遠に不人情な村にされたし、
村の人達は、死ぬまで後悔しながら生きなきゃいけなかった。
名作かもしれないけど、村おこしにはなってない。 特産品の一つも宣伝できない物語なんて…
じゃ、なく、皆が幸せになれない話なんて、つまらない。
その点、雄二郎は、村おこしの為に…その役員だった奈津子のために、紙袋を被って悪の組織として、隣町のヒーローに挑戦状を出そうとしていた。
紙袋を被れば、自分の事は分からないから、ネット動画も平気とか、昭和のヒーロー漫画の設定みたいな怪しい事を言いながら。
食いしん坊だから、特産品の説明だって絡められる。
名古屋名物、味噌おでんを10年、食べたいとボヤき、周りを巻き込む腕前は、天然ながら凄いと思う。
笑いが込み上げる。
雄二郎が悪の組織に入ることは無かった。
けれど、少なくとも、奴は村おこしの為に頑張ろうとはした。
先の見えないこんな時だから、こんなオバカの存在は必要なのかもしれない。
うん。そう言うことにしよう。
私は、パソコンに向かう。
ネットの異世界ものにはテンプレと呼ばれるよく使われる設定がある。
死んで異世界に転生し、
パーティに追放され、超絶スキルを発揮する。
超絶スキル(´-ω-`)
そう、雄二郎の不平を言っていた私達も奴の超絶スキルに悩まされることになる。
そう、雄二郎は何をかくそう晴れ男。
一時のあだ名がアメフラシ。
いじめると雨が降るのだ。
私は、炭酸水を飲み干しただけなのに、お酒を飲んだようなグダグダとした気持ちになる。
ネット小説の主人公は、ニートとか無職とか、オッサンが人気で、そういった人に優しいとか、そんな話を聞いていたけれど、なんて事はない、結局、皆、異世界で変身してイケメンになるんじゃないっ。
不器用なオッサンなんて、書いたって一円にもならないんだわ。
今頃になって、そんな真実に気がついた。
雄二郎の設定があまりにも「なろう系」と呼ばれる主人公に似ていたので騙されてしまった……。
そう、はじめはオッサンでも、異世界ではイケメンの善人にならなければ読者はつかない。
だから、異世界で雄二郎の馬鹿話を繰り広げても失笑…どころか素通りされるだけだ。
しかも、「もう遅い」とか言う話にするには、フランダースの犬に登場するネロのような心が綺麗な少年が好まれる。
そんなの雄二郎には無理じゃん(>_<。)
私は頭が痛くなってきた。
読者の好みの善人にすれば、主人公は雄二郎ではなくなるし、
目覚ましかけずに遅刻してくる雄二郎なんて、読者だってドン引きするに違いない。
つまり、金にはならないのだ。
ここに来て、ネットの小説でお金を稼ぐ難しさが背中にグッとのしかかってきた。
仲間内では面白くても、赤の他人には面白味は無いのだ。雄二郎の話なんて。
スーパーのポイント、今月いくらついたかな?
ふと、いつも行くスーパーのポイントを思い返した。
今月は買い物を沢山したから、500円くらいあるかもしれない。
もう、これ、使っちゃおうかな?
私は哀しい気持ちになる。そして、面倒くさくもなってきた。
大体、どうして雄二郎の話で金儲けなんて出来ると考えたのか?
《正解》奈津子
ああっ…O(><;)
そう、奈津子、奈津子が言い出したのだ。
雄二郎は、現場ごとの契約で仕事をしてるので、たまに無職になる時がある。
そんなとき、雄二郎はやさぐれたりする。
そして、やさぐれる雄二郎に奈津子が励まし…なのか、悪口なのか分からないような、そんな激励をする。
「雄二郎…アンタ、ロクデナシだけど、要らないって訳でも無いよ。
馬鹿だけど素直だし、悪いことをしても小五レベルだし、それなりに魅力あると思うんだ。
昭和喜劇の世界なら。」
奈津子が真顔で落ち込む雄二郎にそう話しかけていた。
令和の現在、今更、昭和喜劇とか言われても、雄二郎だって困るに違いないが、怪しげな励ましのあいだ中、ひたすら奈津子のハンバーグの食べ残しを見つめていた雄二郎には、そんな事はどうでも良かったに違いない。
「それ…もう食べないの?」
と、奈津子の会話と食い違う質問で返答し、奈津子も気にしないでハンバーグの皿を渡していたから。
あの二人は、あれで話が通じていたのだろう。
なんだか、懐かしい笑いが込み上げる。
こずかいの少ない雄二郎を気にして、奈津子はよく大きなセットメニューを頼み、雄二郎に渡すことを考えて綺麗に食べていた。
私は、奈津子の特別扱いが気に入らなくて、対抗するようにフライドポテトなどのクーポンを新聞のチラシとかで集めては使っていた。
確かに、雄二郎は善人ではない。
でも、善人で、もう遅いをしたネロより、つまらないキャラだろうか?
否!!
私は、顔を上げた。
そう、ネットの世界に絶対的な正義なんて無い。
もう遅いが好きな人がいれば、雄二郎みたいな話が好きな人だっている。
そして、私は500円分の客を集めればいいのだ。
やる気が戻るのがわかる。両手を握りしめて歯を食いしばる。
そう、確かに、『フランダースの犬』は名作だ。
でも、ネロは周りの人を幸せには出来なかったではないか。
『もう遅い』って信者ったら、ふるさとの村は永遠に不人情な村にされたし、
村の人達は、死ぬまで後悔しながら生きなきゃいけなかった。
名作かもしれないけど、村おこしにはなってない。 特産品の一つも宣伝できない物語なんて…
じゃ、なく、皆が幸せになれない話なんて、つまらない。
その点、雄二郎は、村おこしの為に…その役員だった奈津子のために、紙袋を被って悪の組織として、隣町のヒーローに挑戦状を出そうとしていた。
紙袋を被れば、自分の事は分からないから、ネット動画も平気とか、昭和のヒーロー漫画の設定みたいな怪しい事を言いながら。
食いしん坊だから、特産品の説明だって絡められる。
名古屋名物、味噌おでんを10年、食べたいとボヤき、周りを巻き込む腕前は、天然ながら凄いと思う。
笑いが込み上げる。
雄二郎が悪の組織に入ることは無かった。
けれど、少なくとも、奴は村おこしの為に頑張ろうとはした。
先の見えないこんな時だから、こんなオバカの存在は必要なのかもしれない。
うん。そう言うことにしよう。
私は、パソコンに向かう。
ネットの異世界ものにはテンプレと呼ばれるよく使われる設定がある。
死んで異世界に転生し、
パーティに追放され、超絶スキルを発揮する。
超絶スキル(´-ω-`)
そう、雄二郎の不平を言っていた私達も奴の超絶スキルに悩まされることになる。
そう、雄二郎は何をかくそう晴れ男。
一時のあだ名がアメフラシ。
いじめると雨が降るのだ。
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